五月ちゃん
2021/12/16
性教育自体は小学校高学年で行われるけど、子供心に”異性”を具体的に感じるのって、中学年位じゃなかった?身体的特徴・・・まあぶっちゃけていえば、女の子の体が丸みを帯びてきたり、遊びや生活様式っていうか、ごく普通の生活において男女の違いを認識する様になったり・・・。
今まで一緒に男友達と同様に付き合ってきて、むしろ俺たちよりも強かったり、運動が出来たり、気が強い女子。
俺たちにとって、そんな決定的な性別差を感じさせたのが、「五月」って子の存在だった。
五月は何をするにしても、オレ達の中では上位に位置するヤツだった。
野球は投手で4番・腕っ節も強く、勉強も出来て性格もさっぱりしてた。
男女間での喧嘩では必ずでしゃばってきて、弱くて可愛い女子にちょっかい出したかっただけの俺たちをコテンパンにのして、その後ちゃんと仲直りをさせるようなそんなヤツ。
でも、とある先生の行為以降、五月の存在は一転してしまう。
それは、今まで男女一緒だった体育の授業が、男女で別々の種目で行われるようになった時。
そうなると女子の中では突出した存在の五月が、男子に対して優勢をアピールできる場所が極端に減ってしまう事となり、一気に俺たちと疎遠になってしまったんだ。
中学年も中盤に差し掛かった時、オレは友達と一緒に同じ塾に通う事になった。
そこには五月もいたけど、一回疎遠になってしまってたから中々話し掛ける機会をこっちから持っていけなかった。
それに対してあいつはここぞとばかりに勉強や悪ふざけを昔のノリで強要してくる。
いい加減うざったかったからこずいたら、五月は昔のように食ってかかってオレを打ち倒して上にまたがってきた。
オレも本気でやり返そうとしたけど、夏盛りの薄い服を通して感じた感触がオレの戦意を失わせた。
それに伴って思い出した先生の言葉・・・「五月ちゃんは女の子なんだから、今までみたいじゃなく優しくしてあげなさいよ」・・・その瞬間、オレは明らかに五月を女の子として見てしまった・・・。
お互いもみあう行為の意味が、その時その瞬間からはっきりと音を立てて変わったんだ。
オレは夢中で五月に殴りかかるふりをして、上から覆い被さるように彼女をひっくり返した。
他のヤツも大騒ぎしながらいるからあからさまにはしなかったけど、オレは実はその五月の柔らかい肢体を感じたくてたまらなくなっていた。
・・・むしゃぶりついていった、ってのが正しいかもしれない。
激しく暴れまわる五月のTシャツがはだけ、Gパン生地の短パンはボタンが外れ、薄青いスポーツタイプのパンツがあらわになった。
オレはふざけてくすってるふりをして、五月の両手に納まりそうな華奢な細い腰を掴む。
「こ・・・このおっ!」昔のように勇ましくやり返そうとする五月。
オレはくすぐったがりの彼女の癖をしってたから、そのまま激しくわきから横腹・・・そして下着のラインの下にするりと手を滑り込ませた・・・。
湿った、でもさらっとした感触。
そして指の先に感じたスリット・・・オレはその感触に夢中になり、さらに指を動かした。
わぁあああああっ!!「やっちゃえ!」
「だめえっ!」
「サツキちゃあんっ!」皆歓声や静止の声を上げる。
そんな中、その瞬間、さすがに彼女も気付いたんだろう、あからさまな違和感に怯えたような声を思わず上げた五月の今まで聞いた事も無い声。
「あ・・はっ・・・んっ・・やっ・やめてよっ!やめてったらっ!」
服の下から見える、薄い丸みを帯びた五月の肢体。
ずり落ちたズボン・捲れあがった服の下からは、女の子の象徴の、これまた薄い青のスポーツブラ・・・まだ隙間があるのだろう、胸を触った時の感触を思い出してみれば、ふよっっというかふにょっというか、今の彼女みたいに何とも不安定なものだった・・・。
女子達に抱きかかえられるようにオレから離された五月は、もうガキ大将のような燐とした強さを微塵も感じさせなかった。
”だって・・・こんなに弱いヤツじゃないんだぜ?”女子の責めるような目線に、オレは男友達と共に晒された。
だが、その五月に向けられた”女子としての同情”を一番嫌ったのは、五月本人だったに違いない。
「・・・ぜったい、後でとっちめるからー?!」精一杯の彼女の虚勢に張り合うには、こちらも精一杯返してあげるしかない。
「やーい!ブラなんかしやがって、弱っちい女みてー!」
「何て事いうのよー、男子ーっ!」
「ばーーか!!!」いつもの男女子間のガキっぽいやりとり。
でも、オレもオレの男友達も、そして五月も感じていたはずなんだ・・・もう昔みたいには戻れない。
さっきの精一杯の返しは、無念に思ってるであろう彼女へのせめてもの恩情としての行動のつもりだったのだ。
それ以来、五月とは顔を合わせるたびに互いに言い合いをする仲になった。
といってもせいぜい「やーいブラ怪人!」
「いったなーっ!」ってレベルで、我慢できずに手を出してくるのはいつも彼女の方だった。
でも俺たちは大勢でそれをはやし立て、五月に追い掛け回される。
・・・仲の良い彼女との付き合いは、こんな風に付き合い方を変化しつつも続けることが出来た。
でも、出来ただけマシだったのかどうか・・・
五月は相変わらずその面倒見の良さで女子の間でも人気者だったけど、まだ本人の中では男らしい自分に未練があるみたいだった。
そんな状態で中途半端にオレ達が相手にするもんだから、時々強引にオレ達の行動に付き合うようにもなっていた。
・・・あれは、そんなある日に起きた事件だったんだ・・・。
それは、同じ学区内のとある公園で、浮浪者に女性が襲われたっていう事件だった。
でも別に新聞に載った訳でもなければ、校長先生に朝礼で言われたわけでも無い。
・・・そのお姉ちゃんは、オレの目の前で襲われたんだ。
おまわりさんを見つけて帰ってきたときには、もうお姉ちゃんの姿は見えなかった。
証人がいなくなった以上、警察はたかが小学生の訴える事なんかで動くはずも無く、オレは凄く悔しい思いをした。
犯人の当たりはついている。
昔からこの辺りで女に悪さをしておきながら今だに辺りをうろつきまわってるあの男・・・オレは、何とかその男に仕返しをしたかった。
その話を友達にした時・・・なぜか五月も強引に同席していたのだった。
時は高学年になってからすぐの春のうららかな日。
体力・知力共に急成長を遂げる時期、五月との差はますますついていたけれど、彼女はお構いなしだった。
ますます肢体は伸び、少しふくよかになり、言葉使いも自然と女っぽくなってきて、正直オレも隆も進も内心ドギマギしてたんだ・・・。
「何だよ!お前、ゲンゴのことなんか何も知らなかったじゃんか!」
「そうそう!女ってだけで教われちゃうんだ!そうなる前に逃げた方がいいんじゃねえの?」
「まあ、お前みたいな男女なんか、ゲンゴにも相手にされないだろうけどな!」ばんばんばん!「うるさい、うるさーいっ!そんな事ないよっ!」でも、相も変わらず意地っ張りだ。
「じゃあ、お前ゲンゴの何を知ってるってんだよ?!」
「・・・ふふーん。だ!」相手にした途端、急に余裕をかます五月。
ハッキリ言ってムカツク。
「何だよ?」隆も不機嫌そうに尋ねる。
すると五月はこうのたまいやがった。
「・・・私、ゲンゴの正体知ってるもんねー!うん、あの顔、ちょっと髭面だけど間違いない・・・」
「・・・気になるじゃんか、教えろって!」指をわきわきさせながら近ずくと、凄く嫌そうな顔をしつつ「・・・そ、その代わり!私もその悪巧みに参加させてよっ!」こう言った。
・・・その時、オレの中でいい考えが閃いた。
よく考えもしないうちに、オレは即答してたんだ。
「・・・ああ、いいぜ!!」・・・隆と進は、五月の前からオレを慌てて引き離した。
隆と進は五月の前からオレを引き離し、小声でこう言った。
「・・・お前、どういうつもりだよ?!」
「あいつもゲンゴ倒すのに誘うつもりか?!」楽しい遊び(?)に邪魔が入るのがいやなのは良く解る。
でも、オレの計画ではゲンゴを倒すのに、五月の協力は絶対必要だった。
それは、彼女自身女性として危機が迫る事をある程度覚悟しての事だから、それは彼女自身の意思でやってもらわなくちゃ意味が無い。
・・・そう、おまわりさんの前で、五月をオトリにして、ゲンゴを誘いこむんだ!!
そのためにも、五月の言う情報が何であれ凄く知りたかった。
そう進に話をすると、「・・・ちょっと知りたいかも。何であれだけゲンゴって悪さしてるのに捕まらないのか、興味があったんだ」
「だよな?!」
「ちっ・・・」渋る隆を説き伏せ、得意満面の五月の話を聞くことになった。
五月は目の前の机に半ズボンから伸びた素足を組んで一生懸命話し始めた。
オレたちの住んでるこの学区内は、これから私鉄沿線も伸びてきて発展していくっていう、いわゆる「新興住宅地」って所。
今でこそたくさんのマンションが山を切り出して次々と建ってるが、昔この一帯は大地主の木材切り出し場所だった。
・・・そう、ゲンゴは、何とこの辺一帯の大地主の息子だったんだそうな。
五月も両親と引っ越してきた際、大地主=大家の後ろに立ってるむさいバカ息子・・・ゲンゴを「怖い人」として見てたらしい。
あの頃と風体があまりにも変わっていたため、最初は気付かなかったそうだ。
「どうりで・・・」
「悪さしても捕まらなかったわけだよなー・・・」言葉とは裏腹に、両親のご近所付き合いなんか全く見えていない俺たちは燃えに燃えていた。
これぞまさにご近所のヒーローになるチャンス?オレは勢い込んで「五月をオトリに、フォローをオレと隆・進がおまわりさんを呼びにいく」っていう計画を話した。
「ふふっ、クラス一足の速い私に注目するなんて、なかなかやるじゃない」有頂天になってる五月を、オレは更に焚きつけた。
「おおっ、その通り。お前、ヒーローになるなら、何でもやってくれるよな?・・・まさか怖いなんていわないだろ?」
「もっちろん!」
「聞いたな?聞いたよな?!」隆と進に確認を取り、オレは五月にこう決め付けた。
「じゃあ、もっとゲンゴが好きな格好してくれよ」
「そうそう!もっと、こう、薄くて」
「ヒラヒラしてて・・・」
「もっと足出して・・・」
「んー、パンツももうちょっと」
まあ、何のことは無い。
子供だからうまく説明できなかっただけで、解りやすくいうと、もっと体の線がはっきり出てスカート短くしていやらしい下着と格好をしてこいって事。
・・・今考えるとセクハラもんだ。
でも、その時五月は明らかに別の事でどんどん怒っていた。
つまり「私にもっと女々しい格好をさせるの?!絶対にやーーっ!!」って事。
ただそう言うのも予想してたから、ここは子供の強引な都合をイジメ同然に了承させ、翌週までに親にその服を買ってもらい、オレ達に事前にその姿を披露する事になった。
五月のおめかしお披露目会は、1週間後の放課後、文芸部内でこっそり行う事となった。
対外試合の無い運動部に興味が無く、かといってこそこそした文科部にも興味が無かったオレ達は、比較的校内イベントや祭事の手伝い的な扱いの文芸クラブに所属してた。
何より一番良いのは、先生の持ち寄ってくれた嗜好品・・・いわゆるコーヒーや紅茶・お茶菓子なんかがタダで楽しめ、誰に見つかる事も無く時間を潰す事の出来る秘密基地みたいなものだったんだ。
さわやかな初夏を感じさせるその日、学校内は騒然となった。
あの男女サツキが、真っ白いさらさらしたワンピースと、大きな帽子っていうアンバランスな格好でやってきたからだ!
顔を真っ赤にした五月は、困る先生の声にも黙って首を振り、一回も帽子を脱がなかった。
休み時間になると他の男子達の冷やかす声と女子の賛美の声の中、身じろぎもせずに俯いていたらしい・・・全ては、五月と同じクラスだった友達からの情報だ。
放課後、掃除も早々に済ませた俺たちは、残った雑務を片付ける名目で文芸部室の鍵を借り出した。
落ち着かなくコーヒーをすすってると、弱々しくドアをノックする音がする。
しばらく黙って見ていたら、ガタガタと凄い音を立てて文芸部内に白いワンピースの女の子が飛び込んできた。
思わず誰かって聞き返しそうになる位印象が違う。
でも、その乱暴なドアの開け方と文句の言葉で、ようやく五月が来たんだって納得した。
「はっ・・・恥ずかしいんだからっ!!気付いてるなら、さっさとドア開けなさいよ!」
ドアに後ろ手で鍵をかけ、はぁはぁと荒い呼吸をする五月。
一日中かぶっていたらしい帽子を取ると、汗だくの湿った髪の毛と真っ赤な顔が現れた。
「・・・ど、どう?ちゃんっと私だって、女の子らしい格好でみるんだから・・・」
文芸部内の電気は消していたけど、窓こしに差し込む陽光で中はまぶしい位だった。
正直オレ達は細く締まった五月の肢体を、白い布一枚越しに陽光透かせたシルエットで直接感じ、かなりどぎまぎしていた。
予想とは全く異なっていた。
もっと違和感あるかって思ってたけど、そこにいるのは清潔感のある女の子だった。
オレはふと、低学年の時に知り合いだった女の子を思い出していた。
確かあいつも、こういう薄い白いワンピースを着てたっけ・・・・
少しふきこむ外気にゆれて、ワンピースのすそがヒラヒラとはためく。
薄く短いワンピースが心もとないのか、不自然に五月は自分の体を抱きこむように落ち着かない。
・・・いや、そういうことか・・・「サツキー?よく見えないって!ちゃんと手外せ」
「そうそう。ゲンゴが反応するかどうかが勝負なんだから!」
「テレてんの?顔向けて」
「・・・はっ、早くしてよね・・・」おずおずと下ろした腕の下には、透けた下着が、脇からは薄い青のブラの帯が覗く。
「・・・うわー・・・」
「んー・・・」
「すげえ・・・」明確な感想も無くただ感嘆の声を上げて至近距離で見てるオレ達から目をそむけてた五月が、あまりにも御視してしまったために、下着の透けやチラ見えに気付く。
「おっ!お前ら・・・見るなっ!!」・・・でも、一番大事な事を確認していない。
「・・・お前、ブラ、青いヤツのまんまじゃん」
「そうそう。そんなのでゲンゴが誘えるって思ってんのか?」
「ちょっとなめてんじゃない?」せっかく我慢して着てきた事をそう返され、悔しそうな顔を見せる五月。
「ちゃ・・・ちゃんとママと一緒に女の子らしい服って選んできたんだよ!?」それはよーく解る。
事実悪友のオレ達も思わずくらつきました。
・・・でも、論点はそこじゃない。
「ま・・・ママだって」
「・・・・~~っ」まずは軽く怒らせた後、引っ込みつかないように俺たちは会話を重ねる。
「下着・・・お前、ちゃんと凄いのはいてきたろうな?」
「は・・・はいてきたに決まってるでしょ?!」
「そこを確認させてもらわない事には、努力も水の泡だよなあ?」頷きあう俺たち。
すると、案の定五月は怒ってのってきてしまった。
「・・・-っ!ほらっ!これでいいんでしょうっ?!!!」・・・・ばあっ!!!
そこで五月は大きくスカートをめくりあげた。
真っ白いお腹で、小さいオヘソが呼吸に合わせて波打っている。
運動神経の良い五月のよく締まったさらさらした肌の下を見ていくと・・・白い清潔そうな、でも(小学生にしては)ギリギリの小さな下着でかろうじて彼女の股間を隠していた。
「・・・」オレ達は無言で、五月の体を後ろに向かせた。
あまりの恥ずかしさでスカートを顔の目の前まで上げて隠してた五月は素直に後ろを向き、すっかりめくりあがったスカートはお尻を隠し切る事が出来ていなかった。
・・・きゅっと締まったお尻に下着のラインが食い込んでいる。
「・・・~~ーーっ!!もーいーでしょっ!!」
ばさあっ!!乱暴にスカートを下ろした五月は「・・帰るっ!」そう言い残して、ばんっ!どたどたどたっと凄いパワーと勢いで帰っていってしまった・・・。
あれからしばらく、五月は口も利かなければ顔も向けてはくれず、しばらく話しかけずらい状況が続いた。
こういうのには”ノリ”って奴がどうしても必要不可欠で、出来れば早めに実行に移したかったけど、怒らせてしまったのは俺たちなので中々切り出す事も出来やしない。
そんなこんなで数日が過ぎた頃・・・
「・・・で?いつ頃実行するの?」
「え?・・・い、いいのかよ?」
「な・・・・なんのために、あんな服買ったか、意味が無くなっちゃうじゃない」
そうと決まれば話をするのは早い。
要は、いつどこで、どういう具合にゲンゴの方から誘いをかけるようにするかだけが問題なんだ。
さっそく俺と隆と進で、今のゲンゴの立ち寄る個所を調べる事にする。
すると、五月の方からこういう情報が出てきた。
「・・・大家さんの家なら知ってるから・・・そこに帰ってきてるんじゃないかな?」過去に顔を合わせて嫌な思いをしたというその家・・確かにその情報は良いと思えた。
「じゃあ、そこに張り込んで・・・」
「ゲンゴがどこに今出没してるかを探れば・・・」という事で、さっそく五月の案内でゲンゴの家に行くことになったんだ。
「・・・ここだよ?」
「うわ・・・すげえ家・・・」
「これかよ・・・」お金持ちを見せびらかすような趣味の悪い前衛住宅ぶった真っ赤な屋根を持つ家。
そこが奴の家だった。
さっそくその日から、俺と隆と進の3人交代でその家をあいてる時間見張る事にした。
3日目・・・4日目・・・そろそろ焦れ始めた週末に、奴は動いた。
「来た来た!・・・ゲンゴが帰ってきたよ!」進が息を切らせて塾に飛び込んできた。
「どこに出入りしてるか解ったか?」
「うん・・・○○公園で、一人で野宿してるよ」どうりで他の浮浪者たちと仲が良い訳だ。
普段からそんな暮らしをして、いなくなった時はのんびり家で過ごしていたのだろう。
「サツキー・・・まさか、びびってねえよなあ?」
「あったりまえよ!ここまで来たらゲンゴをやっつけて見せない限りは名誉挽回出来ないしね!」・・・その時始めて、五月のこの行動にかける意気込みの訳が解った気がした。
大嫌いな女らしい格好をしても、どんなに恥ずかしい行為をされても、今のように女だからって理由で差別なく接してもらってた自分を取り戻したかったんだ・・・。
そう思ったら、性への興味本位だけで奇異の目で五月を見ていた自分たちが恥ずかしく思え、急にこの作戦へのやる気が萎えてき始めた。
でも、そのやる気を五月は奮い立たせてくれた。
「・・・あんた達の大事な人たちを虐めた人なんでしょ?!私たちが敵を討たないでどうすんの?!・・・何でもやるからさ、私!さ、いこうよ!!」
・・・そっか、何でもやってもらえるなら、何でもやってもらおう!さっきまでの殊勝な態度はすっかり消え、俺たちはゲンゴ誘い込みという言い訳を傘にして、タダのスケベ小僧と化していた。
「・・・ね、ねえ・・・本当にそこまでやらなきゃ・・・だめなの?」
「ん、だめ」
「や、やだなぁ・・・もうちょっと抑えても・・・」
「ゲンゴはあれで好みは厳しい」
「そうそう。本当に可愛いかきれいなコで、なおかつそうしないと・・・」
「・・・」
「お前、意外と良いとこいってんだぜ?もうちょいだって」
「・・こ、こうか、な?」
それは、奴のいる公園で、例の格好でブランコや滑り台・ジャングルジムで一人で遊ぶふりをしてさり気無くいやらしいポーズを見せるって奴。
ついでにゲンゴに笑いかけるように指導する。
その結果、普段の彼女を知ってる奴には笑いを、女の子扱いしてる奴には衝撃を与える行動を示すようになっていた。
ブランコでは、立ったまんまで勢いよく漕ぐ。
前・後ろから見ると下着は丸見えだ。
滑り台では、スカートのすそを下にひかずに滑る。
ワンピースだからスカートはめくれ上がり、勢い次第では白いお腹まで見えてしまう。
ジャングルジムでは、わざと高いところでまたがるように移動する。
下から見ると彼女の足や腰にかけての筋肉の動きが丸々見えてしまう。
更に、疲れて一休みする時には必ずちらりとゲンゴの方を向いて笑顔・・・といっても、引きつった五月のその時の顔はどう見ても困った顔。
でもこれはこれで恥じらいがある。
・・・うわあ、今思い出すとまんまロリコンビデオだわ。
でもね、見事にゲンゴはこれに引っかかる。
でも、その時までは意外なリスクに俺たちは気付いていなかったんだ・・。
別の公園で、恥ずかしがる五月の体温を感じながら、存分にその肢体を触りまくって彼女のひんしゅくを買いながら得た彼女の行動は、男っぽい格好していながらも、俺達から見て十二分にいやらしかった。
その成果を試すのは週末金曜日の夜、塾が終わってからという事になった。
「・・・おまたせ・・・」塾が終わり、トイレで例の白いワンピースに着替えて出てきた彼女は、夜の闇に浮かび上がって、やっぱり一際可愛かった。
塾仲間にからかわれながら、顔を赤らめて出てきた彼女に対し、つい心配になった俺たちは思わず、「だ、大丈夫か?・・・いやなら止めてもいいんだぜ?」って言ってしまった。
こんな言い方では、負けん気の強い彼女に考え直させる事なんか百も承知だったはずなのに・・・。
「ばっ・・ばか!大丈夫だってば!さ、いくよっ!」スカートをひらつかせながら自転車を漕ぐ五月。
めくれるスカートが気になるせいか、いつもの速度が無い。
・・・そしてついに公園についた。
ゲンゴは・・・いる。
焚き火をしてる。
ついに決行する時が来たんだ。
「・・・五月・・・?」
「ん・・・い、行って来る・・・ね、ねえ?ちゃんと・・・」
「大丈夫、にげねえよ・・・絶対」
「もう同じ事には絶対しないって・・・」
「うん」
五月は、俺たちがゲンゴを見張ってる木陰から、そろそろと移動し公園の入り口に向う。
・・・ここからが勝負だ。
問題は「ある程度本気で襲ってこないと立証する事が難しい」って事。
だから、ここは五月には悪いけど「かなり引きつけないとダメ」って事。
そこの進行具合が、ちょうどおまわりさんを呼んで駆けつけてくるタイミングに近い程、効果的って訳だ。
「あ・・・五月、決心したみたいだね?」
「あんまり深呼吸すんなって、バカ」
「お・・・行った行った・・・」
「まずは何から行くのかな・・」五月はやや硬くなりがら、何とかゆっくり公園内の施設を選ぶように移動し、まずはブランコにゆっくり座った。
「ふう・・・」実際には緊張を解くための深呼吸なんだけど、その心細さが良い具合に”家の人が帰ってきていない子供が夜中に寂しくなって遊びに”って感じに見えた。
・・・きぃ・・・きぃ・・・きぃ・・・ゆっくりとブランコを漕ぎ出す五月。
そんな彼女を見やった後、ゲンゴを見る。
「・・・OKOK!見てる見てる!」
「うわ・・じっくり見てるよ・・・」
「あ、移動した・・・」木の枝を拾いながら、確実に五月のよく見えるような位置で五月を見るゲンゴ。
キョロキョロと辺りを見回す。
そこで次第に強くブランコをこぎ始める五月・・・ここで彼女はミラクルを出してきた。
「うわ・・・立ち漕ぎかよ?!」
「おいおい・・・ゲンゴ、下から覗いてるぜ?」
「良い角度だよなあ・・・」そのまま五月はストンッとブランコに腰を置いて次第に速度を落としてく。
・・・うん、これなら自然にスカートを下にせず、直接お尻をいすに乗せる形になる。
・・・きぃっ。
ブランコを止めて、たたっと滑り台に移動する五月。
ゲンゴにはまだ目を合わせていない。
滑り台の位置は、ゲンゴの焚き火してた場所のすぐ隣だ。
ゲンゴは拾った木をそのまま火にくべ、強くなった炎に照らされた顔はやはり五月を見てる。
カン・カン・カン・・・軽やかに闇の中で白い布が滑り台を登っていく。
そのまま、下りてくる五月。
・・・さーーーっ・・・白いお腹が見えそうになった所で、さすがに恥ずかしいのか、スカートを途中で押さえて下まで降りてきた。
ゲンゴはさりげなく下にいる。
下に下りた五月は、そのままゲンゴを見上げ、練習で見せたへたくそな笑顔を向けている。
ぼそ・・・ぼそ・・・と何事がを離してる。
ここからはよく聞こえない。
するとまた、五月はたたっと白い裾をはためかせ、今度はジャングルジム・・・俺達の方へ走ってきた。
そのまま、よじよじと登り始める。
「・・・あいつ、照れてるよ」
「うん・・・動き、悪いよな?」
「何、言われたんだ?」あまりしゃべってもいられない。
ゲンゴもにやにやしながら、当然のようにジャングルジムに寄りかかり、五月を下から見上げるように声をかけはじめた・・・。
「・・・なあ遊んでんだろ?降りてこいって!!望みどおりにしてやっからよ?!」
「・・・いいよ、一人で遊ぶからー!」よく我慢してるよ、見上げられて恥ずかしいだろうに。
すると、ニヤニヤしながらゲンゴが五月にこう言った。
「・・・お前、見たとこ小学校高学年か中学生だろ?そんなガキっぽい遊びしてて、恥ずかしくねえ?」すると、五月の動きがぴたっと止まる。
「う・・・」あれは、弱みをつつかれて言い返せなくなるいつもの五月だ。
・・・確かにオレ達位の年になると、もう公園なんかで遊ぶのは選択肢にあまり入ってこない。
だが、正直オレ達はたかをくくってた。
ゲンゴから見れば小さいガキと同じに見えてるはず、って思ってたんだ。
でも甘かった。
・・・ゲンゴは、オレ達が思う以上に、五月を「女」として見てる・・・ぞくうっ、って昔の感覚が蘇ってきた。
お姉ちゃんのとき、そして・・・千尋の時に感じた時の。
あの「ヤバイ」って感覚・・・
「そこまででかくなってて、恥ずかしくねえのかよ?見た目よりよっぽどガキだな?」
いやらしい言葉責めはある程度慣れさせたけど、こう来るとは!意外な所からのバカにした言葉に、すっかり五月は我を見失っていた・・・。
「降りてこい!・・・おら、聞こえねえかっ!」ガーーンッ!ガンガンガンッ!!「きゃ・・きゃああっ!!!」ビリビリビリイイッ!
!!俺達もあまりの剣幕の変化についていけず、思わず声を上げそうになったくらい。
五月に至っては、そりゃあビックリしただろう。
ゲンゴはいきなりジャングルジムを蹴って、五月を脅し始めた!「このエロガキ!この寒空に、その薄着はどういうつもりだ!さそってんのかよ?!ええっ!?」ガンガンガンガンガンッ!!
「や・・・やあっ!そんなっ、ちがうっ!!」
「降りて来い、つってんだよ!!ガタガタぬかすなっ!」ガンガンガンッ!「あ・・・ああっ・・・」
ガクガク震え始める五月。
そんな中、まだオレ達はカーーッと熱くなるのを感じながらも、まだ落ち着いていた・・・ように思う。
(まだまだまだ・・・)さすがにこういうゲンゴを見るのは二回目で、尚且つ(こういっちゃ何だが)襲われてるのが五月だっていう事が正直その理由だろう。
(大丈夫・・・まだ、オレ達はやれる!)・・・だが、その考えも甘い事に気付かされる事になるのだけれど。
「やぁだっ!やぁっ・・・」
「来ないんだな?ならこっちから行ってやるよ!」
もともと見せつけるために不安定なポーズのまま怯えて固まってた五月は、簡単に細い足首を、ゲンゴの手で押さえられた!ぐいいいっ!!ぐいっぐいっ!!「やぁあっ!!」何と、ゲンゴはそのまま片足を持ったまま強引に五月を引き剥がそうとする!!体の柔らかい五月の足が可愛そうな位に股裂き状態になり、あの白い下着どころか背中まで露になる。
「おらおらああっ!」
「痛い、痛いよ、降りるから、おりるからあっ!!」ガンガン、ガガンガンッ!・・・頭を押さえるのが精一杯の五月は、ワンピースがめくれ、汚れるのも構わずジャングルジムからゲンゴに強引に地べたに叩き転がされた!「はあうっ!」思わずうめく五月。
でも、それでも必死に砂をかき、俺たちの方へとずりずりと体を引きずろうとする。
すると、五月の短い髪を掴んで、強引にゲンゴは五月を立たせ、自分によっかからせた!そこで更に極めつけの言葉を投げかける。
「ん?・・・お前、知ってるぞ?」
オレ達は思わず顔を見合わせた。
正直タカをくくってたんだ、ゲンゴは見た目通りの粗野で乱暴で頭の悪いヤツだって。
でも、想像以上にヤツは狡猾だった。
「確かあいさつ周りに来てたよな?お前・・・よくもまあ、色気付きゃがって・・・」ブチブチブチ・・ッ・・・「い・痛い・・・は・あ・・髪の毛、引っ張らないで・・」さっきの背中強打で息も切れ切れの五月は半分涙声でのけぞるようにゲンゴを見上げる。
「こんなにスケスケの格好でよ?文句なんか言えねえよなあ?・・・第一これなんだ?」ばぁああっ!!っと白いワンピースの裾をいきなり掴み、真っ白いお腹と下着が露になる。
「やぁああっ!!・・・離してっ!離してってばぁっ!」じたばたと浮きかけた足で地面をかく五月。
「ぎゃぁっははっはは!何だ?こりゃあ・・・そんなに見せてえのか?ここ」いきなり下着に手を突っ込んだゲンゴは、わきわきと柔らかい五月の股間を直接もみ始めた!
「やぁあっ!!やだやだやだ・・・」今まで女の子していた五月の本性が垣間見える!・・・がんっ・・と鈍い音がした瞬間、ゲンゴのうめく声が聞こえた。
弁慶の泣き所を痛打したらしい!だが・・・「・・・んの、ガギャアアッ!」
「はぅっ・・・んつはっ?!」・・・びたんっ!!五月の下着に手をかけたままだったゲンゴは、そのまま逃げようとする五月を引っ張る!小さな弱々しい下着がこれでもかという位に引き伸び、丸くて白い五月の尻が露になる。
その尻をゲンゴはにたあっと笑って、思いっきり叩きはじめた!・・・びちゃあんっ!!「ぅひゃぁっん?!」思わず顔を上げる五月!その顔が急に怯えを強くした。
「やぁあ!」汁ッ気たっぷりに半分剥きだした五月の尻と股間に、ゲンゴがむしゃぶりつく!!「やぁぁ・・・・・いやああああああああああああああああああああああああっ!!!!」
ぐいいっ!!・・・尻から伸びた下着を思いっきり引き、再び髪の毛を掴むゲンゴ。
みりみりぃっ・・・と髪の毛を引っ張られてゆがむ音が聞こえんばかりの力に、思わず俺たちは顔を背けた。
・・・まだだ、まだ、決定的じゃない!ごめん、五月!!・・・いや、実際は俺たちはびびっていたのかもしれない。
微動だにせず俺たちは五月を襲うゲンゴを見やるだけだ。
・・・そのまま耳に口を近づけ、ゲンゴはこう言った。
「この下着はなんだって聞いてんだよ?!え?!ママに買ってきてもらったか?そういやあ、美人な奥さんだったなあ?こんないやらしい下着が趣味だったとはねえ?」
「ち・・・違うっ!ま、ママはそんな人じゃないもん!」
「はあ?お前その年でまだママとかいってんのかあ?」かぁっと顔を赤らめる五月。
だが、それはゲンゴの狙いでは無かった。
意図は全く異なる所からの五月への精神的な揺さぶり。
負けん気の特に強い彼女の性格は、ゲンゴにとって一番おいしい物なのだろう。
「へえ、違う?・・・じゃあ、これは自分で買ってきたってんだな?・・・この変態娘が」
「そんな・・・?!」
「ママに報告しなきゃなあ?こんないやらしい下着はいてますって」
「や・・・やめてっ!やめてよっ!!」ずるんっ・・・べちゃんっ!ゲンゴにもたれかかされてた五月はそのまま前のめりにくの字になり、その勢いで下着から足が抜けカエルの様に這いつくばらされた!・・・にやにやとその姿を見やり、立つように怒鳴るゲンゴ・・・。
その時、オレ達は想像してた。
洋服まではお母さんと買いに行けたものの、下着の事にまでは触れられなかった彼女の姿を。
そして、少しでも言われた通りのいやらしい下着を、自分で買いにいったんだろう・・・今みたいに真っ赤な顔をして。
ゆらゆらと、何とか立ち上がる五月。
白い服も砂にまみれ悲しい位に汚れてる。
そんな五月に追い討ちをかけるようにゲンゴの執拗な嫌がらせが続けて行われる。
「おかあ・・・いや、ママに言われたくねえんだろ?だったら大人しく言う事聞きな?」
「や・・・な、何するの・・・?」すっかり怯えてる五月。
もうオレ達の事なんか忘れて?・・・いや、ちらちらと後を伺ってる。
そろそろ限界だろうか?「・・・誰かいんのか?」
「ちっ・・・違うよっ!」無理やりゲンゴの方を向かされる五月。
小さい下着を両手で伸び縮みさせながら、ゲンゴがのたまう。
「キレイなお洋服、汚したくなかろ?・・・脱ぎな」
「・・・え?」
「・・・脱げつってんだよ?!聞こえねえか?!このバカガキがあっ!!」がしっ!と鋭い蹴りが五月の足を打つ!「いたいっ!・・・や・・・やあ・・・」げしっ!更に無言で蹴りを打つゲンゴ。
「・・・あ?聞こえねえか?」がばっ!と腕を振り上げる。
「ひぃっ・・・」ブンブンブンっと首を振り、ガタガタ震えながら、五月はワンピースの背中のチャックを下ろし、肩紐を下ろし始めた・・・しゅるっ・・・布すれの音がやたらと響く・・・。
しゅるっ・・・するっ・・・ぱさっ、と薄い布が落ちた。
掻き抱くように前にその服を持ち、ぶるぶると折りたたんでいく五月。
「・・・もたもたしてんなよ、来いっ!」ぐいいっとか細い五月の腕を引っ張り、焚き火の方へ連れて行こうとするゲンゴ。
「もたもたしてんじゃねえよっ!!・・・おらっ痛い目にあいたくねえだろっ?!」いきなり剥き出しの股間に手をねじこむゲンゴ!(ゲンゴに比べて)小さい五月の体がビクンビクンっと上下に突き上げられるように揺らされる!
五月は「や・・いやあああっ!!!」めちゃくちゃに拳と足を振り乱し、ゲンゴを突き離そうとする!「隠してちゃ見えねえだろが・・・あ?!嫌でもそうしてやるよ!」
・・・どぅむぅんっ・・・!!!
細い五月の体からするとは思えない、重い肉の打つ音がここまで聞こえてきた!!声にならない絶叫を振り絞る五月!見下ろすゲンゴは、更に追い討ちで背中を蹴る!
「はぁあっ・・・・んぁあっ・・かはぁっ?!」細い体がエビのようにのけぞる。
・・・小ぶりながらプリンのように震える胸と華奢な股間の谷間が公園の夜行灯に白く晒された!!片手で抱きかかえるように白い裸身にむしゃぶりつくゲンゴ!!・・・もう、もう我慢できない!オレ達は勇気を奮い立たせるために叫びを上げた。
進はオレ達の肩を叩き、おまわりの元へと駆け出していく!!
こっちに背中を向けているゲンゴの背中に向って、思いっきり加速をつけたまま、俺はゲンゴに飛び蹴りをかました!重い確実な感触を感じた物の、ほんの少しだけぐらついただけでゲンゴはしっかりとその場に立っている。
「やっぱ仲間がいたか・・?」バカにするようなゲンゴの声がしたかと思ったその瞬間、凄い勢いでオレはこめかみ辺りをぶちのめされた!!めきっ・・・って音が耳のすぐ傍でして、俺はそのまま地面に叩き付けられる。
その瞬間すさまじい揺れと痛みで目の前が真っ暗になった!イタイ痛いいたい!!自分の声じゃないみたいなわめき声を上げながら、俺は冷たい地面を転げ回った。
手で押さえたこめかみが凹んでる気がする、すぐに感触がヌルヌルしてくる。
・・・暗くなった視界の端で、木の棒を持ったゲンゴがすくい上げるように隆の顔を殴り飛ばす姿を見た・・・
野郎、あんなごつい物で平気で殴れるんか?!・・・その時、改めてゲンゴが越えられない圧倒的な存在に見えてきた。
でも今度こそはやり返さないと気が済まない!だって、今度はその棒で五月の背中を打ち据え、「はぁぅっ!!」って地ベタで再びあお向けになった五月のブラの正面を掴み、無理やり立たせようとさせてたから。
オレは怒りの勢いだけで無理やり体を起こし、そのままゲンゴの背中に掴みかかろうとする!「やめろおおっ!!」
「ほら、お前にも見せてやるよ!!」がばあっといきなりブラを持ったまま、振り回すように五月の肢体をぶつけてくるゲンゴ!!丁度、五月を正面で抱きかかえる形になり、慌てて止まろうとするオレ。
触れてしまった五月の柔らかいボリュームを感じた瞬間、上段から木の枝がブチ折れる勢いでゲンゴがオレを打ちのめす!脳天がぐらんぐらんゆれ、気がつくとオレは隆の隣に転がっていた。
まるで人事のように、オレ達を意にも介さずブラを引っ張って五月を壁に叩きつけるゲンゴ。
ガタガタ震えながら、五月はそのままべちゃっと壁に寄りかかり、ズルズルと腰を下ろそうとする。
ゲンゴはそれを許さず、五月の細い片足を掴んで、無理やり彼女を立たせようとする。
熱い頭と耳鳴り・痛みが酷く、何を言っているのかがよく解らない。
ゲンゴは一言二言五月と言葉を交わすと、両手で無理やり両乳房を引きちぎらんばかりにもみしだく。
ポカポカと力無く五月がゲンゴをたたくと、今度は手の平をなめた後、思いっきり五月の尻を叩き、そのまま股間に手を突っ込んで激しく揺さぶった。
・・・揺さぶられると、本当におっぱいって波打つんだな・・・何でかそんなバカな事を想像してたら、急速に意識がはっきりしてきた!
グワングワングワン・・・ますますヤバイ感じは強くなる。
オレは割れそうな頭を押さえ、倒れたまま見てた五月の方へ、今度は自分の意志で顔を向ける。
それだけでも激しくおっくうで、痛い。
でも、五月を何とかしないと・・・。
すでにその頃には、五月も諦めたようにゲンゴの前でゆっくりと立ち上がろうとしてた時だった。
だがオレと目を合わせた瞬間、「やぁあああああああっ!!」と再びしゃがみこみ、激しくいやいやをする五月!するとゲンゴは「いい加減にしねえかっ!」ぐいいっと足で無理やり五月を立ち上がらせ、強引に足をこじ開かせて乱暴に彼女の股間の谷間を太い指で舐り出す!「痛い痛い痛いよぉっ・・・わかった、わかったからあっ!!」
「もう、やぁあああぅ・・・」グスグス泣き出す五月。
・・・そこまで五月をいたぶりようやくゲンゴがニヤつきながら彼女の方を向き(オレ達に背中を向け)、何事かを彼女の顔をなめながらささやいた。
五月の目はまだこっちを向いていたけど、多分何も見えてなかったに違いない。
ゲンゴがゆっくり身を離してじっくりと彼女を見やる。
五月は頭に両手を載せ、狂牛病の牛のように頼りなく内股で立ちあがり、ゆっくり休めの姿勢をとり始めた・・・。
「おいおい、そんなにビビッたか?汚ねえなあ・・・くせえぞ?お前・・・ぎゃはっは」ゲンゴは足先で無理やり五月のピンクのワレメをつつく。
ゲンゴの言う通り、五月の股間はぐしょぐしょに濡れ、テラテラ光る中身についた砂粒が妙に痛そうに見えた・・・。
焚き火でゆらゆらと、赤くゲンゴと五月が浮かび上がる。
もうオレ達が起きてこられないと思っているのだろう、ゲンゴはさっきオレ達を殴打した木の棒の先で、ぐりぐりと五月のテラテラとしたピンクのワレメを剥き開いた。
五月はガタガタ震えるだけでもう抵抗らしい抵抗をせず、頭と胸を両腕でかかえ、亀のように縮みこまっていた。
木の棒の先でその腕を無理やりこじ開け、何事かささやくゲンゴ。
いやいやを繰り返す五月に業を煮やし、その木の棒を、五月の寄りかかってる壁に思いっきり叩きつけるゲンゴ!「・・・た、立ちますっ!・・・・立ちますからぁ・・・」ずりずりと立ち上がろうとする五月を「もたもたすんなっ!」っていいながら、ゲンゴはべろおっと再び舌で手の平を舐め、その唾液を五月のワレメにこすりつけ始めた!!「やぁああっ・・」すっかり弱りきった五月の声よりも、下衆なくちゅくちゅとした湿った音が響き始める。
ゲンゴの背中はすっかり後ろを向いていた・・・。
「はぁ・・・やぁ・・・気持ち悪い・・」うめくような声を上げる五月にぶしゃぶりつくように全身をなめまくるゲンゴ。
片方の手がせわしげに、自分のベルトにかかりカチャカチャという金属音が鳴り響く。
ずるうっ・・・と自分のズボンを引き下ろすゲンゴ。
こっちからは闇に紛れて見えなかったが、「やだぁ・・・」っていう五月の声でどんな状況かは理解できた。
「てめえっ!!」ばしばしっ・・とゲンゴが五月をはたく!!「やめてっ・・・ごめんなさい、ごめんなさいっ!」
「おらぁつ・・・・大人しくしてろよ?!」
「やだぁ・・・やめて・・・」汚らしいケツが火に晒されて露になる。
ゲンゴが無理やり壁に押さえつけられた五月の片足を不自然に持ち上げて開かせているのが見えた!・・・今だっ!!
うぅおおおおっ!!最初に行動したのは隆だった。
何時の間にか持っていた、頭位の大きさの石を、広いゲンゴの背中めがけて思いっきり振り下ろしたんだ!「ぐあっ!」気配に気付いたゲンゴが出来たのはせいぜい後ろを振り返ることだけだった。
その石は背中に向けて振り下ろされたけど、横を向いた瞬間にゲンゴの横腹にめりこむ形になった!げほげほぅと咳きこみながらも「てめえっ!!」ぶんっと振ったゲンゴの拳をまともに食らう隆。
オレはその隙にゲンゴの取り落とした木の棒を掴んで、ゲンゴの頭に向って思いっきり振り下ろした!めこっ・・・という何とも言えない感触を残し、「いっ・・いてえええっ!!!」凄いわめき声を上げて、両足に引っかかったままのズボンにけっつまずいてその場で悶絶を始めるゲンゴ!「・・・五月っ!」呆然とする五月の手を引き、俺は何とかその場から逃げ出そうとする!!そこへ五月の足とオレの足を無理やり引っ掛けて転ばせるゲンゴ!
「やっ・・・」どむっと妙に柔らかい感触で倒れこむ五月。
オレは何とか転ぶのを踏みとどまった物の、その中途半端な体制で、ゲンゴから体ごと突っ込んでくるような拳を受け、その場で二人で転がりまわる!「っざけんじゃねえぞ?!おらあっ?!」人間の弱点とかそういうのお構いなしで、お腹や背中・頭を踏むように蹴りをいれてくるゲンゴ。
正直オレ達は、その場から逃げ出すためにゲンゴの動きを止めようと、夢中で手にとった物で殴りかかった!それでも力の差は凄く開いてる。
正直なめていた、たかだか高学年の体力で肉体労働系の体をもつゲンゴに張り合おうなんて・・・石も棒も使って、オレと隆は夢中でゲンゴの体にたたきつけた。
でも、ヤツは動きを止めることなく。
オレ達は逆にぶちのめされる。
・・・あまりにも殴られすぎて顔も頭も熱いだけ。
立ち上がる気も力も無く再び砂地にオレと隆は倒れこんだ・・・。
五月はただ呆然と、その姿を見ているだけだった・・・。
息を切らせながらゲンゴが座り込む五月を無理やりその場で横に引き倒す。
「・・・」五月は最後に、せめてもの抵抗かお尻を地面につけながらずりずりと後ずさりした。
倒れてる視界に、白いお尻が擦り傷で傷だらけなのと、うっすらと股間に生えた陰毛が妙にはっきり確認できる。
(ああ・・・五月も大人になってくんだな・・・)と、見当違いな考えが頭をよぎる。
(ごめんな・・・皆・・・五月・・・もうちょいだったのに・・・)手元にあった小石を掴み、せめてもの抵抗にゲンゴに向って放る。
するとゲンゴは、「・・・」無言でばんっ!!とオレの手をふんずけやがった!「~~・・っ!」それを見て抵抗する気もなくしたのか、戻ったゲンゴが促すがまま五月はそのまま言うなりに体を横たえた。
「・・ったく・・・」何語ごとかぶつぶつ危ない人のようにつぶやきながら、下半身丸裸の状態で五月の白い裸身にかぶさっていく。
・・・ちゅっ・・・湿った音がして、もぞもぞとゲンゴが何事かを五月の下半身を覗きこんで確認している・・・そこへ!チリン、チリ~ン・・・遠くにベルの音が聞こえてきた・・・。
その音を聞いて、俺たちはすぐに状況を理解した・・・そうだ、あれだけ待ってたタイミングが来たんだ!!目の前の五月に興味が行ってるのか、ゲンゴは後を振替らない。
オレと隆は無理やり体を起こして、ゲンゴの背中から羽交い絞めにしようとする。
「いい加減にしろっ!」力の抜けたオレ達は簡単に振りほどかれる。
一瞬、グロテスクなゲンゴの物が、五月のピンクのワレメと触れ合っていたのが離れた所が見えた。
「・・・いいか、大人しくしてろよ?いいか・・・」息も絶え絶えに再び五月の白い足を抱えるゲンゴ。
だが、もう遅い!ジリンジリン!!っとけたたましい音をさせて、おまわりさんがようやくゲンゴと五月の間に割って入ってきてくれた!「貴様っ!!・・・何をしてるんだっ、やめなさい!」
・・・それから以降の事は急転直下で成り行きが進んでいったからよく覚えてはいない。
とりあえず上着をボーゼンとしてる五月にかけてやった事。
どうしても気になってた五月のお尻と股間から砂をはたいてやったこと。
暴れまわれ、叫びながら五月の方に寄ってくるゲンゴをおまわりさんが押さえ込んだ事。
すぐにパトカーが来て、大勢の野次馬がやってきた事。
オレ達はそのまま近くの派出所に連れていかれて、コーヒーをもらって事情聴取を受けたこと。
五月は女の警察官にどこかに連れていかれた事。
迎えに来た親たちに散々叱られた事・・・何もかにも現実感が無かった。
とにかく、ゲンゴを現行犯で捕まえさせる事が出来た事だけは確か、それだけだった。
その日は朝までそんな感じで過ぎ、家に戻ったオレは何もかも忘れてただただ眠った・・・。
翌々日には、ゲンゴ捕まるの報はオレ達の学校中に知れ渡った。
その日から登校してきた五月は、この前のことを忘れたかのように絶好調で、自慢気にその時の武勇伝を話してみせており、希望どおりにこの町のヒーローになっていた。
今回の一件に関して、どうしても行わなければならない理由が、五月だけではなく、オレにもどうしてもあった。
「ゲンゴが捕まえられれば、お姉ちゃんは無理でも、せめて千尋に会える道理が立つ」と思っていたからだ。
でも、ニコニコと友達と話す千尋を見て、俺は逆に話しかける事が出来なかった。
「・・・今更、どうしてゲンゴを逮捕させたからって話が出来るんだ?だって、千尋は襲われてしまったんだぜ?それをまた思い出させるのか?やっと藁って友達と話せるようになったのに・・・」
結局、千尋に話かける事もできず、ただむなしかった。
そのため、オレ達は正直五月への罪悪感もあり、あまりゲンゴの件を触れまわる気になれなかった。
五月の方から数回話を振られたが、相手をする気にもなれない。
当然五月との付き合いも無くなり彼女からは次第に疎遠になっていった・・・。
そんなある日、オレは一人で文芸部で残って何をするでもなくコーヒーを飲んでいた。
そこにノックの音。
どうぞって言うと、何とあの五月がおずおずと入ってきたんだ。
「ちょっと・・・いいかな?」
「・・・じゃあ、オレ出てくよ」
「違うよ!・・お前に話があって来たんだ」
「・・・」オレは居たたまれなかったけど、そのまま立ち上がってお湯を沸かし始めた。
五月の分のコーヒーを淹れるためだ。
五月は、そのまま窓際のいすを引いてちょこんっと座った。
お互い何を話すまでも無く、ただお湯を沸かせるコトコトした音だけが響く。
「何?」短く促すと五月は話し始めた。
「最近・・・話もしてくれないよね?」
「だって人気者じゃん?良かったな、希望がかなって」
「そんな事ないよ・・・」また黙る五月。
「ね・・・私、よくやったよね?ちゃんと役割果たせたよね?」
「・・・当たり前だろ」
「だったら・・・だったら、何でまた昔みたいに遊んでくれないの?あんなに頑張ったのに」オレは驚いて五月の方を見た。
・・・夕焼けをバックに、シルエットに浮かんだ五月の姿は震えていた。
「皆の前でヒーローになりたかったんだろ?」
「そうだけど・・・そうじゃないよ!私は・・・昔みたいにあんた達と遊びたかっただけなの!」
「・・・」
「あんな事になって、大騒ぎだったけど・・・私は楽しかった。昔みたいに盛り上がれたから・・・でも、もう終わりなんだね」・・・そう言うと、五月は低く嗚咽を押さえて肩を震えさせ始めた。
オレは言うべき事も無く、ただ黙ってコーヒーだけ置いて、彼女が落ち着くのを待った。
・・・最低限、その位はしなくちゃって思ったんだ。
・・・五月が泣き止んだのは、もう夕焼けも沈み、辺りが急速に暗くなり始めての事だった。
遅くなっちゃったね、ごめんって、五月は笑顔になって、すっかり冷めたコーヒーをすすった。
そしてオレにこう言った。
「聞いたよ?昔の話、隆と進から・・・」
「聞いてたんか?」
「うん・・・ゲンゴ計画の直前にね?」いたずら心旺盛って顔でヤツは尋ねてきた。
「そういえば、知ってる?ゲンゴ、釈放されたんだよ?」
「え?それってまずいじゃん。大丈夫なのか?」ふんっって強気な笑顔で答える五月。
「さすがにあそこのバカ息子も親に咎められたらしいってお父さんが言ってた。しばらくどっかに行かされちゃうんだって!」結果的には、一番いい形でゲンゴをこの町から追放する事が出来たと言いたいのだろう。
その調子に乗る形で、五月はさらにこう続けた。
「んで?その問題の子には話できたの?んー・・・ウチのクラスの、千尋・・・さん、だっけ?」
「お前、千尋とはあんま仲良くないだろ」
「んー・・・仲悪くはないよ?あまり話をしたことないだけー。・・・へー・・・」
ニヤニヤする五月。
殊勝にしてりゃあいいのに。
でも後ろめたさで口にするのはさすがにはばかれた。
「話してないの?」
「だって、お前・・・今更、何話せるってんだよ・・・」
「あーあ、せっかく私が体張ったってのに、その甲斐無いじゃない」
「手前・・・」何つー憎まれ口を叩くんだか。
すると、いきなりこう五月はのたまった。
「よし、解った!この私にまかせなさい!」
「余計なお世話だ!」
「もう、友達じゃない私とは関係ないって事?」
「・・・屁理屈ばっかこねんなよ、何が言いたいか、全然わかんねーよ」
「私がキューピットになてあげるって言ってんのよ!」
「ばかっ!そういうんじゃねえよっ!」その話も聞かず、五月は軽い足取りでドアに向かい「まあまあ、私の暖かい友情を受けとって?じゃあねー」って出て行ってしまった・・・。
それから、本当に五月とは接触する機会が無くなってしまった。
夏休みが過ぎ、季節は秋・・・もう、その時には五月の話すら、隆と進との間でも出てこなかった。
そんなある日、ふと廊下で呼びかけられ振り向いた。
そこには、しばらく会わない内に身長が伸び、心なしか丸くなった五月が立っていた。
どう対応しようか、少しドギマギしながら話を振ろうとした瞬間、いきなり会話を切り出す五月。
「今度さ、運動会あるじゃない?あんた、何に出る?」
「・・・はぁ?!」
「いいからっ!何に出るの?」
「・・・中距離だけど」
「かぁあっ!短距離とか長距離とか、もっと目立つのに出りゃあいいのにっ!・・・解った、中距離ね?」
「いきなり失礼なヤツだなあ。何だっての?」
「いーからいーから」ニコニコしながら歩き出す五月。
「おいっ!」
「じゃあね、私忙しいんだっ!」とっとと歩き出しながら、最後に五月はこう言った。
「・・・いい?絶対に、一番そこで取りなさいよっ!」
言われるまでもない。
オレは一番を取って、そこでもらえる賞品を狙いあう事を、隆と進で約束しあっていたからだ。
後ろも振り向かず、五月は手だけ上げて答えた。
・・・それが、五月と会話をした最後だった。
その行為が、五月の友達としての最後のおせっかいだった事は、運動会の中距離で一番を取った時に解った。
千尋との仲直りの機会を、五月は与えてくれたって事・・・。