ひやかされて…

2018/09/21

彼と温泉に泊まった時の事です。
宿のお部屋に通された後に
『夕食前に一風呂入ろうか!』
という事になり
時間を決めて、互いに男女別の内湯に入りました。
待ち合わせの時間に女湯から出ていくと
彼は既にイスに座って待っていてくれたのですが
見ず知らずの男性数人と話をしており
しかも、その人達と一緒に
彼の手にも、飲み慣れない筈の缶ビールが持たれていました。
そして、その男の人達の風貌は…おそらくヤ○ザだったのかも知れません。
大きな体と声に囲まれている彼の姿が、一際華奢に目立ち
不自然な構図は一見すると
まるで絡まれているかの様に見えなくもありません。
(無理矢理付き合わされていたのでしょうし)
「アッ君‥? お待たせ‥」
私が心配して声を掛けると
『あっ、優美‥』
と気付き、少しフラ付く感じで立ち上がり
『じゃあ、僕はこれで…(ビール)ご馳走様でした』
と去ろうとしました。
その時、その男性達が彼に向かって
『なんだお前には勿体無いくらい良い女じゃねぇかよ』
『今夜は何発ブチ込むつもりなんだよ』
『結構おっぱいデカイじゃねぇかお前には不釣り合いだろお前のアノ小さいのだと、全然イカせらんないだろ』
響き渡る大声で、そんなコトを言い放ちました。
彼は、酔いで赤みが差した顔(頭)でペコペコしながら
『はぁ‥』とか『いえ…』とかしか言えなくて
私も、恥ずかしかったですし
何より(お酒に弱い彼を、早くお部屋で休ませないと‥)
と思って、彼の手を引いて歩きました。
そんな私に対しても
『お姉ちゃん、そんな体してたら、彼氏のじゃ物足んないでしょ』
『“もっと大きなマツタケ”しゃぶりたくなったら、後でオジサン達の部屋においで…太くて硬いので一晩中、朝までタップリと可愛がって上げるから』
『彼氏に聞けば判るよ…オレ達みんな、お姉ちゃんの彼のモノより、ずっと大っきいから(笑)』
恥ずかしさで、その場から消えてしまいたかったです‥。
その日の御夕飯は、部屋食でしたので
それ以降は、二人お部屋で過ごしましたが
事前に計画していた
『誰もいない夜中に、二人一緒に露天風呂に入ろうか!』
という案は、万が一を恐れて止めにしました。
そして、その夜は
“お酒のせい”でしょうか…彼は頑張れませんでしたので
私は、今でも耳に残って消えない
あの男性達の卑猥な言葉に苛まれながら
少し頼りない彼と同じお布団に包まれました。

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