友人の彼女の友達と 4

2023/12/23

Y子と中途半端な関係を続けていた高3の12月のはじめの頃。
俺は仲の良かった女友達と久しぶりに電話していた。

ちなみにI子とY子は苗字が同じなんだが、偶然にもその子も同じ苗字だったりする。ありふれた苗字。名前はE香。

その子は、高3の初めの頃に同じクラスの友人と○袋のゲーセンでナンパして知り合った女子校のグループのうちの一人だった。

ナンパして仲良くなっただけで何もなかったけどね。俺は友達のお供みたいな感じでついていっただけだ。

E香と電話で、最近どうよみたいな話しになって、お互い寂しいクリスマスを迎えるんだねという話で盛り上がった。

E香は、誰かいい人紹介してよと俺に言った。
俺は眼中無いのかい…と軽くヘコんでみせたりもしたが、まぁ何人か紹介できるヤツがいたので
「わかった。じゃあ探しておくから、その代わり俺にも紹介してくれ。」
と半分冗談で返した。
E香は、俺の好みを聞き出して、じゃあ探してみると言った。

そして、お互い紹介できる人が見つかったらクリスマスに遊びに行こうという話しになった。

俺は早速、E香に紹介する友達にあたってみた。
Nと同じクラスのヤツで、Tという仲の良いヤツがいたんだ。
ちょうど俺やE香の住んでる同じ沿線に住んでるヤツで、わりとイケメンで社交的なヤツ。

ちょうど彼もクリスマスの予定が無かった。Tは俺の話にノリノリで乗ってきた。

数日後、E香から俺に紹介する子が見つかったとメールが来た。
色白で可愛くて、K君の好み通りだと思いますよ!とのことだった。

正直、女の言う可愛いと男の言う可愛いではかなり違う部分も多いので、このときは俺もあまり期待はしていなかった。
そんなわけで、俺たちはクリスマスに4人で遊びに行くことになった。

クリスマスの日、遊園地に行きたいという女性陣のリクエストで、豊○園遊園地に行くことになった。

俺とTは待ち合わせの時間よりかなり前に着いて、豊○園駅前のマックでコーヒー飲みながら話をしていた。
Tはイケメンのクセに緊張していて、しきりに気合を入れていた。

しばらくすると、E香から着いたという電話があって、俺たちはマックを出て待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせの場所に2人の女の子がいた。

一人はE香。まぁわざわざナンパして知り合っただけに、けっこう可愛い。
ちょっと地黒な肌で健康的な感じの子。制服姿しか見たことがなかったので、意外とギャル系の服装にちょっとビックリした。

だが、私立の女子校に通ってるだけあって、流石に服装以外は普通の高校生って感じだった。

そして、E香の隣に佇んでいる子を見て、俺は正直言ってちょっと固まってしまった。

セミロングの髪にパッチリした目と長いまつ毛、ちょっとアヒル唇でえくぼが印象的だった。
A美ですら霞んでしまうんじゃないかってくらい、可愛い子だった。

有名人に例えるのはあまりどうかと思うけど、例えるなら山口もえを少し幼くした感じの顔つき。
E香と違って派手めな服装ではなくて、ちょっと大人っぽい清楚な服装だった。
名前はM穂、E香と同じ中高一貫の女子校の同級生。ちょっと珍しい苗字だった。
俺たちも一通り自己紹介して、TはさっそくE香に積極的に話しかけていた。
最初は緊張していたM穂も、だんだん慣れてきて自分から話を振るようになっていった。

前半は4人で、ちょっとぎこちなくも和気藹々としていた。
E香とTはかなり波長が合ったようで、すぐに馴染んだようだった。
最後のほうは少しの時間だけど、E香とT、M穂と俺で別行動になった。

M穂と俺は、だいぶ仲良くなっていい感じになっていた。
M穂は見た目通り、とても真面目な子だった。
中学から今の女子校に通っていて、今まで彼氏が居たことは無かったらしかった。

「K君は彼女いるんですか?」
M穂が俺に聞いてきた。

「今はいないよ?」
一瞬Y子のことが頭をよぎったが、俺はそう答えた。

「今は…ってことは、過去にはいたんですね?」
M穂はちょっとイタズラっぽく聞いてきた。

「うーん、まぁね。M穂は?」
「私はいないんですよ~笑 だからデートとかすごく憧れるなぁ…」
「じゃあ今度二人でデートしようよ。俺で良ければ…」
「本当ですか?嬉しいです!」
「でも、今日も一応デートになるんじゃない?ダブルデートってヤツ。」
「あっ、そういえばそうですよね!E香とTさん、けっこうお似合いですもんね!」

夕方になり、E香とTのカップルに合流する間際、M穂とアドレスを交換した。
初めてM穂と出会ったその日は、あっという間に時間が過ぎていった。

最後に4人でプリクラを撮って、夕食の後帰路についた。
帰りは4人とも同じ西○線の下り。最初にTの最寄り駅に着いて、その次がM穂。
E香の最寄駅は、俺の最寄駅のかなり近くなので、M穂が降りてしばらくE香と二人きりだった。

「M穂ちゃん、いい子でしょ?」
「いい子どころか、俺には勿体無いくらいだよ。」
「次はどうするの?もう約束してるの?」
「んー、一応二人で会おうねってことになってる。」

「そっか。ちゃんとリードしてあげてね。」
「わかった。ところでおまえTはどうなのよ?」
「うん、凄くいい人だけど、まだいい人止まりかなぁ…」
「次の約束は?」
「ドライブ連れてってくれるって。」
「そか、頑張れよ。」
「うん。今日は楽しかったよ。ありがと!」
「こちらこそ、ありがとうな。」

E香は、俺の最寄駅の二つ手前の駅で降りていった。

その日の夜から、M穂とのメールのやりとりが始まった。
そして年が明けて1月に入りすぐ、俺は再びM穂と再会した。
待ち合わせ場所は、色々と思い出深い場所でもある所○駅西口だった。

その日は夕方から会うことになっていた。
俺はちょっと早めに待ち合わせ場所に着き、M穂を待った。
ほぼ時間通りにM穂がやってきた。M穂は白いコートを着ていた。M穂の嬉しそうな笑顔が眩しかった。

最初は、プ○ペ通りのカ○オケ館に入った。
個室に入ってM穂がコートを脱ぐと、M穂はコートの下にオレンジと白のストライプのロングTシャツを着ていた。
けっこうピッチリとしたロンTで、M穂の身体のラインがはっきりわかった。

意外なほど豊かな胸と綺麗な身体のラインだった。初めて会ったときは着込んでいたので気づかなかった。

ちょっと顔を赤らめて嬉しそうに歌本をめくるM穂に俺はしばし見とれてしまった。

でも、全てが初々しいM穂を見ていると、何故か下心はあまり沸いてこなかった。

「きゃぁ~緊張する~!」
M穂はそう言って歌い始めた。最初は浜崎あゆみの曲だったかな?
俺はカッコつけて、初っ端からいつかのメリークリスマスなんて歌った。ちょっと遅いけどね~なんて言いながら。

M穂は目をキラキラさせながら俺のほうを見つめて、一緒にリズムをとってくれていたり。

俺はとにかくバラード系で攻めた。M穂は、どの曲でも俺が歌っている間はずっとディスプレイではなく俺を見つめてくれていた。

M穂がSPEEDのWhiteLoveを歌った。
「これって、そのまま今の私の気持ちだなぁ…」
歌い終わった後、M穂がそう言ったような気がした。

カラオケが終わって、プリクラを撮った。恥ずかしがるM穂を、ちょっと強引に肩を抱き寄せて撮ってみた。
M穂は軽くパニックになって、結局そのショットはボツだった。

プ○ペ通りのパスタ屋で夕食を済ませ、ブラブラ歩いて行き着いたのは航○公園。
あの辺で学生カップルが語り合える場所って言ったら、まぁそこくらいしか無いしね。

その日はとても寒かった。近くの高層マンションの明かりがイルミネーションのようだった。

「帰りたくないなぁ…」と、M穂がつぶやいた。
「あのね、門限があるの。10時…高校生なのにありえないよねw」
「10時かぁ…でも俺がM穂の父親だったら、気持ちは判るw」
「うーん、帰りたくないよぉ…」
「でも門限守らないと、次はもっと門限早くなっちゃうよ?」
「………」
その後少しの間沈黙が続いた。

「…今日はデートの願いを叶えてくれてありがとうございました!」
M穂がとびっきりの笑顔で言った。

「いや、俺も楽しかったし、また一緒に遊びに行きたいな。」
「ほんと?こんなお子様な私と一緒で疲れない?」
「ううん、また一緒にデートしたい。何度でも、これからずっと。」
「ずっと…?」
「そう。だから…俺の彼女になってくれたら嬉しいな。」
「……はい。よろしくお願いします。」

少しの沈黙の後、M穂はそっと俺の肩に頭を乗せてもたれかかってきた。

「K君…?」
「なに?」
「初めて会った日、K君が彼氏だったらきっと素敵だなぁって思ったんだよ?」
「俺も、M穂を一目見たときからもう好きになってた…」

俺は嬉しいやら恥ずかしいやらで変な気持ちだった。

その後、時間ギリギリまでM穂と語り合った。
M穂との初めてのキスもことのきだった。唇を重ねるだけの軽いキスだった。
M穂は、人生のファーストキスだと言った。

<続く>

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