バイク事故でズタボロになった俺にナースが… 1

2024/04/01

20歳の時のことだ。
俺は関西の大学にいってて、アパートから大学まで400ccの単車で通ってたんだ。

バイクとの付き合いは長く、中○1年の時からバイク乗り回してて、それなりに運転には自信もあったし、柔道を小さなころから習ってたせいか、こけても不思議と大怪我なんかしたことなくて、せいぜいスリ傷ぐらいのもんだった。

20歳の大学の春休み、俺は実家にも帰らず留まってた。
当時確か、ろくな生活してなくて体重が50kg切ってしまっててバイト先で何回もぶっ倒れて3回目にぶっ倒れた時にバイト先の店長から
「お前をこれ以上働かす訳にはいかない、休んでくれ」と言われた。

まぁクビですなww
んで、ある程度貯金もたまったし、新しいバイクを買うか、ボロアパートから引越すか悩んでた。
ここからは、ほんとに記憶がないので後で分かった状況だけ書く。

俺は革ジャン、革パンツを着て、その当日に開通した有料道路を走りに行ってたようだ。
夜の12時半、どうやら事故ったらしい。

警察に連絡がいく(夜12時40分ごろ)
おれの微かな記憶では、男が「大丈夫か?」と聞きながら革ジャンのファスナーを開いてくれた。

女の叫び声が聞こえる(多分血だらけの俺をみて叫んだみたい)
午前1時、病院に運びこまれる。

午前4時ぐらいだろうか、俺の両親が病院に到着。
俺は覚えてないが、両親に「悪い、せっかく五体満足に産んでくれたが、足を一本無くしちまった、ゴメン」と言ったそうだ。

午前8時頃、俺が当初運び込まれた病院でのこれ以上の処置は不可能と判断され、神戸中○市民病院に救急車にて転送される。

意識はちょくちょく回復するが、直ぐに落ちる。
俺親、最初に運び込まれた病院から覚悟しろと告げられたそうだ。
転送先の救急科に運び込まれる。

転送先の病院でまず最初にやったのが、俺の右胸にカテーテルが刺さってたのだが、これを麻酔なしで引き抜き、一回りでかいカテーテルを右胸に刺し、縫い付けた。

俺は叫んだらしいが、直ぐに意識がなくなったそうだ。
右肺に折れた肋骨がズタズタに刺さって、肺からかなり出血してる。
最初に運びこまれた病院で刺したカテーテルでは小さすぎて詰まってしまってるとのことだった。

ようは、肺の中に溜まった血を抜くためのカテーテルなんだが、折れた肋骨が肺を引き裂いてるんで、肺のきれっぱしが詰まってしまったんだと。

おまけに腎臓が片方潰れてるらしく、水を飲ませて貰えない。
俺は17箇所骨折し、熱も40℃ちかく出てたので激しく喉が乾き、何回も水をくれっと言っていたそうだ。

水は飲ませてもらえなかったが、クラッシュアイスは舐めてもいいと言われて、コップに半分程度の氷をちょっとづつ舐めてた。
舐めるって言っても、口がろくに開かない。
顎を3箇所骨折して変形してるんだ、思いっきり顔が歪んでるw

多分救急病棟に運び込まれて2日経過した時だろうか、救急病棟といってもベッドが20ぐらい並べてあって、仕切りはカーテンだけだ。
ひっきりなしに救急車が来ては、患者が運びこまれてくる。
その度に、叫び声や泣き声がそこらじゅうで聞こえてくる。

俺は状態が状態で意識朦朧としてるのであまり気にならなかったが、俺の親は数m先で生と死が繰り返される状況でかなり参ってしまった。と後で聞いた。

母親はその時のショック?で声がしばらく出なくなってしまった。
俺が死んでしまうかも知れない、直ぐそこに死神がいて俺を連れて行ってしまうかも知れない、そんな恐怖感を覚えたそうだ。

しかし、俺自身はなにも「死」など感じなかったし、怖くも無かった。
「ひどい怪我しちまった、治るまでは時間がかかりそうだ」
これぐらいにしか思わなかった。

1週間ぐらい過ぎただろうか。
意識を無くすことも無くなり、話をする余裕もできた。
しかし、相変わらず腎臓の状態は良くないらしく、顎は早く手術をしたほうが良いのだが、腎臓の状態がよくならないと手術は出来ないといわれた。

このころになると意識がはっきりしてくると同時に強烈な痛みとの戦いだった。
そりゃそうだ、肋骨11本、顎3箇所、肩甲骨2箇所、脊髄1箇所、右腎臓、肝臓、脾臓、右肺がつぶれて、右足は根元から全く感覚がなく、左腕にはアダプター付の点滴の管が刺さり、足の付け根にはカテーテルが繋がれ、点滴が8本もぶら下がってる。

まるでTVで見るような光景だ。自分で動かせるのは左手と左足を少しだけ。
こりゃいったい、どうなるんだ俺という事を考え始めた。
言い換えれば、それまではそんな普通な思考さえ出来ない状態だったんだな、と思う。

事故った時期が悪かった。
入りたての新人看護師が10人ほどやってきた。
俺の足の付け根、チンコの横だ、そこに刺してるカテーテルを刺し換えることになり、医者とともにその新人看護師は見学にやってきた。

俺はどうすることもできない、チンコ丸出しで医者にチンコの横をメスで切られる。
それを俺と同じ年ぐらいの女の子10人に見られる。
この屈辱、わかるか?www

しかも、医者はうまいことカテーテルを通すことができず、チンコ周りは血の海だ。
恥ずかしい状況も相まって、思わず医者に
「このどヘタクソがっ」って言ってしまった....

10日ほど過ぎた頃から、次々と救急病棟以外の医者が俺と話にやってきた。
心臓外科医、整形外科、口腔外科医、循環器外科医、それぞれ俺の今の状態を説明していってくれる。

しかし、んな事聞いてもなんの事だかさっぱりわからん。
後で聞いた話だが、あまり長く救急病棟に患者を置いておくことは出来ないので、どこかの病棟に移さなければならないのだが、俺の症状を聞いてどこも嫌がって中々受け入れ先が見つからなかったっとの事だ。

丁度2週間目の日、俺は整形外科に移動が決まった。
俺はベッドに納まりきらない、機械類を引き連れてベッドの周りには3人の看護師がついての移送。まるで大名行列だwww

とりあえず4人部屋に入ることになったが、起き上がることも出来ないので、声だけでよろしくお願いします。と言ってみた。

整形外科に移動した翌日、さっそく俺は個室に移動させられた。
俺の体に接続されてる機械類の音がうるさくて、他の3人の患者が寝むれないらしい。
俺としては余計な気を使うことも無く、気が楽だったので、むしろ嬉しいぐらいだった。

移動してからは徐々にいろんな検査が始まった。
レントゲンを始め、CTやら超音波など、この頃に人工透析をする。
1回目は効果がでず、2回目で少し腎臓が動き始めたそうだ。
計3回おこなったが、5時間近くじっとしておらないと行けない。

人工透析、慢性腎臓病で定期的に人工透析を受けなければならない人の辛さがちょっとだけ解った気がした。

それと、肺からの出血が中々収まらず、輸血を何度となくしたのだが、一度輸血後に血圧が200まで上昇し、目が回ったこともあった。

入院してから1ヶ月が過ぎた頃に、口腔外科の医者から手術をしましょうと言われた。
顎は折れたまま放っておくと、癒着してしまうので早く正しい形に戻して固定しなければならないとの事だ。

生まれて初めての手術だったが、手術に近いような事を散々やられてきたので、不思議と恐怖は無かった。
全身麻酔って気持ちいいなぁっと思ったのは内緒だwww

しかし、手術が終わり目が覚めた後は苦痛でしかなかった。
レントゲンで見せてもらったが、俺の下顎にはなんと16本のネジが刺さってる。
確かに、歪んだ顔は元に戻ったが、術後の痛みは相当なもので、顎の手術なのに丸2日、俺は身動きすら出来ずに痛みを堪えてた。

痛みがマシになってくると、今度は口を開けろと医者は言いやがる。
なにもせんでもズキズキする口を無理やり開ける事がどんだけ苦痛か・・

口内は舌でさわると直ぐにわかるのだが、縫い糸だらけだ。
自分の舌で触ってわかる。
自分で見えないのが唯一の救いだ、きっと口の中が糸だらけな光景を見たら、俺は口を開けるリハビリをする気には絶対ならなかっただろう。

1週間後、抜糸が終わる頃になると、点滴の数も2本に減り、スタンドを立てて車椅子に乗れるようになった。

しかし、これまで40日近く寝たきりだったので、起き上がった時に目眩と吐き気がして車椅子にのるのに30分もかかってしまった。
右足は当初根元から無かった感覚が幾分戻ってきた。
膝のあたりまでなら触ったら解る程度になっていた。

しかし、おしりからふとももの裏、膝から下は相変わらず全く感覚がない。
肋骨や肩甲骨もくっつき始めたらしく、大きく体勢を変えない限り、痛みは感じなくなった。

車椅子に乗れるようになったからと、チンコに刺していた尿を出す管を引き抜いた。
うん、まさに引き抜くって感じ、内臓が引っ張られたようだった。

引き抜いた後、初めてのしょんべんは、今までかつて味わったことのない激痛とともに出ていったww

自分で車椅子に乗れるようになったので、病院中をあちこち探検してみるようになった。

俺は確か8Fだったが、売店は地下1F、エレベーターに乗って地下にいき、自分で好きなものを選んで買う。
たった、これだけのことが無償に嬉しい。
先週までは自で動くことができなったせいだろう。

とにかく、ハイハイし始めた赤ちゃんのように、時間があればうろつき回ってたw

見た事ある看護師、そうだうちの母親が
「可愛らしい看護師さんがいてね
トイレの尿瓶洗ったりするところで色々お話したのよ」
って言ってた新米の看護師だ。

「ははは、大丈夫だよこんぐらい、**さん今から終わったの?」
「うん、今から帰ってまた深夜にくるの」

「大変だねー看護師さんって」
「まあね、そういう仕事だから覚悟はしてたけどね」

「**くん、病院中動き回ってるよね、けど行ってない場所があるよ」
「ん?、患者が入れるとこは全部行った気がするけどな?」

「患者さんが行けないとこよ、職員ばっかりの階があるのよ」
「あー5Fかな、あそこは行ってない」

「じゃ行こうか?」

と言って、ヤバイんじゃないの??って言おうとした俺の車椅子をぐんぐん押してエレベーターに乗せて5Fに入っていった。
職員用の食堂があった。
その横に自動販売機があって、**さんは嬉しそうに

「リープル!!これ、ここの自動販売機でしか売ってないのよw」

年はおれの1つ上だが、嬉しそうにリープルを吸ってる姿が子供みたいで、可愛らしい。
いや、十分可愛らしい顔してるし、足は細いのに胸はデカイ。
しかし、俺の中では看護師は恋愛の対象外だった。

っというのも、高校の仲間がよりによって3人も看護学校の女と付き合ってて、よく仲間で飲みに行く席で、看護師の卵たちの会話を聞いてて、
「絶対、看護師とは付き合いたくねーな」
と思ってた。

彼女らの意見は大体こんな感じ

入院患者は勘違いを起こしやすい。
こっちは”仕事”で世話をしてるのに、俺に気があると勝手に勘違いしてしつこく迫る男が多くていやになる。
とのことだ。

患者の性器の話題もよく出て、
「**さんのチンコ小さいよね子供のチンコみたい、ぎゃはは」
とか
「夜中に見回ってたらさぁ、**のおじいちゃん下半身テントはってんのよ」

とかまぁ、ここには書ききれないほどの言いっぷりに、俺は入院しても看護師にだけは惚れまい、やつらの優しさには裏がある。
きっと影では俺のことも言ってやがるにちがいないとwww

かと言って入院中、看護師に邪険に接してたわけではない。
一応礼儀は重んじる古いタイプなんで、点滴の交換や、体を拭いてくれたあとは、笑顔でありがとうっといつも言ってたつもりだ。

しかし、**さんは何で夜間勤務があるのに俺を患者入れない階につれていってくれたんだろう、只の親切心かな?
まぁいいやっとしか俺は思えなかった。

<続く>

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