姉に酷いことをしました(「姉の生理」続き)
2018/03/02
この話は、前回の「姉の生理の手当て(タンポン)」の続きです。
あの時たまたま聞こえた母親の声と姉の悲鳴から、俺は女性が生理ですごく辛い
思いをすることがあることを知った(そりゃあまり辛くない人もいるだろうけどさ)。
それから何年も経った今、そんな話を投稿したのは、正直に言うと「どーよ、おまえら男どもはみんな知らないだろうけど、女って割と知らないと
ころで苦労してんだぜー。
思い出せる限り詳しく書いたから勉強になっただろ?
わかったらどんどん“イイ!!”を押してくれよなー」くらいの気持ちだった。
こんなことを知っている男性なんてそんなにいないだろうから、きっと新鮮に感じるだろうと思ったし、この手の話で興奮するヤツもいるだろうと思った。
見る
のは男だけだと思った。
実際に、評価はイイの方が多いみたいだし、勉強になっ
たって書き込みもあった。
ところがなんか女の人からのコメントもあって、29番の人なんか、「お姉ちゃん
思いだね」なんて書いてくれている。
違う。
全然違う。
その話は、俺のかっこい
いところ、分かったようなところ、綺麗なところしか書いてないものです。
本当
は俺はそんなに姉思いでもないし、絶対にいい弟なんかじゃない。
それどころか、その話から一ヶ月も経たないうちに、姉に酷いことをしたんです。
本当にとりかえしがつかないくらい、酷いことをして、でもそんな事は親にも他
人にも、誰にも話せなくてずっと心にしまっていた。
それこそ「結果オーライ」
どころの話ではない。
全然オーライじゃない。
もう小物どころか、人でなしのレ
ベルだ。
前回の話は、姉の生理のことに関する記憶の中から、ほんの僅かな綺麗なところ、
俺がかっこ良く見てもらえるところだけを抽出したものです。
これからの話は、膨大な量の残った絞りかす、俺の九割以上を占める汚い部分です。
どこかに吐き出したくて書いて、でも誰かに伝えたところで、俺の何が変わるわ
けでもないし、そして何より『(・A・)イクナイ』。
恐ろしくイクナイ。
読ん
で気分が悪くなる人もいるはずです。
わずか数時間の間に起こったことだけど、
文章の量も多いです。
—————————-前回の話から数週間後。
俺の中学は開校記念日で休みで、姉は前日の夜から熱があるということで高校を
休んでいた。
両親は共働きで、母親は昨晩の洗濯物を干した後、俺と姉の分の昼
食(ビーフンだった)を作って仕事に行った。
10時ころ、姉は体調が良くなってきたからと、学校に行くといって準備をし始め
た。
俺は誰かと遊びに行こうと思って、友達の家に電話をかけた(そのころは携
帯なんて持ってなかったな)。
結局、電話した友達は都合が付かなくて遊びにいけなかったんだけど、電話口で
30分以上も雑談をした。
電話が終わって、気づいたら姉はもう学校に行ったみた
いだった。
俺は本屋にでも行こうと思って、自分の部屋から鍵と財布を取ってきて、玄関に
向かった。
ところが靴を履こうとして気が付いた。
姉の靴がまだあったのだ。
まだ家の中にいるのかと思って、『お姉ちゃーん!』って呼んでみたけど、ぜん
ぜん返事がない。
でも靴は通学靴も普段履く靴も両方あったので、外に出て行っ
たとも思えない。
体調が悪そうだったし、もしかして部屋で休んでいるのかと思って姉の部屋を覗
いてみたが、いなかった。
ではトイレかと思って、トイレのドアをノックしてみ
たが、やはり返事はない。
ということは、やっぱりもう既に出かけたのか。
靴は俺が知らないだけで、きっ
と別のを履いていったに違いない。
そう思った。
何だよ、心配して損した…とか考えながら、俺は出かける前にトイレに行った。
そこでやっと気が付いた。
遅すぎた。
トイレのドアに鍵がかかっていた。
ドアの鍵は簡素なもので、その気になれば外側から鍵をかけることも、開けるこ
ともできるものだったが、どう考えても、中に人がいないのに外側から鍵だけか
けるなんて、家族どうしではありえない。
ドアを強くノックし、『お姉ちゃん!』と呼んでみたが返事がない。
俺は財布から10円玉を取り出して、ドアノブの鍵の溝に引っ掛けて回した。
ドア
を開けると異臭が鼻をついた。
ほとんど水分だけの吐瀉物が、便器の中と、トイレの床にぶちまけられていた。
そして床に広がった吐瀉物に顔をうずめるように、制服のスカートと下着を膝ま
で下ろした姉が倒れていた。
一瞬思考が止まった。
…いや、一瞬どころか、もしかしたら数秒間くらい止まっ
ていたかもしれない。
気づいたら俺は姉をトイレの外へ引っ張りだそうとしていた。
抱き起こそうとし
たけど、人が二人も入る余裕なんてトイレにはない。
動転していた俺は、壁に掛
けてあるラベンダーの匂い袋を引っ掛けて落として、隅っこの汚物入れを蹴飛ば
して倒してしまった。
埒があかなくて、結局は入り口に近い足のほうを引っ張っ
て、姉の体を外に引き摺りだした。
廊下に姉の体を横たえて、俺は洗面所のタオルを濡らして、吐瀉物に汚れた姉の
顔と髪を拭いた。
「知り合いの女子たちを真ん中で分けたら、可愛い方に入るよ
な」と密かに思っていた姉の顔は、口から右半分にかけて酸っぱい匂いのする吐
瀉物にまみれ、肩にかかるくらいの髪は、ふざけて整髪料をぬたくったようにべ
とべとになっていた。
姉の顔色はまるで漫画かアニメみたいに真っ青だった。
口の中も拭こうとして顎
に手をかけたとき、姉が薄目を開けた。
『お姉ちゃん!』と呼んだが反応は無かった。
数ミリ開いているかどうかといっ
た瞼から覗く黒目は、どこも見ていなかった。
そして僅かに開いた瞼の中から、
黒目がぐるりと消えた。
それがいわゆる白目をむいた状態だとは、そのときはわ
からなかった。
俺は「あっかんべー」をさせるみたいに、姉の瞼の下を引っ張った。
普通は赤い
色をしているその部分は、ほとんど血の気がなかった。
貧血だった。
俺も姉も、そんなに体は丈夫ではない方だった。
特に俺の方は、体育の時間はよ
く貧血を起こしていたから、貧血かどうかを、瞼の下を裏返して見るということ
は、本か何かで読んで知っていた。
とりあえず姉をどこかに寝かせなければ、と考えたときになってやっと、姉の股
間から白いものが覗いているのに気がついた。
当時中学三年生の俺は、女性の性器なんて見るのは初めてだった。
女性の性器に
は、子宮に向かって膣という穴が開いていることは知っていたが、その穴は肛門
のように、いきなり穴だけあるものだと思っていた。
薄い(比較対象なんて当時は無かったが)陰毛の下にはいった亀裂を見たとき、
これは怪我だ、切り傷か何かだと思った。
その亀裂の後ろの方から、綿棒の直径
を10倍にしたようなものが、割れ目を押し拡げるように1センチほど飛び出して、
その先から10センチほどの紐が伸びていた。
押し拡げられた割れ目の間から、僅
かに肉の色が見えた。
両耳の後ろがガンガンと鳴り始めた。
眉間がムズムズとしてきた。
「見てはいけない」なんて思考はとっくに止まっていた。
何秒間かわからないが、
俺は実の姉の性器をじっと凝視していた。
どれほどそのままでいただろうか。
実際は10秒も経っていなかっただろう。
姉の
性器から覗いているその白い物が、ちょうど数週間ほど前に、俺に隠れるように
風呂場で母親に入れてもらっていた「タンポン」というものだと、やっとわかっ
た。
俺の記憶の限り、大きな声で笑うことも、ふざけて悲鳴をあげることもろくにな
かった大人しい姉が、母親にその生理用品を入れられたときにあげた、『ひッ…! い、痛い、痛いッ!!』という悲鳴を思い出した。
たった数週間前に、自分で出来ないから母親に入れてもらって、あんなに悲鳴を
あげて、さらには二度も吐くぐらい苦しかったタンポンを、今日は一人で入れよ
うとしたのか。
熱で休もうとしていたのに、授業を受けるだけではなく、水泳部
の練習にも参加する気だったのか。
俺は姉の両腕を自分の肩から前にまわすようにして、姉を背中に担いだ。
二階の
自分の部屋に布団をしいて、そこに寝かそうと考えたのだ。
このあたりからの俺のした事は、全てが最悪だった。
そして何より、最低だった。
そもそも二階に連れて行くという選択からして間違いだった。
貧血を起こしている状態なのだから、頭の位置が高くなるような担ぎ方なんてす
るべきではなかった。
家の中なのだから、その場で寝かせて、座布団か何かで脚
の位置を高くして、それでタオルケットでもかぶせてやればよかったのだ。
馬鹿
野郎。
重心の定まらない姉の体を担いで階段を上った。
当時、姉は高校一年で、俺は中
学三年だったが、俺の身長は姉より少し大きくなっていた。
姉の口から僅かに零
れた胃液が、俺の首筋に落ちて、背中の方に流れていった。
上っている間に姉に
何度か呼びかけたが、反応はなかった。
膝まで下ろしてあったスカートと下着は、
階段を上っている間に落としてしまっていた。
どうしてこのとき、下をそのままにしていたのか。
スカートはともかく、下着だ
けでも穿かせてやれば良かったじゃないか。
きっとそのときは、性器からタンポ
ンが飛び出しているのに、その上から下着を穿かせて良いものかどうか迷ったと
思うんだけど、それでも、せめて目隠しのつもりで穿かせてやれば良かった。
家族とはいえ、意識がなかったとはいえ、異性に自分の性器を見られた姉は、も
しそのことを知ったなら、いったいなんて思うだろう。
階段を上り、ドアノブを無理矢理に片肘で回して部屋に入った。
俺は面倒くさが
り屋な性格で、いつも起きたらすぐにカーテンを開けるように親に注意されてい
た…