ウチに泊まらない? 2

2024/05/13

ウチで兄貴が彼女を泊めようとするのを、親父が大反対してるのを見たことがあるだけに余計に信じられなかった。

でも、さっきまでの気分悪そうな顔はどこ行ったと言いたくなるくらい可愛い笑顔を浮かべてる香奈。

実際に香奈の家がある駅に着き改札を出ると、
そこには香奈のお母さんが車で来ていた。

「智也君、こんばんは~。
わざわざウチのアホをおぶってくれたんだってぇ?」
「あ、こ、こんばんは…。」

「あんたも迷惑ばっかりかけるんじゃないよ、まったく…」
「うるさいなぁ…早く行こ」

香奈に手を引かれて車に乗り込む。
ボーっとしてるうちに香奈の家に到着。
和室に通されるともう布団が敷かれていた。

「何から何まですいませんです…」
「いいのいいの。お世話になってるんだから!!
あ、お風呂も入っていいからね」
と、お母さん。

「ありがとうございます」
「相変わらず堅いわねぇ(笑)あ、一つだけ!!」

「はい、なんですか?」
「一緒に寝たりしちゃ駄目よ?香奈は自分の部屋で寝なさいね!!(笑)」

「は、はぁ…」
「も~…何言ってるのよ…。はい、おやすみ!!」
と香奈。

お母さんは笑いながら二階に上がって行ってしまった。
「さてと…じゃあ、とりあえずあたしシャワー浴びてくるね。
智也は楽にしてて~。あ、まだ寝ないでよ?」

と言い香奈はフラフラとシャワーへ。

前に来たことがあるとは言え、やはり女の子の家は変に落ち着かない。
無意味に携帯をいじってると香奈があがってきた。

「お、ちゃんと起きてたね。じゃ、シャワー浴びてきな?」
と言われシャワーへ…。

まぁ、俺のシャワーの様子なんて書く意味無いし、略。
とりあえず、シャワー浴びてスッキリ。
用意してもらっていた香奈のシャツとジャージ着て先程の和室に戻る。
すると、そこにはチューハイ飲んでる香奈。

思わず

「また飲むんかえ!?」
と軽く叫んでしまった。

「まぁ、初宿泊記念ってことで」
とわけのわからない理由を言われしぶしぶ飲む。

最初は軽い話をしながら飲んでたけど、段々無言状態へ…。
酒のせいか気まずいとも思わずチビチビ飲む。

不意に香奈が言った。

「キスしていい?」
「は、はい?」

「なんか文句あるの~?」
「いや、文句っていうかさ…」

「嫌い?」
「いやいや、嫌いだったら駅まで送ったりしようと思わんよ…」

「嫌いじゃないなら何?好き?ねぇ、好き?」
「あー…うん、好き好き」

「何その言い方ぁ!!でも、そうかぁ。
あたしが好きかぁー。そうかそうか…」
「何て言うか…姉さん飲み過ぎっすよ」

俺はそう言って布団に仰向けに倒れ込んだ。

軽く好きとは言ったけど、実際香奈には惹かれてた。
初キスの相手だから心に残ってる。
それもあったと思うけど、香奈は魅力的だった。

まぁ、それはおいといて、結構疲れていただけあって横になったらすぐに寝そうになった。
数十秒の沈黙。

「寝ちゃった?」

香奈が言った。

正直、半分意識飛んでたけど目は閉じたまま

「いや?」
とだけ答えた。香奈がまた聞いてくる。

「あたしのこと好き?」
「うん…好きだ…」

「そっか…うん」

モゾモゾと何かが動く音が聞こえたけど目を開いて見る気力はなかった。

「…やっぱりキスする」

え?と目を開けると目の前に香奈の顔があった。

次の瞬間には香奈の唇が俺の唇に重ねられていた。
由佳さんのキスと違って、上手くはないキス。
でも一瞬で目が醒めた。

唇を離してから数秒見つめ合ってから、お返しのキスをした。
そこからはお互いにキスの応酬。
チュッて感じの短いキスをお互いし合う。
俺が上になったり下になったり…。
狭い布団を抱き合いながらゴロゴロ転がりながらキス。

「舌…入れていい?」

今思うとかなり恥ずかしい質問。
香奈はクスッと笑いながら

「いいよ」
とだけ答えた。

そこからは短いキスとディープキスの繰り返し。
結構な時間夢中でキスをしあってたと思う。

不意にガタッと物音がしたのでお互い動きが止まった。
音がした方を見たら猫がふすまを開けて入ってきただけだった。
それがわかった途端に二人で笑った。
猫を部屋から出してふすまを閉じて、また布団に横になった。

「智也、汗でシャツ濡れてんじゃん。
風邪ひいちゃうよ?脱いだら」

香奈に言われてかなり汗をかいていたことに気付いた。

「あ、ほんとだ…でも脱ぐのは…」
「あたししかいないんだしいいじゃん」

なんか変に納得してシャツを脱いだ。
よく見たら香奈も結構汗をかいてる。

「香奈も汗かいてんじゃんか」
「何?脱げって言ってるの?」

「あからさまに言えばそうかな」
「ん~…じゃあ、智也が脱がして?」

「え…俺が?」

焦った。

「うん、出来ないのぉ?」

香奈が挑発じみた言い方で言う。
俺はそういう挑発に簡単に乗ってしまう性格だったため

「よし、脱がす!!」

と意気込んでシャツの裾に手をのばす。
それから何度も「いいんだな?」と確認をとった後に一気にシャツをめくり上げた。
まぁ、挑発に乗りながらも確認をとるところあたり、かなりヘタレ臭が漂うけど勘弁してください。
何と言っても童貞だったし。

とにかく、シャツを一気にめくりあげた。
俺がそこまで一気に脱がすと思っていなかったのか、
とっさに胸を手で隠す香奈。

「ちょ、ちょっと脱がしてとは言ったけど、そんないきなり…」

多分そんな感じのことを言ってたと思う。
でも俺はそれどころじゃなかった。
理由は簡単、香奈がブラジャーをつけていなかったから。
自分で脱がしておきながらしばらく固まってしまった。

「あ、ご、ごめん。下着つけてないと思わなかったから…」

思わず体ごと反対を向く。

<続く>

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