夏美と健

2018/09/08

僕には高校の卒業式に自分が告白して、付き合うことになった、夏美という彼女がいた。夏美は身長155センチくらいの小柄な子で、顔自体はずば抜けて可愛いわけじゃないと思う。
しかし彼女は控え目な性格で、かつ健気な子だったので、『可愛らしい』という言葉がぴったりな子で、高校の時も男子からけっこう人気があり、特に女子から「なっちゃん可愛いね?」と可愛がられていた。
そんな彼女に1年の時から持ち続けた思いを告白して、付き合い始めてから、2年以上たっても、まだHはしたことがなかった。
夏美はそういうことは苦手そうな性格だったし、自分も体を目的としてると思われたくないうえ、純粋な彼女(よく言い過ぎかな)を汚してしまうようではばかられて、そういう話をお互いに避けていた。
しかしある日、電車でバカップルが自分たちの目の前でいちゃつき始め、男が女の胸やお尻を触ったりしていた。
僕はどうすればいいか分からなかった。それは彼女も同じようで、お互い無言になった。
電車から出るときに何か話さなきゃと思ったのだが、なぜか僕は「ああいうのみっともないね」と先程のバカップルの話をしてしまった。
夏美は「確かに(みっともないね)、人がいなくても私なんか恥ずかしいのに」と言った。
僕と夏美ではこんな話題で盛り上がるわけがない。僕は「まぁ、いっか」と何がいいのかは分からないが、適当に話題を変えようとした。
一旦その話題は終わり、映画を見て近くの店で昼食をとった。その時だ、夏美が言葉に詰まりながら「あのさぁ…健(僕の名前)はさぁ…あんまり女性に対して関心とか持たないの?」と言った。
僕は「そりゃもちろんあるよ。だからなっちゃんと付き合ってるんじゃん!」答えると「いや…そういうことじゃなくて…その…さっきの電車とかみたいなさぁ…ちょっとエッチなこととかに興味はないの?」
正直なぜいきなりこんなことを言い出したのか分からなかった。あとで聞いた話では、高校時代の友達と飲んだときに、『僕がかわいそう』とかいろいろと言われたんだそうだ。
「そりゃ?、ないことはない…かな?まぁ、人並みにはあると思うよ。俺だって男だし!」そして、また静まり返ってしまいそうだったので、勇気を出して逆に聞き返してみた。
「逆になっちゃんはどうなの?」
「えっと…ないって言ったら嘘になるかな?女の子だってそういうことに興味もつし…」
「へぇ?、そんなもんなんだ…」
俺がそう言うとまた一瞬2人の会話がとまり、2人とも照れ隠しなのかよく分からないが、顔を見合わせて笑った。これは自分から切り出すべきなのだろうと思い、
「それじゃ今度してみるか!」とちょっと冗談っぽい感じで言ってみた。すると、
「うん、じゃあ次のデートの日でいい?」と夏美が言う。意外にもあっさりと話が進んでしまい、一瞬戸惑いそうになったが、できるだけ気づかれないように気をつけた。
その後適当に日時を決め、その後は違うことを話し、お互いにバイトへ行った。
そのデートまで2週間ほどあったのだが、その間に僕はAVやネットなどで勉強をした。AVを借りるのは初めてだったので、緊張したのを覚えている。
そもそも、僕らはエッチなことをするとは約束したが、どこまでかは決めていなかったので、勉強しながらどこまでやっていいのか悩んだ。
他にもラブホテルはどんなシステムになっているのか、処女膜はどうすればいいかなど、いろいろなことを悩んだのだが、ここらへんの細かい心理は長々書くと非難の対象となるので、省くことにする。
当日、いつもより遅い時間に僕らは会った。当日緊張して約束してた時装をしていた。
「それじゃ、とりあえず行こっか!」と彼女に言い、ホテルへ向かう。ホテルにはすぐに着いてしまい、困惑しながらも部屋までたどりついた。
「こんな感じになってるんだねぇ?」僕は何か話さなきゃと思い適当に話しかける。
「うん…。」
夏美は戸惑う気を紛らすように部屋のいろんな所を確認してた。
一通り見回したので、僕はベッドにダイブする感じで倒れ込み、そのまま横になった。すると、彼女もベッドに座り、そのままゆっくりと僕の隣に横になり、向かい合う形になった。
「どこまでやっていいの…?」僕は横になったまま彼女の顔を見て聞いた。
「その…最後までやっていいよ。もちろん避妊はするけど…」と彼女。
「本当にいいの?」と俺が聞き返すと
「覚悟がなきゃ、ホテルにまで来ないよ…。もしかして…嫌だった?」
「いや、そんなわけはないよ…。すごいいきなりだったからさ…。」
本当に不思議だった。夏美とは大学のことや、高校時代の部活(俺:陸上部夏美:陸上部のマネージャー)のことなど、自分で言うのもおかしいが、第三者が見れば微笑ましく思うだろう会話がほとんどだった。
だから、胸すら触ったことがなかったし、キスも1秒以内の短いキスを別れ際にするくらいだった。
「確かにあの時目の前で他のカップルがいちゃついてたけど、それにしてもいきなりじゃない?どうかしたの?」と上半身を起こし、できるだけ優しい声で改めて彼女に問いただす。
女も上半身を起こし、こう言った。「なんか…健がエッチしたいけど、遠慮してるんじゃないかと思って…。」
この後ベッドに座りながら、夏美は高校の友達にいろいろと言われたと言うことを話してくれた。そして、最後にこう言った。
「でも、それだけじゃないからね!私だって健とならエッチしたいもんっ!」
どうでもいいがこの『したいもんっ!』って言い方がすごく可愛かったのを覚えている。夏美のことが急に愛おしくなって、思わず僕は夏美を座ったままの状態で抱きしめた。制服を着れば中学学生くらいに見えるだろう夏美の身体は、本当に華奢だった。
「俺も初めてだから、痛かったりしたら言ってね!なんか女の子って最初は痛いんでしょ?」と俺が抱きしめたまま言うと、
「あっ、あともう一つだけ言わなきゃいけないことがあるの」と彼女は言った。
いったん抱きしめるのをやめて「何?」と聞き返す。
「私ね…処女じゃないの!中学生の時に一回だけエッチしたことあるの!本当にごめんね!」
「あぁ?……まぁ、それは…あってもおかしくないんじゃない?」
僕は夏美が処女でなかったことにびっくりしながらも、気にしてないようにみせようとして、訳の分からない言葉を発していた。
正直僕は夏美の性格や振る舞い方からずっと夏美は処女だと思っていた。実際には彼女は自分で処女だと嘘をついたことはないのだが、なぜか謝っていた。
僕は処女とかそういうことにこだわりはなかったので、とりあええず気にしてないことをアピールした。
「ほんと気にすることじゃないよ!正直びっくりしたけど、逆にほっとしたよ!俺初めてだから、なっちゃんが痛がったらどうしようか悩んでたところだったし!安心したよ!ってか勝手になっちゃんも初めてだなんて思っててこっちこそごめんね!」みたいなことを言ったと思う。
ここの会話も話すと長くなるので省略することにする。とりあえず夏美は俺が気にしないことに安心し、ちょっと経ってから、やろうということになった。
僕はゆっくりと夏美に覆い被さるようにベッドに押し倒し、「胸触ってもいい?」と聞いた。
「いいよ」と夏美が答えので、左手で夏美を抱きしめながら、右手胸に手を持っていった。パーカーの上からだったが、大きくはないが、やわらかいおっぱいの感触を確認できた。
軽くキスをしてから僕は夏美に
「舌入れてみていい?」と聞いてみた。すると夏美は
「ちょっと待って」と言って身体を起こした。僕は焦った。ディープは苦手だったのだろうか?それとも単に僕が下手だったのだろうか?とりあえず
「ごめん、嫌だった?」と聞いてみる。
「いや、嬉しいの!いろいろ気遣ってくれて!中学生の時にやられたのはけっこう身体が目的みたいな感じで強引にやられたから…。」
どういうことか聞こうとしたが、すぐに彼女の言葉に遮られた。
「その優しさは嬉しいの!ほんとだよ!だからこそ、もうちょっとわがままになってもらいたいというか…健なら私のことを愛してくれてるのは分かってるから、逆に気を遣わなくてもいい関係になりたいの!
なんて言えばいいのかな…だから…どうせエッチなことするんだったらさぁ…お互い気にせずにとことんエッチにならない?」
普段エロい話をしない夏美がこんなことを言ってくれたので、僕は彼女が自分にだけ違う一面を見せてくれているような気がしてムチャクチャ嬉しかった!
ここではエッチな部分しか書いてないから、夏美はもとからエロい人のように思えるかもしれない。でも、くどいようだが夏美は本当に普段はエロさとは無縁なのだ。
話を戻そう。僕は中学の時のことを聞こうかどうしようか迷った末にやめた。また後で聞けばよいと思ったからだ。それより嬉しい気持ちを伝えたかった。
「本当にありがとう!マジで嬉しい!そうだよね!エッチするときに恥ずかしがってちゃいけないよね!…でも、嫌なときは『やめて』って言ってよ」
「うん、じゃあルール決めよ!本当に嫌なときは『本当にやめて』って言うことにしよ!それ以外の言葉は無効ってことでいい?」と夏美が言う。俺が
「いいよ、分かった」と言うと、夏美は抱きついて俺を押し倒し、キスをしてきた。
しかし、それはいつものキスではなく、夏美の舌が僕の口に入ってきた。人生で初めてのディープキスだった。
何とも言えない感覚だった。僕の舌に夏美の舌が絡まってピチャピチャと音が鳴る。
しかし、どこかぎこちなく、彼女が精一杯エロくなろうと頑張ってる感じが伝わった。

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