セルフボンテージにのめりこむうち、本当のご主人さまが欲しくなってSMの出会い系サイトでも目にする

2018/01/16

お盆が近いせいか、
社員もまばらなオフィスはどこか空気がゆるんでいる。
窓の外には変わらぬ鈍色の街並み。
オフィスの向こう側では後輩OLが小声で
私語を交わしていて(たぶん休暇の話だ)、
暇そうな課長も不機嫌そうにそちらばかり睨んでいる。
両隣の同僚は休暇中で、
PCのモニタと書類の束がうまく私の姿を隠している。
誰も、私を見ていない。
「ンッ‥‥」
(あ、ダメ、声が出ちゃ‥‥)
ゾクンと四肢を犯しぬく被虐の波に鼓動が止まりかけ、私は大きく息を喘がせた。
どっと冷や汗が流れ、息を殺して肩でオフィスの様子をうかがう。
大丈夫。
まだ誰も、倒錯した私の遊戯に気づいていない。
ランダムな振動で淫らに私を責めたてるのは、浅ましく男を模したバイブレーターだ。
会社の制服の下、かすかに波打つスカートの奥にみっちり埋め込まれたソレは、細い革紐でお股に縛りつけられ、どんなに腰をよじっても抜けないようにされているのだ。
肉の合わせ目から、愛液がにじみでる。
ヒクヒク咀嚼するクレヴァスのうるおいは、下着をはいていない今の私にとって致命的だ。
このままではあっというまにエッチなオツユがストッキングに浸透し、制服のスカートに惨めなしみを作ることになる。
後ろ手に組んだ両手が痙攣している。
根元のスイッチを止めるだけなのに、自分の胎内に埋まったソレに触れられない焦り。
分かっている。
どうにかしてこの姿から逃れないと。
なのに。
「ん、フッッ」
カチンと、聞きなれた残酷な施錠の音が、手首からじかに体の芯にまで響いてくる。
・・・これで、本当に私は拘束されたわけだ。
「完成。
もう逃げられないね、私」
そ知らぬ顔で書類に目を落とすふりをしつつ自分に呟き、私はゆっくりつっぷした。
いまや、キーボード上に置かれた小さなキーリングに私の命が委ねられているのだ。
(本当にやっちゃった・・・私、仕事中にいけないことしてる・・・)うるんだ瞳で見下ろす私の、後ろ手の手首に・・・清楚な半そでの制服には似あわない無骨な革手錠がしっかり食い込んでいるのだ。
バックル部分に鍵までついたソレは、見ただけでマニアックな道具だとわかる淫靡な光沢を放っている。
革と金属で織り成された、非力な女の力では絶望的な拘束具。
どうにかして机の上のキーリングで南京錠を外さない限り、私はバイブの責めからも自縛したいやらしい姿からも二度と抜け出せないだろう。
「・・・」
ひくりと不自由な手首が背中でくねる。
後戻りできなくなるこの一瞬、いつも突き上げる快楽でカラダがわれを見失っていく。
スリルと裏腹の快感をむさぼる、刹那的な快楽。
破廉恥な自縛を、仕事場に持ちこむ極限のスリルのすさまじさときたら・・・チラリ、チラリと肩越しに視線を落とすたび、とろけるような被虐の波が制服の下を走りぬけ、子宮の底からカラダがキュウッと絞り上げられるのだ。
もし、カギを床に落としてしまったら。
もし、後ろ手錠から逃れる前に上司や同僚にこの姿を見られたら。
ほんの些細な行き違いで、すべては破滅につながるのだ。
自分で自分を追いつめていく恐怖が、ゾクゾクッとたまらない陶酔に変わっていく。
ひとしきりジクジクッとアソコが異物を食い締め、ショックめいた刺激が背筋を這い上がった。
気持ちイイ・・・こんな惨めなのに、追い込まれているのに。
職場で拘束されちゃってるのに・・・バイブで、とろけさせられちゃってるのに・・・
「あ、そ~なんだ。
それでその日に」
「ちょうどツアーの申し込みに間に合ったんです。
だからね・・・」
はっと気づいた時、後輩たちのささやきはまだ続いていた。
一瞬、あまりの昂ぶりで意識が飛んでいたらしい。
その事実に血の気が引いた。
急がないといけないのに、私、なんて危ういんだろう・・・ドクンドクンと早鐘のように心臓が跳ねまわり、下腹部だけがみっしりバイブを噛みしめて濡れそぼっている。
肩を揺すり、私は薄れかけている理性を呼びもどした。
後ろ手に、足首に、股間に食い入る縛めをたしかめなければいけない。
「ん・・・ンクッ」
不自由なカラダをキシキシ小さくくねらせ、私自身の施した大胆な拘束に酔いしれて吐息をもらす。
後ろ手の手錠同士をつなぐ鎖は椅子の背もたれに絡みつき、両足首もキャスターの調節金具に固く縛りつけられて座面の裏から吊られたまま。
キャスター椅子と一体化した四肢は、もはや立ちあがる自由さえ奪われているのだ。
(まず、キーリングを・・・)上体を屈め、首を伸ばした私は唇をひらいてキーボードに口づける。
キーリングを歯で咥え、それを膝に落とす。
その後、不自由な背中の両手をひねってどうにかカギを手に取り、そのカギで南京錠を外す。
それから革手錠をほどき、最後に両足をほどいて、スカートがオツユまみれになる前に化粧室にかけこむ。
・・・はっきり言って、かなり絶望的だ。
「ダメ」
小さく、ほんとにちいさく自分を叱咤する。
危うければ危ういほど、スリルを感じるほど、私のカラダは濡れてしまう。
そうなったらもう、自分をコントロールできないのだ。
いろづく喘ぎをひた隠し、前歯でキーリングを咥えたままそっとあごを引き戻す。
慎重に膝の上に落とさないといけない。
弾んだキーリングが床に落ちたら、私は拘束から抜けだす手段を失うのだから。
腰を丸め、カギを咥えたまま顔を下げていく・・・
「・・・・・・!」
と。
不意に、圧力めいたものを感じてカラダが反応した。
まさか。
そんなはずはない、気づかれるはずがない。
最初から、周到に時期を練っていたのに。
今日だって、目立たないように振舞っているのに。
なのに。
おそるおそる、顔を上げる。
・・・自分のデスクから、かっと目を開いた課長が食い入るような凝視を向けていた。
横たわっていたカラダがガクンと弾む。
全力疾走の直後のように、呼吸も、鼓動も妖しく乱れきっていた。
バレてしまった・・・全身が冷たく汗ばみ、パールホワイトの壁を睨みつづけている。
やがて、徐々に、私の意識が現実の輪郭を取りもどしてきた。
「課長・・・私、天井・・・ユメ・・・?」
そう・・・ユメだった・・・リアルすぎる、あんなの・・・悪夢だったと気づいても、なお全身の震えがとまらない。
火照るカラダのあの疼きは、まぎれもない、かっての私自身の経験の再現なのだから。
死ぬほどおののいた今のアレが、私の夢・・・
「一人えっちの・・・やりすぎのせい?」
広々した天井に問いかけてみる。
答えなど当然ない。
静かなベットルームに、時計の針に交じって雨音が響いてきた。
ザァァっと激しい音。
どうも、これに浅い眠りを破られたらしい。
ていうか、夢の中でまで、セルフボンテージしてよがってるなんて。
私・・・私って。
さりげなくネグリジェの中に手を差し入れ、そうして、やはり赤面してしまう。
反応していた私のカラダ。
無意識にもやもやが溜まっていたのかもしれないけど、それにしたって。
「・・・あは」
誰に見せるでもなく、照れ笑い。
いい年した女が、少女のような夢を見るなんて・・・はっきり言って恥ずかしい。
大きく寝返りをうって窓の方に向きなおると、横たわるカラダを包んだタオルケットめがけ、にゃーと声を上げてテトラが飛び乗ってきた。
ペットの子猫の瞳には、動揺する主人の顔がどんな風に映っているのか。
「よしよし、おはよ」
「ニャー」
無邪気な子猫の顔に苦笑は深まるばかり。
そして、夢と同じく空は鈍色に濁っている。
・・・私の夏休みは、嵐からはじまった。
・・・・・・・・・・・・
「ありえないよね、会社でSMなんて」
とりあえず点けたリビングのTVは、主婦向けのバラエティを流している。
お気に入りの場所らしい私の膝にじゃれかかるテトラに話しかけつつ、私はぼんやり夢の余韻を味わっていた。
慣れた小道具を手の中で転がし、もてあそぶ。
あれを・・・あの異常な体験の意味を、私は理解している。
自分で自分を拘束し、マゾの悦びと脱出できないかもしれぬ絶望感に酔いしれる行為。
それはSMプレイの1ジャンル、いわゆるセルフボンテージだ。
一月前、アパートの前の住人、佐藤志乃さんに届いた小包が、すべての始まりだった。
私、佐藤早紀と同じ苗字・・・小包の中からでてきた奇妙な革の衣装・・・送られてきた志乃さん本人の自縛シーンを映したビデオ。
偶然が重なってセルフボンテージという特殊な性癖に私は興味をもち、いつかそのしびれるような快楽に溺れてしまったのだ。
ネットを通してか、誰かに調教されていたらしい佐藤志乃さん。
あまりに耽美な姿は今も私を虜にしている。
自分自身に不自由な拘束を施し、人目にふれるリスクを犯す、そのたまらないスリル。
被虐的な陶酔に呆けつつ、必死に縄抜けの手段を試みるいじましさ。
誰に何をされても抵抗できない無力感。
そして、普通のセックスやオナニーではとうてい到達しえない、深すぎるマゾの愉悦。
けれど・・・セルフボンテージに嵌まる一方で、悩みもまた深まりつつあった。
「彼氏・・・できないよね。
こんな変なクセ、カラダにつけちゃったら満足できなそう」
「ミ?」
首をかしげる私につられてテトラも顔を傾…

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