冬の一日
2019/10/23
外は雪。
しんしんと降り積もるその様子は、昔話の世界のようだった。
谷あいの村なので、空は山に切り取られて少ししか見えない。
妹のさと子とあたしはやぐらコタツにはいってごろごろしていた。
すると、そーっと、障子があいた。
音はしなかったけど、冷たい風がさぁっと入ってきたからわかった。
「たいっちゃんやろ。はよ閉めて。さぶい」あたしは本を読みながら言った。
「めっかった」てへへと笑いながら、従弟の太一(たいち)が部屋に入ってきた。
「何してんの」
「なんもしてへん」あたしは、つまらなさそうに言った。
「入ってええか」コタツのことを言っているのだ。
「さと子、入れたり」
「えーっ。なおこ姉ちゃんのほうに入りいさ」
「いけず言わんと、入れたり」
「もう」さと子はしぶしぶ太一に場所をあけてやった。
あたしは「坊っちゃん」の続きを読むことにした。
「ちょっとぉ」
「しっ」さと子と太一がごそごそなんかやってる。
「同い年は、仲ええなぁ」とあたしは思って気にせず読書をしていた。
「はぁはぁ」
「・・・」なんか変である。
さと子のあえぎ声がかすかにしている。
コタツの対面側なのでここからはまったく見えない。
「ちょっと、あんたら何してんの」しばらくあって「なんにもしてへん」と太一「ふうん」あたしは、不審に思いながらもそれ以上かまわなかった。
「たいっちゃん、痛い」そう聞こえた。
「さわって」と太一の声あたしはそっとコタツの中に頭を入れて覗いた。
二人ともパンツを脱いで、下半身をむき出しにしてあかあかと赤外線の下で睦みあっていた。
「こらぁ。あんたら何してんの」あたしは、どきどきするのを抑えて、二人を見据えて注意した。
なんとも破廉恥な、子供のくせにと思って。
「たいっちゃんが・・・」とさと子。
「さと子ちゃんがさわってって・・・」と太一太一のおちんちんがぴーんと上を向いてゆれている。
わずかに毛も生えかかっていた。
こんな子供でも、大人みたいに剥けて硬くしているのには驚く。
さと子と言えば、痛々しい赤いおめこを丸出しにして泣いていた。
「いつから、あんたらこんなことしてんの」
「去年の夏休みから」と太一。
小学五年生ならもう性教育もしているだろう。
それが却って好奇心に火をつけることもあるのだ。
「なおこ姉ちゃんもいっしょにしよ」
「あほなこと」あたしはもう中二だ。
彼らとは違って、もう大人の体になっているのだ。
「いいやんか」太一がいつになく強気であたしに迫ってくる。
あたしは身の危険を感じずにはいられなかった。
家の大人たちは神宮さんに初詣にいってお神酒をよばれているはずでだれもいない。
太一はそれを計算しているのだ。
お乳に手を伸ばす太一。
あたしも、逃げようと思えば逃げられた。
でもそうしなかったのは、やっぱり好奇心からだろうか。
あたしは押されて後ろに手をついた形になった。
あたしの上に乗りかかるようにして大柄な小学生が向かい合った。
太一の切れ長の目が真剣だった。
「ええやろ。なおこ姉ちゃん」あたしは返事をしなかった。
セーターを捲くられ、格子縞のブラウス越しに乳房をまさぐられた。
さと子がまじまじとその行為をそばで見ている。
あたしは解剖されるカエルのような気持ちだった。
「やわらかい・・・」はじめはおそるおそる触っていた太一もだんだん大胆につかむように乳房をもてあそぶ。
あたしは、このシチュエーションに感じてしまっていた。
太一の手がスカートの中に進入し、あたしのパンツに触れた。
反射的にあたしは足を閉じた。
「いや」
「ええやん。触らせて」嫌らしい目つきで言う、マセガキ。
目をしたにやると、太一の性器はおへそにつくくらいしっかり勃起していた。
こんなのを見るのは初めてだった。
まして小学生ではないか。
大人のでも、ぶらぶら股間にゆれているのしか知らなかった。
「おれさ、やったことあんねんで」パンツの腰ゴムに手をかけながら、太一は重大なことを暴露しだした。
「なにをよ」
「おめこ」
「だれと」
「おばあちゃん」仰天である。
あたしたちの祖母が孫と関係したなんて。
たしかに、祖母はまだ五十半ばぐらいで若く見えるけど。
「おばあちゃん、だれにも言うなって」言うてるやんか。
「いつのことなん?」あたしは恥ずかしくも濡れた谷間を太一に自由にさせながら訊いた。
「こないだ風邪で学校、休んだとき」太一の母、つまりあたしたちの叔母夫婦は共働きで太一を同居の祖母が面倒見ていた。
二人は普段から親密だったのだろう。
祖父も昔に亡くなっているから、祖母だってさみしかったのに違いない。
けど・・・「あ、ああん」あたしは、声を上げてしまった。
「お姉ちゃん、きもちええの?あたしもそこさわられたら気持ちええよ」と、さと子「なおこ姉ちゃん、ぐっちょぐちょやん。それに毛がぼうぼう」
「いやや、そんなん言わんといてっ」あたしだって、一人で慰めることもある。
でも他人の指でこんなことされるなんて。
「あかん、いやっ」内腿が痙攣するような感じになって、腰が浮いた。
「めっちゃ、締まるで」指が膣に入っているのだ。
さと子がかたわらで、たまらないのか幼い自分の指で秘処をいじっている。
「なあ、入れていい?」太一が屈託のない目で懇願する。
「入れるって、あんた、もう出るんやろ」
「出るって、アレのことか?出るよ」と自慢げに言う。
「あかんわ。ややこが出来てまう」
「ちゃんと外に出すやんか」押し問答の末、やらせることになった。
「ぜったい、中に出したらあかんで」
「わかってるって。おばあちゃんは中に出してええって言うたのに」
「おばあちゃんはもう生理がないからええねん。あたしはあるの!」なんだかわからない理屈で言い聞かせた。
あたしははずかしさでいっぱいになりながら、太一に股を広げた。
「おめこをするんや。もう大人や・・・」そう思いながら。
目の前まで近づいてそのぬらぬらと光った生き物のような勃起をあたしの穴に入れようとする。
「痛いわ」
「動かんとがまんしてよ。なおこ姉ちゃん」めりめりと引き裂かれるような感じで太一が突き進んでくる。
「痛いって」
「もう、ほとんど入った」硬さが全身に鳥肌を立たせる。
「すごい」とさと子が覗き込んでいる。
「ああ、気持ちええ」目をつぶるようにして、太一があたしの上で言う。
じわりと太一の暖かさが伝わってきた。
あたしは太一がいとおしくなって、だきしめた。
はじめて、男と結ばれた感動。
「お姉ちゃん・・・」
「たいっちゃん・・・」どちらからともなくキスをした。
ほんとうだったら、津村君にあげたかった・・・クラスの人気者のの津村淳君。
ひそかに好きだったのだけれど、地味なあたしなんて歯牙にもかけてくれない。
この太一が津村君ならよかったのに。
そう思って、体をゆだねた。
「ああ、おれ、もう」
「ああん、外よ。外よ」
「うああああ」すんでのところで腰を引いてくれておなかの上に出してくれた。
びゅーっと白い液体がおなかからあごの方まで飛んできた。
「あ、クリの花のにおい・・・」とあたし。
「何、出したん。たいっちゃん」とさと子の声「セイシや。コダネや」と太一。
彼は肩で息をしていた。
あたしのあそこには、まだ太一が入っているような錯覚があり、なぜか尿意を覚えた。
「お便所、行ってくるし」あたしは立ち上がった。
「こんどはさと子ちゃんとやろ」
「入るかなぁ」後ろでとんでもないことが始まろうとしていた。