女らしさが足りないと思っていた妹と、どこまでも堕ちていく

2018/12/18

バイトも休みでユックリしていた朝。
「あ~幸せ~~」布団の中でまどろむ俺はふと何かに気が付いた。
「ん?」何か独特の臭いと共に身体が圧迫される感じ。
「この臭いは・・・・酒か?」壁際に置いてるベッドの上で壁際を向いて寝ていた俺は後ろを振り返ろうとして驚いた。
「お、おまえっ・・・・!!」4歳下の妹、真由だ。
普段は臭いだの汚らしいだの邪魔だのって散々言いたい事言ってる女が何故か人のベッドを占領して堂々と寝ている。
どうりで圧迫感があるはずだ。
ど真ん中に妹が寝ていたせいで、俺は身動き取れなかったのだ。
「お前なぁ・・・・。」文句を言おうと思ったが、妹はくーくーと寝息をたてて眠っている。
「・・・まぁいいか。起きるまでほっとこ。」妹を踏まないように注意して、ベッドの上で足場を探す。
気を付けていたつもりなのにウッカリ腕を踏みそうになる。
「何で自分のベッドでこんな苦労しないといけないんだよ。」心の中でツッコミを入れながらも、なるべく起こさないように気を使う自分が悲しい。
トイレに行って一階のリビングに降りる。
両親は共稼ぎでこの家と車のローンを払うために嬉々として働いている。
特に母親の方は看護師で稼ぎがいいため、この家の家計を左右する大切な存在だ。
冷蔵庫に貼り付けてあるホワイトボードに書置きがあった。
汚い字で書きなぐってある。
「冷蔵庫の中の物、勝手に食べて」という事は自分で作れって事か・・・・。
朝からそんなめんどくさい事はしたくない。
朝と言ってももう10時過ぎてるが。
食パンにハムとチーズを乗っけてオーブントースターで焼き、牛乳を入れる。
コーヒーが欲しいところだが、自分で点てるのはおっくうだ。
パンと牛乳を黙々と食べ、食器を流しに置いてから2階の自室に戻った。
「ガチャ。」
「そっか。こいつがいたんだ。」
「・・・・何にも出来ないじゃん、俺。」妹が寝ているので、カーテンを開ける事もTVを付ける事も出来ない。
大体、高校生のくせに酒を飲んで帰って来る事自体間違っているのだ。
「親の躾が悪いからこうなるんだな。」同じ親に躾けられてる事を棚に上げてポツリと呟く。
「んんん・・・・んーー。」眉間にシワを寄せた顔で、妹が寝返りをうった。
「もうちょっとほっとくかな。」俺は仕方なく下へ降りてTVのリモコンを手に取った。
「まさにぃー」揺すられてはっと目が覚めた。
どうやらリビングのソファーの上でうたた寝していたらしい。
時計を見ると12時を過ぎていた。
「何でこんなところで寝てるの?ご飯は?」さっき起きてきたらしい妹の頭はボサボサで目には目やにが付いている。
「こんなとこって・・・お前のせいだろ。人の布団に侵入してきやがって。」
「あ~そっか。酔っ払って部屋間違ったのかな。」それだけ言うと、クルリときびすを返して洗面所に行ってしまった。
「ちょっとくらい謝れよな~。」妹にすら文句が言えない自分を見て、またも切なくなってしまう。
自分で言うのもなんだが俺は大人しい。
文句を言ったりケンカをしたりなんて殆ど、いや、全くと言っていいほどないのだ。
良く言えばおっとりしてる、気が長い、というヤツだが、悪く言うと優柔不断、ヘタレ、自己主張できない、となってしまう。
大学に在学中もそうだった。
印象が薄く、あまり友人も多くなかった。
4年生になってボヤボヤしてるうちに卒業になってしまい、結局就職が出来なかったのもこの性格のせいかもしれない。
妹はと言うと明るく活発で成績もいい。
友達も多く彼氏もいる。
同じ兄妹でどうしてこんなに性格が違うのか、不思議でしょうがない。
「まさーご飯どうすんのー?」
「ああ?俺はさっき食パン食ったよ。」俺の名前は雅裕(まさひろ)だ。
親の期待を一身に背負って付けられたのだが正に名前負けしている。
妹にすら呼び捨てにされているが、これでも案外仲はいいらしい。
世の中には名前を呼ぶどころか「お前」と言われたり完璧に無視されたりする兄妹がいくらでもいると友達から聞いたのだ。
子供の頃から親が共稼ぎで鍵っ子だったせいか、俺が家で静かに遊ぶタイプだったせいか、小さい頃妹はずっと俺の側にいた。
「おにぃちゃぁーん。」と可愛らしく呼ばれて可愛がっていたが、中学校に入った頃からその愛らしさは消えてしまったらしい。
「あ~昨日は飲んじゃったわ~。」シャワーに入ってやっとスッキリしたらしい。
妹は薄いガウンのような部屋着を着て台所に戻って来た。
「何でそんなに飲むんだよ。第一お前高校生だぞ。」
「っさいなぁ。今日びの高校生は酒くらい飲めないとダメなの。退屈なコンパだったから、つい飲みすぎちゃったのよ!」
「コンパって・・・お前彼氏いるだろ?」
「もう別れた。」
「はぁ!?3ヶ月も経ってないのに?さてはフラレたな、お前。そんなに可愛げがなかったらそりゃ振られるわな。」その瞬間、ハッとしたような顔になった妹がカウンターキッチンの向こうからこっちをじっと見ていた。
「なんだよ。ホントの事じゃねーか。」こちらを凝視していた妹は冷蔵庫の方に向かって歩きながら「フラレたんじゃない。振ったの。」とポツリと言い、冷蔵庫を開けてオレンジジュースをグラスに注いだ。
「何で振ったんだよ。結構いい男だったじゃん。」
「つまんなかったから。あたしの好きなタイプじゃないんだもん。」ジュースをテーブルの上に置き、俺の座っているソファーの隣にドン!と腰を掛けてきた。
「ホコリが立つだろ!もっと静かに座れよ。だから女らしくないって言われるんだぞ。」
「・・・女らしくない、か・・・。ねぇ、まさにぃはどんな女の人が好き?」
「あー?俺はほら、あれだよ。松嶋なな子みたいなキレイで大人しい感じがタイプだよ。」
「へえー絶対無理だね。高嶺の花じゃん。」
「うるせーこの酔っ払い。」妹の頭をパシンと突っ込んで、「いったぁ~~~い。まさひろのばーか!」と言って頭を押さえる妹の胸元をふと見てしまった。
ガウンなので前開きになっていてブラをしていない妹の胸の谷間がよく見える。
「結構でかいなこいつ。」いつの間にか女性の身体になっていた妹を見てしみじみと感慨にふける。
ちょっと前までガキだったのに・・・。
もちろんそこには何の感情もない。
兄として妹を見ているだけだった。
「あーまさひろのエロー。人のおっぱい見て妄想してるー。」何故かうれしそうにはやしたてる妹が、「ね、あたしどう?これでも結構もてるんだけど。」と言って立ち上がり、クネクネと悩殺ポーズを取って見せた。
「そりゃよござんしたね。でかいケツは上手く隠しとけよ。」
「バカッ!!ケツの話はいいの!!」言うが早いかソファーの上のクッションが飛んで来た。
妹は結構お尻が大きくて、それをかなり気にしている。
「お尻が大きいのが好きっていう人多いから、いいんだもん!!」
「あそ。俺は小さいのが好き。」ベッドを占領されたお返しとばかり逆らってやった。
「ばーーーーーーーーか!!!!」舌を出してイーッとした妹は、ツン!と顔を上げてまた冷蔵庫の方に戻って行った。
冷蔵庫をバクン!と乱暴に開けた妹が、「何にもない~。まさひろ、何か作ってぇ。」とさっきまでふてくされていたのがウソのような、鼻にかかった甘い声だった。
「自分で作れ。甘えんなよ。」そう言いつつもソファーを立ち、冷蔵庫の方に向かう俺。
共稼ぎの親のせいで、料理はしょっちゅうやっている。
反対に妹はろくに包丁も持てない有様だ。
「まさひろ様~。美味しいもん作ってぇ。」
「さっきクッション投げただろ。結構痛かったぞ、あれ。」
「も~さっき謝ったじゃん。ごめんってば。」
「謝ってねーよ。人のベッドに入って来るしよ。」そうやって文句を言いながら手が勝手に卵やウインナーを取っている。
「パンでいいだろ。簡単なもんしか作らねーぞ。つかお前、隣で見とけ。このままじゃ嫁にも行けねーだろ。」
「ええ~今日はしんどい~。明日からちゃんと手伝うから。ねっ?」
「ね?じゃねーよ。ほらどけよ。フライパン取れねーだろうが。」
「わーい。まさひろ様、大好き~。」そう言ったかと思うと、フライパンを取ろうとして前かがみになっている俺の背中に乗って来た。
「うお!!危ねーじゃねーか!つか重てーぞてめー!」危うくバランスを崩して倒れ込むところだった。
背中に貼り付いたままの妹は、「可愛い妹に慕われてうれしいでしょ~」と勝手な事をほざいてる。
「早くどかねーと飯作らねーぞ。」
「またまた~。妹と触れ合えてうれしいくせに~。」確かにうれしくないと言ったらウソになる。
無視されたり「てめー臭ぇーんだよ!!」と言う妹よりは遥かにマシだな、と頭の隅でちらりと考える。
が、どこの世界に妹に抱きつかれて手放しで喜ぶ兄がいるというんだ。
「ほら降りろ。くっつきたかったら隣で料理するとこ見とけ。」
「・・・いい。邪魔になるだけだもん。後でユックリ感謝してあげる。」そう言って俺の背中から降りたかと思うと、スタスタとリビングに戻ってしまった。
「誰だあんな風に躾けたのは。」さっきと同じ突っ込みを心の中でして、手早く料理に取り掛かった。
料理と言っても簡単なものだった。
スクランブルエッグとウインナーのボイル。
サラダとフルーツ。
さっきはめんどうくさくて点てなかったコーヒーも入れてみた。
食べ終わった妹に、「感謝してるなら洗い物くらいしろよ。

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