文化祭ラブソディー 1

2024/09/25

高校の文化祭での話だ。初日の土曜日は外来のお客さんはほとんどいなくて、実行委員の1人だった僕は生徒会室で待機していた。べつに忙しい用事も問題もなく、正直なところ退屈していた。

「……高村っ。高村っ」
僕を呼ぶ声がした。ふと見ると、同級生の土井が廊下から僕を手招きしている。
「何だよ。何か問題?」
「いいから、ちょっと来い」
僕は他の実行委員に断って、廊下に出た。土井を見ると、左右をキョロキョロしていて落ち着かない様子だ。
「暇なんだろ?来いよ。も~スゲ~から。来ないと後悔するから」
何を言ってるんだコイツは?と思ったが、暇なのは当たってるので僕は土井に着いていくことにした。

「……3-Aがお化け屋敷やってるじゃん?スゲ~よ」
土井が言う。3年A組は僕の学年のクラスに3つある「男子クラス」のひとつだ。
「何が凄いんだよ?」
「触れるんだよ!女子を!」

合点が行った。ははぁ。お化け屋敷なんて言っておいて、怖がらすのそっちのけで楽しんでるという訳か。さすが男子クラス。僕は文化祭実行委員ではあるが、正直なところそっち系の話題も大好きである。

僕は土井より早く走った。
階段をひたすら駆け上がり(4Fなのだ。3年は)、角を曲がると正面が3-Aだ。驚いた。列が出来てる。同学年共学クラスの女子の顔も見えるが、下級生の顔もチラホラ見える。ちょっと会話に耳をすましてみる。
「触るってさ」
「え~?やだ~」(←嬉しそう)
「ひとみがオッパイ触られた、って言ってたよ」

……何だって?Dカップ(噂)の、あの3-Eの岡本瞳のことか? 土井が追いついて来たので、僕は彼を促して教室に向かった。しかし解らん。「触られる」と噂のあるトコに、なんで列が出来るのだ? そんなに触って欲しいのかぁ?

入口ではなく、出口から入った。教室は校内中から集めた暗幕で暗いが、ところどころから光が差し込んでいる。目貼りが甘いトコも男子クラスならではだ。入ると、懐中電灯が僕の顔を照らした。
「何だよ。何で高村が来るんだよ」
「高村は喋らないから大丈夫だよ」
土井が応える。僕も言った。
「喋れるか。こんな楽しそうなこと。ってかさ、口止めしっかりしてるの?」
「口止め?」
――これだ。詰めが甘いのも男子クラスならではか。
「女子が廊下で噂してるぞ。触られるって。先生に届くのも時間の問題だな」
急にみんな黙った。

企画したクラスの中心人物に集まって貰って、急いでシステムの変更(笑)をした。一分間隔で1人ずつ入れてたのを、連れがいる場合は一緒でOKにして、女子に人気のある奴数人が交代で出口に付いて「バレると中止になっちゃうから黙ってて」と女子にオネガイする。触るのも「冗談で済む範囲にしろ」と徹底させた。「スカートの上からはいいけど、中に手を入れちゃダメ」とかだ。

そして僕は、自分が入るスペースを探しはじめた。借りた懐中電灯で薄暗い中を見て回ると、ルート自体は単純だった。床に夜光テープで矢印があって、暗い中でもルートは客になんとか判るようになっている。机や椅子や、体育館から持ってきた跳び箱など、あらゆるモノを使って柱をつくり、ダンボールや暗幕の壁から手を出して触っていたらしい。

そして僕は、教室の角に人が一人か二人、やっと立っていられるくらいのスペースを見つけた。

こういう楽しみは、他人と分かち合うタイプではないのだ、僕は。ドキドキワクワクしながら待っていると、ようやく営業が再開したようで、女子数人のキャアキャア言う声が聞こえる。狙いどおり、知ってる女子が側にいることで恐怖感は薄らいで、ちょっと危険な遊び(?)の範疇になっているようだ。

「あたしのおしり触ったの誰!?」って叫び声。「てめ~、出てこいっ!」と女子の野太い声。男子の含み笑いも聞こえる。声が至近距離に来た時、一瞬だけ隙間から懐中電灯の光を当てる。最初に来た女子はデブだったのでスルーして(笑)、次の二人連れの女子を「触り初め」に決めた。二人とも、僕の隣のクラスの子だ。

いまだ!と思って手を突き出したが、一人目は間に合わず、二人目の下腹部に手が当たった。
「いや~!ここにもいた!」って女子の声。すかさず、用意の「竿の先に紐でぶら下げたコンニャク」も出動させる。「一応、お化け屋敷らしいこともやってはいた」って後日の言い訳用だ。「いや~、なんか降ってきた!」って言いながら去っていく声を見送りながら、手のひらに残った「あの子の感触」にひたる僕。柔らかかった~。スカートの手触りにも感動。

タイミングと手を突き出す位置をずらしたので、とうとう三~四人目でブラウスの胸にタッチした。揉む訳にも行かないので「掴みかけた」感じだったが、暗い中そんなことやってるともう興奮。(笑)それからもおしり、胸、と楽しんでいたが、突然小声で「高村先輩~?」と聞き覚えのある声がした。

懐中電灯フラッシュの必要もない。声は文化祭実行委員の後輩、2年の美佳ちゃんだ。「ここ。何?」とこちらも声をかける。「いた~。スタッフしてるんですか?入っていいですか?」と美佳ちゃん。かなり困って「狭い。入れないよ~?」と言ったのに、美佳ちゃんは「入ってみたいです~」と。

仕方なく、「ここ机なんだよ。下のほうのダンボールが開くから、そこから」と教える。美佳ちゃんは「どれどれ?」とかがみ込む気配だったが、もぞもぞと机をくぐって入ってきた。

「狭いですね~」
狭い、と言うより、ハッキリ言って密着に近いんである。90cm角に満たないくらいのスペースなのだ。「どうしたの?仕事?誰か俺を呼んでる?」と訊くと、
「土井先輩が入口にいて、高村なら中だと思うって教えてくれたんです。あたしヒマだから校内ウロウロしてたんですけど」
「なんだ、仕事じゃないのか」
「先輩もここで女の子触ってたんですか?あたし入ってすぐ、おしり触られましたよ」
「え゛?」
「高村先輩いますか?って言ったら、手が引っ込んで『いないよ』って言われましたけど」

美佳ちゃんは小柄で、素直で、明るくて、色気はないけど「理想の妹」タイプの可愛い子なのだ。誰だ美佳ちゃんのおしり触った野郎は!と思っていると、美佳ちゃんが続けた。
「先輩も触ってたの?」
「え゛?あ……イヤ俺はこれ」と懐中電灯点けてコンニャク竿を指す俺。「本当?マジメですね~」と美佳ちゃん。表情と声が信じてない。
「……いやまぁ、ちょっとだけ触ったかな?」
「ふ~ん、やっぱり触ったんだ」
「腰とか。背中とか」

僕が一生懸命嘘をついていると、女の子の声が聞こえた。懐中電灯を消す。「あ、トモちゃんの声だ。あたし触っちゃお」と美佳ちゃんが小声で言う。知り合いか?と思いながら仕方なく僕はコンニャクスタンバイ。女の子の声が近づいたところで、美佳ちゃんが「トモちゃ~ん!」と手を突き出した。

すると、「えっ?女の子もいるの?」と声がして、笑いながら「あたし、トモちゃんじゃないのよ~」と。思わず「トモちゃん違うやん!」とツッ込む僕。

女の子たちが行ってしまってから、美佳ちゃんは「間違えちゃった~」と小声で言いながら、僕に身体を寄せてきた。爽やかな香にいまさらながら気付く。暗い中で二人……。それでも至近距離には他の3-Aの生徒もいる筈なので、ほとんど囁くくらいに声を落とした。

「ま、怒ってる訳でもないし、間違ったけどいいじゃん?」
「恥ずかしい~」と、僕に合わせて囁く美佳ちゃん。かがんだ耳元に囁く声が可愛い。と、柔らかい感触に気付いた。僕の上腕に、美佳ちゃんの胸が当たっている。大きくはないけど、丸く、柔らかい感触。そうだ、妹みたいだけど、この子も17才の女の子なんだ……。僕の肩に手をかけてかがませ、美佳ちゃんが僕の耳元に囁く。
「でも興奮しちゃいますね、暗い中で」
気のせいか、僕の腕に胸を押し付けているような……。

――ヤバい。凄くヤバい。耳をすますと、「来た来たっ」と野郎の声が聞き取れる距離なのに。耳元で囁く声は向こうには聞こえないだろうが、それでも極力、音は出せない。抵抗されたら絶対バレる。実行委員の立場も(これは協力してる時点でアレだが)ある……。

こんなに悩んだ瞬間が、かつてあっただろうか、って思うくらい悩んだ。でも、ハッキリ言って股間はもうギチギチなのである。
触りたい……。

僕は覚悟を決めて、隣の位置にいる美佳ちゃんの腰を抱いてみることにした。万一の保険は「耳元で囁くために抱き寄せた」だ。何か言うこと、言うこと……。僕の手が震えている。しっかりしろ、俺。

ゆっくり右手を伸ばして、僕は美香ちゃんの腰に手を回した。すんごい達成感。美佳ちゃんは抗わない。客が近づいて来たが、スルーすることに決めてそのままでいると、美佳ちゃんもじっとしている。

もしかしてこれはOK???まだ早い???

スカート生地の手触りも感動的だが、美佳ちゃんの細い腰も触っていて気持ちいい。おしり触りたい……と思っていると、美佳ちゃんが僕の肩を叩いた。かがむ僕の耳元で、美佳ちゃんは言った。「先輩は、誰でも触りたいの?」と。

僕はほんの少しの間考えた。さっきまでは確かに、触れれば(最初にスルーした子以外)誰でも触ったと思う。でも正直、いま「触りたい!」と思うのは美佳ちゃんだ。おしり触られたことに嫉妬して、腰に手を回して感動して、以前は妹みたいに思っていたのを、今は「17才の女の子」として意識している。

僕は黙って美佳ちゃんの腰に両手を回し、正面を向かせてそのまま抱きしめ、考えたことをそのまま囁いた。

美佳ちゃんは抗うでもなく、じっと僕の囁きを聞いている様子だったが、10秒ほどの間のあと、言った。「私はね、どっちかって言うと誰にも触られたくないんです。でも先輩は別なの」と。そして美佳ちゃんは、僕の首に手を回してきた。

真っ暗な教室の狭苦しいスペースで、二人抱き合って……。

ど、どうしたらいいんですか???って感じだった。

「先輩、17才の女の子、って言ってくれたでしょ?みんな私を妹って言うんです。私が妹なんかでいるつもりが無くても」
「……そうなんだ」
「結構いい女だと思いますよ、私。見た目はチビでガキかもしれませんけど」

余裕が出てきた。女の子にここまで言われて、腹が座った。
「そうか。でもさ、俺の彼女になる人は大変なんだよ?」
「どうして?」
「俺、呆れられるほどエッチだから」
言って、僕は美佳ちゃんにキスしようとした。

僕の唇が捉えたのは、美佳ちゃんの鼻だった。仕方ないので(?)、僕は口の中の小さな鼻を軽く噛んだ。美佳ちゃんはビクっとしたが、やがてクスクス笑った。

「私はここよ~」
美佳ちゃんが囁き、僕たちは仕切りなおしのキスをした。長く合わせた唇を放すと、美佳ちゃんは「今度は当たり」と囁いた。僕は「美味しい」と囁き返し、ふたたび唇を合わせる。何度目かのキスで、僕は美佳ちゃんに舌を入れた。

柔らかな、小さな舌が迎えてくれる。僕の舌先をチロッ、と舐めて逃げる。僕は舌を伸ばして追う。鬼ごっこに堪らなくなって、僕は美佳ちゃんの腰を抱いていた手を右だけ放し、その右手で美佳ちゃんのおっぱいに触れた。

僕の口の中で美佳ちゃんの「んっ」って声がして、甘い息と一緒に舌が入ってきた。美佳ちゃんの舌を吸いながら、ブラウスの上からおっぱいをゆっくり揉む。カップの感触が邪魔だ。

時折、ダンボールの壁の向こうを笑い声が通っていく。でも気にならなかった。「やらし~」って声だけにビクッとした。(笑)

ここじゃ落ち着かない、と思ったので、僕は「どこか行こうよ」と囁いた。どこかにデッドスペースくらいあるだろう。しかし、意外にも「でもこんな機会、なかなか無いよ?」と美佳ちゃん。
「大丈夫。あたし、声は結構我慢出来るの」
こっちが落ち着かないんだよなぁ、と思ったが、欲望に負けた。

僕は「さっきドコ触られたの?」と訊く。美佳ちゃんは「おしり触られた」と答える。「ここ?」と訊きながら、僕は美佳ちゃんのおしりを撫でた。

なんと言う丸み。細い腰だけど、素晴らしいラインの曲面。そしてこの柔らかさ。僕は両手で、スカートの上から美佳ちゃんのおしりへの愛撫を続けた。

再度キス。舌をからめながら、僕は「素晴らしい宝物を手に入れた」感激に浸りながら、暗闇の中で美佳ちゃんのブラウスのボタンを二つ、外した。こんなに楽しく、かつまだるっこしい手探りも初めてだ。

生徒会室で見た、ブラウスにうっすらと透けていた淡いブルーのブラが、暗闇の中であらわになっている筈だ。つい夢中になり、手を突っ込もうとすると、美佳ちゃんが僕の手を掴み、「もっと、ゆっくりと」と言うようにブラウスの中に誘導した。僕のほうが子供……?(汗)

気を取り直してブラに指を入れてみる。尖った宝物に指先が触れ、また甘い息が僕の口に入ってきた。そのまま手の全体をブラに入れる。手のひらで更に硬く尖る乳首。微乳だと思っていたが、充分手のひらサイズのおっぱい。弾力のある柔らかさが意外だった。

おっぱいを直接揉みながら、互いの唇を、舌を吸い合い、舐め合い、ため息を相手の口に送り合う。僕は、さっきから気になっていた事を、摘んだ乳首に刺激を与えながら囁いた。
「美佳ちゃん、処女じゃないね?」

美佳ちゃんはすこし間を置いて、僕に囁いた。
「先輩に逢う、ちょっと前に別れたの。初体験の彼氏と」
「初体験っていつ?」
「ん……1年前かな」

それ以上訊くつもりは無かった。相手がもし在校生徒だったりしたら、僕は嫉妬で狂うかもしれない。「そっか」とだけ僕は言い、ブラウスの裾をスカートから引き出し、まくり上げてブラも上にずらし、握っておっぱいの位置を確かめ、そのままかがみ込んで口に乳首を含んだ。

精一杯優しく、舌で乳首を転がす。吸う。揉む。おっぱいから口を離してキスしようとしたら、美佳ちゃんの手が自分の口を覆っていた。声が漏れる用心だろう。「嫌なこと訊いてゴメンな」と囁くと、美佳ちゃんは「いいのよ、徹ちゃん」と、僕をはじめて名前で呼んだ。

一度キスして、口はおっぱいに戻る。乳首をまた吸いながら、僕は手を下に滑らせていった。脇腹からスカートの腰を経て、太腿の外側……。そこから膝を回って、腿の内側を撫で上げ……しばらく太腿の内側を撫でる。

そして……。

僕の指がスカートの中に達し、パンツの上から股間を刺激しようとする直前、ドタドタっと音がした。ビクッと動きを止める僕たち。

「何やってんだよ~、お前等ぁ!」
そして天井の電気が点いた。まぶしさに一瞬目を閉じる。

「苦情出てるぞ!ホラここ中止!全員出ろ!」
先生だ。しかし声で判った。結構生徒に人気のある先生で、割と生徒の肩を持ってくれる。読みより早くバレはしたが、あの先生で良かった。美佳ちゃんは静かに制服を直している。ここまでかー、と思っていたが、意外なことになった。

<続く>

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