お兄ちゃんが欲しいよぅ

2018/03/11

弟「いや、俺に言われても。父さんと母さんに言いなよ」姉「お父さんとお母さんに言っても、どうにもなんないじゃん…」弟「もしかしたら生き別れの兄とかがいるかもしれない」姉「そんなマンガじゃないんだし」弟「いやいや父さんが独身のころ二股かけてて……いや、あのおっさんにそんな甲斐性はないよね」姉「でしょ…あーお兄ちゃんがほしぃーお兄ちゃんおにいちゃんおにーちゃんー」姉「…やっぱいないって、生き別れの兄」弟「いないかぁー」姉「うぅ…おにいちゃん…」弟「よし、第姉「こ、こう…かな?」弟「いや、そこはもうちょっと削った方がいいんじゃね?」姉「ええと、こんな感じ?」弟「…削りすぎだろ」姉「だ、だって、あんたが削れって言ったんじゃんっ」弟「ちなみに…なに作ってんの?」姉「え? ウサギさんだよ? 見てわかんない? ほらこのパッケージのウサギさん見てよ! めちゃかわいい!」弟「いや、わかるよ? ウサギだということはかろうじて」姉「…かろうじてって、さっき、あんたが耳削れって言ったから! 見てなさい、お姉ちゃんがめちゃかわいいウサギさん作っちゃうから!」弟「いや、だから、うさぎじゃなくて…お兄ちゃんは?」姉「………あ」姉「そもそも、お兄ちゃんは粘土こねて作るもんじゃないと思う」弟「じゃあ、なにで作るのさ? 言っとくけど木材加工も金属加工も敷居高いよ?」姉「まず、その発想を捨てよう」弟「……まさか、錬成!? でも錬金術の基本は等価交か………ま、まさか!?」姉「そう、あんたを…」弟「俺を犠牲にして…」姉「そうよ…なにかを得るためにはなにかを犠牲にする必要があるの」弟「そ、そこまで…そこまでして兄が欲しいのかっ!」姉「………んー、よく考えたら、あんたを犠牲にするならいらないかなぁ」弟「く、くそぉっ…しかし人体錬成は禁忌のワザっ…姉ちゃんも手や足の一本くらい持っていかれるぞ!」姉「ああ、うん。もうそれいいから」弟「…真理の扉の向こう側か」姉「だから、それ終わりだって」姉「現実的なところで行ってみよう」弟「……くっ……み、右腕が、持っていかれたぁっ」姉「うん、その話題終わってるから。あんた外でもそういうオタク臭まき散らしてないでしょうね?」弟「失礼な…俺ほど完璧な隠れオタもそういない」姉「明日、その左手にマジックで描いてある模様消してから学校いきなよ?」弟「…こ、刻印が…うずきだしやがった……近いな、奴らが」姉「そういうのもいいから」弟「年上の養子が来る…という案はどうだろう?」姉「むり」弟「無理かな? 現実的だと思うけど」姉「むりむり。初対面の人に『お兄ちゃぁん』とか言って甘えたりできない…私、人見知りするし」弟「ネクラだし。ウチベンケーだしなぁ…コミュ力もないし…無い内定だし…」姉「あれ、なんだろ? 今、弟の口がナチュラルにひどいことを言った気がするぞー? お姉ちゃん泣いちゃうぞー?」弟「どうだった?」姉「ダメだった。うちにお兄ちゃんを養子にもらうゆとりは無いらしい…」弟「そっか」姉「お母さんに『自分の分の食費を稼げるようになってから言え』と言われた…就活は関係ないじゃんよぅ…」弟「無い内定だからなぁ…」姉「ひどいよね…ちょっと泣きそう」弟「うん、姉ちゃん、頑張ってないわけじゃないもんな(頑張りが足りてないだけで)。
わかってるよ」姉「うぅ…やさしぃ……なんかカッコの中が気になるけど…」弟「よしよし」姉「……お兄ちゃぁんっ」弟「はっはっは、俺はお兄ちゃんじゃないぞ」姉「ちっ」姉「いいもん…就職できなくても」弟「良くないだろ」姉「だいじょうぶ!…私には夢がある! アイハブアドリーム!」弟「そうなんだ。初耳」姉「お嫁さん! かわいいお嫁さん! ブライダルフェアー!」弟「まぁ、そんなオチだろうとは思ってた」姉「オチじゃないし!」弟「いや、相手いないくせに『お嫁さん』とか歳を考えろっていうか」姉「あ、あんただって、小さいとき『大きくなったら、おねーちゃんのおヨメさんになるー』って言ってたくせに!」弟「………い、言ってない」姉「いや、言ってた! 頑なに主張してた! こっちが『おヨメさんじゃないよね? おムコさんだよね?』って訂正しても! しかも小学校に姉「お兄ちゃんっ♪」弟「私は、お兄ちゃんではありません。それはトムです」姉「…ノリが悪い」弟「どうしても俺のことをお兄ちゃんと呼びたければ…」姉「呼びたければ?」弟「スカートの端をつまみ上げつつ、パンツをさらし『お兄ちゃんのスペルマを私の卵子にぶっかけてぇっ』と言ってもらおうか!」姉「………」弟「フハハハハ! 言えまい! 言えないだろう! 所詮、貴様のお兄ちゃんに対する情熱はその程度のものだ!」姉「えと…お兄ちゃんのスペルマ私の卵子にぶっかけてぇっ! お兄ちゃんの赤ちゃん汁で受精させてぇっ!」弟「………」姉「フハハハハ! 参ったか! 私のお兄ちゃんへの情熱を甘く見ないでもらいたい!」弟「…いや、パンツがしましまじゃないとか、マジありえないし……なにそのババくさい色。失格」姉「しまっ!? ダメだし!? し、仕方ないじゃん、あんたに見せる予定とかなかったんだし!」弟「妹キャラは、しまぱんって決まってるだろ…」姉「…だいたい、しまぱん?とか持ってないし」弟「仕方ない…今度俺のしまぱんを貸してやろう」姉「いい。いらない」姉「ねー…プリン食べたくない?」弟「ん? あー…甘いもん食べたいかも…」姉「そ。 じゃ、買ってきて」弟「…なんで俺が。姉ちゃん、車あるじゃん。歩くとコンビニまでけっこうかかんじゃん」姉「私、お姉ちゃん。 あんた、弟」弟「………」姉「わかった? はい、お金。ミルクプリンはイヤ。焼プリンも不許可。スタンダードなやつのみ。ソーダ味とか買ってきたら泣く」弟「……姉ちゃん」姉「なに? おつりはあげるよん?」弟「いや、そもそも百円じゃ足らないし…今日だけなら、お兄ちゃんになってやらないこともないけど?」姉「いいの、やったぁ! お兄ちゃん!」弟「ははは、なんだいマイシスター? そうかそうか、お兄ちゃんの代わりにコンビニに行ってくれるか! お兄ちゃんは兄想いの良い妹を持ってしあわせだなぁ!」弟「…姉ちゃん」姉「ちがう。今は、あんたがお兄ちゃん」弟「………まぁ、いいんだけど、なんで二人で歩いてコンビニに行ってるんだぜ?」姉「お兄ちゃん、語尾が変だよ? だって、こんな夜遅くに女の子が一人でコンビニなんて危ないし」弟「女の子?」姉「あァ? 何か言った、お兄ちゃん?」弟「車で行けよ」姉「妹は車の運転が苦手なの。オートマしか乗れないの」弟「え、なにその設定。ぶりっこ?」姉「あ、お兄ちゃん、流れ星っ! お願いごとしなきゃ! えーと、お兄ちゃんの背があと弟「姉ちゃん」姉「なぁに、お兄ちゃん? あと、私はお姉ちゃんじゃないんだけど?」弟「歩きづらいんだけど、腕離してくんない?」姉「もー、お兄ちゃんたら恥ずかしがり屋さんっ!」弟「うん、マジ恥ずかしいよ。お兄ちゃん、女性と腕組んで歩くとか超恥ずかしいから、やめてくんない?」姉「…

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