はまった男

2018/10/18

出会い編1
深セン駅の入り口、王○が涙を浮かべ、入り口にむかいながら
何度も振り返る。僕が引き留めるのを、かすかに期待してるよ
うに。僕との距離がだんだん開いてくる。しかし僕は立ちつく
して引き留めることは出来なかった。また同じことの繰り返し
だ。もう2回も騙されたんだ、あいつは悪い女なんだ、と心に
言い聞かせた。
これは僕が体験した実話です。かなりの長文になります。批判
中傷、荒らしさん大歓迎です。どんどん書き込んで下さい。
僕と王○が初めて出会ったのは今年の1月12日香港でだ。
僕の簡単な自己紹介をすると歳は30前半、小さな会社を経営
している。社員は4人、独身、容姿はまあ普通だろう。この時
彼女はいない。
中国関係の仕事も業務の一部としてやっている。今回、仕事で初めて香港に行った。社員二人引き連れて、1月11日から13日のハードスケジュールだったが、思ったより仕事がはかどり、2日目の夕方にはだいたい仕事が終わった。
少しお腹がすいたので3人で近くにあるマクドナルドに入った。
食べ終わり、タバコを吸おうとくわえたら、店員に「ここは禁煙だから外で吸ってくれ」と言われたので、店の外でタバコに火をつけた。タバコを吸っていると、派手な化粧をした3人のお姉ちゃんが近づいてきて、中国語で話しかけてきた。
どうやら、火を貸してくれと言ってるみたいだったので、火をつけてあげた。「サンキュー」と言って、僕の隣で吸い始めた。3人の姉ちゃんの1人が、ものすごく可愛かった。カワイイ子だなーと少し見とれていたら、彼女が気付いて笑いかけてきた。話しかけたかったが、僕は中国語がほとんど出来ない。彼女たちはタバコを吸い終わると、マクドナルドの隣の建物に入っていった。
社員2人も食べ終わり、最後の商談に向かった。夜、8時頃最後の商談が終わり、最後の夜ということで美味しいものを食べてその後カラオケに行くことになった。取引先の香港人も一緒に来てくれることになった。
食事も食べ終わり、香港人お薦めのカラオケ店に行くことになった。
中国のカラオケは、大連の中式、日式に何度か行ったことがある。
大連の中式は店が豪華で、女の子も150人位いて、とても楽しかったので、香港ならもっとすごいんだろうと期待していたが、思ったより小さい店で少し拍子抜け。しかし、この店、夜だから気付かなかったが、夕方来たマクドナルドのすぐそばだ。
それにこの店、あの3人組が入っていった建物の中にある。個室に入り、店長がやって来た。
店長 「ちょっと待っててね、すぐ女の子連れてくるから」
私たち 「カワイイ子を頼むよ」
店長 「OK、OK」
待つこと5分、美女軍団が僕たちの部屋を埋め尽くした。
思わず「あ!!!」と声をあげてしまった。マクドナルドで火をつけてあげた、あのカワイイ子がいた!!彼女も気付いたらしく、口に手を当てて驚いていた。
僕は迷わず彼女を指名した。
出会い編2
僕は少し運命的なモノを感じた。僕は中国語が出来ないので、会話が出来ない。
香港人に通訳をお願いしようとしたが、自分の世界に入ってしまって、頼みづらい。社員2人も中国語は出来るが、自分たちで盛り上がっている。
仕方ないので、筆談で話すことになった。彼女の名前はメリー。もちろん店用の名前だ。歳は21歳、大連出身、香港にはカラオケの仕事で来ているらしい。
僕が大連に何度か行ったことがあると言うと、喜んでいた。
背が低くて、目が大きくて、だんごっ鼻。痩せているのに服の上からでも胸が大きいとわかる。髪の毛が茶髪と言うよりは金髪だ。しかし、それがまた似合う。
隣で彼女をよく見ると本当に可愛い。一生懸命大人造りをしているが、化粧をおとしたら子供っぽい顔をして、あどけなさが残ってるような感じだ。
ただ、大連出身の女の子とは思えなかった。どちらかと言えば南の方の顔をしている。まあ、そんなことは気にも留めず、メリーと筆談した。
ここの店は
個室料が2時間で1000香港ドル
飲み物代別
女の子のチップ500香港ドル
お持ち帰り2時間で1500香港ドル
朝まで2500香港ドル
大連に比べて相当高いが、女の子のレベルは段違いに香港のほうが上だ。
中国本土で、私こそは一番可愛いと思っている女の子が香港に集まるのだから当然なのだが。
あっという間に2時間が過ぎた。社員2人はお持ち帰りするらしい。
僕もメリーをホテルに連れて行きたかったが、つまらないプライドが邪魔をした。1人で来ていたら躊躇無く持ち帰るくせに、社員の前ではどうしても自分を押さえてしまう。
社員 「社長はこの子持ち帰らないんですか?」
私 「いや、俺はいいよ」
社員 「どうしてですか?こんなカワイイ子、持ち帰らなくちゃ損ですよ。俺、通訳しますよ」
私 「いや、本当にいいんだ」
本音とは違う言葉が出てしまう。しかし、メリーともっと一緒にいたい。そこで私は
私 「じゃあ、ディスコに行こう。一緒に踊って欲しい、と伝えてくれ」
社員 「わかりました」
社員がメリーに伝えている。メリーが拍子抜けな顔をしている。当然、ホテルに連れて行かれると思ったのだろう。
メリー 「OK、レッツゴー」私の方を見ながらそう言った。
会計はカードで支払った。当然メリーの持ち帰り代も含まれていた。社員2人と女の子達がタクシーに乗り込む。香港人も「じゃあ」と言ってタクシーに乗り込んだ。私はホッとした。これでメリーと2人きりだ。とりあえずタクシーに乗ってディスコに向かったが、その途中、ディスコみたいなうるさいところではなく、静かなところでメリーと過ごしたいと思い、僕はお腹を押さえて「チーハン、チーハン」と言った。メリーもお腹がすいていたらしく、「OK、OK」と言った。
喫茶店に入り、サンドイッチとコーラーを注文した。明るいところでよく見ると本当に可愛い。
僕は携帯電話をとりだし、メリーの写真を何枚も撮った。メリーは撮った写真を見せてくれとゼスチャーしたので、一緒に見た。
一枚一枚見るたびに、「ピョウリャン マ?」と笑いながら聞いてくる。
僕は「ピョウリャン!」と何度も答えた。
そして、また筆談で話がはじまった。
私 あなたは今恋人いる?
メリー いないよ、あなたは?
私 僕もいない。
メリー 結婚してないの?
私 してないよ。
メリーがウソでも恋人がいないと言ってくれて良かった。
ここで恋人がいると言われたら、会話(筆談)が続かない。メリー あなた、明日何時の飛行機で帰るの?
私 2時頃
メリー 私は空港まで行けないけど、気をつけて帰って
そうだった。明日の昼にはもう香港にいないんだ。柄にもなく、少しセンチになっていた。
私 メリーの電話番号と、誕生日を教えて
メリー OK、こっちが香港の番号、こっちが中国の番号、誕生日は3月○日
メリーが書き終わる前に、僕は日本で行きつけの中国クラブのママに電話していた。
私 「あ、ママ?今香港から電話してる。」
ママ 「え?香港にいるの?こんな時間にどうしたの?」
私 「ママ、悪いんだけど通訳してほしいんだ。」
ママ 「こんな時間に通訳?別にいいけど、なんて伝えればいいの?」
私 「ママは、僕の友達ということにしてくれ。僕は明日(もう今日になっていた)日本に帰るけど、日本に帰ったら必ず電話する。そしてあなたの誕生日に必ず会いに来る。会ってくれますか?そう伝えて欲しい。」
ママ 「そう伝えればいいのね?わかった、彼女にかわって。」
メリーに携帯を渡した。メリーが笑いながら頷いている。
その時の会話はこんな感じだったらしい。
ママ 「私はTさんの(私のこと)友達だけど、彼あなたに一目惚れしたみたい。絶対、誕生日に会いに来るから会ってくれますか?」
メリー 「ホントに?信じられない。会いに来てくれれば嬉しいけど」
ママ 「彼のことはよく知ってるけど、ウソつく人じゃないよ。ほんとに会いに行くと思う。会ってくれる?」
メリー 「でも、どこで会えばいいの?私、香港にはあと2週間しかいないけど」
ママ 「誕生日はどこにいるの?」
メリー 「私は大連出身だから、大連にいると思う。」
ママ 「じゃあ、大連で会えばいいじゃない。そうしよう!じゃあ、彼にかわって。」
メリーが携帯を僕に渡した。
ママ 「伝えておいたよ。誕生日は大連で会いましょうって言ってるよ。」
私 「会ってくれるんだ、よかった!」
ママ 「でも、気を付けた方がいいよ。会えるかどうかわかんないよ。彼女ちょっと嘘つきかも・・。」
私 「え?どうして??」
ママ 「彼女、大連出身って言ってるけど、彼女の言葉は大連じゃないな。たぶん南のほうの人だよ。訛りが南の方だもん。」
私 「・・・・・・」
ママ 「騙されないようにね。」
と言って、電話を切ってしまった。
ママは上海出身で、店で働いている女の子は、大連出身の子もいる。
他にもいろいろな所からやってくる。そのママが南出身の子だと言えば、間違いないだろう。
どうして大連出身なんてウソを吐くんだろう?僕は考えてしまった。僕に会いたくないからウソを言ってるのだろうか?もし、大連出身というのがウソなら、誕生日に大連に行って
も会えないだろう。
黙っているとメリーが筆談してきた。どうやら日本のお金を見せてくれと言っているみたいだ。
僕は少しがっかりした。

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