私の幼稚園先生

2019/05/29

「さ、それじゃあ、もう大丈夫だねボクたん。ゆっくりお昼寝しててね」
「う、うん…も、もう、大丈夫…だよ…先生…」
「それじゃあ、わた君…」
「あ、はい…」
オネショの不安がなくなったボクたんも、ようやく落ち着きを取り戻したようだ。
そんなボクたんの様子に安心したようこは、わたるを連れ、部屋をあとにしようとした。
「じゃあ、ボクたんが眠っている間に、おやつの準備しておいてあげるからね。楽しみにしてて」
「…あ…う、うん…」
これで、お騒がせなボクたんのオネショ騒ぎもようやく一段落……と思われたのだが…
「じゃあ、おやすみなさい、ボクたん」
「あの…よ、ようこ…せんせい…も、もう、いっちゃうの?」
「え?」
立ち去ろうとしたようこを、不意にボクたんが呼び止めた。
「なぁに?どうしたの、ボクたん?」
「あ、あの…」
「ん?」
どうしたのだろう?この期に及んで、またオネショの心配でもしているのだろうか?
上目使いでようこを恐る恐る見上げるボクたんは、どこかソワソワとしてる。
「どうしたのよ、ボクたん?…もう、オネショの心配はしてないでしょ?」
「う、うん…オネショは…もう、平気だけど…」
「じゃあ、どうしたの?これから先生は、ボクたんとお兄ちゃんのおやつを買いに行かなくちゃならないんだけど…」
「う、うん…それは、わかってるけど…あの…」
何か言いたいことがありそうなのだが、うつむき加減でただモジモジとしているボクたん。
「どうしたのさ、ボクたん」
「え?…う、うん…」
不思議に思ったわたるもボクたんに話しかけてみるのだが、口をモゴモゴとさせ、ただうつむくばかりだ。
そしてしばらくの間…恐らく2〜30秒…沈黙が流れた。
その時、突然ようこ先生が、パンッっと手を叩いた。わたるとボクたんはその音に思わずビクッと体を振るわせる。
しかしようこ先生は、二人を驚かせたことに悪びれもせず、ボクたんに向かってニヤッっとちょっとだけ意地悪そうな笑みを浮かべた。
「は、は〜ん、わかった!」
相変わらずニヤニヤとした表情で、そっとボクたんに近づくようこ先生。
そしてボクたんの頭にポンと右手を置くと、優しく撫でながら、内緒話をするようにボクたんの耳に顔を近づけていく。
「ねぇ、ボクたん?」
「は、はい…」
「い・つ・も・の…したいんでしょ?」
「え?…う、うん…」
「ふふふ…それならそうとはっきりと言えばいいのに…」
「う…うん…」
「オネショのことで…泣いたり、心配したりしたからね。眠気が覚めちゃったのね」
「…うん」
「いいよ。先生、ボクたんのお願い聞いてあげる。その代わり…ちゃ〜んとお昼寝するんだよ」
「うん!」
ようこと話してるうちに、ボクたんの顔がパッと明るくなった。とても嬉しそうな表情で、ようこを見上げるボクたん。
しかし、わたるには何のことだかさっぱりわからない。
「な、なに?二人でこそこそと…いつものって…なんなの、ようこ先生?」
「はい、それじゃあ、ボクたん。おいで…」
「うん!」
まるでわたるの問いかけなど聞こえていないようなそぶりの二人。
見詰め合い、微笑みう二人は、まるでわたるがここにいることなど忘れてしまったかのようだ。
そんな二人の態度に少々ムッとしたわたるは、さっきよりも大きい声で二人に再び問いかけようとした。
「ねぇってば!何を二人で話して……って…え?…?!…えぇ!!」
その時だった。わたるの目に、まるで信じられないような光景が飛び込んできたのは。 ようこはまず、ボクたんに添い寝をするように自分の身体をよこたえた。
突然のようこの動作に、思わず「え?」と首をかしげるわたる。
次の瞬間だった。身体を横たえたようこの胸を目掛けて、ボクたんの小さな両手が伸ばされたのだ。
そして、まるでお気に入りのオモチャを見つけた時のように、さも楽しげにようこの豊満な胸を撫で回し始めたのだ。
「!!!」
わたるははじめ、何が起きたのかよく理解できなかった。信じられない出来事に、ただぽかんと口をあけその光景を見つめるばかりだった。
何かの見間違いだろうと自分の両目を手で擦ってみたものの、目の前で起きているのは、紛れもなく現実の出来事だ。
(な、なに?…なんなの?…ボ、ボクたんが…せ、先生の…ようこ先生の…オ、オ…オッパイを触ってる!!)
大きな双丘に、小さな紅葉のような手がせわしげに這い回っている。形をなぞり、大きな円を描くように、ようこのオッパイを弄ぶボクたんの小さな両手。
その様を、わたるは唾をゴクリと飲み込み、ただジッと見つめていた。
(ボ、ボクたんたら…な、な、なんてことを…よ、ようこ先生の…オ、オ、オッパイに…なんてことを…)
そんなわたるの気持ちなどお構いなしに、小さな両手はようこのオッパイをさらに激しく弄り回す。
ボクたんの手をよく見れば、ただ撫で回すだけではなく、ヤワヤワとオッパイを揉んでもいるようだ。
ボクたんが、ギュッとオッパイをつかむような手つきをする。細い指が、見るからに柔らかそうなようこの胸に食い込んでいく。
「あ、痛!…こぉら、ボクたん?…ダメでしょ、そんなに強く触ったら」
「ご、ごめん…なさぃ…」
謝ってはいるものの、ボクたんは、それほど悪いとは思っていないようだ。
ようこのオッパイに添えた小さな手の動きは、止まることはない。オッパイの柔らかさを堪能するように、相変わらずせわしなく動き続けている。
「ふふ…まったく、ボクたんたら…」
ようこにしても、特に嫌がるような素振りはしていない。そんなボクたんを叱るでもなく、ただ微笑みながらボクたんの頭をサワサワと優しく撫でている。
(ど、どういうこと…オ、オッパイを触られるなんて…よ、ようこ先生は嫌じゃないの?…)
わたるの疑問は、当然だろう。
女性の胸…バスト…オッパイ。小学生の女友達の小さなそれではない。大人の女性のふっくらと柔らかそうな、大きなオッパイ。
女性の身体に興味津々なわたるにとって、それは憧れの的の一つである。
しかし、どんなに見たくても、触りたくても、そんなことをすれば、女性は皆嫌がるという常識くらいわたるにはある。
いくら相手がまだまだ子供のボクたんだからとはいえ、ようこはオッパイを自由に弄り回されることが嫌ではないのか?
第一女性の胸を撫で回すなどという行為は、痴漢行為として警察に捕まってしまうほどの大罪ではないか。
けれど…けれど…今のようこは決して嫌がってなどいなかった。
それどころか、ボクたんがオッパイを触りやすいようにと、胸をボクたんに突き出すような仕草すら見せている。
わたるの頭は。パニックを起こしていた。
(な、なんで?…よ、ようこ先生…なんで?…でも…ようこ先生、全然、嫌じゃないみたい…優しい顔で笑ってるし…)
その間にも、ボクたんの両手はようこのオッパイを所狭しと這い回る。
わたるは目は、ジッとその手の行方を追い続ける。
(ボクたん…あんなにオッパイ弄って…ど、どうなんだろう?…ようこ先生のオッパイ…や、柔らかいのかな?…ど、どんな感じなんだろ?…)
触れたことのない女性の乳房。ボクたんの手の動きを見ているうちに、わたるの心にもオッパイに触れてみたいという欲望がふつふつと湧いてくる。
(い、いいな、ボクたん…あんなにようこ先生のオッパイを…ず、ずるいよ…ぼ、ボクだって…オ、オッパイに触ってみたいのに…)
やはりわたるは性少年だった。
目の前で起きている異常な光景に対する疑問よりも、いつしか『ようこのオッパイに触りたい』という欲望の方が強くなってしまったようだ。
ボクたんの両手を自分のそれに置き換え、自分がようこのオッパイを自由に弄り回している姿を想像するわたる。
突然の出来事にわたる自身気付いていなかったが、わたるはすでにすっかり股間を膨らませてしまっている。
その股間がズキズキと疼く。知らず知らずの内にわたるの両手は自分の股間にあてがわれ、その疼きを押さえ込むようにギュッと強く自分の股間を掴んでいた。
(なんだよ、ボクたんたら…ぼ、僕だって…ようこ先生のオッパイ触ってみたいのにぃ…揉んでみたいのにぃ…)
憧れの大人の女性のオッパイ…それも憧れのようこのオッパイ…それを自由に触りまわすボクたんに嫉妬するわたるだった。
「キャッ!…い、痛いよボクたん…先っぽ…そんなに力入れて摘まないで」
呆然としていたわたるの耳に、不意にようこの小さな悲鳴が聞こえた。
見れば、ボクたんの両手はようこのオッパイのちょうど頂点に位置しており、その手がグニャグニャと握る・開くの連続動作をしている。
(!!!…先っぽ?…さ、先っぽって…オッパイの?…オ、オッパイの先っぽ…ち、ち…乳首?…ボクたん…先っぽを…ニギニギしてるの?…)
雑誌の写真などでこっそりと女性のオッパイを見たことはある。
なだらかな線を描く魅惑的な大きな白い双丘。その頂点にあしらわれた茶褐色に色づくビー玉ほどの大きさの乳首。
写真であるのも忘れ、思わず吸い付きたくなってしまった。あのオッパイの先っぽ。
それを今…ようこのそれをボクたんが弄っている。
そう思えば、いっそう股間がズキズキと疼き始める。痛みさえも伴うほどだ。
わたるは、股間を握る手にさらに強く力を入れた。
すると…なんだろう。ギュッと握り締めた股間に、いままで感じたことのない痺れるような、切なくなるような摩訶不思議な感覚が走ったのだ。
「は、はぅ〜」
わたる、その刺激に耐え切れず、思わずため息交じりの少々情けない声を出してしまっていた。
「ん?…どうかした、わた君?」
わたるため息に気づいたようこが、小さな声で問いかける。
わたるにとって幸いなことに、ようこの視線はボクたんに向けられたままであり、股間に手をあてがった無様な姿を見られることはなかった。
とっさに手を股間からはずすと、その場をごまかそうとするわたる。
「な、な、なんでもないよ…ちょ、ちょっと…き、聞きたいことが…そう、聞きたいことがあって…ようこ先生に…」
「ん?…なぁに、わた君?」
「あ、あのね…せ、先生たち…あ、あの…その…な、何してるのかな?…って」
「あ、少し小さな声でね…」
ようこはわたるの方に振り向くと「シッ」と人差し指を口の前に立てる仕草をした。
「え?…ど、どうしたの?」
「ちょっと静かな声で、お願いね…ほぉら…」
そう言いながら、ようこはわたるにボクたんを見るように視線で合図した。
つられて、わたるもボクたんに視線を向ける。
するとようこの豊満な2つの乳房の間に顔を埋めるようにしていたボクたんの目が、トロ〜ンと段々と閉じ始めているところだった。
「ふふふ…わた君の質問は…これでしょ?」
自分の胸に触れているボクたんの手を指差すようこ。
さっきまであんなに活発にようこの胸を這い回っていたボクたんの両手。
しかし、不思議なことに、それはだんだんとその勢いを失い、今や数本の指がピクッと時折動くくらいに大人しくなっていた。
「もう少しだから…このまま、小さな声で…ね?」
吐息5割、声5割といった感じの小さな声でようこが囁く。
それに頷くと、小さな声でも良く聞こえるように、わたるは寝そべるようこに近づきその隣に正座した。
「あのね…これはね、ボクたんの子守唄みたなものなんだ」
「こ、子守唄ぁ!?」
「シッ!静かに」
「あ、ご、ごめんなさい…け、けど…こ、子守唄って?…」
「クスッ…あのね…」
わたるの驚きの表情が滑稽に思えたのかようこは含み笑いを一つすると、小さな声でわたるに『子守唄』の説明をしはじめた。 どうやらボクたんは、時折、眠れなくなることがあるらしい。
自分は眠りたいと思っているのに、なぜか目がさえてしまう。そういう経験は、わたるもしたことがある。
思うように安らかに眠れないというのは、確かに苦痛だ。
ボクたんの場合、他の園児の女の子にからかわれ泣かされた時など特にそういう傾向が見られるそうだ。
恐らく今日はオネショ騒ぎで神経が刺激され、中々寝付けなくなってしまったのだろう。
でも、そんな状態になってしまったボクたんを、唯一、気を落ち着かせ、ぐっすりと寝付かせる方法があるのだという。
それが… 「そう、コレ。オッパイを触ることなんだよね」
「そ、そう…なんだ…」
「なんだろうね?…やっぱり、お母さんのことでも思い出すのかな?…ボクたん、オッパイを触ってると、とっても落ち着くんだって」
「…そ、そう…」
「それでたまに、私のオッパイをこうして触りたがるの。ほんと不思議よね…でも、ほら見て、わた君…」
見れば、ボクたんの目はすっかりと閉じ、すやすやと寝息さえ聞こえてきた。
あんなに激しくようこのオッパイを這い回っていた手も、今やその動きはパタリと止み、ぽんとオッパイの頂点に乗せられているだけとなった。
ボクたんの寝顔は、とても安らかな、本当に幸せそうな表情だった。やがてスルッとボクたんの手が、ようこのオッパイから滑り落ちる。
「ほ、ホントだ…ね、寝ちゃった…」
「ねぇ?オッパイ効果、抜群でしょ?…アハハ…」
「…う…うん…」
ようこの言葉にドギマギしながら、なんとか頷くわたる。ようこの口からオッパイ効果などと…わたるの心臓がドキドキと高鳴ってくる。
けれど、そんなわたるの様子などようこは一向に気づく気配もない。そればかりか、更にわたるを困らせるようなことをする。
「でもねぇ…ボクたん、ちょっと乱暴なんだよね?…先生、オッパイ痛くなっちゃった」
そう言いながら、両手でオッパイを持ち上げるような仕草をして見せたのだ。
(う、うわ…うわぁ…)
両手で下から持ち上げられたようこのオッパイの、なんと量感的なことか。
まるで、「たっぷん、たっぷん」と音が聞こえてきそうなほど、たわわに揺れる魅惑の双丘。
わたるの目は、ようこのオッパイに吸い寄せられた。
しかしようこは、わたるの視線などお構いなしに、軽くマッサージをするように自分の胸を軽く揉みはじめる。
「こんな小さなボクたんなのに…結構、力あるんだよね。オッパイをギュッと掴んじゃって」
「そ、そう…」
わたるの耳には、ようこの話など全然聞こえていない。適当に相槌を打ちながら、その目はしっかりとようこのオッパイに向けられている。
ようこが両手で撫で回すたび、ふるるんと揺れるオッパイ。オッパイが大きく揺れる度、わたるの股間の疼きも一層激しくなってくる。
自分の股間を押さえる両手に、ギュッと力が込められる。
(いいなぁ…僕も触ってみたいよぉ…オ、オッパイ…ようこ先生のオッパイ…お、大きくて…とっても、柔らかそうで…)
ようこのオッパイを見つめていれば、触れてみたいという欲望がさらに強くなる。
ボクたんのように触り、撫で、揉みしだきたい。ようこ先生のオッパイを、この手で自由に触りまくりたい。
(きっと…すごく柔らかくて…スベスベしてて…あぁ、神様、お願い!・・・僕にもようこ先生のオッパイを触らせて!…って、そんなことできるわけないか…)
幼い少年のささやかなエッチな願望。とはいえ、そんな願望など到底叶うわけもない。
自分に出来ることはといえば、せいぜいようこの目を盗み、バストの辺りを覗き見ることだけだ。
どうせ、ようこのオッパイに触れることなど夢のまた夢なのだ。わたる自身そう思っていた。ところが… 「でもさ、本当に不思議だよね?」
「…え?…な、何が?…」
不意に聞こえたようこの問いかけに、反射的に返事をするわたる。見れば、ようこは、小首をかしげてなにやら考えている様子だ。
「ど、どうしたの?…ようこ先生?」」
「ん?…オッパイ」
「え?…オ、オッパ…イ?」
「うん。男の子って、オッパイ触ると眠くなるものなのかなぁ?」
「ど、どうだろ?…」
「わた君はどう?お母さんのオッパイとか触ってると眠くなったりする?」
「そ、そ、そんな!…マ…い、いや…お母さんのオッパ…なんて、触ってないよ!」
突然何を言い出すのだろう。わたるは、思わず必要以上に大きな声を出してしまっていた。
「シーッ!…静かに」
「あ、ご、ご、ごめんなさい…で、でも…ようこ先生が変なこと…」
僕はもう中学生になるんだ。実際、母親のオッパイなどもう何年も触れていないし、最後に見たのはいつだったのかすらはっきりと覚えていない。
おかしな問いかけをしてきたのはようこの方なのに…と、わたるは少し釈然としない気持ちになった。
だが、次に発せられたようこの言葉は、そんなわたるの微かな憤りなど簡単に吹き飛ばしてしまうものだった。
「じゃあさ、わた君?」
「な、なに?」
「わた君さ、私のオッパイ、触ってみる?」
「………………え?」
一瞬、ようこが何を言ったのかわたるにはわからなかった。そして、頭の中でようこの言葉をリピートしてみる。
(私の…オッパイを…触って…って…………え?………え!!)
思わずようこの顔を見上げるわたる。ようこの表情は特にいつもと変わらない普通の表情に思えた。
「あ、あ、あ、あの…よ、よ、よう…ようこ…先生…い、い、今…今なんて?…」
わたるは、滑稽なほどどもりながら、ようこの言葉を聞き返す。
「だから、本当にオッパイに触ると男の子が眠くなるかどうか…わた君、先生のオッパイに触って確かめてみる?って」
「…え?…えぇ!!」
やはり、間違いではなかった。オッパイに触ってみる…涼しげに軽い微笑を浮かべたようこの口は、間違いなくそう言ったのだ。
そう認識した瞬間、わたるの顔面が真っ赤に染まった。恥ずかしさが急激にこみ上げ、ようこの目をジッと見ていられなくなる。
わたるはようこの視線から逃れようと、思わず俯いてしまっていた。
(よ、よ、ようこ先生の…オ、オッパイを?…さ、触って…触って…いいの?…ホ、ホントに…ぼ、僕が?…え?…えぇ?!)
激しく混乱するわたる。ほんの少し前、神に祈りたくなるほど焦がれたようこのオッパイ。
けれどどうしたことか。いざそうなると、なぜか恐怖にも似たような感情が芽生え始めてくる。
そんな大それたことをしても、本当にいいものかという気持ちになってきてしまう。
再びようこの顔をうかがって見る。特にわたるをからかおうとしている様子もない、いたって普通の表情のようこ。
そんなようこの目を見れば、また恥ずかしさがこみ上げてきて、思わず俯いてしまう。
どう返事をすればいいのか…しばらくの間、わたるは途方にくれてしまった。けれど…
「な〜んてね」
「え?」
ほんの少しの沈黙の後、わたるの耳にようこのおどけた声が聞こえてきた。
ようこの顔を見上げるわたる。するとペロッと舌をだしたようこが視界に入った。
「そんなわけないよね。オッパイ触ったら眠くなるなんて…そんなのボクたんだけだよね」
と言いながら、隣ですでに眠りについているボクたんの頭をサワっと撫でるようこ。
「…よ、ようこ…せ、先生?」
「アハハ、ごめんごめん…そんなことあるわけないもんね。赤ちゃんならオッパイ飲んでいる最中に寝ちゃうこともあるだろうけど」
「…………」
ようこの言葉は冗談だったのか。ただふざけただけだったのか。わたるは、がっくりと肩を落とした。
ようこのオッパイに触れるかもしれない…そんな夢のような期待を抱かせられて、冗談で終わってしまうのだろうか。
性に目覚めつつある少年は、ようこのオッパイを諦め切れずただじっと黙っている。
股間は先ほどからすっかりと勃起し、ズキズキと痛みさえ感じるほど疼いている。
ようこのオッパイ。ようこのオッパイ。その単語が頭の中をいくつもいくつもぐるぐると駆け巡る。
「さ、わた君。一緒におやつを買いに行こうか?…勿論わた君のもね」
何事もなかったかのように、ゆっくりと立ち上がるようこ。
いやだ、このまま終わらせたくない。正座をしているわたるは、疼く股間を再びギュッと両手で押さえ込んだ。
なるようになれ。半ば自棄になったような気持ちで、わたるはやっとのことで口を開き、消え入るような小さな声でようこに語りかけた。
「…あ、あ、あの…よ、ようこ…ようこ…せ、先生?…」
「ん?どうしたの、わた君?」
すでに部屋の入り口まで歩んでいたようこは、わたるの声に呼び止められる形となった。
振り向けば、わたるはいまだジッと正座をしたまま、モジモジと身体を震わせている。
「どうしたの?わた君…早く、お買い物行こう」
「あ、あのね…あのね、よ、ようこ…先生…」
「ん?」
「ぼ、ぼ、僕…そ、その…僕ね……よ、ようこ先生の………って…みたいな…」
「え?…なんて言ったの、わた君?」
「ぼ、僕ね……よ、ようこ先生の…オ、オ、オッパイ…オッパイに…さ、触ってみたいな…」
心臓が張り裂けそうなほどの緊張を振り払い、やっとのことでわたるはそう呟いた。
あまりの恥ずかしさに、俯むくわたるの表情はこれ以上にないくらい真っ赤に染まっている。
静寂に包まれた部屋で、ボクたんの穏やかな寝息だけが、ただ「スースー」と聞こえていた。 続

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