3年A組の男子達の災難?

2020/04/18

授業の合間の休み時間、稔の机の上に剛司がどっかと乗っかって何やら話している。
「しっかし、こないだは参ったよ。プールの授業終わった後更衣室で着替えようと思ったら、服がないんだよ。それであちこち探してるうちに次の授業の時間になっちゃって、海パンのまま教室戻ったんだよ。女子も見ている中、仕方なくジャージに着替えたんだけど、さすがにあれはハズかった......」
「で、結局服は見つかったの」
「教室のオレのロッカーの中に入っていたよ」
「へぇ、こないだ覗き見した仕返しされたんじゃないの」
「だとしか考えられない。現にあの連帯責任取らされた日から、あいつら調子乗ってるからな」
「ホームルームでチクれば?」
「ああ、オレもそのつもりなんだけどな」3年A組の教室では、いつものように授業の後、ホームールームが行われていた。
「......明日の予定は以上です。では、ホームルームをこれで」
「ちょっと、待ったぁ」教壇でホームルームを務める三橋を遮るように口を開いたのは、剛司だった。
「剛司くん?何ですか」
「昨日、プールの授業の後、オレの服が盗まれました。で、その後探したら教室のロッカーの中に服が入っていました」
「そうですか、それは一件落着ですね」
「一件落着じゃねぇ。犯人はこのクラスの女子に決まってる」
「それは、どうして分かるのですか」
「どうせ、こないだ覗いた仕返しだろ」
「その件は、男子が連帯責任の罰を受けたことで終わっています」
「表面的にはな。だけどあの時から調子に乗ってる女がいんだよ」
「それは具体的に誰のことですか」剛司はチラッと横目で被害者面している奈緒とその一派の方を見た。
しかしこの剛司の暴論に、奈緒たちも黙ってはいない。
「何の証拠もなしに私たち女子を犯罪者扱いされちゃたまんないわ」
「そうそう覗いた分際で、濡れ衣まで着せてくるなんてサイテー」
「自分で蒔いた種じゃない、当然の報いじゃない」
「静かにしてください。剛司くんの言い分は分かりました。しかし、犯人が分からないことには、どうしようもありません」一旦双方に火がつくと、収拾がつかなくなることを承知していた三橋が慌てて止めに入った。
「だから女子の誰かだってば」
「ウチのクラスですか、それとも他のクラスの女子ですか」
「んなもんウチの女子に決まってんだから、連帯責任取らせろよ」
「でも、女子は濡れ衣と言ってます」
「おい、お前らいつまでもそんな言い分が通ると思うなよ」
「では私の方で実態を調査してみるので、今日のところは......」三橋の一旦打ち切りの流れに、久子が割って入ってきた。
「剛司くんの言いたいことは分かりました。では、男子更衣室に監視カメラを取り付けましょう」
「えぇー」久子の思いがけない言葉にクラスがどよめく。
「でも、今回のことはお咎めなしかよ」
「今後、剛司君の言うように更衣室に女子がいたことが確認できたら、女子全員に連帯責任を取らせます。剛司くん、それでいいでしょう」
「あ、あぁ」久子の徹底した対処法に、剛司自身、驚きと戸惑いは正直あったが、一方でそんなに悪い気もしなかった。
後日・男子更衣室プールの授業が始まる前、剛司たち男子が続々と入ってきた。
「なぁ、監視カメラってどこに付いてんだろな」
「そういえば見たところないよな」
「久子先生はオレたちの気にならないような位置に付けたって言ってた」
「それが、気になるような気にならないような」
「まっ何にしろ、これでちょっかいかけて来る女子もいなくなる訳だ」校内の某モニタールーム「あっ、男子が入ってきた」
「いよいよね、何だか緊張してきちゃったわ」
「私たちに見られてることも知らないで」担任の久子が設置した、ここモニタールームには早々と着替えを済ませたクラスの女子が集まっていた。
男子更衣室「それで誰が監視してんだって?」
「久子先生だってよ。ひょっとしたらオレたち見られてるかも」
「色っぽい久子先生だったら、別に裸ぐらい見られてもいいやウチの女子だったら絶対イヤだけど」
「そうだな。この時ばかりは普段見せないような顔で、画面に見入っているかもな」そう言いながら、剛司や稔たちは一斉にパンツを下ろしていく。
某モニタールーム「キャー、稔ったらフツーにパンツ下ろしちゃった」
「やっぱりチンチンちっさーい、こんなしかないよ」奈緒は指で、稔のアレの小ささを示して見せた。
「相変わらず、お毛毛に埋もれちゃって見えないよ」
「キャハハハ、剛司のは完全に皮被りのまんまだし」
「あんな威張ってても、アソコはまだまだお子様なのよ」
「なんかポークビッツみたいなチンチンだから、剛司のあだ名ビッツ君て名前にしない?」
「ププッ、それサイコー!!」床下のカメラから送信して映し出された稔たち男子のすっぽんぽん画像に女子は嬉々として見入ってしまうのだった。
男子更衣室「しかしこの前の連帯責任は最悪だったな」
「大勢いたとはいえ、かなりハズかったよな」
「あの久子先生が、パンツ脱ぎなさいなんて言うんだもん。マジでオレまで勃起しそうだったよ。あの時」
「男子全員に言ってるんだけど、何か自分だけに言われてるみたいだったよね」
「ヤベー、そんな事言ってたらホントに勃起してきた」剛司は言うことの聞かない自分のアレを抑えるのに一人で躍起になっている。
「何やってんだよ。久子先生にそんなトコ見せられないぞ」
「そりゃそうだ」某モニタールーム男子更衣室の様子が画面一杯に映し出されたモニターにクラスの女子が群がっている。
「キャー、剛司が勃起したチンチンを皆に見せつけてる」
「ホント、小さいくせに何やってんのかしら」
「しかし男子って何で、あんなバカなのかしら」そんなことを言って騒いでいると、モニタールームの扉が開いて誰かが中へ入ってきた。
奈緒たち女子は一瞬、緊張した空気に包まれた。
「どう、問題ない?」声の主が担任の久子だったことに、女子は皆一様に胸を撫で下ろした。
「はい、今のところ怪しい人はいないみたいです」モニタールームの管理を任されている学級委員の三橋が答える。
「そう、、これだけ監視する人がいれば大丈夫よね」そう言って久子はクラスの女子たちと顔を見合わせて、お互い不敵な笑みを浮かべるのだった。
「カメラの設置場所とモニタールームの場所は男子には内緒ね」
「はーい、分かってまーす」
「もうすぐ授業だからベルが鳴ったらプールへ行くように。それと授業の終わりもよろしくね」久子はそれだけ言うと、次の授業を行う教室へと向かうのだった。
「ビックリしたぁ、男子がココを嗅ぎ付けたかと思っちゃった」
「私も」その後も、女子たちは時間の許す限り男子のモニタリングに夢中になっていた。
「ねぇ、もしお尻コンテストなんてあったら誰が優勝するかな」
「うーん、隆なんか大きいかな....」
「真っ黒に日焼けした孝治もいいと思うけど」
「やっぱ男の質はケツよ、ケツの穴の小さい奴は.....とかって言うじゃん」
「そういえば、祐子はお尻フェチだったわね」
「フェチというよりかマニアかもね」
「ちょっと喋ってるんなら後ろの私たちにも見せてよね」♪キーンコーカーンコーン「あっ、時間だ。プールに向かわなくちゃ」
「あーぁ、次の楽しみは授業の終わりまでお預けか。」
「ねぇ、今度ビデオに録っとこうよ」
「うん、あの装置が使いこなせるようになったらね」クラスの女子たちはそう言いながらモニタールームを出ると、男子のいるプールへ足早に向かうのだった。

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