親友の彼女とエッチしたが、もしかして… 2

2023/12/04

状況だけを言えば、その日はシホの家で3発やった。ゴム有りで。Tのナニは俺のマイサンより小さいことが判明して虚しくなる。天はイケメンに二物を与えなかったようだ。

朝起こされた時に、目の前にぷるんぷるんの色白くて乳首もピンク色の乳が揺れていた時はそれだけで抜けそうだった。勿論揉みまくりましたよ。途中で怒られたけど。

真面目な話に戻すと、シホは東北出身で、高校2年の冬という微妙な時期に親の都合でこの県に引越ししてきたそうだ。

「こっちに来てから、友達がずっと居なくてさ。東北の大学を受けることも考えたんだけど、落ちちゃって仕方なく……大学に入ってもずっと独りだったんだ。でもTくんと会って、すっごい気にかけてくれて、……それで、好きになったんだと思う」

思い当たる節はいくつかあった。文章に書くと難しいのだが、シホの標準語は若干無理しているようにも感じられるのだ。ちょっと訛ったイントネーションというか、独特な感じ。美人だから勿論仙台出身じゃないぞ。

シホの意見に俺は同情しか出来なかった。だって、俺とTの出会いと同じだもん。一緒じゃん、状況。誰だって惚れるって。

「でもやっちゃったねー……このことは、秘密ねw」

うむ、と返事をする俺だが、密かにアドレス交換とかしてた。

ええ、今後もやれたらいいなーという下心満載ですよwwwだって爆乳ちゃんだぜー!秘密の共有とかいいじゃん!

そう思うのには根拠というか、もうTも捨てるだろうな、っていう密かな期待があったから。シホがどこまで踏み込んだかしらないが、確実にシホの印象は悪くなっているはず。そこを付けば俺にもチャンスが!!!

……そういう風に考えている時期が、俺にもありました。

チャンスどこ行ったんだろう。翌日から普通に街中を手繋いで歩くラブラブカップル2人。それを後ろから恨めしそうにガン見しながら着いて行く俺。

休日の午後、買い物に行こうというTからの電話に昨日の事を思い出してビクビクしながら応答。

準備をしていざ待ち合わせ場所に行ってみると、そこには仲良さ気に手を繋いで待っているTとシホの姿が──!

なんか依りを戻したらしい。チャンスキックバック。

その後もシホとTは大学卒業まで付き合い続けた。だが、卒業を機に、結局は別れた。

周りから見たらどうみてもお似合いカップルなのに別れた理由は、地元志向があるかないか。

シホは出身地での就職を決め、Tは都内の金融会社に就職を決めた(勝ち組めっ)。車で移動しても片道4時間。遠く離れて苦しむくらいなら、いっそ別れて楽になりましょう。こんな厨二臭いセリフは吐かなかったと思うけど、だいたいあってる。多分。

さて、一度でも関係を持ってしまった俺とシホがその後何もなかったかというと、実はそうでも無かったり。結構な頻度で、こっそりと会ってました。テヘペロっ。

なんかTとシホが依りを戻した2週間後はお正月の出来事。大学の友人らは大半が帰省し、周囲の人間も減って暇していた時、シホから電話があった。

「暇だったら初詣行こうよー」

「Tは……そうか、オヤジさんとこの実家か」

「そうそう。暇ならいこー」

二つ返事でオーケーしてしまったのでれっつらごー。適当に神社参拝して、人の少ない街中をふらふらして、そろそろ電車なくなるなぁって時に

「うち寄ってくでしょ?w」

と小悪魔の微笑。シホの言葉に甘えて家に行くことに。ちゃっかり開いてたドラッグストアでコンドーム購入。

もしTがコンドームの残り枚数とか覚えてるようなちょっとアレの人種だったらヤバイからね、用心用心。

結局2日間泊まりこんで、ゴムの2/3を浪費。

「なんでこんなにやってるんだろ……ばっかみたい」

と、中身の少なくなったコンドームの箱を弄りながら、ちょっと呆れ気味のシホは言う。それはどこか嬉しそうに見えて、しかしどこか寂しそうだ。

やっぱ好きなのはTのことなんだなぁ、とはっきりと理解せざるをえないその表情は、俺の心に深く痛く突き刺さった。

けど、関係は止められなかった。彼氏以上の快感とか、背徳感とか、そういう興奮材料の味を占めてしまったのだ。

手頃で美味しい物があれば、誰でも食べたくなってしまうものだろう。きっとそれと同じで、俺もシホも、お互いを食べたくて食べたくて仕方ないくらいに、相性が良かったのだと思う。

月に2回、多い時でも月3回くらいだったが、俺とシホは内密に会い、身体を重ねていた。勿論、シホはTと付き合いながら、俺はTの親友でありながら、だ。

Tとデートしたその日の夜にセックスした時だってある。Tの部屋のベランダでしたことだってある。馬鹿みたいに背徳感と緊張感を高めていった俺達は、結局そのスリルをお互いに忘れることができないまま、最後までズルズル関係を続けてしまった。

シホが就職のために地元へ戻る時、俺は大学院に進学を決めていた。最後の別れ。もうTとの別れの挨拶は済ませたという。会うのはきっと辛いから。そう言った理由で、シホはTを遠ざけた。

「しかしなぜわたくしは呼ばれたのでしょうか」

「別に会っても辛くないから?」

あれ?俺ひどい事言われてない?

もう荷物も全て運びだしたシホの部屋にお呼ばれされた俺。本当に備え付けの備品以外は何も残っていない。いや、あるとすれば、部屋の隅っこに置かれているティッシュとコンドームの箱……。

「結局最後もこれかぁ」

「これになっちゃいましたねw」

とかニヤケながら返事をするシホは目の前でしゃがみ込んで俺のベルトを外してくる。

「……なんだかんだで、俺くんと離れるのも辛いんだよ?」

みたいなことを言ってくれるもんだから、

「じゃあ、最期に刻みつけてやるよ……俺の本気ってやつをなぁ!」

※ここまで恥ずかしいセリフは言ってませんが似たようなことは言いました。

朝に呼ばれたんだけど、情事が終わったのは15時くらい。

「ゴムとかティッシュどこに捨てるんでしょうか」

「持って帰ったらいいじゃないw」

あれ?やっぱ俺の扱いひどくね?

そんなこんなで、俺はシホを見送らなかった。情事の途中、Tから電話があったから。

「なぁ、シホが何時発つか知らねぇか?」

そんな事を聞いてきたのだ。だから俺は、駅の前で張ってれば会えるかもしれないと、適当なことを言ってしまった。すぐには来るはずがない。だってTの待ち人は、俺の足元に跪いて俺のペニスをしゃぶっているのだから。

しかも、電話を切った後、俺とシホは1時間セックスした。馬鹿みたいだねと、互い笑いあいながら。それが楽しく正しいとは思わなかったけど、とてつもなく気持ちが良く、しっくりくるとは感じた。

これくらいが俺たちにはお似合いなのだと、ハッピーエンドなどあるはずがないのだと、ちょっと理解していたから。

全てが終わった後、シホは泣いた。複雑な涙だったと思う。俺はその涙を舐めとってやるくらいのぶっ飛んだ変態だったらよかったなと、今更思った。だって、その関係に完全なる終止符を打てたかもしれないから。しかし、

「もうちょっと……はやく出会いたかったな…」

そんな事を言われてしまったら、抱き締めないわけにはいかんだろう。

駅に行けばTが居る。俺が行けって言ったんだから、多分居る。もうこの時、俺とシホは「自分たちは最底辺だ」と自覚していたと思う。

長い長いキスの後、またね、という言葉がシホの口から溢れでた。色々な想いが詰まった言葉だったと思う。俺は、上手な返事が出てこなかった。

その後、Tはシホと駅で会い、別れた。俺は正直、Tがこれほどまでにひとりの女に執着するとは予想もしていなかった。このことをTに話すと、

「……他にイイ女も居なかったしな」

と先生。さすがっす、シホはキープだったわけですね!

流石に呆れた。が、親友を辞める気にはならなかった。お互い様だしな、最低なのは…wまぁ最低同士上手いこといこうじゃありませんか、とか謎の音頭をとって乾杯。その日は呑みくれた。

以後、シホがどうなったかは、俺は知らない。

綺麗な女だから、社内結婚をして幸せな家庭を築いているか、男に騙されてひどい精神状態になっているか、色々想像できちまって、絞ることができない。

ケータイの番号も、メールアドレスも、シホは全て変更していたようだった。連絡がつかない以上、確認のしようがなかった。

Tは相変わらずだ。シホのことなんてもう覚えてすらいないのだろう。
あれから10人の女と付き合い、現在11人目が通い妻状態らしい。

職場は違えど、Tからは麻雀やらダーツやらのお誘いの連絡がよく来る。親友という関係に、揺らぎはない。

……でも、『もしかしたら』なんだけど。

Tは、俺とシホの関係を知っていたんじゃないかと思う。だって、そうでもない限り、シホが地元へ帰る日に、俺の所へ「シホがいつ帰るか知らないか」なんて電話、掛けてくるはずがないのだから。

もしかしたら、なんだけど。

高校生の時、Tについての噂で、「自分の彼女を他の男に抱かせた」という話を聞いたことがある。当時は何食わぬ顔で聴き流していたわけだが、今になって思えば、Tはもしかして、”そういう趣味”を持っているんじゃ……?

自分の女が、他の男と寝る。その事に興奮を覚える。そんな性癖がある、ということを知ったのは、つい最近のことだ。

つまりTは、自分の容姿を利用し女を集め交際し、他人に抱かせては、それを見て、或いは妄想をして興奮しているのではないか……?

先月、近所のファミレスにて、Tから半同棲中という彼女を紹介された。
Tが俺に彼女を紹介するのは、シホと別れて以後、何人もの女と付き合ったはずなのに、今回が初だった。

Tの彼女は体付きや雰囲気がシホに似ている気がした。紹介中のTの表情は、なにかワクワクしているかのようだった。まるで、これから面白いものが見れるといわんばかりに。

もしかしたらTは、親友である俺すらも利用していただけなのかもしれない。ただ、自分の欲求を満たすためだけに。

『もしかしたら』

俺の思い過ごしかもしれない。けど、Tのあのワクワクした表情を見た瞬間、シホとの思い出がフラッシュバックのように蘇って、悪い夢でも見ているかのような眩暈がしたのだ。

それは俗にいう、走馬灯、だったのかもしれない。Tが彼女を紹介している最中、生きている心地はしなかった。嫌な汗が止まらずに、断りを入れてトイレで吐き、わけがわからなくなって泣いた。

ひどく気分が悪くなって、それから三日間ほど寝込んだ。全部、Tが仕組んだことのように思えて仕方がなかった。

(もしかしたら、美味い汁を啜っていたのは、俺だけではなかったのかもしれない。)

最近、Tの彼女からよく連絡が来る。内容はシホの時と同じ、Tの淡白さについての相談だ。

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