優等生だった私がヤリマン女子高生になった経緯

2018/09/24

奈緒と言います。私は小さい頃からずっと頭のいい子として育てられていて、実際にそうだったと思います。幼稚園の頃には漢字が読めて書けていましたし、簡単な英語も自然に理解していました。すごくお金持ちというわけではなかったので中学受験などはしませんでしたが、私立中学の入試問題などは塾に通ってった子よりも良い点数をとっていました。中学の成績はずっとベスト3に入っていて、そこから落ちることはまずなかったほどです。
そして真面目に過ごしてきました。中学3年では生徒会の役員としてもみんなをまとめ上げていましたし、髪を染めたり制服のスカートを短くしたりなんてすることもなく、おとなしかったと思います。普段から小説や学術書を読むのが好きで、図書館に通うのが日課になっていました。そのうち学校では物足りず、市の大きな図書館へ行くようになりました。
そんな私の人生が大きく変わってしまったのは高校受験のときです。私は国立大への進学者を多く輩出する地域で一番の進学校への受験1本に絞っていました。模試の評価は常にAランクで合格間違いないと思っていたのです。実際に入試に望んだ際もその出来には自信を持っていました。合格発表の当日、余裕を持って私は志望校の掲示板を見に行きました。しかし、私の番号はどこにもありません。何かの間違いではないかと思いました。私が受験番号を勘違いしているのかとも思いました。しかし、私の名前が書かれた受験票に書かれている番号はその掲示板にはなかったのです。頭の中が真っ白になりました。とてもそれが信じられませんでした。私の親も先生も何かの間違いではないかと私以上に動揺しましたが、私が不合格であったというのは揺るがない事実となってしまったのです。
そして運が悪いことに、二次募集をしていたのは志望校とは真逆の、地域で最も成績の悪い学校しか残っていなかったのです。全くいい評判なんて聞きません。噂では「半分以上が中退する」なんて言われているほどの不良高でもあるのです。しかし私には選択肢がありませんでした。中学でトップクラスだった私はその高校への進学が決まったのです。
4月、私は新しい制服に身を包んでいました。制服は学校の評判とは逆に地域で一番可愛いと言われていました。紺のブレザーに赤チェックのスカートで、有名デザイナーがデザインに関わっているそうです。そんな制服ですから非常に目立ちます。一目で、『あの子は頭の悪い子』というレッテルが貼られるのです。しかしそのときの私は、仮に高校がどんなにひどくても、自分で勉強を頑張れば大学受験で逆転できると前向きな気持ちになろうと決心していました。
しかし高校の門をくぐったときに今まで見た世界と全く違うと分かりました。男子はいわゆる不良、今の言葉で言うならお兄系とでも言うのでしょうか。私にとって非常に怖くて近づきたくないタイプの人達ばかりでした。そして女子は新入生なのに8割以上が髪を茶色に染めていて、さらに巻き髪をしていたり、制服のスカートをびっくりするほど短くしていたりと、見た目にもやりたい放題だったのです。そんな中で私は完全に浮いた存在だったと思います。
そしてさらに驚いたのが勉強の内容でした。英語はアルファベッドからで、生徒の多くはABCも満足に書けなければ大文字と小文字も分かっていないほどです。数学は小学校の算数、簡単な掛け算からだったのです。高校に入ったのにそんなところから授業があること、そしてそれが分からないということに大きな衝撃を受けて、改めて自分がとんでもないところに来てしまったということがわかりました。そしてこの制服を着て一歩外を出ると、私もそれぐらいの勉強も満足にできない子として世の中からは見られてしまっているのではないかという不安を感じずにはいられませんでした。
入学から2週間ほど経った日、私はトイレに行きました。当然ひとりです。その時点で周りが自分と違いすぎると友達も作らずに、作れずにいたのです。
私がトイレのドアを開けたとき、中で女の子3人がタバコを吸っていたのです。学校でタバコを堂々と吸うなんてと私は驚いて呆然と立ち尽くしていました。彼女たちは私のクラスメートでした。名前はわかりませんが顔は見覚えがあります。女の子3人は私の方をじっと見つめていました。そして私に声を掛けてきたのです。
「吸う?」
思えば、初めてまともにこの学校に来て誰かと会話をした気がします。私だって一日中黙っていられるほど精神的に強くはありません。話しかけられた瞬間に、「うん」と頷いて近づいたのです。私は全くタバコなんて吸ったこともありませんし、むしろ嫌悪していました。煙を吸って何がいいのか、全く理解できませんでした。ショートカットの女の子が私に一本咥えさせて、簡単に吸い方を教えてくれました。息を吸いながら火をつけ、火がついたら煙を肺まで飲み込むのだそうです。私は人生で初めてのタバコを吸いました。
「けほっ、げほげほ!!」
最初の一息で大きくむせてしまいました。でもそんな私に彼女たちは非常に優しかったのです。
「最初は誰だってそうだよね、大丈夫?」
ショートカットの女の子は綾子、茶髪で巻き髪の女の子は千佳、かなり明るい金髪に近い子は玲奈という名前でした。
私はタバコを吸いながら彼女たちが普段どういう生活をしているのかを聞いていました。彼女たちにはみんな彼氏がいて、それは年上だったり同じ年だったりするそうです。綾子は同じ学校の人のようですが、他の二人は年上で、千佳の彼氏は工事現場で働いていて、玲奈の彼氏は高校を中退してフリーターと言っていました。そんな話を聞きながらだとタバコの煙はそれほど苦ではなくなっていました。そして一本吸い終わったあとに次の授業のベルが鳴ったので教室に戻りました。
すでに分かりきった内容でしたが真面目に授業を受けていました。しかし授業中、どうも落ち着かないのです。頭の中にはタバコのイメージが浮かんできました。もう一度吸いたいのです。吸っている間は特に味を感じなかったのに、ある瞬間からたまらなく吸いたくて仕方なくなっていたのです。授業が終わったあと、玲奈に、「タバコ、もう一本ちょうだい」と声をかけました。彼女はニコッと笑って「いいよ~」と言ってくれて、再び女子トイレに行って一本吸いました。吸い終わってしばらくすると、特に勉強をしている途中で無性に吸いたくなってくるのです。
そんな風に私はあっという間にタバコの虜になっていったのです。最初はもらうだけでしたが、やがて毎回もらうだけでは申し訳なくなってきたため、箱ごと売ってもらうようにしました。そしてひとりでも、いつしか自分の部屋でも吸うようになっていました。一日で一箱を開けるほどヘビースモーカーになってしまったのです。
私は、綾子、千佳、玲奈の4人で一緒にいることも多くなりました。彼女たちは非常にフランクで、面白く、遊びについて色々知っていました。私はおしゃれな服も持っていなかったし、彼氏もいませんでした。中学時代は男子と付き合うことに全く興味もなかったのです。
ある日、ダサい服しか持ってなかった私は玲奈と服を買いに行ったのです。そこで玲奈は好みの服をあっという間に選んで私に着させました。今まで穿いたことがないほどの短いスカートに、柄物のカットソーはラメ入りでした。つまりは非常に派手だったのです。ただ派手な服装では私の地味な顔は違和感があるので、メイクもしてくれました。目の周りを黒く塗られて、ファンデーションも肌に何枚も重ねるほどの厚塗り、唇もピンクのグロスでつやつやと光っていました。
派手な服に派手なメイクをしてタバコをふかす私は1ヶ月前とは全くの別人になっていました。玲奈は私のことをメイク映えがする顔と見抜いていたらしく、だから私にそういう服を着させたりしたのです。玲奈だけでなく綾子も千佳も変わった私を喜んでくれました。やはり今までの私はみんなから浮いていたのです。
褒められた私はその後、メイク道具を揃えたり、いわゆるギャル服を好んで選ぶようになりました。髪も茶色く染めるようにしました。学校は何も言わないので、何色にしても結果的には自由なのです。学校にもメイクをしていくようになって、休み時間はタバコを吸いながらメイク直しをするのが日課となりました。見た目もみんなに馴染んでいった気がしていい気分でした。
6月に入ってから私は玲奈の彼氏とその男友達と一緒に遊ぶこととなったのです。男友達は裕太という名前で21歳でした。茶髪にパーマをかけていて、ネックレスや指輪をジャラジャラとさせているような人です。仕事は特にしていなくて、色んなバイトをかけ持ちしているらしいということがわかりました。
裕太は私を見た直後に、「この子、ちょー可愛くね?マジタイプなんだけど」と、私を指差して大声を上げました。今まで可愛いなんて褒められたことはなく、初めてのことでこそばゆい気持ちになりましたが、素直に嬉しかったのです。恥ずかしがる私を裕太は色々気を遣ってくれて、私が飽きないように面白い話をしてくれたり楽しませようとしてくれました。男の人からそんな扱いを受けたのは初めてのことです。中学時代なんて男子と話すのは生徒会の活動ぐらいで、それも事務的な作業です。女子だから優しくしてもらったことなんてありませんでした。裕太は私を女の子扱いしてくれました。そんな裕太が気になる存在になっていました。
初めて会った翌週に裕太と二人で会いました。彼の車でドライブに行ったのです。夜景を見るためという目的でした。しかし彼の目的は、みなさんならわかると思いますが、私の体でした。

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