年少期の計画

2019/12/28

今考えると本当に馬鹿らしいんですが、当時の俺には、止められない衝動でした。
俺は、よく姉と兄のお使いを頼まれてました。
理由は、一番下が言うこと聞くもんだと、姉と兄のタッグにいつも勝てない。
言いくるめられてお使いに行かされる。
お使いの帰り道に、すごいことを発見してしまったのである。
それは、近所の家なんだけど、浴室の電気がついていて、窓が半開してる。
しかも、「そろそろあがるよ」って女の人の声が聞こえた。
俺にとって、ものすごく興味がでてしまいました。
どんな人が住んでるのかも知らないけど、俺は勝手に美少女を想像し下半身を膨らませてしまった。
学校にいくときも、少し遠回りだったけど、その家の浴室の窓をチェックせずにはいられない。
毎日のようにチェックしたけど、いつも半開してる。
もう秋に差し掛かっている。
俺の中でもう時間は迫っている。
寒くなれば、窓が閉められてしまうというあせりがあり、どうしても覗きたいという衝動に駆り立てられた。
何度か通っていたけど、どんな住人が住んでるのかはわからなかったけど、俺の中ではすごい美人のお姉さんがいると思い込んでました。
今思うとなんの根拠もない。
夢を持っていた少年期である。
俺の計画は、夜9時ぐらいに寝るといいだして、俺の部屋は2階なんだけど部屋のすぐ横に電柱があり、外には出れる。
もちろん、靴は前の日に部屋に置いてある。
そして、あの浴室を覗くんだと。
そして決行の土曜の夜、もう眠いから寝るねっていって、自分の部屋に戻り、電気を消すした。
うちの家族は土曜は家族全員遅くまでテレビに夢中。
まず、11時頃までは2階に上がってくることはない。
9時から11時までがリミット。
中学の入学のとき買ってもらった腕時計を装着。
帽子を深くかぶり、部屋の窓から電柱に飛び移り、外へ。
計画通りである。
胸はどきどき、覗きという犯罪を犯すというより、あの美人のお姉さまの裸を間近でみれると期待感でいっぱいだ。
そして、現場についてまだ、浴室の電気はついていない。
その家の庭先の植え込みに隠れて、待つこと30分。
浴室に電気がついた。
「お風呂はいるね」って天使のような声。
間違いない前聞いた声だ。
そして、お風呂場の扉の開く音。
まだだ。
身体を洗い出すまで待つんだ。
と覗きたい気持ちを抑えた。
そして、お風呂の蓋を開ける音。
まだだ。
あせる気持ちを精一杯抑える湯船に入る音。
鼻歌らしきものが聞こえるが何歌ってるかはわからない。
そして、湯船から出る音が聞こえ、シャワーが出る音が聞こえた。
チャンスだ。
今しかないと勇気をだして、半開の窓から浴室を覗き込んだ「。」自分の母親に近い年齢か。
顔もかなりひどい。
はにわ顔。
あまりの大きいショック。
心を打ちぬかれたそして電信柱をよじのぼり、自分の部屋にもどった。
完全犯罪の終焉である俺の夢の一つがやぶられた現実は、きびしいものだと思い知った青春の一こまであった

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