通学電車

2020/07/07

都立の女子校に通う香織は通学電車でいつも同じ車両に乗っている大学生の雄一に思いを寄せていた。
しかし2人は同じ電車に乗っているだけ。
雄一は香織の存在すら気づいていないかもしれない。
もともと内気な性格の香織には雄一に声をかけたり、手紙を渡す勇気が無かった。
香織はいつも自分の勇気の無さを歯がゆく感じていた。
「今日も手紙、渡せそうにないなぁ…」その日、香織は電車の扉のすぐ近くに立っていた。
扉のガラスに反射して映る雄一がいつまでも遠い存在に思えた。
キィィィーーー!!「うわっ…」
「きゃっ…!」金属の擦れ合うイヤな音がしたと思うと、急に電車が止まった。
そしてすぐに車内アナウンスが入った。
『え?、信号機トラブルの為しばらく停車いたします。お急ぎのところご迷惑をおかけいたします。』イラ立つ中年サラリーマンのため息と舌打ちが聞こえてくる。
しかし香織はむしろ電車が止まったことをラッキーだと思っていた。
香織にとっては雄一と同じ空間に少しでも長くいられることが幸せだったからだ。
しばらくガラスに映る雄一を見つめボーっとしていた香織だったが、太ももに何かが触れていることに気がついた。
後には小太りの男が立っていたはずだ。
香織はすぐに痴漢されているのだと理解した。
童顔で体も華奢な香織はよく電車で痴漢をされていた。
もちろん内気な香織は抵抗することも出来ず、ただ俯いて耐えるだけだった。
(また痴漢…どうして私ばっかり…)はじめはお尻を包み込むように触られたり、太ももの辺りに手の甲を押し付けてくるだけだったため、香織は少し油断していた。
しかしその手が徐々に太ももをよじ登ってくると香織は恐怖を感じた。
(え…?スカートの中に入ってる…どうしよう…)香織のスカートはヒザ上20センチくらいの短さで、痴漢の手がスカートの中に侵入するのは簡単だった。
今まで数え切れないほど痴漢にあっている香織だが、スカートの中にまで手を入れてくる痴漢にあったのは初めてだった。
そしてその手がついに脚の付け根にまで到達してしまった。
その手は薄いパンティの布越しに香織の敏感な突起を探りあて、指先で円を描くように刺激し始めた。
「やっ…」香織は反射的に小さく悲鳴をあげた。
すぐ隣に立っていたサラリーマンがそれに気づいた。
(お願い、助けて…)香織は心の中でそのサラリーマンに助けを求めた。
しかしサラリーマンは助けるどころか、スカートに手を入れられてもまだ耐えている香織を見て興奮してしまっていた。
そしてついに彼も痴漢と化してしまった。
(いや…どうして…?やめてよぉ…)隣に立つサラリーマンは少し小振りな香織の胸に恐る恐る触れた。
そして俯く香織の顔を覗き込むように反応を見ている。
顔を紅潮させ、必死に耐える香織の表情はよけいに彼を興奮させた。
徐々にエスカレートし、ついには制服のボタンを外し、シャツの中に手を入れてきた。
(やだっ…もうやめて…)スカートに手を入れている小太りの男は隣のサラリーマンも香織に痴漢していることに気がついた。
それまで小太りの男も遠慮がちに痴漢をしていたが、同じ目的の仲間が1人増えたことによってより大胆な行動に出た。
ついに香織のパンティの中にまで指をいれたのだ。
「あぁっ…」香織は見知らぬ男達から受ける強い刺激と驚きで思わず声を出してしまった。
おとなしくしていないと周りの人に痴漢されていることを気づかれてしまうかもしれない。
それは恥ずかしくて耐えられない。
しかし香織はもう限界だった。
このままでは痴漢の指にイカされてしまいそうだった。
そうなれば立っていられず、その場に崩れ落ちてしまうだろう。
(お願い…もうやめて…)このまま見知らぬ男達の手により、自分の好きな人の前で絶頂をむかえると思うと悲しくなってきた。
しかし敏感な香織の体は意に反して、痴漢から与えられる快感を受け入れてしまっていた。
(いや…お願い…助けて…)吐息で曇らせてしまったガラス越しには雄一の姿を見ることも出来なかった。
「よぉ、久しぶり!」突然声をかけられ香織はすぐに自分のことだとは気がつかなかった。
「俺だよ、雄一だよ。忘れたのかよ?」
「え…?」ようやく香織は自分が雄一に声をかけられているのだと理解した。
香織の体を弄んでいた2人の痴漢はすぐにその行為をやめ、おとなしくなった。
「いいから話を合わせて」
「あ、はい…」雄一に耳打ちされ、香織はようやく雄一が助けてくれたのだと気がついた。
そして電車が動き出し、次の駅で痴漢は降りていった。
「あの…ありがとうございました」
「あぁ、いいって、いいって!でも緊張したなぁ…」照れくさそうに笑う雄一を見て、香織も笑った。
キィィィーーー!!「うわっ…」
「きゃっ…!」その時、電車がまた急停車した。
バランスを崩した香織は雄一の方へ倒れかかり、2人は密着した。
そしてちょうど香織の腰のあたりに雄一の股間が当たっていた。
それ自体はいいが、問題は押し付けられる雄一の股間がこれ以上無いくらい硬くなっていたことだ。
「あの…」
「ご、ごめんっ…」雄一は必死に腰を引こうとするも電車が混雑しているせいもあって、うしろから押されるたびにゴリゴリと硬くなった股間が香織に押し付けられた。
電車を降りると、雄一は顔を真っ赤にしながら香織に謝った。
「ご、ごめん…。正直ちょっと痴漢されてた君を見てたらなんか…本当ごめん!」香織は正直に謝る雄一を可愛らしい人だと思った。
それに助けてくれたのは間違いなく雄一なのだ。
「いいですよぉ、そのくらい。それに雄一さんになら痴漢されてもいいから…」
「えぇっ!?」
「前から…好きだったんです。雄一さんのこと…」勇気を出して自分を助けてくれた雄一に、香織も精一杯の勇気を振り絞った。
雄一は顔を真っ赤にしてテレていたが、その後2人は手をつないで駅を後にした。

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