夫婦の営み 3

2023/03/02

それから何日かは、いつもどうりの夫婦に戻っていました。
妻とはその後も二人だけの、いえ、二人プラス一人の傍聴者と言ったほうがいいでしょうか、そんなセックスが続いておりました。
「いやらしい女だと思われたくない」と言う妻でしたが、セックスの回数も増え、結婚した頃や、付き合っていた頃より積極的になり、夫の私としては、他のどんな女性よりも官能的で素敵な女になったような気がしていました。

毎日ではないですが、シャワールームに下着を置くようになっていました。
私が、今日はするぞと言う日には「洗濯物の一番上に置いて来い」と言っていたのですが、私が言うまでもなく置いているときがあり、トイレに入るときに目をやるとシャツなどの下からカラフルな色の下着が見えていたりして、驚いたこともあったほどでした。
妻曰く、
「洗うのがめんどくさかったから・・・」
でした。

普段は、私の親の前、娘の学校の付き合い、私の会社の同僚との付き合いの中ではおしとやかな女なのですが、その下ネタも話さないような、おとなしい女が夜に変貌する姿を私は楽しんでいました。おそらく弟もです。

花火大会の日。
近場の花火大会を、毎年家族三人で楽しみにしていました。
その日も、朝から妻は美容院に行き、昼から電車で出かける予定でした。
前の日から、弟も一緒に行くことになり、私は内心わくわくした気持ちでいました。妻にも前の晩から心のうちを伝えました。

妻は笑って答えているだけでした。
髪の毛を久しぶりに茶色く染め、長い髪をアップにして浴衣を着た妻は、夫の私から見てもいい女でした。
娘も浴衣を着て、四人で出かけました。
目的の駅に近づくに連れ、電車の中が混みだし、娘と手をつないだ私の胸の中に妻がすっぽりと収まり、いつも嗅いでいるはずの妻の甘い香りと、髪をアップにした妻のうなじに、むらむらとしてお尻を触っていました。
手の甲を力強くつねられましたが、それにめげずにお尻を強く揉んでいました。

妻の手が私の手の上にかぶさって指を絡ませていました。
妻が感じるほど触ったわけではありませんが、うなじには満員電車の熱気でうっすらと汗がにじんで、とても色っぽく感じました。
弟はと言うと、窓の外を見ていましたが、時折妻の顔をちらちらと見ていました。

駅に着き、近くのスーパーによって飲み物や軽い食べ物を買いました。
時間はまだ早いと言うのに、どんどんと人が押し寄せてきて車を通行止めにした一本道に入ろうとすると、満員電車ほど人であふれかえっていました。

弟と娘が手をつないでいました。そのすぐ後ろを私と妻。
妻の腰を押し前に行けという合図をしました。
妻は私が何を言っているのか分からず戸惑った表情をしていました。
私は娘に「パパと手をつなごう」といいました。
娘は喜んで、後ろを振り返って手を出します。
「えー、ママのパパだからダメー」とおどけて妻はいいました。
「私のパパだから、ママは、○○兄ちゃんとつないで」
叔父さんをお兄ちゃんと呼びます。

私が言おうとしていることを娘が言いました。
「アーそうですか、だったらあげる。ママは○○お兄ちゃんと手をつなぎますよーだ」と妻は言い、弟の腕を取りました。
娘にか、私にか分からない視線で、舌を出し「べー」と言う表情をしました。
駅から見る場所まではかなりの距離がありました。
弟の表情は見えません。
妻とつないだ手は緊張しているように見えました。多分顔も赤くなっていたことでしょう。
時折握りかえる手を見ているだけで妻と、弟がセックスをしているようで、嫉妬心が胸の奥を締め付けていきます。
車道から見物場所に入るところで道が狭くなり、人ごみが押し寄せてきます。
止まっているようなスピードで、ヨチヨチとしか進みません。
娘を前にして押しつぶされないようにしました。
妻も弟に抱えられ、弟の肩から頭が出ていました。
手を下ろしたまま、右手と右手をつないでいました。
次に見たときは、弟の手が妻の腋からお腹の方へと回っていました。
二人の反対の手が妻の胸の下を通って指を絡ませてつない出いるのが確認できました。
振り返り、弟の顔に向って話しかける妻の横顔がほてった表情をしていました。弟も妻の耳に唇を寄せ話しかけています。
それだけ見れば恋人同士にも見えてしまうでしょう。

しばらくするとパーっと開けた場所に出て、人ごみが広がりました。
妻と弟は手をつないだままでした。
妻と手をつないだ弟は、恥ずかしいのか、私に気を使ってなのか、にわかに離そうとしています。
妻もそれを悟ったのか
「なーに?○○君恥ずかしいの?離して欲しいの?おばさんじゃ嫌なんだ?」と言い、からかっていました。

調子に乗った妻は私たちを振り返って
「今日は○○君と恋人になろうかな?」
と言ってきました。

弟は顔を赤くしてもじもじとして、返す言葉にも困っているようでしたが、まんざら嫌でもなさそうな感じでした。
○○さんが、君に変わっていることに私は気づきました。
楽しみが、嫉妬心が強くなっているようで私も言葉に詰まってしまいました。
そんな私を妻は見透かしていて、妻の言動が変わってきているのではないかと、妻のいたずらっぽい顔を見て思いました。
娘の
「ママあげるー、いいよパパがいるから」
と言う言葉で、その場の雰囲気がいつもと変わらずに流れました。

水辺の柵の前に小さいシートを敷き陣取りました。
ここも花火が始まるとシートをたたんで立って見る事になってしまいます。
始まるまでの間に、ビールを飲みながら待ちます。
そうしている間にも人は増える一方でした。
飲みながら、先ほどの恥ずかしがっていた弟の話になりました。
「女の子と手をつないだこと、初めてじゃないでしょうに」
やはりいたずらっぽく妻は言います。
「初めてじゃないけど・・・」
弟は口ごもります。
「私がいつも手をつないで、免疫付けとこうか?」
妻は笑っています。
「私なんかで恥ずかしがってたら、彼女できてもそれじゃぁ嫌われちゃうわよ」
「どんな娘が好みなの?」
「おばさんは嫌よね?若い娘じゃないと」

アルコールが入ったせいか、妻も積極的に話しかけ、そうするたびに弟の困った顔がよりいっそう赤くなっていきました。
そのままにしていると、弟の初体験とか女性経験まで聞いてしまいそうな勢いで、こちらがはらはらしてしまうほどでした。
「○○困っているじゃないか、それくらいにしておけよ。おまえ、飲み過ぎじゃないの」
と言う私の言葉に

「やだー妬いてるの?ねえねえパパ妬きもち妬いてるよ」
と娘に向っていいました。
私の顔を覗き込むようにして
「妬いてるの?妬いてるんだ、奥さん綺麗だから心配してるんだ。美人の奥さんもつと旦那さんもこまりますねー」
と妻。

「誰が綺麗だって?あっ向こうの若い娘?あっ向こうにも」
きょろきょろして言う私に向って、目がいくほうに自分の顔を首を伸ばして視界に入ってきて、私、私と自分を指差しています。
「この人、私のこと綺麗とか、可愛いって言ってくれないんだ。いつも、おばさん、おばさんて言うから、本当におばさんになりそう。」
そういってふくれっつらをしました。
「いや、姉さん十分綺麗だよ」
今まで妻に圧倒されていた弟のその言葉に、私も、そしてきっと妻も驚いていたに違いありません。

その場は私の
「どこが綺麗なんだ?お前目が悪くなったんだ」
と言う言葉で和み、また普通の会話へと戻りました。
もうすぐ始まるという時間になって、シートをたたみ、柵のところに立つと、後ろから押し迫っていた人並みが押し寄せてきました。
周りで座っていた他の人も立ち上がり始め、よりいっそう前に前に人が詰まってきます。

わたしといた娘が弟のほうへ行ってしまい、妻と弟の間に入り込み、私と妻は横にならびました。
弟は柵に掛けた手の間に娘を入れて娘を守るようにしていました。
本当は妻がそこにいたほうがよかったんだろうな、と思い見ていました。
弟と妻の間に出来たすこしの隙間に、二十代前半と見えるカップルが入り込んできました。
一人分もないその隙間に入ってきたため、私も自然と妻を抱きかかえるように前に入れました。

若いカップルは周りの目を気にすることもなく、いちゃいちゃとし始め、見ているほうが恥ずかしいくらいでした。
妻もそちらが気になるらしく頭を微妙に動かしてみているようでした。
若い男の手が、浴衣の胸のところの合わせから入って、もぞもぞと動いていました。

振り返る女の子の顔は、童顔ですが艶っぽく、潤んだ瞳に見えました。
振り返るたび、周りを気にするでもなくキスをしていました。
それを見てか、妻が振り返り、いたずらっぽく唇を突き出すしぐさをしました。
若い頃なら出来たでしょうが、出来るはずもなく妻の鼻をつまみました。
お互いそれで伝わって妻がまた前を向きました。
隣のカップルに当てられて、「よくこんなところで」と言う気持ちよりむしろ、うらやましさがこみ上げていました。
そっと反対側の隣を伺いました。そちらは四十代くらいのカップルでしたが夫婦には見えませんでした。

いちゃいちゃとしていますが、若いカップルよりは大分ましでした。
そちらを確認してから、私もそっと妻の胸に手を入れました。
妻も嫌がるそぶりもなく受け入れました。
窮屈な中で指先で妻の乳首を挟むとすぐに硬くなってきました。
まるで自分が痴漢をしているような錯覚に陥ります。両横に悟られないように、そして娘にも。
弟には?と言う思いが脳裏をよぎりました。
しかし、その思いは遂げることが出来る距離ではありません。
妻の手も浴衣の上から私の手を押さえつけるように被せてきました。
下はどうなっているか確かめたくなって来ましたが、この状況ではどうすることも出来ません。妻も足をもじつかせて我慢しているようでした。

しばらくして、花火が打ちあがり目がそちらに向きました。
ゆっくりとした、始めまばらに上がっていた花火は、次第に回数も増えていきます。
手は妻の懐のまま。
上を見上げ歓声を上げている妻。
手は浴衣の上から私の手を強く押し当ててきます。
私の頭の中はどうやって思いを遂げようかと言うことでいっぱいでした。綺麗な、力強い花火もただ見ているだけでした。

時間だけが過ぎていき、それ以上できないであろうと思って、ふと若いカップルを見ると、お互い半身になって向き合い寄り添っていました。
先ほどまでと違い、男のほうが花火と周りをきょろきょろと気にしている様子でした。
男の不自然な体勢。顔こそ見えないまでも、寄り添うようにじっとしている女性。
私は「この手があったのか」と言う気持ちでいっぱいになりました。

妻を振り向かせ、あごをすこし動かして隣を見るよう促しました。
振り返った妻は驚きの表情を見せたものの、自分もすぐに半身になり浴衣の裾をすこし広げたようでした。
胸から手を抜いた私は、腕を伸ばし裾に手を入れました。
どうしても不自然な格好になってしまいます。
反対の熟年カップルや後ろの人にまでわかってしまうのではないかと、気がきではありませんでした。
妻のそこは湿っていると言うより滴るほどで、激しく動かすことが出来ない手をそのままに、指を動かせるだけで十分でした。

上を向いて目を閉じていた妻の顔が、私の肩越しに虚ろな視線を移した時に、妻は力強く私の腕を掴み、同時に体ががくがくと震えました。
口は半開きでした。
私は手を妻の懐に戻し、花火が終わるまでそのままでいました。妻も余韻を楽しんでいるようでした。

花火が終わり、人並みが駅に向いて動き出しました。
私たちもそれに並びました。しかし、行きと違い私は妻と歩いていました。
妻によると、いく時に私の隣の熟年男性と視線が合ってしまって、でももう止められる状態ではなかったと聞き、余計に興奮を覚えました。
私の興奮は帰りの電車のことまで想像してしまい、押さえるのが難しい状態にまでたかまっていました。

電車に乗り込むと妻にぴったりと寄り添いました。
しかし、人の目が多すぎて実行することも出来ず、欲求不満状態でした。
電車が動き出すときに、大きく揺れました。
押されて、将棋倒しになるのではないかと言うほどに押され、私の斜め後ろにいる娘の手を握っていました。
妻は私が横向きになったので、肩越しにいました。
その後ろにつり革を持った弟がいました。

私の前には、浴衣を着た若い女性グループがいて、その一人の体が嫌でも付いてしまいます。
ちょうど妻と弟の状態です。
欲求不満気味の私は、その女性の妻とは違う甘い香りに反応しそうになってしまいます。
腰を引くものの、その体勢が辛く、また理性がきかなくなってきていて自分でも怖いくらいでした。

通勤列車も経験しましたが、ここまですごいのは毎年このときくらいでした。今まではそれほど気にしていなかったのですが。
妻も娘も疲れたのか、目を閉じていました。
弟はうつむいていて、おそらく寝ているようだと思いました。
私も目を閉じました。

頭を下げると前の女性の甘い香り。
とても理性が利かず、かといって痴漢する気もなく、片方の手はやっと届くつり革に持っていって、間違われないように必死でした。

しかし、下半身は言うことを利かず大きくなってきてしまいました。
車内は電車の音だけで話し声がしてもすぐに止まってしまうほどでした。
やっぱりこれも痴漢なんだろうか?と思いながらも、硬くなっている自分のものが女性のお尻の上のほうに刺激されて気持ちのいいものでした。

妻の方を伺って、弟も同じではないかと言う思いが強く胸を焦がしました。
電車のゆれに乗じてさりげなく、妻の体を腕で押したり、腰で小刻みに押してみました。
妻の腰が弟のそれを刺激するようにです。
動くことで、前の女性お尻にも私のものが擦れてしまいます。
女性のお尻が、きゅっきゅっと力を入れてきます。
嫌がっている様子はない。

でもその思いは、後から考えると自分勝手なものだと思いました。
突然、今まで私にもたれていた妻の上半身が私から離れ、後ろに持たれかけました。
自分のものをこするつもりではなく、歳で妻の下半身を押すのは続けました。妻も時々、押し返すほどではないが、腰を動かすのが分かりました。前の女性と同じように。

やっぱり弟のものも、たっているんだと確信しました。
前の女性が妻で、私が弟になったように頭の中は完全にすり替わっていました。
そう考えてしまうと、腰が小刻みに動いてしまいます。
同じように女性も動くような気がして、理性は飛んでしまいます。実際は嫌がっていたのかもしれません。いや、きっとそうだったのでしょうが、そこまで考えている余裕はなくなっていました。

女性が動くたびにそれが妻に見え、私は弟になっていました。
そうして時間が過ぎ、大きい駅に着くと人が大勢出てしまい、密着することも出来なくなりました。
その女性も私から離れましたが、結局顔をこちらに向けることもありませんでした。
弟の股間に眼が行くと、気のせいかもしれませんが、膨らんでいるみたいでした。立ちかたも私と同じ立ちかたでした。私もすこし腰を引かないとばれるくらいでしたので、なんとなくそう思いました。

花火を見ながら妻にいたずらしたときより、数倍こちらのほうが興奮しました。
やはり自分は、嫉妬心で燃えてしまうようになったのだと、つくづく思いました。

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