愛し合っていた妹とのサヨナラ
2018/01/21
あれは、俺が高校の時だった
妹は俺の2歳下で、当時中学生だった
父は俺と妹が他界して、母さんは毎日働いていて家にあまりいなかった
だから基本的に、俺と妹は狭いアパートで二人暮らしのような状態だった
俺も中学を卒業して働くことを母さんに言ったけど、母さんは反対し、公立の高校に行った
その高校はバイトしても良かったから、俺は毎日バイトをして家に金を入れていた
妹もまた中学を卒業したら働くと言っていたが、俺と母さんで止めた
>>父は俺と妹が他界して
まさかすぎる展開
>>11
すまんな
俺と妹が小学校の時に他界したって書いたつもりだった
飛んでたな
妹はよく出来た奴だった
勉強も出来ていたし、大学まで行かせようとする俺と母さんを気遣い、
大学は絶対に国立に行くと言っていた
俺が学校帰りにバイトに行き家に帰ると、いつも暖かいご飯を用意していて、
笑顔で「お帰りなさい」と言ってきていた
友達も多かったみたいだし、本当は色々遊びにも誘われてたと思う
だけどあまり遊びには行かなかったな
もしかしたら、金銭的な面で気を使ってたのかもな
そんなある日、俺が家に帰って妹と飯を食べていると、唐突に妹が言いだした
「今日ね、同級生の男子に告白された」
俺はいきなりそんなことを言われてビックリした
でも、それも納得した
ひいき目もあるだろうけど、仕草や言葉遣いも可愛らしくて、俺の自慢の妹だった
俺は素直に祝福したよ
「どんな奴なの?」
「けっこう女子から人気ある人。部活もしてるし、いい人だよ」
「言うことないじゃん。付き合わないの?」
「……付き合って欲しいの?」
なんか、妹は不機嫌になった
ぶすくれた感じで最後にそう言って、そのまま部屋に戻って行った
意味が分からなかったけど、たぶん妹も混乱してるんだと思った
それから妹は、ご飯の度に男子の話をするようになった
「教室で二人きりになった」
「今度みんなで勉強会しようって誘われた」
「また告白された」
男子絡みの話題を、ひたすらに言ってきた
俺も普通に聞いていたけど、なんで一々そういうことを言うのかと疑問に思っていた
でも、どこか雰囲気がおかしい
笑いながら話してるのに、時々真顔で俺の顔を見ていた
もしかしたら俺の反応を見ているのかもしれない
そう思ったから、ちょっと聞いてみた
「なんか、最近男子との話が多いな。どうかしたのか?」
そしたら、妹は嬉しそうにしながら
「気になる?」
って聞いてきた
「そりゃ気になる」と返したら、更に嬉しそうにしていた
そんなある日、妹は突然俺に言ってきた
「好きだから付き合ってほしい」
最初は冗談だって思った
普通そうだろ?
妹から告白されても、冗談だと思うのが当然だし
でも、妹は本気だった
最終的には泣きながら本当に好きだというのを言ってきた
俺は混乱して、その日は家を出て行った
どうすればいいか分からなかったし、こんなことを母さんに相談できるはずもなかった
その夜、家に帰ると妹はもう寝ていた
俺と妹は別の部屋だったけど、妹はドアの向こうでまだ泣いていた
俺は何も言わずに自分の部屋に戻った
何日か経った頃、ご飯を食べてたら妹は言ってきた
「ゴメンお兄ちゃん。この前のあれは冗談だったから気にしないでね」
本当はそれが違うってのが分かってた
何しろ妹はずっと沈んでいたし、どう見ても冗談には見えなかった
だけど、妹がそう言ったから、何だかホッとした面もあった
だから俺もそれに乗った
「だよなぁ。びっくりしたよ」
「ごめんごめん。ちょっとからかってみたんだ」
それからは、前と同じように話した
そして、妹が今度映画を見に行こうと言ってきた
俺もちょうど見たい映画があったから、見に行くことにした
映画は面白かった
映画を見た後はご飯を食べたりした
ゲームセンターにも行った
妹はとても機嫌が良かった
俺も楽しかった
その帰り、夕ご飯を食べていたら、妹が「また出かけよう」って言ってきた
当然俺も了承した
妹とは頻繁に出掛ける様になった
金はあんまりなかったから、基本的には店を周ったりするだけだった
それでも妹は楽しそうだった
そんな中、ある日二人で家に帰ると、いきなり妹が抱き付いてきた
妹は、どうしても付き合いたいと言ってきた
最初拒否していたが、しがみつく妹を見て、何だか心苦しくなった
それで、一度でも付き合えば妹は納得すると思って、そのまま付き合うことにした
妹は泣きながら何度もお礼を口にした
俺も妹の頭を撫でた
もちろん妹には他言無用を約束させた
妹もそれを了承して、誰にも知られることなく、俺と妹は秘密裏に付き合うことになった
付き合いは注意深くした
メールもバレないように極力そういう話題はしなかったし、電話も必要以上にしなかった
遊びに行くのも週1程度
人が見れば、仲がいい兄妹程度にしか思われないようにした
それでも妹は毎日楽しそうだった
いつもはテーブルの対面で食べていた食事も、俺の隣に座るようになった
テレビを見る時も俺のとなりに座って、距離も日に日に近くなっていった
そんな日々が続くと、だんだんと俺の気も緩み始めていた
そして、ある日テレビを見ていると、恋愛ものの映画があっていた
そん時に妹が「私達ってキスしたことないよね」と言い出した
俺はかなり慌てたけど、雰囲気に流されて、その日初めて妹とキスをした
それから俺と妹は、誰にも見られていないところでキスをするようになった
出かける前、テレビを見ながら、寝る前
一度外れたタガは中々元に戻らず、俺も妹にのめり込み始めていた
妹は更に深い付き合いをしようとしていた
それでも必死に最後の一線だけは越えないようにしていた
でも、当時の俺は高校生
一番そういうのに興味がある歳であり、毎日ベタベタとしてくる妹に、我慢も限界になっていた
そして、風呂上がりにタオル一枚で抱き付いてきた妹に我慢できず、その日一線を越えた
妹は初めてだった
俺も初めてだった
終わったあと、妹から流れる血を見て、泣いた
妹はなぜ泣いたのか分からないようだった
どうしようもない罪悪感を感じていた
妹の最初を奪ったことで、一生妹は最初の相手が兄だったということに縛られる
それを思うと、どうしようもなくて涙が止まらなかった
でも、一番自分が許せなかったことは、それでも妹と繋がれたことに嬉しさを感じていたことだった
最初は妹の気が済めばと思っていたのに、いつの間にか俺も妹を好きになっていた
それが、凄まじく悲しくて辛かった
頭では相手は妹と分かっていたけど、それでも好きになっていた
妹は更に俺にくっつくようになった
そして俺の高校のことを聞くようになった
「女子と話をしてないか」
「女子が近付いていないか」
それは本当の彼女のようだった
何だかそれがとてもかわいらしく見えたけど、そう見える度に自己嫌悪した
それでも、その時は俺も妹に夢中だった
妹は更に俺にくっつくようになっていた
体の関係も続いた
終わった後は毎回罪悪感に襲われたけど、それ以上に最中の気持ちよさを欲ししてしまっていた
叩かれ覚悟で書けば、俺は妹を利用してたんだと思う
妹の気持ちを利用して、溜まったものを解消してたんだと思う
だから決して妹とは別れようとは思わなかったし、妹からの気持ちを全て受け入れていた
そんな関係が続いたある日、母さんが倒れた
過労が原因だと医者に言われた
一晩入院することになったから、俺が病室で看病していた
そしたら、母さんは泣き始めた
理由を聞いたけど、教えてくれなかった
だけど、理由なんてのは一つしかなかった
母さんは何も言わなかったけど、全部知ってたんだと思う
泣いてる母さんに、俺は何度も謝った
そして、妹との関係を終わらせることを決めた
母さんが病院にいて、家は俺と妹の二人だった
妹は母さんを心配していた
だから俺はその理由を話した
もちろん母さんが直接言ったわけじゃないから違ってたのかもしれない
だけど、どのみち終わらせるべきだと思った
それくらい、当時の俺と妹は、既に兄妹じゃなかった
母さんがいないのをいいことに、家…