妻の告白 4

2023/04/13

妻から詳しく聞き出した後、妻に裏切られた事、男として課長に劣っている事で落胆し、もう元の夫婦に戻れないと絶望しましたが、その後、絶望は怒りに変わり、泣きじゃくっている妻の頬を思い切り叩き、課長に電話しました。
寝ていた様で中々出ず、やっと出たと思ったら寝惚けていて。
「西山君。こんな夜中になんだ?」
「人の家庭を壊しておいて寝ていたのか?妻が全て話したぞ。今すぐここに来い。嘘ばかり吐きやがって。すぐ来いよ。」

勿論妻も悪いのですが、ずる賢く、人の心理を逆手に取る事に長けた、口の旨い課長によって、初心な妻がこうなってしまった事も理解出来、私の怒りの比重は、課長の方に大きくなっていました。
しかしこの後、私も心理を逆手に取られ、演技力に騙され、課長の口車に乗ってしまうのです。

40分ほどしてやって来た課長は、玄関を入るなり土間に土下座して、10分ほど顔を上げずに謝り続けました。
「私が全て悪い。君の気が済む様に殴ってくれ。殺されてもいい。」

そう言われて殴ってやろうと思っていた私は、殴れなくなってしまいました。
部屋に入ってからも椅子に座らず、やはり土下座して謝り続けています。
課長は私の気が少し収まったのを感じて。

「ばれてからでは遅いが、私も目が覚めた。私が言うべき事では無いが、君はこの事を早く忘れたいと思う。すぐに金の話しかと思わずに聞いてくれ。」
この後課長は、離婚経験から慰謝料は50万が相場で離婚する場合は300万前後だという事、課長と妻二人に請求できる事などを他人事の様に説明し、次に、今回部下の奥さんとこういう事に成ってしまったのは不徳の致す所で、相場より多い80万、離婚の場合500万払うので、許して欲しいと言いました。

「人の家庭を壊しておいて、たったの80万?離婚で500万?」
「すまん。君も知っていると思うが、今の私には大金だ。離婚した時に売った家のローンがまだ残っているし、妻への慰謝料、養育費などで多額の借金が有る。80万でも今話しながら、どう工面したらいいのか考えていた。ましてや500万と成ると分割でしか払えない。裁判にして貰ってもいいが、これだけの金額は出ないし、世間や会社に知られるかもしれない。そうなると部下の奥さんという事で、私はクビになるだろう。私は自業自得だし、脱サラも考えていた所なのでいいが、こう言う事は尾ひれが付いて面白可笑しく噂し、君が会社に居づらくなるのが心配だ。」

多額の借金が有ることは噂で聞いていましたが、その内容は今話した物より、派手な生活で作ってしまった物でした。
初めから500万など払う気の無い課長は、離婚されない様に私の心を揺さぶってきます。

「もし離婚となると、子供達の年齢、君の仕事から考えても親権は京子さんになるだろう。私のしてしまった事で、君と子供を引き裂く事になってはお詫びの使用がなくなる。それでも離婚になった時は、京子さん達を路頭に迷わす事の無い様に、責任を持って面倒見させてもらう。」

頭の中に一家団欒の様子が浮かびましたが、妻や子供達と楽しそうに話しているのは、私では無く課長です。
またベッドの中で毎晩、課長の太い物を入れられている妻の姿も浮かび、それだけはどうしても我慢できずに、離婚する気が無い事を言うと、課長は私のパソコンを貸してくれと言って、すらすらと念書を作りました。

そこには私への謝罪と、80万振り込む事、妻には今後一切連絡もしないし、会わない事、また私へは、これで解決したものとし、今回の事でこれ以上お金の請求はしない事、ただし課長が約束を破った時はその範囲でない事等が書いて有りました。

帰国してからの、あまりの出来事と展開の速さに頭が付いていかない私は、まだ怒りは有りましたが、課長の言う事に納得してしまい、言われるままに署名捺印しました。
課長は署名した後、印鑑の代わりに拇印を押し、お互いに1部ずつ持つ事にして、謝りながら帰って行きました。

どう工面したのか知りませんが、月曜には80万振り込まれており、これで後は妻と私の問題に成ったと思っていましたが、プライドの高い課長は、やはり全て演技で、少しも反省しておらず、殴られたことを根に持ち、私への嫌がらせが始まりました。

振込みの有った翌日、昼休みに会社近くの公園のベンチで缶コーヒーを飲んでいると、課長がやって来て横に座り。
「西山君、済まなかったな。でも80万は痛かったな。まあ京子には色々させたが、上の口からも下の口からも涎を垂らして、ヒーヒー言っていたのは京子の方だ。本当は俺が京子からお金を貰ってもいい位だ。」

私が握り拳を作って立ち上がると。
「何だ?また殴るのか?殴ってもいいぞ。この前は事情が事情だったので我慢してやったが、もう念書を交わし解決金も払った事で済んだ過去の話になった。今度からは警察に届けて、治療費も請求するぞ。上司に暴力を振るえばまずクビだ。この不況の中、次の就職口は有るのか?」

私は、今後の生活の事を考えると殴れませんでした。
「人の妻を呼び捨てにするな。いくら上司でも失礼だろ。」
「京子は俺のケツの穴まで舐めて、自分で俺の太い物を入れて腰を動かしていた女だぞ。そう言わずに呼ばせてくれよ。それにしても京子は凄いな。“主人の物より気持ちいいですー”と言いながら、何回気を遣っても直ぐにまた求めてくる。あんな淫乱な女は初めてだ。君も大変だな。ハッハッハッ。」

課長が去った後、殴る事も言い返す事も出来ない自分に、やり場の無い怒りをベンチにぶつけていました。
その後も毎日の様に、私が1人になると側に来て、妻の身体の感想や気を遣る時の様子、妻から聞き出した私達のセックスの事まで話してくるという嫌がらせが続きました。

妻は、子供の前では普通に振舞っていますが、毎夜2人になると泣きながら許しを請い、別れないで欲しいと頼んできます。
私は、課長がどんな人間か分からせる為に、課長が話した内容を全て話して泣いている妻を更に責め、狂った様に泣き出す妻を見る事で、その日その日の鬱憤を吐き出していました。

出張に出ると課長に会わなくていいので、少しは楽になれると思っていましたが、1人になると、妻は反省した振りをしていただけで、またマンションに行っているのでは無いかと心配になり、毎晩電話していました。

結局、何処に居ても気の休まる事が有りませんでしたが、出張から帰って1週間もすると、課長は私の反応に飽きたのか、殆ど嫌がらせも無くなりました。

少し気持も落ち着いて来たある日、課内の飲み会が有り、女子社員も全員参加した事で課長はご機嫌で、女子が帰った後も男だけで飲み直し、次第に話は下の話になり、酔った社員が。
「課長はどうやって処理しているんですか?まさか離婚してから女無しって事は無いでしょ?」
「まあ色々と有ったな。OL、ナース、人妻。」
「もっと詳しく教えてくださいよ。どれが一番良かったですか?」
「それは何と言っても人妻だな。何より人妻はあれの味を知っているから、性欲剥き出しで挑んでくる。最近まで付き合っていたのが人妻だったんだが、この女がいい女でな、顔は綺麗と言うより可愛い感じで、脚はすらっと長く、腰は括れていて、やや下を向きかけているが胸が大きいんだ。とても子供を2人生んだ30代半ばの身体だとは思えん。」

「そんな女と、どうやって知り合うんですか?」
「その女は、若い時に少し付き合ったことが有ってな。その時は純情でキスをしようとしただけでも、真っ赤になって嫌がったのに、今では上に乗って、自分で腰を使いながら気を遣ってしまうんだ。そのギャップが何とも言えん。」
私の酔いはどんどん醒めていきました。

「まだ付き合っているんですか?」
「いや別れた。女は俺の大事な物を握って“これから離れられない。主人の小さいのじゃ満足出来ない”と言って縋り付いたが、好き物で一晩中求めて来るので、体がもたんと思って亭主に返してやった。」
それを聞き、違う社員が。
「俺、課長の物を見た事が有るけど凄いんだぞ。あんなのでされたら女は堪らないだろうな。それに引き換え可哀想なのはその亭主だ。返して貰っても課長の物以外では、ガバガバになっていて使い物に成らないんじゃないか?」
全員笑っていますが、私の顔は引き吊っていたと思います。

調子に乗った課長は更に。
「まあ亭主に悪いと思っていても、こいつの味を覚えてしまい、色んな気持ちいい事を覚えてしまった身体が、何時まで我慢出来るかな?また亭主の留守に泣きながら“もう我慢出来ません。太いのをください”と言って来る様な気がするが、来ても断る積もりだ。また一晩中上に乗って来て腰を使われては、俺がもたんからな。ハッハッハッ。」

自分に都合の良い様に変えて得意げに話す課長に、殺意を覚えて体が震え、テーブルの下では拳を作っていましたが、他人の浮気の話を聞く度に、まさか自分がその立場になるとは夢にも思わず、今まで、浮気をする男は甲斐性が有り、される男は情けない男だと思っていた私は、この時はまだ浮気されるのが情けないのでは無くて、浮気された後の対処の仕方が情けないのだとは気付かずに、今話している人妻が自分の妻だと分かり、情けない男と思われるのが怖くて、怒りをぐっと飲み込んでしまいました。

次の出張に行くと、課長の言った“何時まで我慢出来るかな?”という言葉が気になり、また毎晩電話をしてしまいます。
このままでは気が変になってしまいそうで、出張から帰ると、暫く別居しようと言いました。
妻は泣きながら許しを請いましたが、脅すためにしばしば使っていた“離婚”という言葉を口にすると、仕方なく了承しました。

別居と言っても、妻を自由にする事は心配だったので、実家に返す事にし、妻と子供達が出て行く前日、夜遅くに帰ると妻の両親が来ていて、義父は私の顔を見るなりその場に土下座し、それを見た義母と妻も慌てて土下座しました。
妻の両親には心配を掛けたくなかったので、今回の事を隠しておくつもりでしたが、妻が話した様です。

妻の父と母は、私達が結婚した時に“いい息子が出来た”と喜んでくれ、早くに両親を亡くした私に対して、本当の親以上に良くしてくれ、娘2人を嫁に出して2人暮らししている今でも、何かに付け面倒を見てくれていました。

こんな妻でもまだ愛していて別れる気は無かった上に、口では言えない位の恩の有るこの2人に土下座までされては、別居を止めて妻を許すしか有りません。

妻はもう2度とこの様な事はしないと、私たち3人の前で泣きながら何回も謝りましたが、私がゆっくり出張に行ける様に、義母の提案で、出張の間は両親のどちらかが泊まりに来て妻を監視してくれる事になり、夫婦の間も少しずつ以前の状態に戻りつつ有りました。

普段の夫婦関係は以前に近くなり、夜妻を責める事も少なくなり、あれ以来妻を抱く気になれなかった私も、性欲が出てきて。
「おい。俺の前に立ってパジャマを脱げ。」
私に一切逆らわなくなっていた妻は、下を向いて従い、下着姿になった時、やはり思い出してしまい、虐めてしまいました。

「奴にはあんなHな下着で、俺の時はそんなのか?」
妻は泣き出し。
「ごめんなさい。あれは捨ててしまって、こんなのしか持っていません。」
「持って無かったら買って来たらいいじゃないか。駅に行く道にアダルトショップが有るだろ。明日までに何枚か買って来い。」
「許して下さい。恥ずかしくて店に入れません。」
「恥ずかしい?奴にはあんな格好で、何でも言う事を聞いたお前が、俺の言う事は聞けないのか?もういい。」
私は背を向けて寝ました。

翌日、風呂から出てベッドで本を読んでいると、妻が入って来たと思ったら、無言でパジャマを脱ぎだしました。
妻は透けた真っ赤なベビードールを着ていて、短い裾から、やはり透けた真っ赤なTバックのショーツが丸見えになっています。
興奮した私が口でする様に言うと、妻は私の下を全て脱がせて、一生懸命頬張り、私は出そうに成ると妻を押し倒し、股の部分の布を横にずらして、少ししか濡れていない所に入れるとすぐに出し、妻を満足させる事無く、欲求を満たしました。

その後も、毎晩色々な格好をさせ、飽きるとまた買いに行かせて、欲求を満たしていましたが、妻を道具の様に扱い満足させた事は有りません。

それが妻に対する罰だと思っていましたが、本当は、妻は告白で私の物でも気を遣る事が出来たと言っていましたが、それは嘘で、演技だったのでは無いかと疑っていた為、満足させようとして妻が満足出来なかった時を思うと、怖かったのかも知れません。

そんな生活が暫く続いて4ヶ月ほど経った頃、心労と2重生活の為か、入院する程では無いのですが義父が体調を崩してしまい、もう妻の事は大丈夫だと思っていた事も有り、出張中の監視を断りました。

それから1ヶ月が過ぎ、火曜日に9日間の出張から戻ったその週の日曜日、久し振りに子供のミニバスの試合を見に行ったのですが、絶えず隣に座って離れなかった妻が、役員の為にハーフタイムの間、子供達の世話をしに行った時、知り合いのお母さんが来て。
「お義父様の具合はいかがですか?それにしてもお宅の娘さん達はしっかりしていて羨ましいです。夕食の後片付けや、朝食の準備までお手伝いしてくれて。家の娘と大違い。」
「娘がお世話になったのですか?妻に聞いていなかったので、御礼も言わずに済みません。」

「ええ。先週の金曜日に、お義父様のお世話でお義母様が疲れてしまって、一度ゆっくり寝かしてあげたいから一晩頼むと言われて。私は日曜までいいからと言ったんですけど、土曜日の夕方には迎えにいらして。私の所で良ければ、遠慮無くいつでも言って下さいね。」
「ありがとう御座います。その時はまたお世話になります。」
いくら鈍い私でも、妻が嘘を吐いて預かって貰った事は分かりました。
妻の両親に聞けば嘘が分かるのですが、これ以上心配を掛ける訳にはいきません。
その時、出張から帰った時に聞いた、部下の話を思い出しました。

「係長。課長は係長の出張に行った月曜日と今週の月曜日の2日もずる休みして、2週も続けて3連休にしたんですよ。風邪だと届けていましたが、先週の日曜日に偶然ショッピングセンターの家具売り場で会った時も、次に出社した時も、風邪の症状など何も無くて、元気そのものでしたから、絶対あれはずる休みです。次も風邪がぶり返したと言っていたけど、そんな様子は何も無かったです。私達は土、日も満足に休め無いのに、いくら社長のお気に入りだと言ってもするいです。何か有るんですかね?」
『また課長の所に?それも1日だけじゃ無い。信じていたのに。クソー。』
身体が振るえ、妻に何も告げず、体育館を後にしました。

娘の試合が終わって帰ってきた妻は、私の険しい顔を見て、どうして黙って先に帰ったのかも訊かずに、腫れ物にでも触るかのように接して来たので確信を持った私は、子供達が寝てから寝室に呼ぶと、妻は下を向いたまま震えて立っていました。

「何を言いたいのか分かるな?課長のマンションにまた行っただろ?もう離婚しか無い。今から荷物をまとめて出て行け。転職してでも子供達は俺が引き取る。お前の様な女に育てさせる訳にはいかん。」

泣き崩れた妻に、考えられるだけの汚い言葉を浴びせ続けました。
妻は子供が起きてこないか心配になる位、泣き叫びながら謝り、許しを請いましたが、1時間ほど経った時に私が。

「俺はお前の事をもう1度信じたんだ。2度も裏切られて我慢出来るほど大きな人間じゃない。もうお前の嘘泣きにはうんざりした。子供達にも全て話し、お前の事を一生怨みながら、子供達と生きていく事に決めたからいくら謝っても無駄だ。早くあいつの所へでも何処へでも行ってしまえ。」
そう言いながら、泣きじゃくる妻を足で突き倒すと、妻はゆっくり立ち上がり、ふらふらと歩き出すとクローゼットを開けて、一番大きなバッグに服を入れ様としましたが、急に走って来て私の足に縋り付き。
「あなたを愛しているのに、身体が。身体が。あなたに悪くて罪悪感に押し潰されそうなのに、この身体が。今、この家を出て死のうと思ったけど、最後のお願いです。最後はあなたに見守られて死にたい。あなたの手で死にたいです。お願いします。私を殺して。」
私は首を絞めながら仰向けに寝かせ、更に力を入れると、妻は涙を流しながら、じっと横たわっています。

1度も2度も同じだと思った訳では無いのですが、不思議と妻に対する怒りは前回ほどでは有りませんでした。

また、妻を満足させずに、長い間生殺しの状態にしていた事も原因の1つだと思いましたが、やはり何回も謝罪させ、苦しめずにはいられませんでした。
しかし、課長に対する怒りは前回以上で、その分も妻を虐めていたのです。

勿論、殺す気は無いので手加減していた手を離し。
「これが最後だぞ。もう次は無いぞ。俺は一生お前を信用しないかも知れない。今後俺の言う事は絶対で、間違っていると思っても口答えせずに従えるか?生活全てに俺に逆らう事は許さん。セックスも俺が望んだ時だけで、例えそれが人の居る屋外でも、裸になれと言ったら脱げるか?」

私にそんな趣味は有りませんでしたが、他にも無理難題を投げ掛けると、妻は泣きながら全てに頷き、感謝の言葉を言いながら縋り付いて来ました。

「やはりお前のして来た事全てを知らないと、再出発は無理だ。それに奴にもそれだけの償いはさせる。今度は俺が訊かなくても、自分から全て詳しく話せるな?嘘を吐いて後でそれが分かったら、今度こそ終わりだぞ。」
妻は何回も頷き、涙を拭きながら少しずつ話し出しました。

<続く>

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