やむなく、弟と一緒の行動

2018/05/23

震災後、10日目に、祖母の友人が車で迎えにきた。
両親に見送られ、祖母と3歳年下の弟と3人で避難施設を発った。
見知らぬ土地で4ケ月間、祖母の友人宅でお世話になることに。
古い離れの建物、電気も水道も使えたけど、風呂がなかった。
その日の夕方、銭湯に行くのに、祖母の友人も一緒に付いて来てくれた。
弟が「小学生だったよね?」って聞かれて、弟は当時5年生だった。
一緒に女湯入って大丈夫だねって言われた。
弟が困った顔で、どうしようって聞く。
どうしようもない、知らない土地で言う通りにするしかないでしょ、きょろきょろ見ない、恥ずかしそうにしない、そう言ったけど。
弟と並んで服を脱いでて、まわりの人たちの言葉が全然ちがう、これからどうなるんだろうって、私、また涙ぐんだ。
体を洗いながら、弟が私のエッチを見てるの気が付いた。
やだ、見ないでって、笑いながら言ったけど、でも、これから不便な生活が続くわけで、エッチな弟なんか、いちいち気にしてられない。
昨日までの避難施設の生活よりは、ずっとマシ。
浴槽に弟と一緒に浸かって、久しぶりのゆったり入浴で、感激だった。
まわりの大人の言葉、何言ってるのかほとんどわからない、けどここには、忙しくても落着いた、普通の生活があった。
むこう向きで、タオルで足を拭いて屈んでる人がいて、お尻や股の内側が丸見えに。
弟がぼーっと見てる。
だめだよって注意する気にもなれなくて、私もぼーっとしてた。
まわりの大人の女性、弟がいても気にする様子は無い、最初はそう思った。
後で弟が、ぼくが見ても、みんな気にしなかったよって、笑いながら言う。
でも私、だんだんわかった、弟の視線に、内心どぎまぎしてた人、けっこういた。
見ないのって、弟に言ったのに。
迷惑そうに見返してる人もいたけど、うちらは震災避難なので、こういうのはしょうがない。
女の人たち、やはり、弟のおちんちん見てた。
横目で、ちょっと視線を止めて覗き見されて、これもやはり、しょうがない。
ずっと遠巻きにしてた女の子が3、4人、弟に近づいて、ちんちんをにやにや見て。
きょとんとしてる弟。
「何年生?」って聞かれて、「5年生」って弟が答えて、きゃははって、女の子たちが笑う。
笑われてた弟が可哀想だった。
「あいつらのエッチ、つるつるだよね」小声で言ってた弟、無理に明るい顔して。
湯あがりにタオルで体拭いてて、小肥りのおばあさんが、どこから来たの、とか話しかけてきた。
それまでの事をいろいろ話すと、大変ね、しっかりしなきゃだめよって、涙浮かべて言われた。
やさしい言葉、やはりうれしい。
弟が、おばあさんにタオルで体を拭いてもらって、その時、大変。
おばあさんの目の前で、弟のちんちんが上向いて、ふくらんでる。
おばあさんは平気で、服着なさいって弟に言ってた。
翌日、転校の手続きをした。
そこの家では、寝るのも弟と同じ部屋で、借り物の蒲団は段ボールの山の隙間にたたんで置いた。
下着とかも、そこで、弟の見てる前で着替えるしかなくて。
そのうち私も弟も、目の前で素っ裸になって、平気だった。
暑い梅雨どき、朝3時頃に目が覚めた。
弟が上体起こしてじっとしてて、眠いのこらえて明かりを付けてあげて、やっとわかった。
夢精の後始末に困ってた。
やむなく、弟のちんちんを指でつまんで、赤ちゃんみたいにティッシュで拭いてあげた。
弟の精液の臭い、まだ覚えてる。
4ヶ月後の夏休みに、前の住所で、両親と一緒の生活に戻った。

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