恐ろしい女 1
2024/09/11
ジリリリリーーー…
今日の授業がようやく終わった…でも俺『田島雄介』にとって疲れる時間はこれからだったりする。
「ゆうちゃん、帰ろっ!」
「うわっ、抱きつくなよ美紀!まだクラスのみんなが居るっていうのに!」
「あー大丈夫だよ、私達の仲はもう公認だもん!」
「ったく…」
こいつは『福島美紀』、俺の幼馴染で何の因果か小中高と一緒…しかも何かの陰謀のように毎回同じクラスで席は隣り合わせな事が多いんだ…そして、今では恋仲だったりする。
昔から俺に好意を持っていた美紀は、その想いを事あるごとに俺にぶつけてきた、その執拗な一方的なアタックに、中学卒業式の日…俺はついに屈服してしまったのさ。
でも彼女はそれで止まったりしなかった、高校に入ってからは例え授業中でも執拗にラブラブ攻撃(?)を仕掛けてくる始末で、おかげで高校生活初日で俺らの仲は学校中が知る事になった。
「まったく、こんな幼馴染を持つと苦労するよ…」
「んー何か言った?」
「別にー、じゃあ早く帰ろうぜ!」
さらりと言ったこの一言は、自己中な彼女に対する、せめてもの抵抗感の表れだと言っておこう、
何故なら…こいつは
「何を言ってるの?今日もその前にエッチしちゃおう!!」
「だから大きな声で恥ずかしい事を言うなー!!」
そう最近の彼女は学校の中でエッチ…セックスする事を要求してくるのだった。
美紀とは中学ですでに肉体関係を持っていたものの、どうやら家やホテルでの普通のセックスに彼女は満足できなくなってるらしい。
はっきり言って美紀はエッチだ!毎日のように体を求めてくる。そしてどんどん新たな刺激をスリルも求めているんだ。
この間は野外でした事もあったしな…もうこりごりだけど。
今は放課後の学校でする事にハマってる…まだ残ってる誰かに見られるかもしれないというのに…ふぅ。
「今日は科学室でしようか、ちょうど誰も居ないし」
確かに誰も居ない…ただ廊下にまだ生徒が残ってるし、向かいの校舎から覗かれる可能性はあるが…
「えへっ…じゃぁやろう!」
だと言うのにこいつは、早速に制服を脱いでいく…俺はいつも通りあきらめるのだった。
「んー気持ち良かった!えへへへ…」
「なぁ、美紀…」
「何?あっ…もしかしてまだしたいの、いいよ!」
「やるか?!!!6回戦する気力も体力も残ってねぇよ!」
そう…1回や2回程度じゃこいつ満足しないんだ…毎日毎日こっちがミイラ化しそうなくらい搾り取ってくれるんだ。
美紀とするのは、もちろん気持ちいい…だけどこう毎回フラフラになるまでしてたら、たまったものじゃないぞ。
「少しは抑えようぜ…ゴム買う金も馬鹿にならないし…」
「なら生でしてもいいって言ってるのにーゆうちゃんになら膣内射精されてもいいよ」
「それは駄目だ!最低ラインは守らないとな…」
常に刺激を求める彼女は、当然ながら生の行為も望んでくる、だけどこの年中発情女とそんな事をしてたら、例え防衛策をとってもそう遠くない未来に、確実に子供ができちゃうだろう。
だから何を言われてもこの一線を超えるつもりは無かった。
一線を超えるのは、俺が確実に責任とれる立場になってから…美紀と結婚してからだと決めている。
「ねぇ…でも、もしも私が避妊失敗して、ゆうちゃんの子を作ってしまったら、どうする?」
「ん?そんなの決まってるじゃないか、責任は取るよ!すぐに結婚してやるさ」
何かのきっかけでゴムが破れてしまう事もある…そんな時は不本意だけど責任は取るさ。すぐに働いて稼いで家庭を築いてやるさ。
「やったーー!じゃぁ…生で…」
「駄目!」
「けちー!!」
だがそれは、あくまでもしもの場合だ…基本は結婚まで待つだ。
「とにかく…少しは抑えようぜ!俺の金も体も持たないからな!」
美紀は納得できないというムスッとした表情だったのは言うまでもない…
次の日、ちょっと美紀の様子がおかしいような気がする、いつもの執拗なアタックが無い。
もしかして昨日言った事を気にして考えているのかな…まさかあの美紀がな…
それとも怒っているのかもしれない。
そして昼休み、授業が終わるとすぐに美紀は教室を出て何処かに行ってしまった。
うーん…やっぱりおかしいような気がする…そんな時だった。
「えっと田島君、ちょっといい?」
俺に声をかけてきたのは同クラスの羽島だ、体格は太り気味でボサ頭のコイツは休み時間はよく自分のカメラをいじっているなり、何かを撮っている男で、女子からは嫌われてる奴だった。
基本的に大人しい奴だから男子的にはそんな嫌われてる奴じゃないんだけど、ちょっとご愁傷様…
「えっと何かな?」
「実はさっき福島さんに頼まれてね、科学室に田島君を待つって事らしいよ」
何だろ?美紀の奴…わざわざ誰も居ないところで話があるなんて、まさか…昼休みにするつもりじゃないだろうな!?
俺は早速その科学室に向かった、5時限は科学の授業が無いから誰も居ないはずだ。
そして本当に誰も居なかった…ってオイ!呼んだ美紀も居ないじゃないか!
「あいつ…おーい美紀、居ないのか?」
シーン…静かだ、あれ?何か隣の準備室で物音が聞こえたような…まさか隠れてるのかな?
「…美紀か?そんなとこで何を…あれ?」
ガチャガチャ…科学室から準備室へ入る扉は向こうから鍵が閉められていた、
そして中から何も反応が無い…誰も居ないのか気のせいだったのかな?
そして、しばらく経っても待ち人は現れなかった。
「ごめんゆうちゃん、何だか今日は体調が悪いの…」
「なんだそうなのか?」
放課後になって美紀は俺にそう謝罪したんだ…なんだか顔色が青いし本当に体調が悪いようだ。
それで一日おかしかったのか…昼休みは保健室に行ってたらしい。
でもそれじゃぁ…あの科学室に呼び出したのは一体?まぁいいか…この状態の美紀を問い詰めるのは可哀想だし、もちろん今日はそのまま普通に帰宅したんだ。
ちなみにその後。美紀の様子がおかしい日々は続いていく…まだ体調がおかしいらしいが。
だけど一ヶ月も経過した今では…
「ゆうちゃん、エッチしよう!」
「またかーーー!!」
すっかり以前の元気を取り戻していた、あの一時のおかしさはどこへやらって感じである。
でも、前から変わった所が少しあった。それは…
「うふっ…気持ち良かった?!」
「はぁはぁ…えっと終わりか?」
「うん…もっとしたいのかな?」
俺は首を横に振った、そう…一日のエッチする回数が激減したんだ。
美紀は2・3回で満足するようになってた。
どうやら控えめにするという俺の要求を受け入れてくれたらしい。
「じゃぁ帰ろうか…でもその前にちょっとトイレ!ゆうくんは、ここで待っていてね!」
「わかったよ」
もう一つはエッチした後に、トイレと言って俺をここに残していく事が日課になった事だった。
そしてこの待ち時間が長いんだ…今までそんなにあいつのトイレって長かったかな?
でも怒れないんだよな…だってあいつは帰ってくるなり
「ご、ごめん…ま、待ちくたびれたよね…はぁはぁ…」
息を荒くし顔を真っ赤にして帰ってくるんだよ、必死に全力で走って帰ってきたようだ…なんでも遠いとこのトイレを毎回使うらしい。まったくこいつはいつもながら変な奴なんだよな…
「ごめんね…ゆうくん…」
「ん?別にいいよ、そんな変な美紀ルールに従うの慣れてるしな」
「うー…なんか馬鹿にした!ひどーい!!」
こうして俺達の関係は続いていくのだった…
「何を笑っているんだよ?」
「幸せだなーって思って…」
「そうだな…幸せだな!」
俺はもう赤く染まった夕焼けの大空を眺めて、今更に美紀といる幸せを思い俺は笑っていた。
ただその数ヶ月後に美紀から爆弾発言があるのだったけど…
こんな事なら安物ゴムなんて使うんじゃなかったな…はぁ…
<続く>