出会いは脱輪
2023/10/18
近所のスーパーの駐車場にて。
学生の頃GSでバイトしてたんだが、その日は朝から夕方までのシフトなので昼食を買いに近くのスーパーへ弁当買って戻ろうとしたら、駐車場の入り口に妙な形で1台のセダンが止まってた。
そのすぐ横で上品そうなおばさんと高校生くらいのお嬢さん(嫁)がオロオロしてたんだ。
で、スタンドマンだしお節介好きの俺は
「どうしました?」
と声を掛けたら
「不注意で脱輪してしまい・・・」
と親子共々泣きそうな顔。
脱輪は何度か助けてるので、車の状況を確認してから自分の車と脱輪したセダンからジャッキを取り出し、ジャッキ2刀流作戦で無事救出。
だけど、狭い側溝内で無理にジャッキかけてたし、飯食う時間が!と焦ってた事もあり、手の甲を側溝のふちで削ってしまった。
幸い傷は浅かったのでそのまま無視して作業を急いだ。
無事作業も終わり、
俺「これで大丈夫。でも一度ディーラーとかで下回りを見てもらった方がいいと思います」
嫁親「ありがとうございます。助かりました」
俺「じゃ、そういう事で( ゜д゜)ノシ」
嫁「あっ、手から血が・・・良かったらこれ使ってください(とポケットティッシュ)」
俺「これくらいだいじょーぶ。へーきへーきw」
嫁「そういわずに・・・使ってください」
俺「舐めときゃ治るからwじゃ、俺バイトあるんで」
嫁母「あ、あの、お礼したいので、せめて連絡先を教えてください」
俺「あ、じゃあ、○○の交差点のところのガソリンスタンドでバイトしてますんで、よかったらご贔屓に^^」
ってな感じで逃げてきた。
20年も前の事なので会話の内容うろ覚えだけど、俺の頭の中は「腹減った!とにかく飯が食いたい」これだけだったんだよねw
で、後日ディーラーで車見てもらったけど異常はなかったとの報告がてらに嫁母のみバイト先へ。
俺は非番で居なかったが、菓子折り持ってきてくれたそうだ。(シフトで出勤した時は既に空っぽw)
そんな感じで良くうちを利用してくれるようになり、月1、2回程度だけど、常連に。
お互い知らない顔でもないし、俺は世間話好きだから嫁母とはちょくちょく話してたけど、この頃の嫁とはあまり話す事はなかった。
それから1年ほど過ぎたある日、初心者マークを付けた挙動不審気味の軽が1台ご来店。
どうも初めて給油するらしく、どうしたら良いのか分からずアタフタしてる感じ。
走り寄って案内しようとしたら、ドライバーは嫁だった。
俺「免許取ったんだー!おめでとう、給油口右だから機械の左へ車進めてもらっていいかな?」
嫁「は、はい!頑張ります!!」
俺「オーライー、オーライー・・・はい、オッケーでーす」
車は見るからに新車。
助手席や後部座席にはまだビニール被ってたし。
俺「レギュラー満タンでいいかなー?」
嫁「は、はい、お願いします!」
俺「よかったらメンバーズカード作りませんか?ちょっとだけ安くなるし」
嫁「は、はい!」
で、俺はGSに入るのは初めてで緊張してるのかな?と思い、お節介虫がむくむくと。
お客さんも少なく暇な事もあって入会手続きがてら、
「この車可愛いね^^」
とか
「車あると色々行けて楽しいよね^^」
なんて感じで話しかけてた。
そんな感じで仲良くなったけど、その頃から俺は嫁と話せる事が嬉しかった。
その後、3-4回くらい給油に来てたと思うけど、ある日嫁が来店した時に
「洗車ってお願いできますか?」
と聞いてきたんだ。
俺はちょっと迷ったけど、
「うちの古い型の洗車機で洗車すると細かな傷が付くんだ。だから新車のうちは新しい型の洗車機か手で洗った方がいいよ」
と教えた。
そしたら嫁が困った顔で
「車洗った事ないんです・・・でも、この子(車)汚れてきてるし、綺麗にしてあげたい」
と切実な訴えをしてきた。
そこで再び俺の中のお節介虫がむくむくと沸いてきて
「じゃあさ、今度の休日空いてる?俺で良かったら洗車手伝うよ」
と・・・。
嫁はちょっと考えてから
「・・・ご迷惑でなければ」
と承諾してくれたので、近くのコイン洗車場に○時にと約束したんだ。
ちなみに下心はありましたw
で、洗車デート?
当日俺は濡れてもいいラフな格好で向かったんだけど、嫁を見て驚いた。
いつもの嫁は黒とか茶とか紺のあまり明るい色を着てないんだが、その日は淡い緑のワンピースを着て凄く可愛らしくてドキドキしたw
俺といえば贔屓目に見てもフツメンな
「俺君って凄く良い人だね」
とは言われても恋愛対象にはならない戦力外男で20年近く生きてたけど、まともに女性と付き合った経験は一度もなし。
もちろん美人に免疫なんてないから、つい見とれそうになるのを必死で堪え、とにかく嫁の方を見ないように見ないようにと作業開始。
2時間弱でワックス&ガ▽コまで塗り終わり、嫁が物凄く可愛い笑顔を浮かべ、
「ありがとうございました」
と言った瞬間・・・陥落しました。
そこからは寝ても覚めても嫁の事ばかり。
今思い出しても恥ずかしいが、ふと気付くと嫁の事考えてたくらい惚れてた。
だけど、俺のスペックは前述通りでとてもお付き合いなど望めそうにないし、下手に関係崩して会えなくなるのも嫌だった。
臆病なんだよな。
それは今でも言われるw
ただ、そんな俺にチャンスが訪れた。
嫁の車が給油に来たある日、既にGSスタッフには俺が嫁に惚れてる事がバレていて、忙しくない時は嫁担当にされてた。
この日も俺が担当したんだが、会計の時に嫁がカー用品店を教えて欲しいと尋ねてきたんだ。
チャンスと思った俺は、冷静を装い案内を買って出た所、
「本当ですか?ぜひお願いします」
とありがたいお返事が・・・そんな流れでデート当日。
前回同様可愛らしい格好で、前回同様にドキドキしっぱなし。
色々話したと思うけど、家に帰っても会話の内容をイマイチ思い出せないくらいに舞い上がってたのは覚えてる。
それからは少しだけ自分に自信が付き、車繋がりのデートを3,4回重ねたある日、このままじゃいけない!と一念発起して、
俺「俺、見ての通り車くらいしか趣味のないつまらない奴だけど、・・・良かったら付き合ってもらえませんか?」
と勇気を出して告白すると、嫁は
「・・・はい」
と、答えてくれた。
実は、嫁と付き合い始めるまで嫁の事は殆ど知らなかったんだ。
何しろ俺はスタンド店員で、嫁はそこの常連客。
お車の状態は相談されても日常会話なんて天気の事くらいしか話さない。
そんな事もあってか、付き合いだしてからは全てが新鮮だった。
嫁が2個下で大学1年生になってた事も知ったし、普段は凛とした感じなんだが笑うとすげー可愛い事も知った。
家の教育方針でお茶とお華もやってた事も知ったし、意外に頑固で一度言った事は曲げない事も知った。
付き合い始めたのが10月頃だけど、月1,2回程度のペースでデートしてたがなかなか進展は無かった。
そのまま12月を向かえ、人生初のジングルベル。
俺シングルベルじゃないんだ!クルシミマスじゃないんだ!と浮かれてたが、運悪くバイト入ってしまい、バイト終わってから彼女の家に行ってプレゼント渡して終了。
年末年始は実家(車で約1時間ちょい)に帰省してたが、3日に何とか抜け出して一緒に初詣。(多分3日ごろ・・・だった記憶が・・・)
嫁は元旦に振袖着て既に初詣を済ませてたそうだが、それ聞いて
「うおー振袖姿ーー」
と暴れてたら
「じゃ、来年ねっ」
と言われ、舞い上がる馬鹿1匹。
上手い事転がされてます、ええ、今でもw
バレンタインはGSでチョコ貰った現場を押さえられて事務所でひやかされた。
ホワイトデーは所長のご好意で休み貰えたが、やはり大した進展もなく清い関係。
そんなのんびりとした付き合いにも慣れてきた頃に、嫁がふと
「俺君の地元を見てみたい」
と言い出した。
俺は深く考えず、
俺「GWに帰省がてら行ってみる?」
嫁「うん、行きたい」
俺「ついでにTDLも行って見ようか?」
嫁「ホント?楽しみー」
俺「そうなると朝早くなるけど、大丈夫??」
嫁「出来たら泊まりがいいな・・・」
後は想像に任せます^^
そんな感じでGWに晴れて色んな意味で結ばれて、実は1度失敗したんだけど、何とかリカバーして再挑戦は上手くいって、その後も月に1,2回のデートを重ねながら月日を重ねて俺大学卒業。
が、どうしても嫁のそばに居たかったので、嫁の地元で仕事探して無事就職。
就職出来た事で何とか格好付けれるようになり、ここで初めて嫁父と対面。
嫁父何度も見てます!バイト先でw
つーか、週1くらいでご来店してますwww
どうやら付き合ってる事は割と早い段階で両親にバレてて、嫁父さんも
「娘の彼氏を見てみたい」
と来店してたそうだ。
GSでは結構フランクに接してきた若者がガッチガチに緊張し、しかも言われるまで全く気付かなかった様子に嫁一家全員爆笑。
俺も緊張がほぐれ、酒も入ったので客間に泊めてもらってご対面終了。
その後はうちの両親にも紹介。
妹に
「うそ!マジ!?兄貴には絶対もったいない!」
と最大の賛辞をいただき、嫁の大学卒業を待って結婚。
結婚して2年後に無事長男を授かりました。
その長男(高1)が先日、長男にはもったいないくらいの可愛らしい彼女を連れてきた。
その夜、嫁と昔話をしながら色々思い出したので記念にカキコ。
乱文で読みにくい上に我ながらのノロケで大変心苦しいが最後まで付き合ってくれてありがとう。