妻の告白 5

2023/04/13

妻の告白を聞いても、妻への怒りは変わりませんでしたが、妻の言う事が本当なら、私にも責任が有ると思いました。
ただ、発覚した為に言っているだけでは無いだろうか?本当に別れたのか?セックス依存症などと言う病気が有るのか?それより、本当に心療内科に行ったのか?など疑問が浮かびましたが、そんな事より課長への怒りの方が強く、気が付くと課長のマンションへ車を走らせていました。

私は両親を相次いで病気で亡くし、歳の少し離れた姉と共に祖父母の世話になっていて、一時期ぐれて喧嘩ばかりしていましたが、母親代わりだった姉に恋人が出来、両親がいない上に、弟がこんな状態では結婚も出来ないと思い、そういう生活を辞めて、両親の残してくれた保険金で大学も出ました。

喧嘩が強かった訳では無いのですが、殴り合いになっても、喧嘩慣れしていない課長だけには負ける気がしなかったので、死ぬまで殴ってやる気で部屋の前まで行くと、私にとって良かったのか、課長にとって良かったのかは分かりませんが、何処かに出掛けている様で、電気も点いておらず、ドアにもたれて考えている内に、だんだんと冷静になってきました。

両親を早く亡くした私は、やはり子供達の事が気になり。
『課長を殺してしまって、何年も刑務所に入ることになったら、子供達はどうなってしまうのだろう?殺すまで行かなくても、やはり逮捕されると、後ろ指を刺され、肩身の狭い暮らしをさせてしまうだろうな。』
私が離婚しないのは、妻に未練があった事も有りますが、子供達を片親にしたくないという事も大きかったです。

そんな事を考えていた時、人の気配がして顔を上げると。
「西山君!!」
冷静になっていた筈でしたが、課長の顔を見た瞬間、手が先に出ていました。
よろけて尻餅を付いた課長に馬乗りになり、更に殴ると。
「どうしました?警察を呼びましょうか?」
振り向くと、隣のドアが少し開いていて、若い男が覗いていました。
「いや。何でも無い。友達と意見が食い違って、少し興奮しただけだ。西山君、中で話そう。」
私が課長から降りると、課長は頬を押さえながら鍵を開けて入って行ったので、私も入り、土足のまま上がってソフアーに座ると、課長は以前と同じ様に土下座して。
「すまん。悪かった。」
それだけ言うと、後は無言で土下座しています。
私も、どうやって決着を付ければ良いのか、どうやって気を収めれば良いのか分からず、無言でいました。

しばらく沈黙が続き、その間私は、どの様に決着をつければ良いか考えていました。
勿論、課長を殺してしまいたい気持ちは有りましたが、実際、殺人までは出来ない事は分かっていたので、課長の一番困る事は何かを考えましたが、一人身で家族という弱みの無い課長には、お金と会社での地位しかないと思い。
「黙っていないで、何とか言えよ。どうするつもりだ。」
「私には何も言えない。殴るなり、殺すなり好きにしてくれ。」
キッチンへ行き、包丁を持って来て彼の前に置き。
「お前のせいで俺の人生は無茶苦茶だ。人殺しになって、これ以上駄目になるのは御免だ。自分で死んでくれ。」

計算高い課長が、逆に私を刺して、人生を棒に振る事はしないと確信があり、また、これはお得意の演技で、反省している筈が無く、自分を刺す事も無いと分かっていたので、冷静な目で見ていると、やはり課長は、一度包丁を持って自分の首に当てたものの、すぐに下に置いて。

「死んでお詫びしようと思ったが、怖くて出来ない。他の条件なら何でも呑む。どうかこれだけは許してくれ。頼む。」
今回は前回とは私の怒りも違う事を示したかっただけで、こうなる事は分かっていました。

「それなら、もう二度と妻に近寄るな。俺の出張をすぐに減らせ。お前の顔を見たくないから、俺と顔を合わさない部署に代われ。それが出来なければ会社を辞めろ。それと慰謝料の一時金として百万。あくまでも一時金で、後は今後のお前の態度で決める。あれから俺も調べたが、確か慰謝料の請求は3年余裕が有ったよな?例えその時1円も取れなくても、皆に知られ様と裁判をする覚悟は出来ている。それと、俺はお前の事を一切信用していない。前回の様に念書も誓約書も書かん。すぐには和解しないで全て継続中にする。その代わり証拠として詫び状は書いてもらう。どうだ?全ての条件を呑めるか?」

課長は寝室に行くと札束を持って来て、私の前に置き。
「ここに百万有る。他の条件も全て呑むから、許してくれ。ただ顔を合わさない部署に移動するのは、すぐには無理だ。必ず意に沿うようにするから、これだけは少し猶予をくれ。お願いだ。」

金に困っている筈の課長が、百万もの現金を持っていたのも不思議でしたが、それよりも、人事権の無い課長が、困ると思った部署替えの件を、すんなり了承した事に驚きました。

詫び状を書かせ、何かスッキリしない気持ちで家に帰ると、妻はまだ泣いていて、私の顔を見るなり、課長とどうなったかも訊かずに謝り続けています。
「京子、本当に悪いと思っているのか?本当に心療内科へ行ったのか?」
妻は何度も頷き、バッグの中から診察券を持ってきました。

疑ればきりが無いのですが、ばれた時の為に医者に行ったとも思え、私も話を訊きたいので今度一緒に行くと言って反応を見ると。
「お願いします。ありがとう。」
縋るような目で私を見ながら言いました。
カウンセリングには一緒に通う事にして布団に入っても、先程の課長の事と妻の告白の中に有った“今は大事な時期”というのが、何か関係が有る様で気になり寝付けません。

次の日、課長の顔は腫れていて、課の社員達が、どうしたのか尋ねると。
「夕べ帰り道で誰かと殴り合いになったのだが、酔っていてよく分からんのだよ。そんなに腫れているか?」
私はそれを聞き、右手をポケットに入れて隠しました。
「課長。警察に届けなくていいのですか?届けた方がいいですよ。」
「いやー、俺も可也殴った様な気がするから、相手の怪我の方が酷いんじゃないかな?警察はやめておくよ。」
課長の手は腫れも傷も無く、綺麗な手をしていたにも関わらず、殴り合いの経験が無いのか社員達は、その事を疑問にも思わないで、課長と一緒に笑っていました。

この日、離婚届を持って家に帰ると、妻は玄関まで出迎えに来た後、私の着替えを手伝い、キッチへ戻って、私と妻の夕食の準備を続けました。
子供達はもう寝ていたので、離婚届をテーブルに開いて置くと、それを見た妻は手を止め、うずくまって泣き出しました。

「京子、離婚しようという訳ではないんだ。俺は正直、京子を全面的に信用出来ないでいる。また出張に行ったら、仕事も手に付かないと思う。だから今後少しでも不信な所が有れば、それが浮気で無くて俺の思い過ごしでも離婚しようと思う。もう京子を疑って生活するのに疲れた。だから京子が署名した離婚届を、お守り代わりに持っていたい。京子には、それ位の事をする義務は有るだろ。俺に不信感を与えなければ、俺は絶対に署名しない。」

妻は泣きながら署名しましたが、手が震えて上手く書けません。どうにか書き終えると、私に抱き付き。
「お願い出さないで。一生懸命償うから出さないで。もう二度としないから出さないで。お願い。お願い。」
「京子次第だ。」
その後の妻は、近くのスーパーに行くだけでも、行く時に家から携帯に電話し、家に戻るとまた電話をしてきます。
また、私が家に帰るとこれが大変で、私の後を付き歩き、1日の行動を事細かに、必死に報告します。

実際そうだったのかは分かりませんが、妻の必死さから信用する事にしました。
普段の生活では、タバコに自分で火を点けた事が無いほど世話を焼いてきて、お風呂に入っても、座っているだけで、自分で洗ったことが有りません。
カウンセリングに行く時などは、まるでデートでもしているかの様に、一緒にいるのが楽しくて仕方ないようでした。

妻は気付いていないかも知れませんが、一緒にいる時だけは疑われなくて済むので、自然と気が楽になるのだと思います。
課長はと言えば前回とは違い、私が1人になると必ず側に来て、謝罪の言葉を言います。

課長が部長に何と言ったのかは分かりませんが、課長が社長のお気に入りだと言うことも有り、約束どおりこの月から私の出張も減り、少し寂しい気もしましたが、今迄家庭の事を妻に任せ切りにしていた事を反省して、妻や子供達との時間を増やしました。

しかし、あの課長が本当に反省したとは考えられず、会う度に謝り続ける課長を、最初は今度の事が決着していないので、私に媚を売っているとも思いましたが、あれだけプライドの高い課長が、ここまでする事に疑問を持ち、私に謝罪すればする程、何か有るのではないかと疑っていました。

夜の生活は、私がなかなかその気になれず、前回の事も有ったので、このままでは駄目だと思いましたが、思えば思うほどその気にはなれませんでした。カウンセリングの先生は、焦らず気長に、もっと気を楽にしてと言ってくれるのですが、そう言われれば言われるほど気は焦り、気持ちとは裏腹に、その様な行動に出られません。

そんな状態が続き、新しい年を迎え、子供達が元気になった儀父の所に泊まりに行った日、妻と一緒に風呂に入って、いつもの様に洗ってもらい、先に出た私が寝室で椅子に座ってテレビを見ていると、妻は入って来るなりテレビを消して、テレビの前で立ったままパジャマを脱ぎ出しました。

妻は以前買った、黒い透けたブラジャーとやはり黒で透けているTバックを穿いていて、顔を見ると濃い目の化粧がしてあり、目には涙が溜まっています。
「もう私では駄目かも知れないけど、あなただけでも気持ちよくなって。」
妻は椅子に座ったままの私の前に跪くと、強引にパジャマのズボンとパンツを一緒に脱がせ、咥えてきました。

私は我慢出来なくなり、妻をベッドに連れて行くと全て脱がせて、自分も全裸になり、妻とは逆の方向に覆い被さり、しばらくお互いの敏感な所を刺激し合い、私がスキンを着けて妻の中に入ると、妻も下から激しく腰を使いながら。
「あなた、早くいって。早く出して。」
私は出そうなのを我慢して腰を動かし続けると、妻は大きな声で喘ぎだし。
「早く出して。早く出してくれないと、私も。私も。」
妻は、以前与えた罰の事を覚えていて、自分は気を遣っては駄目だと思っていたようです。

「京子、いってもいいぞ。一緒にいこう。」
「いいの?私もいいの?いいの?あなたー。」
妻は気を遣った後私に抱き付き、声を出して泣いています。
私は、もう一度妻に咥えてもらい、元気なった物を妻の中に入れ、今度はスキンを付けずに、久し振りの感触を楽しみ、最後は妻に飲んでもらいました。

その後は毎日の様に愛を確かめ合いましたが、こんな事は新婚の時以来初めてです。
課長は未だに、日に一度は謝罪の言葉を言って来るので、私も、今度は本当に反省しているのだろうか?と、甘い考えを持ちだした1月の末に、みんなの日程が合わず延び延びになっていた、遅い新年会がありました

この日は部長も参加し、挨拶の中に不況の話や営業成績についての話があった為、あまり盛り上がらなかったのですが、課長一人は上機嫌で酒を飲み、部長が帰った後で行った、男だけの二次会でもかなり飲んで、酒の強い課長が、こんな状態なのは始めてだというほど酔っていました。
「課長、やけに機嫌がいいですが、何かいい事でも有ったのですか?」
「課長、俺、噂を聞きましたよ。社長のお嬢さんと結婚するって本当ですか?」
「誰に聞いたんだ。君は情報が早いな。」
「やはり噂は本当だったんだ。それはおめでとう御座います。」
皆は口々にお祝いの言葉を言っていますが、私には初耳で、しかも嫌な予感がした為、お祝いも言えずに黙って聞いていました。

「お嬢さんと言っても38の出戻りで、何も出来ない我がまま娘なので、俺には養育費も有るし、借金も有るからと断ったのだが、あの親ばか社長は、借金を多い目に言ったのに、次の日には“これで身辺を綺麗にしておけ”と言って、小切手を持って来たので、断れなかったよ。」

課長は酔った勢いで、恥も外聞も無く借金の話もして、その後も口は滑らかで。
「結婚式はいつですか?」
「2人とも再婚なので結婚式はやらないが、3月の末に籍を入れて4月に披露パーティーをする予定だったのだが、1ヶ月早くなり、パーティーが終わり次第、その足で籍を入れに行くつもりだ。」
「また急な話ですね。」
「ああ。話は半年も前から有ったんだが、生意気にも俺の事を気に入らなかった様なんだ。それでも社長に面倒を看てもらっている手前、2ヵ月後に渋々デートに応じたんだが、最初から膨れっ面で一言も話さないし、とてもデートなんて呼べる物では無かった。流石に俺も頭にきて、彼女のマンションまで送って行った時に強引に関係を持ってやった。」

「関係を持ってお嬢さんは、課長の物を気に入ってしまったという事ですか?」
酔った社員が口を挟むと、自慢話が始まり。
「ああ。前の亭主が何も知らない堅物で、幼稚なセックスだったらしく、男の物を咥えた事すら無いんだ。始めは触るのも嫌がっていたが、一度俺の物を味わった後は言いなりよ。今ではマンションに入ると、すぐに欲しがって咥えてくる。1ヶ月早くなったのも彼女のわがままで、早く一緒に暮らしたいからと言っていたが、本当は、早く毎晩して欲しいからの間違いじゃないかな。ハッハッハッ。」
「課長。これで出世は約束された様な物ですね。」
「いやー。社長までは無理かも知れんが、取締役ぐらいはな。ハッハッハッ。」
これで、今は大事な時期と言っていた事や、お金を持っていた事など、全ての謎が解けました。

課長は更に飲んでいて、もう私との関係や、自分の言っている事が分からなくなっている様子で。
「お金の身辺整理は出来ても、女の方は大丈夫ですか?」
「ああ、綺麗なもんよ。例の人妻ともまた色々有ったが、金で話がつきそうだし。籍を入れるまでは大人しくしておらんとな。」
「籍を入れるまでですか?」
「彼女は我がままだが美人だし、何も知らない女を仕込む楽しみは有るが、腰の使い方まで知っている人妻も捨て難い。結婚したら俺のと違って賃貸じゃないから彼女のマンションに入るが、また関係が戻ってもいい様に、俺のマンションは借りたままにしておくつもりだ。俺が出世したら、君達も上に引っ張ってやるから、精々頑張れ。」
そう言い終わると、横になって寝てしまいました。

課長が寝てしまうと、酔った上の話とはいえ、流石に皆、嫌悪感を顔に出しましたが、私はそれどころでは有りません。
『やはり、少しも反省していない。こいつは妻の事をまだ諦めていないし、籍を入れてしまえば、俺に対する態度もまた変わるだろう。何より、出世すれば会社での俺の居場所も無くなるかも知れない。』
私の腹の中は煮えくり返り、その後毎日、復讐を考えていました。

披露パーティーは仲人も無く、一部の社内の者と少しの友人、あとは濃い身内だけの、あまり派手ではない物でしたが、私も直属の部下という事で招待されていました。

当然私などのスピーチは無かったので、司会の方に簡単な祝辞と歌を歌わせて欲しいと言いに行き、ワインを飲みながら出番を待っていると、暫らくして私の名前が紹介され、前に出てマイクを外して持ち、課長に方に近付きながら。

「課長。本日は真におめでとうございます。と言いたい所だが、人の家庭を無茶苦茶にしておいて、自分は幸せになるつもりか?俺の妻は二度までもお前にいい様にされて、今、心療内科に掛かっている。それでも懲りずに、また誘う為にマンションはそのまま借りておくだと。ふざけるのもいい加減にしろ。もう妻はかなり良くなったから、お前の所なんかには二度と行かない。」

課長を含め、みんな呆気にとられて、止めにも来ないで立ち尽くしていました。
「それに、新年会で社長の事を親ばかだとか、お嬢さんの事を、何も出来ない我がまま娘と言っていたが失礼だろ。そんな事が言えるのか?お前はその社長から貰ったお金で慰謝料を払ったんだろ?自分のした事の後始末ぐらい自分の力でしたらどうだ。」

私は胸ポケットから百万円を出して課長に投げつけ、反対のポケットから、コピーしてきた10枚の詫び状を出してばら撒きました。

私はまだ言いたい事が有ったのですが、やっと我に返った部長に腕を引かれ、お嬢さんの泣き声を聞きながら会場を出ました。
会場の外で部長は、私の肩を何度も叩きながら。
「後の事は任せておけ。」
会場の中に戻っていく部長を見ていて、何故か涙が溢れました。

この縁談は破談になり、課長も会社を辞めて、私を名誉毀損で訴える事も無く、その後どうしているのか分かりません。
一度課長のマンションを覗きに行ったのですが、もう表札も有りませんでした。

当然、私も会社を辞めて、今は部長に紹介して貰った会社に勤めています。
ここは主に中国製品を扱っている、20人ほどの小さな会社ですが、私が中国の担当だった事で、あるポストを用意して迎え入れてくれました。

給料は可也減ったのですが、小さいだけ有って、今迄の様に守りではなく攻めている分、充実感が有ります。

家のローンや子供達の将来を考え、給料が減った分、4ヶ月前より妻が事務のパートに行き出しました。
男が多い職場なので気になりましたが、このご時世、結婚以来仕事をしていない妻が、働く所が有っただけでも奇跡に近く、贅沢は言っていられません。

妻は未だに、その日の事を何でも詳しく話してくれます。
先日も“○○さんに食事を誘われたけれど、主人以外の男の人と食事しても美味しくないし、楽しくないからと言ったら、それから一切誘って来なくなった。”
と笑っていました。私はお守りを持っている事も有って、妻を疑わない事にしました。

今思うと、あの頃は出張先でも、家庭の事は気になっていましたが、妻の顔を思い出した事は、無かったような気がします。
妻が思っていた様に、妻の事を、空気の様な存在に思っていたのかもしれません。

同じ様に愛し合ってはいても、妻を裏切ったことの無い私より、私を裏切った妻の方が、私の事を愛していて、必要としていた様な気がします。
普段の生活も、あれ以来変わらず、妻は甲斐甲斐しく私の面倒を看てくれ、夜の生活も、縛ったりはしませんが、完全にSとMの関係です。

最近ではこういう関係に満足していて、あんな事が無かったらこういう関係になれなかったし、妻への愛も再確認出来なかったと思います。
また妻に何か有りましたら、ここに書かせて頂きますが、もうここに書く事は永久に無いと信じています。
甘いかな?

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