私は無罪なのに…
2024/10/22
もう完全に笑い話に出来るようになった昔の話。
元彼がある日のデートに母親と元彼の幼なじみの女の子、そしてその両親を連れてきた。
そのデート場所は自分が初めて元彼の両親に「彼女と付き合っている」と紹介してくれた、ある意味思い出深いステーキ屋だった。
そこで元彼母親から知らされたのは元彼が幼なじみの女の子を妊娠させたので別れて欲しい。そして金輪際元彼に連絡取るような真似をしないで欲しいという事だった
ついさっきまで普通のデートだと思っていたので頭真っ白になったし、事態の把握が出来なかった。
とにかくまだぺたんこのお腹を嬉しそうに触る幼なじみとその両親を見ていた。
訳が解らずにボーっと話を聞いていたらどうやら幼なじみが同棲していた彼氏に浮気されて傷付いて実家に帰った時に元彼が親身に励ましてくれたそうだ。
その話は少し聞いていたし、幼なじみと飲みに行って相談に乗っていたのも知っていた。
それがいつの間にか男女の関係になり、子供が出来たと言う事だった。
26歳になって、結婚も考えていた。何も言い返せなかった。涙も出なかった。
ただ、少し体勢を変える仕草をすると元彼母親や幼なじみ家族が幼なじみを守る仕草をするのがじわじわキツかった。
話の終盤に「いきなりごめんなさいね、でもこれから新居や挙式の話をしていかなくちゃいけないから……揉めて長引かせたくないの。」と彼氏母親が封筒を差し出した。
マジでドラマみたいに手切れ金ってあるんだなーと思いつつ、こちらと目も合わせない元彼を見て本当に惨めな気持ちになった。
「いりません。婚約していた訳でもないし、そちらもこれからお金がかかるでしょうから受け取れません。」
強がってたけど今考えれば貰っといてエステとか旅行で散財すれば良かったかもって思う時がある。
とりあえず泣くのも悔しかったから帰ろうと思ってバッグから財布取ろうとしたら、幼なじみ父から
「逆上して流産でもさせられたらたまらん。何出す気だ?」と言われた。この言葉は今でも脳裏に焼き付いてるw
バッグに凶器隠す女なんてそうそういないしw
「財布取るんです。私はこれで失礼しますので。あとは皆さんでお好きに過ごして下さい」みたいな事言って店を逃げ出した。
でも店は駅から遠いしタクシーも通らないから仕方なく駅まで歩いた。
途中疲れて立ち寄ったブックオフみたいな店で何故かビリーズブートキャンプ買った。
その日の夜からビリーやりまくった。夜も休みの日も暇になったからね。
1ヶ月したらぷにぷにの腹が引き締まってきて更にビリーにのめり込んだ。
悔しさとか怒りを全てビリーにぶつけて15キロ痩せた時にやっと携帯のメモリを消した。別れてから半年経ってた。
そんな頃に高校時代の仲の良いクラスメート男子から呼び出しの電話が来た。
何故か怒ってて、有無を言わせずとにかく来いと。訳も分からず居酒屋の個室に着いた瞬間顔面にビールぶっかけられた。
もうね、コンタクト入れてる目に不意打ちビールはマジで凶器。
しみて痛いので目も開けられないの。そして降りかかる元クラスメートからの罵詈雑言。
うろ覚えだけど「お前最低!」とか「もう友達じゃないけど腹の虫がおさまらないんだよ!」とかね。
反論するも何も痛いしビックリだし服びしゃびしゃなんですけどw勇気出して買った白のダウン、ビールまみれですw
やっと目が開いた時に視界に入ったのはバツの悪そうな顔の元彼と元彼幼なじみだった。
髪ひっつかまれて「2人に土下座しろ!」って言われた。
「浮気した挙げ句振られた腹いせに妊婦の腹蹴飛ばそうとする女なんて人間じゃねえ!」って言われてなんとなく理解した。
そうか、自分が来る前にこの2人はみんなにそうやって説明したのか。総勢10人から詰られるってかなりつらい。
あの日からビリーに支えられてなんとか保ってた精神崩壊した。
笑えるんだよね、自分がボロボロ過ぎて。
もう、ビールまみれの床に顔つけて大笑いした。
「何笑ってんだよ!」って今度は火の着いた煙草投げられた。ダウン焦げたw
ここからは完全にうろ覚えだけど「笑わずにいられるかぁ!」ってビリー仕込みの腹筋で起き上がったね。
「いつものデートだと思ってたらいきなり親同伴で別れ話されてさぁ!前の日に電話で大切な話があるからって言われて結婚だと浮かれてさぁ!あんた達、あたしの目の前で結婚の日取りの相談したね!親も嬉しそうに!」
「浮気?どっちがだよ!どの口が言うんだよ!妊婦の腹蹴る?あんた達は汚いもの見るような目で必死にその腹守ってたよなぁ!あんたの父親に言われた言葉未だに忘れてないよ!」
さすがにこの辺で泣いたさ。もう惨めすぎたよ。
「こっちは忘れようって必死になってんのに!結婚したかった人に騙されて友達からここまでされてさ!」
ちなみに真っ白ダウン、起き上がったひょうしに醤油ついて再起不能。
「なんで友達に下らない嘘つくんだよ!あたし友達たった今いなくなったよ!みんなあんた達の都合のいい話信じたんだもんね!」
クラスメート連中は面食らって黙ってた。というか多分状況が把握できてなかった模様。
とにかく溜まってた気持ちを怒鳴り散らして疲れた頃に「なんかもう全部疲れた。金輪際会う事も無いから。これから頑張って。」そしてまた逃げた。
もう何の気力も無くなって部屋に籠もって泣き続けた。両親が心配して何度も声を掛けてくれたけど惨めで情けなくてひたすら泣いた。
三連休一日目だったから気兼ねなく泣いた。お腹空いたら泣きながら冷蔵庫漁って弟が風呂上がりに必ず食べるガリガリ君のストックも食べた。
ガリガリ君命の弟も流石に心配してゼリーとか差し入れしてくれたし、父親はベランダよじ登って窓から様子見たり母親は何故か貰い泣きと家族の温かみが染みた。
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明日仕事だから回復しなくちゃいけない、と思い始めた時にクラスメート全員が家に来た。
会いたくないから帰って欲しいと母親に伝えてもらったけど、みんなして道路で土下座してるから迷惑だと弟が家に招き入れた。
会う気が無いから話が終わったら直ぐに帰る条件で部屋のドア越しに話だけは聞く事にした。
部屋のドアの前でビールかけて髪ひっつかんだ奴(以下A)のお嫁さん(面識無し)が全力で謝ってきた。
そして家族に事のあらましを説明して父親と弟にAがボコボコに殴られたらしい。部屋に籠もってたから母親からの又聞きです。
Aのお嫁さんは話を聞いて、明らかに破綻している元彼達の言い分を信じて私をフルボッコした全員に大説教を喰らわして、謝罪に連れてきたと説明してくれた。
特にAは明らかに暴行しているので警察に告訴されても申し開きしようがない、本当に申し訳ないと言っていた。
けれどお嫁さんの震えた声を聞きながら冷静になってきた。部屋から出ると大きなお腹のAお嫁さんがいた。
一瞬本気で警察行ってやろうかと思ったけど、妊娠中に重いお腹抱えて来たAお嫁さんの謝罪があまりにも誠実過ぎてそんな気無くした。
「もういいです。私は引っ越しして皆さんの事を忘れます。今後一生会いません。本当に今も惨めです。私に関わらないで下さい」
それだけ言うと全員が父親の鬼のような迫力に気圧されて帰って行った。
家を出る際に母親がクラスメート達に塩を投げつけて、
「自分の子供が恋人や友人に同じ仕打ちを受けたらどれだけ辛いか、これから家庭を持った時や子供が産まれた時に考えなさい。
私はあなた達を許さないし、気付いてやれなかった自分も許さない。二度と来るな!」
といって泣いた。
一緒に泣いた弟が怒り心頭で今からでも弁護士立てて慰謝料取ろう!とまくし立てたけど、婚約していた訳でもなく勝ち目もないだろうし、余計に見下されるし、関わりたく無いから落ち着かせた。
それ以来、元彼達はもちろんクラスメートにも会ってない。
自分が逃げた形で会社近くに一人暮らし始めた。
地元高校に通う子が大半な地域で弟と元彼妹は友達だったんだけど、そこから少し伝わって来た事。
元彼両親は妊娠騒動の余波で離婚してしまったらしい。父親が元彼も幼なじみも許さなかったそう。
元彼妹も汚らしくて同じ空間にいたくないからと父親に着いていき、今はどこに住んでるかも知りたくないと言っていたそうだ。
Aからは年賀状が届く。毎回受け取り拒否しているけど落としどころも考えるべきだろうかと思案中。
想像していたより長くなってしまい申し訳ない。
これで終わりです
補足ですが会話部分は記憶の中のものなので多分こんなにちゃんと話せてない。
脳内でだいぶ話が綺麗にまとまっている気がしますがそこは許して下さい。
おそらく元彼は自分達を正当化したかったんじゃないかと思う。
だから浮気したのはこっち、元彼と幼なじみはその傷を癒しあったってシナリオじゃないかと。
本当は可哀想で、でも幸せを手に入れた僕達を演出したら正義感だけが取り柄の筋肉馬鹿が暴走した。みたいな
まぁ、憶測ですが
元彼の影が薄いのはあの日から会話は一切していないからです。
別れ話の時には私は親としか話しませんでした。