相性が最高だった知人の彼女 1

2023/12/10

俺がちょうど転職したころでした。友人Sからひょんな電話を受けました。

S「俺の知り合いのさぁ、保育士がいるんだけど、相談乗ってやってくんね?」

俺「何かわからないけど、俺の番号伝えて。それって良い話?」

S「わかんね。でも俺だとかみさんが、女から電話かかってくると、結構まずいんだよねぇー」

俺「はいはい。まぁ、そういう処理は任せておいて。」

S「ほんじゃーよろしくー。電話番号言っちゃっていいんだろ?」

俺「あぁ良いよ?」
と伝えた。何の相談だか知らんが、来るもの拒まない俺の性分として、そんな話を聞いちゃぁ、黙ってんらんない。少しの不安と大きな期待を寄せて、電話を待った。すると、友人Sと電話を切って、ほんの数分で電話がなった。

信番号を見ると、まったく知らない。AUらしき番号だ。
俺は、あぁ、こいつかな?と思いつつ。電話に出た。

俺「もしもーし」
電話の人「もしもし?S君に言われて電話したんだけど。LOD君?」

俺「あー、Sの知り合いの子ね。すみません。まだあいつに名前すら聞いてないで、こういうことになってるんですが、、お名前お伺いしていいですか?」
電話の人「あ、Tと言います。」

俺「Tさんですか、はじめまして。何かSから相談に乗ってもらってやって欲しいって聞いたんだけど・・・・」

T「あ、S君そんなこといったんだぁ。。ごめんなさい。相談ってほどじゃないんだけど、、最近彼とわかれた。というか、もう別れるんだけど、誰かいい人いないかなぁ。。と思って。。S君に電話したの。。」

ん?なんだそりゃ?ようは次の男探しか?

俺「そっかぁ、Sはなんていってたの?」

T「LODって人がいて、話してみたら?って言われました。だれか紹介してくれるよ。って言ってた。あ、無理なら良いんです。」

俺「というか、彼女がいない俺になんで、女性に男性紹介させるんだろう。あいつは。。。よくわからないね。」

T「S君結婚したし、電話しづらいっていって、LODさんを紹介したんじゃないですかぁ?」

俺「たぶんねぇ。。あいつのかみさんうるさいからなぁ。。自分は緩いくせに。あ、それ内緒ね。Sには」
と、軽い自己紹介と経緯を電話で話しつつ、仕事柄か、結構しっかりした話し方だと思いつつ、あれこれ思いを馳せた。

俺「で、どんな男性が良いんですか?紹介できるかわからないけど、とりあえずどんな人が良いか聞いておかないと・・・」

T「うーん、どんなってないんです。ただ、好きになった人がタイプなんで。。」

俺「うーん、一番難しいですねぇ(笑)」

T「ホントそうなんです。。。ごめんなさい。」

俺「あ、敬語はよしましょうよ?普通に行きましょう!」

T「あ、はい。」と、まぁ、なんか、初々しいような、初めての会話なだけに微妙なぎこちなさを感じながらも、俺はちょっと突っ込んでみた。

俺「今って彼氏がいるんですよね?うまく行ってないの?」

T「うん。なんか暴力ばかり振るうし、、、」

俺「ふぅん。なんか電話で話してもアレだし、近いうち会わない?」

T「えーいきなりですかぁ?あたしはいいんだけど。。ちょっと恥ずかしいなぁ」

俺「じゃぁ、決まりだ。会いましょう。いつ都合がいいですか?」

T「えーっとぉ。。今日はもう遅いから、、明日は用事あるし、明後日の金曜とかどう?あ、金曜だしLODさんはもてるみたいだから、デートの予定ありますよね?」
俺は、Sの奴なんか余計な事言ったなぁ??と思いつつ。

俺「あ、金曜OKです。明日って、遅いんですか?もっと話がしたいなぁ。。」

T「明日は、保育園の行事があって、これから家で作業なんです。行事が終わるのが、18:00くらいで、それから後片付けとか考えると、ちょっと遅くなっちゃうの。。」

俺「そうなんだぁ、、大変だね。じゃぁ22:00くらいなら電話しても大丈夫?」

T「はい。絶対電話頂戴ね。待ってます。」

俺「じゃぁ、待ち合わせは金曜高田馬場にしよう。えーっと時間は、19:30くらいがいいかな?いい?」

T「はい。じゃぁ、明日電話頂戴ね。金曜日は楽しみです。」

俺「あ、何か食べたいのとかある?馬場だから、たいしたもんないけど・・・」

T「おいしいものがいいです。でも、なんでもいいので、大丈夫です」

俺「じゃぁー予約しておくね。あ、もうこんな時間だから、、、切ります。」

T「はい。おやすみなさーい。」

俺「おやすみ。」

Sから電話を受けること、数時間で見知らぬ女性とアポを取ってしまった。と少し悩みつつ、どんな人間なのか、わからないから一応友人Sにすぐ電話した。

俺「あーS?あのさーなんか明後日会うことになったんだけど、、いいのかな?」

S「あーマジ?LOD。早いねぇ。。まぁ、よろしくやってよ?」

俺「でさぁ、どんな子?年とか、容姿とか。。」

S「年は俺のいっこ下だから、LODのいっこ上だな。えーっと容姿は、うーん。会ってのお楽しみしとけ?(笑)」

俺「あーーーーーったく。ちょっとだけ教えろ!」

S「っていっても俺もあんまよくしらないからなぁ。。まぁ、ブスじゃないよ。」

俺「なんだそれ。。まぁ、期待しないで臨みます。」

S「大丈夫だから。まぁあとはよろしくー。」

俺「あい。。。んじゃー夜遅くごめんねー。おやすみー」
相変わらずいい加減な友人を持ったと認識したが、期待しない訳がない。
ブスじゃないっていう抽象的な表現も微妙だ。。

まぁ、とにかく、今週末はちょっとは楽しそうだ。とちょっぴり期待しながらその日は終わった。
次の日、会社を終えて、いつものように家に帰ったのは、既に21:00過ぎ、そろそろ電話の時間だ。律儀に構えている俺も可愛いな。。と思いつつも、着替えて、ビールを空けて、軽く一杯自宅で引っ掛けていると、もう22:00だ。

なんか丁度にかけるのも癪だなぁ。と思ってテレビを見ていると、携帯が鳴った。
Tだ。心の中でほくそ笑んだ。

俺「もしもーし。」

T「もしもし?電話しちゃった。大丈夫?」

俺「もちろん!あ、俺からかけ直そうか?これ携帯だし。」

T「あ、はい。」

俺「じゃぁすぐかけるね。」

切るやビールを一気に呷った。もう、明日に向けての作戦が決行されている。
俺は携帯からかけなおした。

俺「もしもーし。ごめんね。こんばんわー」

T「こんばんわ。待っててもかけて来ないから、かけちゃった。大丈夫だった?」

俺「あ、22:00って言ったから、あまりちょうどにかけると、変な誤解されちゃうかなぁーと思ってね。」

T「なかなかかけて来ないから、心配しちゃった。」
意外にかわいらしいところがあるんだーと思ったが、あまり意に介せず。

俺「あーごめんごめん。今日は忙しかった?」

T「やっと保育園の行事が終わって、一段落したの。意外と早く終わったから早く話したいなぁ。って思ってずっとそわそわしてたよ?」

俺「・・そ。そですか、、ありがとう。」

T「LODさんって彼女いないの?」

俺「いきなりっすね。いないですよ。とりあえずは。Tさんはいるんですよね?」

T「うん。実は彼はS君の遠い知人なんです。」

俺「えー?そうなんだ。あいつそんなこと一言も言わなかったな。。」

T「そうだったんだ。。でも、もう駄目だなぁ。。。と思ってるの」

俺「どうして?」

T「だってもう好きじゃないし。。」

俺「じゃぁ、誰か気になる人はいないの?」

T「うーん。わかんないなぁ。。」

俺「じゃぁさ。出来るまで俺が中継ぎするよ!」

T「LODさんって面白いね。そんなこと言う人初めて。。。」

俺「そうかなぁ??まぁ、明日会うし、一応デートだね。」

T「そうだね。楽しみ。」

と、なんか次の日ある前夜祭のような感じで、どの店に行くかとか、何食べるかとか、いろいろ話したが、彼の話には一切触れなかった。そうして、そろそろ話も尽きたころ

俺「それじゃ、明日楽しみにしてるよ。19:30ね。」

T「うん。じゃぁ、遅くまでごめんなさい。ありがとう。おやすみー」

俺「おやすみー」

今の彼に満足していないのか、とりあえず、こっちに靡いて来ているのはわかった。明日は金曜だし、多少遅くまで呑んでも問題ないだろう。。と店の計画を始めた。

<続く>

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