友達の母 3-文恵

2019/02/03

「恐がらなくても大丈夫だから、、、」
震える両手を優しく解き、ズボンの上から硬直に手を伸ばす。
「あぁっぅ、、、」
悠斗の甲高い声と共に腰が引かれ、その拍子に悠斗はすとんとソファーに体を沈める。
「ふふふっ、、、大丈夫。おばさんに任せて、、、」
文恵の手はするすると悠斗のズボンに纏わりつき、慣れた手つきでファスナーを下ろした。
「あっ、、おばさん、、、」
「ふふっ、、、大丈夫、、、」
「で、、でも、、、」
「ほら、、、腰を浮かせて、、、」
目の前に現れた悠斗のパンツは大きく張り出し、その先端は濡れて色が濃くなっている。
「ふふっ、、悠斗君のは可愛い顔に似合わず、大きいのね」
悠斗に劣らず興奮している自分を隠しながら、文恵はパンツの上から張り出しをそっと撫で始めた。14.秘密「ああっぅ、、、おばさん、、、、」
「ふふふっ、、、どぉ?」
文恵はパンツの上から悠斗の張り出しを撫で、目を瞑り快楽に悶える悠斗を眺めた。
「いいです、、もぅ、、、」
「気持ち良い?」
「あぁぅ、、はい、、気持ち良いです、、」
「良かった、、、」
文恵は微笑みながら、悠斗の張り出しを求めパンツの裾から白い指を伸ばした。
「んっ!あぁあぅぅ、、、!」
声にならない声をあげ、悠斗の体がぴくぴくと跳ねる。
「悠斗君の、、熱くて、、、大きいわよ、、、」
指を絡ませ、優しく上下に動かすたびに悠斗の腰が跳ねまわる。
文恵は興奮のあまり、自分でも気づかぬうちに膝を擦り合わせ腰をくねらせた。
「じゃあ、見せてもらうわよ、、、」
はあはあと荒い息を上げる悠斗のパンツに手を掛け、ゆっくりと下ろす。
パンツから飛び出るように、若い張り出しが文恵の目の前に現れた。
まだ完全に脱皮していない悠斗の張り出しからは、青いむせるような臭いが立ち上る。
「おばさん、、恥ずかしい、、、」
「、、、おばさんの裸を見た罰よ」
文恵はパンツを膝まで下ろし、露になった張り出しに手を添えた。
「でも、これでお相子ね、、、」
恥ずかしげに顔をそむける悠斗を見上げ、文恵はゆっくりと手を動かした。
「あぁぁぅ、、、おばさん、、、」
「ふふふっ、、、どう、、、気持ち良い?」
「あっ、、はい、、凄く、、、あぅ、、」
「ふふっ、、、良かった、、、」
文恵は微笑みながら、悠斗の張り出しから溢れ出る透明な液を指にからめ、扱き始めた。
「うぅっ、、あぁっ、、、おばさん、、、もぅ、、、」
「もう出ちゃいそう?」
「ああっ、、はい、、、もぅ、、、、っ」
文恵は手の動きを早め、悠斗の放出を促した。
「良いわ、、、逝って、、、」
「うぅぅぅっ、、、あぁっ、、、もう、、、おばさん、、、っぅ!」
悠斗の腰が引けると同時に勢いよく放たれた性が文恵の顔に降り注いだ。
「あぁ、、悠斗君。凄い、、、」
ツンとしたむせる匂いが鼻孔を刺激し、顔をゆっくりと垂れていく。
目を瞑り肩で息をする悠斗を一瞥し、口元に垂れる青い性をペロッと舌で掬った。
「んっっ、、、」
舌の上をゆっくりと流れた性は、喉の奥を絡まるように落ちていく。
「んっふぅ、、、さぁ、もうお終い。早くしないと帰ってきちゃうわ」
文恵はフラッと立ち上がり、ティッシュで顔を垂れる性を拭き取った。
「悠斗君、、、ホントに二人の秘密よ、、、」
言いながら、悠斗の未だ硬度を失わない悠斗の張り出しをティッシュで奇麗に拭き取った。
「ほら、早くしまわないと、、、」
悠斗のパンツを上げ、困ったようにと笑いながら文恵は立ち上がった。 悠斗が帰るのを見送り、コーヒーカップと丸まったティッシュを片付けた。
洗顔を終え、時計を見上げると同時に美香の明るい声が玄関に響いた。
「ただいま!おかあさん!ちょっと悠斗の所に行ってくる!」
「えっ、、どうしたの?」
美香は鞄を玄関に放り投げ、ドアを開けながら声を上げた。
「悠斗ったら寝不足で授業中に倒れて、早退したの!じゃぁ行ってくる!!」
バタンと大きな音をたてドアが閉められ、文恵はソファーを見つめた。
先程まで悠斗と淫靡な行為をしていたソファー。
文恵はソファーに身を沈め、未だ火照る体を鎮めようと目を瞑った。悠斗との背徳な行為はこれで終わりにしよう。
二度と悠斗を刺激しないようにしよう。
でも、きっと風呂場の窓は開け放つ。悠斗に見せつけるように・・・
その時は、悠斗と・・・文恵のショーツは濡れ、大きな染みが広がっていた。二階には部屋が三つあったが、文恵はそのうちの一番日当たりのいい部屋を掃除しておいてくれた。
窓際には、友達の父が以前使っていた古い事務机が置かれている。悠斗のために倉庫から出してくれたらしい。その部屋に荷物を全部運び終わると夕食になった。
文恵は、悠斗の好物を何品も腕によりをかけて作ってくれ、そのどれもが舌鼓を打つほど美味かったので悠斗は夢中でぱくついた。
その食卓でひとしきり父の病気のことが話題になったが、そのうちにこの家の一人娘、正子の話しが出た。
「あいつもいれば、にぎやかになったのにな」
「ほんとね・・・」
と友達の父と文恵は顔を見合わせた。一人っ子で、しかも女の子ということで、ふたりは正子を目に入れても痛くないほど可愛がり、大事にしていた。悠斗より三つ年上で、小さい時は悠斗ともよく一緒に遊んだものだが、今は家にはいなかった。
今年中学生になった正子は、どういうわけか隣の県にある、全寮制の特殊な高校に入学したのだ。
生徒の個性を伸ばし、自由を重んじるという校風に前から憧れていたらしいのだが、悠斗は、あれほど可愛がっていた友達の父と文恵が、よく許したものだと思っていた。
二人とも本当は手元に置いておきたかったに違いない。しかし、こうと決めたらテコでも動かない性格の正子に、最後には熱意で負けてしまったのだろう。
悠斗には、二人の寂しい気持ちがよくわかる。
祖母はとっくに亡くなっていたし、半年前には祖父も他界し、こんどまた正子も家を出てしまい、友達の父夫婦二人だけでは、この家は少し広すぎるのだ。
「でも悠斗はいいときに来てくれたよ、急にあいつがいなくなって、私も文恵も気が抜けたようだったんだ・・・おまえのお父さんには悪いけどな」
と、友達の父が言うと、文恵はにこやかに笑いながら、
「そうね、たとえ少しの間でも、悠斗さんがいてくれれば嬉しいわ。しばらくは私達のことを本当のお父さんお母さんだと思ってね、悠斗さん」
と言い、同意を得るかのようにように悠斗の顔を見つめてきた。何気なく言っているようだが、文恵の目には真剣みが溢れていた。
「うん、わかった」
悠斗は答えたが、文恵にこんなふうに思われていることが何だかとても嬉しくて、胸がキュッと熱くなるのだった。

その晩、悠斗は疲れきっているのになかなか寝つけなかった。眠ろうとすると、文恵の顔や胸が妄想のように浮んできてモヤモヤしてしまうのだ。
悠斗は何度も寝返りを打ったが、その妄想を払いのけることはできなかった。
いつの間にか、父や母のことも頭の隅に追いやられていた。
悠斗は勃起したままの肉棒を何度も握りしめた。握っていると気持ちがいい。このままゴシゴシと擦れば射精することも、悠斗は友人達から聞いて知っている。
ところが、性欲は強くなるばかりなのに、悠斗はまだ一度も自分の手で出したことがなかった。なぜか射精しそうになると手が止まってしまうのだ。
これには、母の性格が多分に影響していた。
母は、家庭の中で性に関する話しがでるのを極端に嫌う性格だった。
小さい頃、悠斗がそれと知らずに変な言葉を使ったりすると、かなり強烈に怒られたものだ。また、テレビなどで嫌らしい場面が出てくると、必ず怒ったようにチャンネルを変えてしまう。そんな時、母は心底おぞましそうな顔をしていた。
そんな母を見て育ったたため、悠斗にも性的なことイコール嫌らしいもの、という意識が知らず知らずのうちに植えつけられていたらしい。
そのため、勃起した肉棒を擦り始めても、母に叱られるような罪悪感が込み上がってきて、どうしても最後までいったことがなかったのだ。
結局この夜も、悠斗は何度か肉棒を擦ってみたが射精できなかった。
友達の母の体を対象に自慰をすることが、いつも込み上げてくる罪悪感をさらに増幅させてしまったのだろう。
そのうちに悠斗は、昼間の疲れがドッと押し寄せてきて眠ってしまった。
だが、悠斗は明け方に生々しい夢を見た。そして、その夢の最中におねしょをしたような感覚に見舞われ、目を覚ましてしまった。
なんだかマラソンをした後のように体が熱く、全身にぐっしょりと汗をかいていた。しかもパンツの中がヌルヌルしている。
(あっ・・・)
と、悠斗はあわてて上半身を跳ね起こし、パジャマごとパンツをめくり返して見ると、思った通り、パンツの内側には、白くドロッとした液体が付着していた。これが夢精だということは悠斗も知っている。今までにも何度か経験しているからだ。
そして、夢の中身は思い出せないのだが、脳裏には文恵の顔がこびりついている。文恵の夢を見ながら夢精してしまったのは間違いなかった。
(夢の中とはいえ、きっとぼくは友達の母さんにいやらしいことを考えたんだ・・・)
そのことが、悠斗を驚かせ、困惑させていた。穢してはならない人を穢してしまったような罪悪感が、強烈に込み上げてくるのだ。
時計を見ると、午前六時を少し過ぎたところだった。
悠斗は、パンツについている精液をティッシュで拭き取り、昨日運びこんだ荷物の中から新しいパンツを取り出してはきかえた。
しかし、精液のしみついたパンツをどう処理しようと考えているとき、軽やかに階段を登ってくる足音がし、部屋のドアがノックされた。
「悠斗さん、入るわよ」
それは文恵の声だった。悠斗はギョッとしたが、ドアはすぐに開けられてしまった。
どうやら文恵は、悠斗のことをまだ小さい時のままだと思っているらしい。急に開けられたら困ることもある年齢になったとは考えていないようだ。
それでも、とっさにパンツを布団の中に隠すことができたのでまだ良かった。これだけは文恵に見られたくない。
「おはよう悠斗さん、よく眠れた? 朝ご飯ができてるから下りてきて」
文恵はそう言いながら部屋の中に入ってきて、閉め切っていたカーテンや窓を開け始めた。なんだか本当の母親のような雰囲気だ。
「え、もう? まだ早いんじゃないの・・・」
悠斗は内心の動揺を隠し、なにげない態度を装って答えたが、ついでに文恵の全身をチラチラと盗み見た。
昨日と同じく、今朝も文恵は美しかった。それに甘く芳しい匂いが微かに漂ってくる。
「何言ってるの、今日から電車通学でしょ、いつもより早く出なくちゃなんないのよ」
「あっ、そうか・・・」
と、悠斗はハッとした。すっかり忘れていたが、友達の父の家は同じ市内とはいえ、学校からは遠くなったので、電車で行かなければならないのだ。
「ふふ、思い出した? さあ、早く着がえなさい」
文恵は笑いながら、しょうのない子ね、という表情を作って見せた。ますます本当の母親のようだった。きっと文恵は、久しぶりに母親らしく振る舞えることを楽しんでいるのだろう。
悠斗は、そのまま文恵が部屋から出ていくものと思っていたのだが、
「そうそう、悠斗さん、昨日まで着ていた下着を出してちょうだい」
と言われ、絶句してしまった。
「どうしたの、そんな顔をして」
文恵が、みるみる青ざめていく悠斗の顔を、不思議そうに見つめた。
「あ、あの、ぼく、その・・・」
悠斗は何か言おうとしたが、しどろもどろになって喋れないほど動揺していた。とにかく精液で汚れた下着など文恵には絶対に見られたくない。
それなのに断る理由がないのだ。
「まあ、なにを恥ずかしがっているの悠斗さん、家にいる間は私がお母さんだって、夕べも言ったじゃない、さっ、洗ってあげるから出して」
文恵は、悠斗のあまりの慌てように一瞬目を見張ったが、あまり深くは考えなかったようだ。
「・・・い、いいよ、ぼく、自分で洗う・・・」
「まあ、男の子がそんなことしちゃだめよ、それに、そんな時間はないでしょ」
「・・・・」
悠斗はまたも絶句した。もう観念するしかなかった。今度は火のような羞恥を覚えながら、布団の中に隠したパンツを取り出すと、
(どうか夢精したことに気づきませんように・・・)
祈るような気持ちで文恵に差し出すしかなかった。
「あら、どうしてそんなところに隠してたの・・・」
と言いながらパンツを受け取った文恵が、やっと何かを感じたらしく、ハッとした表情になった。それから、急に真面目な顔になって、手に持ったパンツと悠斗の顔を、交互に見比べた。
(ああ、もうだめだ!)
悠斗は泣きたくなってきた。そして、案の定と言うべきか、
「・・・もしかして悠斗さん・・・」
文恵は、探るような目で悠斗を見ながら、パンツを広げてしまったのだ。
(ああ・・・)
一瞬悠斗は、恥ずかしさで目の前が真っ白になったような気がし、まるで悪事を暴かれたときのように全身がブルブルと震えだした。
ところが、悠斗の予想とは違い、文恵はそれほど驚いた顔をしなかった。
「まあ、これを気にしていたのね」
そう言うと、いまにも泣き出しそうな悠斗を慰めるかのように、にっこりと笑いかけてきたのだ。
「これは悠斗さんが大人になってきたっていう証拠なのよ。少しも恥ずかしいことじゃないわ・・・友達の母さんには女の子しかいないけど、男の子の体のことだって大人だから知っているの。だから全然気にすることはないのよ」
思わぬ優しい言葉に、ほんの少し安堵した悠斗だが、その優しさは逆に悠斗の罪悪感に火をつけた。
(友達の母さんは知らないんだ。ぼくが夢精したのは、友達の母さんの体を見て興奮したからなんだ)
そのこと自体が罪深く思えるし、その何も知らない文恵に慰めてもらっていることが、胸に痛みを覚えさせるのだ。
悠斗は「ごめんなさい!」と謝ってしまいたい衝動にかられたが、だからといって「友達の母さんの体にムラムラしたんです」なんて言える訳もない。悠斗の顔はますます引きつってきた。 「どうしたの悠斗さん、そんなにしょんぼりすることじゃないって言ってるでしょうに」
悠斗がいつまでも泣きそうな顔のままので、文恵はさらに慰めるように言った。
「うん・・・」
やっとのことで悠斗が返事をすると、文恵はふと悪戯っぽい表情で聞いてきた。
「もしかして悠斗さん、夢精したのはこれが初めてなの?」
「ううん・・・何度かあるよ・・・」
悠斗が恥ずかしさに唇を震わせながら答えると、つぎに文恵はドキッとするようなことを聞いてきた。
「自分で出したことはないの?」
「え・・・」
悠斗は、突然パンチをくらったかのような顔をした。どうやら文恵は、あまりにもうなだれている悠斗を可愛そうに思ったらしく、彼の気持ちをほぐそうとしているようなのだが、悠斗にとってはかなり意地悪な質問に思えた。
(穴があったら入りたいくらいだというのに、どうして友達の母さんはこんなことを聞くんだろう・・・)
だが、その疑問はすぐに解けた。文恵は滲みいるような笑顔になり、
「ごめんなさい悠斗さん、変なことを聞いて・・・でも、わかったわ。悠斗さんて、まだなにをどうしたらいいか、よくわかってないみたいね」
「・・・」
悠斗は言葉に詰まった。
(違うよ、やり方は知ってるけど、最後までいったことがないだけなんだ・・・)
そう言いそうになったが、口には出せなかった。
しかし文恵は、悠斗のその反応から、彼がまだ性に目覚めたばかりで、自慰の仕方もまったく知らないウブな子なんだと勘違いしたらしい。
文恵はもう一度悠斗に微笑みかけながら、今度は少しかすれた声で言った。
「悠斗さん、友達の母さんが出し方を教えてあげるわ。やり方を覚えておけば、こんなふうに下着を汚して恥ずかしい思いをすることはないわよ・・・」
「!」
悠斗は思わぬ友達の母の言葉に目を丸くした。
こんなふうに言ってくれる友達の母が、今まで持っていた清らかな友達の母のイメージとどうしても重ならなくて、どう答えたらいいかもわからなかった。
そのくせ悠斗の体は、言いようのない興奮と緊張にブルブル震えだした。
いままで味わえそうで味わえなかった快感を、この美しい友達の母に教えてもらえるなんて夢のように思えたのだ。
きっと文恵は、悠斗を放っておけなくなったのだろう。その証拠に、文恵の美貌には、滲みでるような母性愛とともに、どこかしら緊張感のようなものが感じられる。
友達の母の手で自慰の手解きをすることが良くないことだと知りつつも、なんとか悠斗を助けてやりたい、と思っているのだろう。
そんな文恵の顔を見つめながら、悠斗の胸には驚きとは別に、甘美な期待感が込み上がり、体がフワフワと舞い上がりそうになってきた。そして、さっきまで縮こまっていた肉棒も、あっという間にムクムクと膨れ上がってきたのだ。
なぜか罪悪感も、一瞬のうちにどこかへ吹っ飛んでしまった。
「さ、恥ずかしがらなくていいのよ、ここに横になって」
文恵はますます優しい顔で悠斗をうながした。
「うん・・・」
悠斗はまるで催眠術にかかったかのように、ヘナヘナと布団の上に体を横たえた。
確かに恥ずかしいし、
(友達の母さんにそんなことをしてもらっていいのだろうか・・・)
という背徳的な脅えもあるが、ここで断ったら、文恵が二度とその気になってくれないような気もしたのだ。
文恵が悠斗の横に座わり、彼女の崩した膝が腰のあたりに密着してきた。
「いい、じっとしているのよ」
と文恵は言い、パジャマとパンツに両手をかけて、スルスルと膝まで下ろし、いともあっさりと両足から抜きとってしまった。
「あ・・・」
思わず悠斗は声を上げてしまった。
やはり文恵の前に下半身を晒した羞恥が、火のように込み上げてきたのだ。
肉棒が、ついさっき夢精したにもかかわらずパンパンに勃起していることも恥ずかしいが、悠斗の陰毛はまだ生えかけたばかりであり、実は悠斗は、そっちのほうが余計に恥ずかしかった。
しかし文恵は、その肉棒の威勢には「まあっ、こんなに大きくなって・・・」と言って目を見張ったが、生えかけの陰毛については何も言わないでくれた。
だがこの時、悠斗は一見余裕たっぷりに振る舞っている文恵も、実はかなり緊張しているらしいことに気がついた。
パンツを脱がす手が微かに震えていたし、荒くなりそうな呼吸を押し殺しているのが何となく伝わってくるのだ。
それに、肉棒を見た瞬間、文恵の目に戸惑いと羞恥の色が浮かんだのを悠斗は見逃さなかった。
たぶん文恵は、まだあどけない悠斗のことだから肉棒も同様と思っていたに違いなく、予想に反して隆々とそそり立った肉棒に、生々しい驚きを覚えたのだろう。
確かに悠斗の肉棒は、その可愛らしい容姿とは結びつかないほどたくましく立派だったが、悠斗自身にはそんなことはわからない。が、いずれにしても肉棒を剥き出しにする前と後では、微妙に文恵の様子が変わってきたことだけは確かだった。
「悠斗さん、いいのよ、恥ずかしがらなくて」
と文恵は囁くように言いったが、それは悠斗の緊張や羞恥を和らげるためというより、自分自身に言い聞かせているようにも聞こえた。
やがて文恵は手を伸ばし、肉棒の根本のあたりに、どこかためらいがちに左手の指をそえてきた。
あくまでも優しい笑顔をたやさなかったが、このとき文恵のすべやかな頬のあたりがほんの少しだが引きつったのを悠斗は見た。
(そうか、友達の母さんも本当は恥ずかしいんだ・・・)
悠斗はそう気づいた。それに恥ずかしさだけでなく、なにか複雑な思いをしているようにも感じられるのだが、そのことに気を取られている余裕はなかった。
指が触れた途端、ビリッと肉棒に電流が走ったような気がし、悠斗は思わず「うっ」と呻き声をあげてしまった。それは、自分の指とはまるで感触が違っていた。熱くたぎるような肉棒に、文恵のひんやりとした指がえも言えず心地いい。
(ああ、触られるだけでこんなに気持ちがいいなんて・・・)
自分の手とは較べものにならず、悠斗は早くも恍惚とした表情になってしまった。
つぎに文恵は、根本の皮を下に引っ張りこむように押さえつけ、右指を王冠部に添えてきた。
まだ成長しきっていないので仕方がないが、悠斗の王冠部はすっぽりと皮をかぶっている。その皮が文恵の指でメリッ、と剥かれてしまった。
痛みと快感がまぜこぜに突き上がり、悠斗は「ひっ」と肌を震わせた。
「痛かった?」
「うん・・・少し・・・で、でも平気だよ」
「ここは・・・できるだけ皮を剥くようにしておくのよ。お風呂に入ったら・・・この溝のところをよく洗うようにしてね」
そう言う文恵の声が、かすかに上擦っている。恥ずかしさを隠すためについ口を開いたという感じだった。
「うん、これからは毎日洗うよ・・・」
「それじゃあ・・・擦るわよ」
文恵はしなやかな指を、カリ首のところに絡みつかせると、シコ、シコ、とゆるゆかに擦りはじめた。
「あ・・・うう・・・」
悠斗は呻き声を洩らしながら、うっとりした顔で文恵にすべてをまかせきった。頭の中はボーッとして何も考えられなくなっているのだが、そのくせ、快感を感じる神経だけは鋭く研ぎ澄まされている。
最初はゆるやかに擦ったり揉みこんだりしていた文恵の指が、時折力を込めてキュッと肉棒を締めつけてくる。そのたびに鋭い快美感が全身をつらぬいた。
「どう、気持ちいい・・・?」
かすれた声を絞りだすように、文恵が聞いてきた。
(うん・・・)
悠斗は返事の代わりに微かに首を縦にふった。あまりの快感に全身が震え、声を出すこともできないほどなのだ。
文恵は肉棒を擦りながら、上半身を悠斗の顔の方に傾けてきた。美貌とともに、朱色のしっとりした唇が近づいてくる。その唇が、いままで感じたことのないほど濡れ濡れとして艶めかしく感じられた。
それに、密着した文恵の体からは、なんとも甘い体臭が漂っていた。
文恵自身の肌の匂いに化粧品の匂いがほんのりと入り混じり、悠斗の鼻孔を心地良くくすぐってくるのだ。
また、重そうに突き出した乳房は、文恵が息をするたびに、悠斗の目の前でたわわに揺れ動く。
そういったことすべてに官能を刺激され、早くも爆発寸前になってきた悠斗の体が、弓なりに反り上がった。
「出そうなの・・・? いいわよ、思い切って出しちゃいなさい」
文恵は優しい顔でそう言いながら、指に力を込め、上下に擦り上げる速度を早めた。
「あ・・・あう・・・」
いよいよ快感が高まり、悠斗は呻き声を噴き上げた。
突っ張った両足が激しく震えている。下腹部がドロドロと煮えたぎっているようだ。
「いいのよ・・・だ、出していいのよ・・・」
文恵はうながすようにもう一度言いながら、悠斗にさらに顔を近づけてきた。そのくせ文恵は悠斗と目を合わせるのが恥ずかしいらしく、視線が合いそうになるとフッと顔を背けて肉棒に目をやったりする。
文恵の呼吸はさらに荒くなっていた。甘ったるい吐息が肉棒に吹きかかってくる。
よく見ると、文恵の顔は真っ赤に染まり、額や頬にうっすらと汗が滲んでいた。
本当は自身の行為に背徳的な脅えと羞恥を覚えているのだろうに、悠斗のために懸命に手を動かしてくれる文恵。そんな文恵がまるで女神さまのように見えた瞬間、悠斗は限界に達してしまった。 「ああ!」
悠斗の叫び声とともに、下腹部に溜まっていたものがドッと先端から噴き出して宙に弾けた。同時に悠斗は、明け方見た夢の快感に全身をつらぬかれた。
なんという気持ちのよさだろう。肉棒の付け根から先端までが痺れきってしまい、その衝撃が全身に津波のように広がっていく。まるで快感という炎に、一瞬にして身を焼きつくされたかのようだった。しかも、これは夢ではないのだ。
(ああ・・・この世にこんな快感があったなんて・・・)
悠斗は恍惚とした表情で、自ら下腹部に力を入れた。
残っていた精液がドクン、ドクンと噴き出し、最後の一滴が出終わるまで快感はつづいた。もちろん文恵はその間ずっと力を込めて肉棒を擦り続けてくれた。
やがて、もう一滴も出ないことを確認した文恵が手の動きを止め、
「いっぱい出たわよ悠斗さん、ほら」
と左手を悠斗の目の前に広げた。
見ると、手の平には大量の白濁が滴っていた。悠斗は夢中でわからなかったが、文恵は飛び散った精液がシャツにつかないように左手で受け止めてくれていたのだ。
文恵は立ち上がり、机の上に置いてあったティッシュの箱を取ってくると、まず自分の手をティッシュで拭ったのだが、白くしなやかな手からドロリとしたした精液を拭き取る文恵の姿が、悠斗にはばかにエロティックに見えた。
それから文恵は、肉棒についた精液も綺麗にふき取ってくれた。
「どう悠斗さん、やり方がわかったかしら・・・これからは溜まってきたら自分でするのよ」
そう言った文恵の声には、微妙に後ろめたいような響きが含まれていたが、いまだ夢見心地の悠斗にそこまでわかるわけもなかった。
「うん・・・わかったよ友達の母さん・・・」
悠斗は快感の余韻に浸っている。胸の中は、新しい世界が開けたよう充実感と、文恵に対する感謝の気持ちでいっぱいだった。
文恵はそんな悠斗の顔を見つめ、微笑みのなかにもふっ真剣な表情をにじませながら、「でも、このことは二人だけの秘密にしてね・・・」
と囁くように言った。悠斗がコクリとうなずくと、
「さあ、電車に間に合わなくなるから急いで食事して」
と言い残し、逃げるように部屋を出ていってしまうのだった。
(友達の母さん、もしかしたら後悔しているのかな・・・)
文恵の後ろ姿を見つめながら、悠斗はそう思った。 その日、悠斗は学校の授業がほとんど耳に入らなかった。
今朝の強烈な快感が繰り返し思い出され、そのたびに体が熱くなって、とても授業どころではなかったのだ。
(あんなに気持ちのいいことがこの世にあったなんて・・・しかもその気持ちのいいことを大好きな友達の母さんに教えてもらえたなんて・・・)
それが悠斗にはなにより嬉しかった。そして、あんなことをしてくれた文恵が、なんだか本当の母よりもいとおしく思えたりもするのだった。
というのも、悠斗は最近母に優しい言葉をかけてもらったり、優しく包みこんでもらったりしたことがなかった。
小さい頃は、優しくていくらでも甘えさせてくれた母だが、中学に入ってから急に厳しくなり、勉強のことばかり言うようになった。悠斗にいい大学に入ってもらいたいと願っているのはわかるのだが、悠斗にはそれが辛くて不満だった。
「いま頑張らなかったら、とても受験戦争に勝てないわよ」
というのが母の口癖になり、学校が終わると塾に通わされ、悠斗は一日中勉強のし続けだった。
また、悠斗はマンガを描くのが趣味で、将来マンガ家になりたいと密かに思っているのだが、そのマンガも中学生になってからは止められてしまった。
いつだったか、内緒でマンガを書いているのを見つかり、散々叱られた後でそのマンガを破り棄てられたこともある。
そんなこんなで、悠斗には母に対するうっぷんが溜まっていた。しかし、そのうっぷんというのは、好きなマンガも描けず、勉強ばかりさせられる、ということより、母に甘えたいのに、少しも甘えさせてくれない、というところからきていた。
そんな悠斗だったから、余計に文恵の優しさが胸に滲みたのだ。
悠斗は文恵の顔を思い出しては胸を熱くし、幸福感に浸った。同時に、スベスベした指の感触を思いだしては肉棒を勃起させた。授業中でも電車の中でもおかまいなしだった。
しかし悠斗は、文恵に言われたとおり、それを自分の手で擦る気にはどうしてもなれなかった。
自分の指と文恵の指では、得られる快感に雲泥の差があることは分かりきっている。自分で出すなんてもったいなさすぎるし、優しい文恵のことだから、頼めばまた同じことをしてくれるのではないかと、悠斗は期待したのだ。
学校が終わってから、学校の近くにある塾に行き、一駅電車に乗り継いで友達の父の家に帰ったのは夜八時過ぎだった。
悠斗は、どんな顔で文恵が出迎えてくれるか楽しみにしていたのだが、別段変わった素振りも見せなかったので少しがっかりした。文恵はもう、朝のことについて触れるつもりはないらしい。
とは言え、文恵と二人だけの秘密を共有しているという事実に変わりはない。悠斗はそれが嬉しかった。
友達の父は、今夜は支援者と飲み会とかで帰りが遅いらしい。
夕食は文恵と二人だけでとったが、この時もまったく何気ない会話しかでなかった。だがその会話の中で文恵は、悠斗がいつも夜中の二時頃まで勉強していると聞いて驚いていた。
「まあ、中学生になったばかりでそんなに勉強しているの・・・正子なんてあの頃は全然勉強なんかしなかったわよ。大変なのね悠斗さんは・・・それじゃあ後でお夜食を持っていってあげるわ」
「いいよ、友達の母さん、さきに寝ててよ」
「ううん、家の人も待っていなくちゃならないからいいのよ」
このとき悠斗は申し訳なさそうな顔をしてみせたが、心の中では、
(よし、そのときに、もう一度してくれって頼んでみよう・・・)
と決めていた。朝してくれた時、終わってから逃げるように部屋から出ていったことが気掛かりではあったが、
(大丈夫・・・ぼくの言うことならきっと聞いてくれる・・・)
という自信もあった。
そして、十一時を少し過ぎた頃、慎み深い足音とともに文恵が部屋にきてくれた。
「がんばってる? でも、あまり無理はしないでね」
と言いながら、コーヒーとケーキを机の上に置く文恵を、
(本当のお母さんより、よほど温かい言葉をかけてくれるな・・・)
と悠斗は思いながら、胸をドキドキさせて見守ったが、もうその時点で肉棒は破裂しそうなほど膨張していた。
「あの・・・友達の母さん・・・」
悠斗は思い切って口を開いた。大丈夫だと思ってはいても、やはり喉が震える。
「なあに、悠斗さん」
「・・・あ、朝してもらったこと、もう一度してほしいんだけど・・・」
悠斗は思い切って言葉を絞りだした。すると文恵はニコッと笑いながら、
「あれはね、悠斗さん・・・悠斗さんが何も知らないみたいだったから、やり方を教えてあげただけなの。そんなに何度もしてあげることじゃないのよ」
と言うのだ。まるで、小さな子を諭すような口調だった。
「・・・」
文恵の予想外の言葉に、悠斗はさっきまで胸いっぱいに膨らんでいた期待感がガラガラと音をたてて崩れていくような気がした。と言って、勇気を振り絞って言った手前、簡単に引き下がる気にもなれなかった。
「あと・・・一回だけでもいいから・・・」
悠斗はすがるような口調で、もう一度言ってみた。優しい笑顔を絶やさない文恵を見ていると、次には「いいわよ」といってくれそうに感じられたのだが、
「ううん、もう駄目よ」
と、やはり断られてしまった。その声には、いつになく厳しい響きが含まれている。
「そう・・・」
がっかりして首をうなだれた悠斗を、文恵はどこか気の毒そうに見やりながら、
「ごめんなさい悠斗さん、友達の母さん、余計なことをしたみたいだわ・・・でも、わかってね、あんなことを友達の母さんが教えたってことだけでも、本当はいけないことだったのよ・・・ね、あのことは忘れてちょうだい」
そう言われると、悠斗はもう何も言えなかった。
確かに悠斗自身、文恵に肉棒を擦ってもらうことに背徳的な何かを少し感じてはいる。文恵のほうはもっと強く感じているということだろう。
朝、文恵が後悔したのではないか、と悠斗が感じたのは当たっていたのだ。
「わかったよ・・・」
悠斗は、そう答えるしかなかった。
だが、文恵が部屋を出ていったあと、悠斗はしばらく机に向かっていたが、モンモンとした気持ちが後から後から込み上げてきて、とても勉強どころではなかった。
とにかく諦めきれない。駄目と言われると余計にしてもらいたくなるし、このまま友達の母の手の感触を忘れるなんてできそうになかった。
さっきは、大好きな友達の母さんに嫌われたくない、という思いもあり、強引に頼むことが出来なかったが、こうなってみると少しくらい叱られてもいいからもっと強引にすべきだったと後悔ばかりが込み上げてくるのだった。
結局、悠斗は顔に脂汗を浮かべ、髪の毛を掻きむしりながら悶え続けるしかなかった。
ところが、さらにしばらくしてから悠斗はトイレに行った。用を足し、部屋に戻ろうと階段を登りかけた時だ。廊下の突き当たりにある浴室から、バシャバシャとお湯の弾ける音が微かに聞こえてきた。 (あっ、友達の母さんがお風呂に入っているんだ!)
悠斗はそう思ったが、そのとき突然、悠斗の全身はカーッと熱くなった。
友達の父はまだ帰ってきていない。風呂に入っているのは文恵に間違いなかった。ほんの二三メートルの距離に友達の母の全裸があるのだ、と思うと、悠斗は心臓が破裂しそうなほどの興奮を覚えてしまった。
そんな自分の反応に悠斗は驚きと戦慄にも似たものを覚えた。
(なぜ友達の母さんがお風呂に入っているだけで、こんなに興奮してしまうんだ・・・まずいよ、これは絶対にまずいよ!)
と、良心の声が必死に悠斗を押さえようとするのだが、さっき断られたという不満も手伝ってか、悠斗はなにがなんでも友達の母の裸を覗いてみたい、という衝動に駆られてしまった。
(いや、だめだ、そんなことをして見つかったら大変だ!)
と思っても、足が少しずつ風呂場のほうに向かってしまう。しかも無意識のうちに忍び足になり、息も殺している。まるで自分が自分ではないみたいだった。
そしてついに、悠斗は風呂場のドアの前に来てしまった。心の中ではまだ葛藤が続いている。しかし、もう自分を止められないことは悠斗にもわかっていた。
悠斗はブルブル震える手で、音がしないようにゆっくりとドアのノブを回した。
もうこれだけで心臓が口から飛び出しそうな気がした。そのとき中からシャワーの音がしはじめたので「今だ!」とばかり指に力を入れた。
カチャリという小さな音がしたが、シャワーの音に掻き消され、文恵には聞こえなかったはずだ。
悠斗はほんの少し開けたドアの隙間に、顔を押しつけるようにして中を覗き込んだが、ドアのすぐ前には脱衣場があり、浴室はもう一枚ガラス戸を隔てた奥にあるので、当然すぐに文恵の裸が見えるわけではない。
しかし文恵が二階の部屋を出ていってから結構時間が立っている。あれからすぐに入ったとすれば、そろそろ風呂から上がる頃だ。
悠斗は、文恵が風呂から上がろうとして、中にある曇りガラスが開く瞬間を狙うつもりだった。
このせまい隙間からでは、脱衣場全体を見渡すことはできない。しかし、戸を開ける時なら確実に見られる。そういう構造になっているのだ。
悠斗は全身を石のように固くさせて、文恵がガラス戸を開けるのを待った。心臓の音が頭の中で鳴り響き、額からは玉の汗が伝い落ちてくる。
だが、ありがたいことに、悠斗は長く待つ必要はなかった。
やはり文恵はもう出るところだった。中から聞こえていたシャワーの音がやんで少しすると、ガラス戸がスーッと開けられた。そして、中から文恵の輝くような裸身が現れたのだ。
(ああ、友達の母さん!)
悠斗は痺れるような歓喜とともに、両目を皿のように見開いた。
なんという素晴らしい眺めだろう。抜けるように白い肌を赤く染め、全身に湯をしたたらせた文恵が、悠斗に覗かれているとも知らず、浴室から脱衣場に上がってきたのだ。
その瞬間、悠斗はこのまま目が潰れてもいいとさえ思ったほどだった。
とにかく文恵の体は、悠斗が想像していた以上に美しい。しかも肉感的で、見ているだけで息が詰まりそうになってくる。
まるでお碗を伏せたように形のよい乳房は、見事に張りだしているくせにプリンのように柔らかく揺れ動いている。
その頂点にはサクランボのように色つやのいい乳首がツンと突き出していた。
ウエストはキュッと引きしまり、白くスベスベの下腹部には、春の草を思わせるような淡い陰毛がサラサラと形よく生えそろっている。
また、スラリと伸びた足の太腿には、たっぷりと脂肪がのってムチムチしていた。
悠斗は食い入るように見つめ続けたが、時間にしたらほんの数秒だった。
文恵はすぐに脱衣場の隅に移動し、ドアの狭い隙間からは見えなくなってしまった。だが、見えなくなる寸前には、くるりと横を向いた文恵の尻と、尻の割れ目が悠斗の目に飛び込んできた。
それは重量感たっぷりで、指で触れたらプルンと弾けそうなほど弾力と張りに満ちていた。
残念ながら陰毛に隠された一番興味のある部分は見ることができなかったが、もうそれだけで悠斗は充分だった。
そこ以外は、乳房も、尻も、下腹部も、完全に目に焼き付けることができたのだから。あとは、文恵に気付かれないようにこの場から離れるだけだった。
悠斗は静かにドアを閉め、開けた時とおなじようにゆっくりとノブを元に戻し、再び忍び足で、這うように階段を登って行った。
全身が火のように熱くなっている。息は詰まり、喉はカラカラだった。しかも、肉棒が今にも爆発しそうになっている。
部屋に戻った悠斗は、畳の上に横たわると、ズボンとパンツを下ろし、夢中で肉棒をしごきはじめた。
(ああ、友達の母さん・・・友達の母さん・・・)
心の中で文恵を呼び、いま見たばかりの全裸を思い出して激しく肉棒を擦り上げると、快感があっという間に押し寄せてきてしまった。テッシュを取る暇もなく、悠斗はあわてて左手をかぶせて大量に噴き出した精液を受け止めた。
腰が痺れるような快感だった。しかも、いつも感じる罪悪感は、もう感じなかった。悠斗は初めて自分の手で射精することができたのだ。
しかし終わってみると、やはりどこか物足りなかった。
自分の指ならいくらでも強く擦ることができるが、それでも、文恵の温かくてスベスベした指に擦られる感触とは比べ物にならない気がした。それなのに、もう文恵はしてくれないという。
悠斗はどうにも堪らなかった。なぜもっと強引に頼まなかったのか・・・という後悔が後から後から込み上げてきて仕方がなかった。
いつの間にか悠斗は、父や母のことなどすっかり忘れてしまっていた。 つぎの朝も、悠斗は階段を登ってくる文恵の足音で目を覚ました。しかし、時計を見るとまだ五時半である。まだ起こしにくるには早すぎる時間だった。
(も、もしかして・・・)
ふと、悠斗の胸に不安が走った。ばれてないと思っていたが、夕べ風呂場を覗いたことを文恵に悟られてしまったのだろうか・・・
悠斗はドキドキしながら布団の中で身を固くした。
「悠斗さん、入るわよ」
足音が止まり、ノックとともに文恵が静かに部屋に入ってきたが、いつも笑顔を絶やさない文恵がどこか厳しい目つきをしているのを見て、悠斗は、
(ああ、やっぱりばれてたんだ・・・)
と、思わざるをえなかった。文恵は無言で、布団から半身を起こしかけた悠斗の横に座ると、ジーッと彼の顔を見つめていたが、やがて、おもむろに口を開いた。
「悠斗さん・・・夕べ、友達の母さんがお風呂に入っているところを覗いたでしょう」
少しためらいがちだが、はっきりとした口調だった。
図星を指された悠斗は、体中の血が逆流するような気がした。
(ああ・・・なんてことだ。あんなに注意してドアを開けたのに、バレていたなんて・・・こ、これでもう友達の母さんに完全に嫌われてしまった・・・)
悠斗はみるみる泣きそうな顔になっていく。彼にとっては、自分のしたハレンチな行為がバレたことよりも、それがもとで女神のような文恵に嫌われることのほうがもっと怖かったのだ。
「やっぱり覗いたのね悠斗さん。わからないと思ったんでしょうけど、気配でわかったわよ・・・どうしてあんなことをしたの?」
文恵の顔がさらに厳しくなったように悠斗は感じた。無理もない。文恵は、わが子のように可愛がっていた悠斗に、裏切られたような思いをしているのだろう。
「ご、ごめんなさい・・・」
悠斗は、必死に喉を振り絞って謝るしかなかった。それでも蚊の泣くような声しかでない。
「自分でも・・・いけないことはわかってたんだ・・・でも・・・でも・・・」
悠斗はなんとかうまい言い訳をしようとしてみたが、文恵に心の中まで見通されているような気がして、それ以上先は何も言えなくなってしまった。
だが、本気で怒っていると思われた文恵は、しばらく悠斗の顔を見つめたあとに、ふっと表情をゆるめ、
(こまった子ね・・・)
というような笑みをもらすのだった。
「でも、なんなの悠斗さん? そうやって素直に謝ってくれれば友達の母さんもう怒らないからわけを言ってごらんなさい」
その言葉に、悠斗は少しほっとしながら言った。
「ごめんなさい・・・友達の母さんの手が忘れられなくて・・・それでムラムラしてたら・・・お風呂を覗きたくなっちゃったんだ・・・・」
言いながら、ますます恥ずかしくなって顔が真っ赤になってくる。
「そう・・・」
と、途切れ途切れにいう悠斗の言葉を黙って聞いていた文恵は、やがて溜め息とともに言った。しかしそれが、悠斗に愛想をつかしたり、呆れ返ったりしたための溜め息でないことは悠斗にもわかった。
なんというか、文恵は困っているようだ。
悠斗が風呂場を覗くような行為に走らせた責任は、自分にもあると感じているらしい。そして、悠斗をなんとかしてやりたいとも思っているようなのだが、といって悠斗が望むようにまた手で出してやることには抵抗があるのだろう。
きっと文恵は、余計なことをしてしまっと後悔しているに違いない。そんな文恵の気持を、悠斗は敏感に感じ取ったような気がした。
(もし強引に頼めば、今ならまたやってくれるかもしれない・・・)
羞恥にあえいでいるくせに、悠斗はそんなふうに考えた。すると自分では意識もしていないのに、いかにも切なくて苦しげな表情が浮かび、喉からすがるような声が絞り出されたのだ。
「お、お願いだよ・・・友達の母さんの手が、どうしても、どうしても忘れられないんだ・・・あと一回でいいからして・・・」
自分が過剰な演技をしているとはっきりわかる。でも、かまわないと思った。言っていることは本当なのだから。
「と、悠斗さん・・・」
文恵が驚いたように悠斗を見た。本当に困惑した顔になっている。
「だめよ悠斗さん、夕べも言ったように・・・」
文恵は一応悠斗を説得しかけたが途中で口をつぐんでしまった。悠斗の必死の哀願に、どこか心を動かされたらしい。
「お願いだよ、友達の母さん」
「・・・・」
文恵は困った顔で黙って悠斗の顔を見ていたが、やがて諦めたように、
「わかったわ・・・してあげる。でもこれが最後よ、約束できる?」
「うん、約束する!」
悠斗はパッと顔を輝かせ、叫ぶように答えた。そして、夢中で掛け布団をめくり返し、横に押しやると、自分の手でパジャマとパンツを脱ぎ去った。
昨日、文恵に脱がされた時は恥ずかしかったが、今はもう少しも恥ずかしくない。それどころかパンパンに勃起している肉棒を、文恵によく見てほしいとさえ思った。
そんな悠斗に、文恵は昨日と同じように目を見張り、
「まあ・・・」
と驚きの声をあげたが、それは肉棒にというより、昨日、あれほど恥ずかしがった悠斗に、今朝はその片鱗もないことに対してだろう。
「友達の母さん、お願い」
悠斗は下半身を剥き出しにし、肉棒を文恵のほうに向けてヒクヒクさせながらくぐもった声で言った。
「ええ・・・」
文恵は答え、体を移動させて肉棒に手の届く位置に座った。あいかわらず「しょうのない子ね」という表情ではあるが、もう怒っている様子はない。少しずつ、いつものふくよかで母性愛を感じさせる笑顔に戻りつつあるのが感じられる。
文恵が肉棒に手をそえると、悠斗は「あっ」と声をあげて全身を大きく震わせながら、(これだ・・・この感触なんだ!)
と思った。このひんやりとしてシコシコした友達の母の手の感触を、自分の指では、絶対に味わえない素晴らしい感触を、たった一日なのに悠斗は狂おしい思いで待っていたのだ。
うっとりした悠斗の顔を見下ろしながら、文恵はゆっくりと手を動かしはじめた。鋼鉄のように固くなった肉棒を、まず、やわやわと握ったり揉んだりしてから、カリ首に指をかけてシコシコと軽く擦りあげる。
「あ・・・あう・・・」
もうそれだけで悠斗は快感に身を悶えさせ、呻き声をもらした。
「どう、気持ちいい?」
文恵が聞いてきた。
「も、もちろんだよ!」
悠斗はかすれた声をあげ、感謝の気持ちを込めて文恵の顔を見つめ返すと、さっきまであんなに困惑していた文恵の顔が嬉しそうにほころんだ。

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