オタクを操ってリア充をぶっ潰した

2018/02/05

高校三年のとき俺だけお前らみたいなのが多いクラスに入れられた。
友達と離れて、ヲタやらなんやらの魑魅魍魎が蠢くクラスへ
放り込まれた俺は高校三年生にして退学するか悩んだ。
謹慎四回くらった末に厳しい担任とお前らとの生活が始まった 新学期。
新しいクラス。
ウキウキするはずがない。
周りを見渡せばお前ら、お前ら、お前ら。
鬱になりかけた。
嫌いな数学の授業中はいつも寝てるが、俺は色々と考えてた。
「学校やめたい」
「こいつらとどんな話すればいいんだ」
「今日の昼は唐揚げ弁当にしよう」
メガネをかけたお前ら、太ったお前ら、臭いお前ら、見たまんまお前ら。
お前らパラダイス。
そこで俺は思いついた。
「こいつら(お前ら)を操れたら・・・」
俺は決めた。
こいつらを意のままに操って高校生活最後を楽しもう、と。
俺はこのクラスの帝王になる自分で言うのもアレだが、スクールカーストってあるじゃん?
俺はほぼ天辺のとこのグループにいた。
いやマジで。
で、三年生にしてこの仕打ち。
休み時間は友達に会えるから良い。
が、行事や授業中はお前らタイムだ。
お前らが多いから俺一人だと雑魚。
波に飲まれる。
俺は威圧や脅迫といった手段はとらないと決めた
同調し、かつその中で異彩、威光を放ち従わざるをえない方向へ仕向けたお前らと友達みたいに会話し、時にはお前らと一緒に飯を食う。
そして体育の授業は率先してリーダーを務め、本気でお前らとぶつかる。
お前らは協調性ないからまとめるの大変だった。
ヘラヘラしてるし、
冷静なフリしてる奴もいる。
だからマジな態度でお前らとぶつかった。
俺の行動の成果あったのか、お前らは初め俺を警戒していたが、
心を開いてくるようになった。
俺はなんだか嬉しかった。
そこにはお前らと笑顔で雑談をする俺の姿が。
そうこうしてると俺はいつの間にかクラスの中心人物になっていた。
スクールカーストを超越したハイブリッドな俺がいると実感したものだ。
超優越感。
季節は過ぎ、体育祭の時期がきた。
体育祭。
お前らは完全なモブと化す。
リア充の前では邪魔になるかもしれない。
ピンチだと思った。
お前らクラスがリア充クラスに勝てるわけがない。
体力も精神も顔も。
もっかい言う。
顔も。
そして元来、卑屈なお前らはこういう時は決まって自信を無くす。
俺はそれを瞬時に察した。
いつになくお前らによるお前らの空気感を醸し出すクラス内。
やる前から敗北。
やる前から挫折。
やる前から悲観。
「俺には関係ないよ」
「どうせボロクソさ」
そんな声なき声が聞こえた気がした。
俺はピンチと同時にチャンスと捉えた。
お前らクラスにいる俺がお前らを巧みに操ってリア充クラスを潰す。
そう心に誓った男子の種目はサッカー。
俺は小中とサッカー部だったので自信はあった。
が、サッカーは一人じゃできない。
お前らを鍛え上げることにしだ。
鍛えるといっても戦術なんか教えない。
体も今から鍛えても、
もやしがリア充のガタイには敵わない。
俺は基本的な蹴り方とボールを奪うための体の入れ方、
パスをもらう適切な位置だけを教えた。
そもそもリア充クラスはお前らなんか見えない。
見ようとしない。
だからマークなんかつかないし必要ないと思っている。
だがお前らがボールをもった瞬間に鬼の形相で奪いに来る。
そしてファウル上等。
俺はお前らに同時に恐怖を植え付けたそしてリア充をぶっ潰す良い機会だとも教えた。
お前らは吸収が早い。
ふつふつと沸き上がる怒りのパワー。
廊下で会うたびにいじられるお前ら。
顔を見られただけで肩パンされるお前ら。
別に臭くないのに臭いと決めつけられるお前ら。
全く見向きもされないお前ら。
そんなんでいいのか?お前ら。
悔しくないのか?お前ら。
こうなるともう大変だ。
リア充に恨みがない奴も触発されて
変なテンションになっている。
俺は完全にお前らを乗せることができた。
体育祭当日。
いつも仲良い友達も今日は全て敵。
仲間はお前ら。
俄然、やる気がでた。
お前らがリア充をぶっ潰すところを見てみたい。
キックオフ。
俺の指示通りに動くお前ら。
面白いように事が上手く運ぶ。
相手のパス地点にお前らを二人セット。
ガッチリマーク
そして迫ってくるリア充を尻目に怒涛のお前らのパス回し。
一番驚いたのは、お前らの運動神経。
かなり出来る。
お前らのパス回しもポジション取りも運動神経あってのこと。
俺は嬉しい誤算で笑いが止まらなかった。
そしてお前らが回したパスで俺がちゃっかりシュート。
ゴール
ざまぁみろ。
これが俺とお前らの力だ。
結果は総合二位。
やっぱりお前ら体力なかった。
だが大健闘だろう、これは。
お前らのやりきった顔はかなり男前に見えた。
イケメンなんかじゃないが男前だ。
リア充クラスは唖然としていた。
なんでお前らが?みたいな顔がかなり気持ちよかった。
そんなこんなでお前らクラスにぶち込まれた俺だったが、
なんだかんだでとても充実した一年間だった。
いや、三年間で一番楽しかったかもしれない。
最後にお前らに一言。
お前らはリア充を潰す力を持っている
グッバイ

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