夜中に飛び込んできた結婚直前の女性は、濡れやすくよく締まった

2018/03/03

数年前の夏、当時俺は会社で借上げて貰った1K・ロフトつきのアパートの1階に住んでいた。
そのアパートには俺以外に社員はいなくて、他の部屋は普通に借りて入居している人ばかり。
そこに住み始めてからしばらくは、朝早く出勤し帰りも遅い上に休日が不規則だったので、俺は隣の住人がどんな人かも知らなかった。
ただ、時々隣からかすかに聞こえる声から若い女だということはなんとなく想像していた。
時折男の声も聞こえたので、彼氏持ちなんだなーということもわかっていた。
ある土曜の夜、翌日も出勤する予定だった俺は少し早めにロフトに上がって寝る態勢に入った。
土曜の夜なので、他の部屋の住人は夜更かしをしているようで、2階の部足音や隣のテレビの音が聞こえていた。
その程度の物音はまったく気にならないので、疲れていたせいもあって俺はすぐに眠りに落ちかけた。
突然、2階から男の叫ぶ声が聞こえた。
どうやら酒を飲んで喧嘩をしているらしい。
うるさい、と思いつつも、文句を言いに行ったりする気にはなれなかったがさすがに目がさめてしまったので、ロフトから降りてタバコに火をつけた。
のどが渇いたので冷蔵庫からジュースを取り出し、ボトルのキャップを開けた。
その時、玄関のチャイムがなった。
時計の針は既に1時を回っている。
「なんなんだ、こんな時間に・・・」少し腹立たしさを覚えながらも、あまり深く考えずにインターホンの受話器をとる。
「はい?」意図せず不機嫌な声で答えると、泣きそうなか細い女の声が言った。
「あの・・・ごめんなさい、こんな時間に。隣のものなんですけど」
「はあ・・・」われながら間抜けな返事だが、思わずそう答える。
「今2階から声が聞こえて、あの、私の部屋の上だと思うんですけどなんだか怖くて・・・。どうしたらいいでしょう?」
どうしたら、といわれても困るのだが、寝ぼけた頭の隅で(もしかしておいしいシチュエーションなのか?)などとバカな事も考えていた。
「ちょっとまって下さい。今開けますから」とりあえずそう答えてから玄関に行き、ドアのレンズから外をのぞいてみる。
女が一人。
廊下が暗い上にレンズで歪んで見えるので容姿はよくわからない。
玄関の明かりを点けてから、ドアをそーっと開けた。
Tシャツに短パンという、ある意味無防備な格好の女がいた。
真っ黒なセミロングの髪を後ろで縛り、両手で自分の肩を抱くようにして泣きそうな顔をしている。
歳は俺より若いようだ。
23か4ぐらいだろう。
俺も背は高くないが、彼女は俺よりさらに低く155センチないぐらい。
細面で全体にシャープな印象を受ける顔立ちだった。
「どうしました?」
「あの、さっき上ですごい音がして、それで怖くて、あの・・・」彼女は動揺しているのか、しどろもどろに答えた。
2階の物音は既に止んでいて辺りは静かだった。
「まあ、とりあえず入って下さい。」拒否されるだろうと思いつつ、ドアを大きく開けると意外にも素直に入ってきた。
自分で言っておきながら意外な展開にちょっと戸惑いながら声をかけてみた。
「大丈夫?もう静かになったみたいだけど」
「そうですね。ごめんなさい、こんな時間に」
「いや、それはいいんだけどね。ちょっと待ってて、様子見てくるから」俺は部屋の鍵を握り締めて言った。
「鍵掛けて行くから、中で待ってて。コーヒーとか適当に飲んでてていいよ」
こういう場合、自分の部屋で待ってろというのが普通なんだろうが、遠恋の彼女と別れたばかりだったし、会社にはおばちゃんしかいないので若い女と会話できるのが嬉しくもあり、微妙に下心もあって部屋に入れることにした。
彼女は、動転しているのか本気で怖がっていたのか、あるいは別の理由があるのか素直に俺の部屋に上がって言った。
「大丈夫ですか?危なくない?」一人になるのが怖いようだった。
「すぐ帰ってくるから大丈夫。あんまり遅かったらそこの電話で警察でも呼んで」そう言い残して俺は2階への階段を上がった。
ちょうど彼女の部屋の真上に当たる部屋の前で、俺は少しの間耳を澄ませてみた。
部屋の中から、笑い声が聞こえた。
どうやら酔った男が数人で盛り上がっているらしい。
俺はインターホンを押し、答えを待たずに「すいませーん」と声をかけた。
インターホンから機嫌のよさそうな声で「誰?」
「下の者ですけど、少し静かにしてくれませんか」
「ああ、すんません。ごめんなさい」あまり、済まないとは思っていないような口調で、部屋の住人は答えた。
これ以上言っても無駄だと思ったので、俺はそのまま下に降りて部屋に戻った。
(もう自分の部屋に帰っちゃったかな)
そう思いながらドアノブを回す。
鍵がかかっている。
ということは彼女はまだ俺の部屋にいるのだ。
(これからどうしよう?どうすればいい?)
玄関を開けると、部屋の中に彼女はいた。
冬にはコタツとして使うテーブルから少し離れて、居心地悪そうに座っていた。
キッチンの流し台ではコーヒーメーカーがコポコポ音を立てていた。
「あ、コーヒー勝手に淹れちゃいました」部屋に入ると、彼女はそういった。
「ああ、いいよ。うん。飲んで行きなよ。せっかくだから」今度は俺のほうが動揺しているらしい。
俺は、棚からカップを二つ出してコーヒーを淹れた。
テーブルのコーナーを挟んで座り、コーヒーを飲み始めた。
「あの・・・。」彼女が口を開く。
微かにシャンプーの様ないい匂いがした。
「どうでした?大丈夫だった?」
「うん、なんか酔っ払って盛り上がってただけみたいだよ」
彼女は少し困ったような顔をして、
「ごめんなさい。大げさにしちゃって」
「いや、いいよ。女の子一人じゃ不安でしょ。しょうがないよ」
「ごめんなさい」よく見ると、色白で肌のキレイな娘だった。
「このアパートは長いの?」などと当たりさわりのないことを聞きながら、頭の中はピンク色の妄想でいっぱいだったのは言うまでもない。
彼氏がいること、その彼ともうすぐ結婚すること最近いわゆるマリッジブルーになりかかっていること、などを聞き出した。
会話をしながらも、俺は彼女のTシャツの胸元が気になって仕方がなかった。
おそらくパジャマ代わりなのだろう、ノーブラなのだ。
話をしながら、どうしても胸元に目がいってしまう。
それほど大きくはないが、別れた彼女とは違い、形のよさそうなバストだった。
話をするにつれ、緊張も緩んできたようで、彼女はよく笑った。
明るい笑顔で、その笑顔がまぶしかったように思う。
会話の中で、俺が彼女と別れたばかりであること、新しい彼女を作る暇もないほど疲れてることなどを話した。
書きにくいので、名前をつけよう。
俺:コウタ(仮名)彼女:ユキ(仮名)ということでヨロ
「なんだー、今さびしいんだね。コウタさん、優しいのに彼女いないなんてもったいないなぁ」
人懐こい性格らしく、彼女はすっかり友達のような口調になっていた。
「誰かいない?ユキちゃんの友達とか妹とかお姉さんとかさ」
俺も根が図々しいので、あっという間に友達口調である。
「ふふーん、いないこともないけど」
「けど?」
「なんで私のことはスルーしちゃうかなぁ」
(げげっ。誘われているのか?)
図々しいくせに小心者の俺は、正直動揺しまくった。
「なぁに言ってんの。もうすぐ人妻になろうって人が」
精一杯の虚勢を張って、冗談でかわそうとした。
「でも、さっきから私の胸ばっかり見てる・・・。」
「ごめん、つい見ちゃうんだよなー」素直に認めてしまう俺は、はっきり言ってバカである。
(認めてどうする!!)俺は答えてしまってから激しく自分を罵った。
「ふふふ、男だもん普通だよ。気にしないで、怒ってないから」すっかり彼女のペースにはまっている気がした。
「それにこんな格好じゃあ、気になるよね」彼女は自分で自分の胸をサラッと撫でて見せた。
話を始めてかれこれ2時間。
俺は自分の欲望と妄想の行き場に困っていた。
彼女の手の動きを見て、俺は自分が本来すべきでないことをしようとしていることを自覚した。
胸を押さえている彼女の左手をそっと握った。
一瞬ではあるが彼女の柔らかい胸に触ってしまったが、気づかないふりをして手を引き寄せた。
彼女は一瞬抵抗するように手に力を入れたが、俺が両手で彼女の手を包むように軽く握るとふっと力を抜いた。
握った手はテーブルの上、彼女と俺の間ちょうど中間地点に落ち着いた。
「さっきマリッジブルーって言ってたよね」
「うん」
「他の男と遊んでみたいと思う?」
「遊びたいっていうか・・・、なんだろうね」
「デートしたりとか、話をしたりとか?」
「そう・・かな」
「その「他の男」のなかに俺も含まれる?」
彼女の手の、滑らかな感触が気持ちよかった。
俺は見たこともない彼女の婚約者に激しく嫉妬しているような気がした。
例えばね、他の男と付き合ってみて、彼が一番いいと再確認するような感じ?」俺はだんだん彼女を尋問しているかのような錯覚に陥った。
「そうなのかもしれない。でもそれってひどいことだよね」
「ユキちゃんがそうしたいなら、俺は構わない」彼女は迷っていたのだと思う。
自分がしてはいけないことをしようとしているという恐怖感もあったのだと思う。
多分俺がやめろ、といえば何事もなく彼女は自分の部屋に帰るだろう。
でも、俺は自分の欲求を抑えることができないでいた。
俺もまた迷っていた。
頭の隅ではやってはいけないことだと認識していたし今ならまだ間に合うとも思っていた。
同時に今何もしなければ後で後悔するような気もして…

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