エッチだけどちょっといい話 2
2023/09/01
俺のペニスは痛いほど硬くなっている。千紘も充分に濡れていた。まずは千紘にとっての初性交だ。
俺は枕元にあるコンドームを付けると千紘の狭い入り口にあてがい、少しずつ入れていった。
「クッ、クッ」
千紘は顔をしかめるように、何かを我慢している。
「痛い?やめようか?」
「ううん、大丈夫。して」
「痛くないようにするけど、痛かったら言って」
「うん、ありがとう」
俺はもう一度ゆっくりと入れていった。さすがに窮屈だ。俺は千紘の胸や腋の下などを撫でたりキスをしたりして、できるだけ千紘の気を紛らせようとした。
そしてペニスが半分ほど収まったところから一気に腰を押し付けて膣の奥まで入れることに成功した。
「アア~アァンン」
千紘は悲鳴にも似た声を上げた。
「全部入ったよ。わかる?」
「うん、何となく」
千紘は恥ずかしそうに色白の顔を赤らめた。そしてその時初めて自分から両腕を俺の背中に回して抱きついてきた。
俺は腰の動きを少し速めた。窮屈な感じが少し楽になったような気がした。
「ウンッ、ウンッ」
俺の腰の動きに合わせるように千紘は声を出す。千紘の膣のきつさが俺の快感を倍増した。もう限界が近い。
「千紘、俺もうイクよ、もう出してもいい?」
「いいよ、A君出して!千紘の中で出して」
「ああ!もうダメ、出る、出る!!」
俺はいっそう速く腰を振りドビュッ、ドビュッと千紘の中で射精した。
俺は生まれて初めて処女の膣の中で射精した快感と感激でしばらく千紘に抱きついたままだった。
千紘は俺の胸に顔をうずめるようにしてやはり俺に抱きついていた。
あまり長く放っておいて中で精液が漏れたりしたら大変なので、俺はゆっくりと体を起こすと
「千紘はよかった?」
「何かわからない。でもA君が初めてでスゴくよかった!」
俺はゆっくりとペニスを引き抜いた。コンドームに赤い処女の印が付いている。後始末を終えると千紘を横様に抱き寄せた。そして長いキス。もう千紘も俺の舌に自分の舌を絡ませる。千紘は少し柔らかめになったペニスを握り、俺は千紘のあそこを優しく撫でた。
「こんなのが入ったんだ。スゴいね」
「千紘のここはきつかったよ」
「緩いのってダメなんじゃないの?」
「そうだよ。だから千紘のはよかったんだ」
こんな会話を交わしながら互いに触りあっているうちに、俺のペニスはまたムクムクと大きくなってきた。千紘のあそこもまたヌルヌルと愛液を出していた。
「もう一回する?」
「うん、して」
今度は挿入する前に時間をかけて千紘の感じそうなところは全部指と舌で愛撫した。
やはり入り口の突起が一番感じるらしく、「アウゥン、アウゥン」と切ない喘ぎ声が漏れ始めた。
相当感じている!さらに攻め続けると体をくねらせて
「アンッ、アンッ、何か変になっちゃいそう」
舌であそこを攻める俺の頭をわしづかみにしながら体をのけぞらせる。
「イイィ~ッ、イイィ~ッ」
今までとは違う声を出したかと思うと、千紘は全身を痙攣させるように両足を突っ張って体を大きく反らせて、そして静かになった。
「ハアッ、ハアッ」
千紘は目を閉じたまま息を荒げていた。どうやらイッたらしい。
「イッたの?」
「うん、何か気が遠くなってどこかに飛んじゃったみたい」
「それをイッたって言うんだよ。今度は俺がイク番」
コンドームを素早く被せるともう一度正常位で挿入した。
今度はもっと深く入るように千紘の両足を上げさせて、足首を俺の肩に乗せた。
こうすると俺のペニスが千紘のあそこに出入りするのも見えてスゴくいやらしい体位だ。
「アッ、アッ、アッ、アッ、いいよ、A君いいよ」
千紘は感度のいい女だ。もうオルガスムスを得るようになっている。千紘の表情を見ながら腰を前後させているうちに俺もまた射精感を覚えた。
「千紘、出すよ」
「アンッ、アンッ、A君出して、出して!イイィ~ッ、イイィ~ッ」
俺の両腕をギュッと掴んで体をのけぞらせた。
次の瞬間俺もドビュッとこの日二度目の射精を終えた。千紘はグッタリとしている。俺もこんなに激しいエッチは久しぶりだったので虚脱感に陥っていた。
後始末をしてから二人抱き合ってしばらくの間じっとしていた。
「千紘、気持ちよかった?」
「うん。A君は?」
「スゴくよかった!!」
「よかった!A君とエッチできて。ほんとによかった」
この夜、俺たちはもう一回やってからホテルを出た。久しぶりの三連発はちょっときつかった。
それから千紘とはお互いの時間を合わせて会った。会えばいつも激しく求め合った。2年間こういう関係が続いたが、その間俺は他の女に一切手を出さなかった。
しかし、千紘がスタイリストとしての成功を賭けて東京に行くことになり、俺は俺で就職活動が始まって別れることになった。
ただ、運命とは不思議なもので、それから10年後東京でたまたま千紘に会った。そして朝まで貪るように求め合ったのがきっかけで付き合いが復活し、現在千紘は俺と一つ屋根の下で女房として暮らしている。
「あれっ、似てるな!」
あるスポーツイベントの取材で千駄ヶ谷駅の改札を出たときだった。
三つほど向こうの改札口に向かって小走りで駆け抜けた女性。
他人の空似?振り返ったがその女性はもう人波に紛れて見えなくなっていた。千紘に似ていた。
千紘と別れて10年。俺は一応そこそこの大学に行ってたおかげで大手マスコミ関係(M新聞社)に就職することができた。
取材や何やらで女を作るどころではなかった。仕事がしんどくて風俗関係に首を突っ込むこともしていない。いつの間にか俺は女と無関係な生活を強いられ、またそれに甘んじることが続いて、ここ3年ほどは朝立ちもなくインポの手前になっていた。ふと気づいたらとっくに30を過ぎていた。
実は、俺には父親の知り合いの紹介で付き合い始めていた女性がいる。別に好みのタイプでもなかったが、30過ぎで独身の子を持つ親同士の思惑が一致したらしく、結婚を前提(俺はまったくその気がなかったが)で付き合い始めて4ヶ月。
相手は小学校の先生だが俺は土日も無関係で関西圏を中心にあっちこっちに飛び回る記者ということでデートもろくにしていない。メールのやり取りとたまに食事をするくらい。
エッチとは程遠い「健全な」付き合いだったのだ。
千紘によく似た女性(ひょっとして幻?)を見た夜、俺のペニスは久々に痛いほど勃起した。ビジネスホテルの有料チャンネルを見ながら自分でしごく。
妄想は千紘のあの部分に突っ込んでいる俺。AVの声が千紘の声に聞こえてくる。たまらなくなってドビュッと射精。
情けねぇ!!32にもなってこれかよ!!・・・・・そんな情けない夜を二晩過ごした後のこと。
仕事を終えて大阪に帰ろうとしたとき、まるで何かに惹かれるように総武線に乗り換えた。そして千駄ヶ谷駅を出るとき俺はほとんど無意識に千紘に似た女性を探していた。
駅を出て通りを渡ろうとしたときだった。白いブラウスにすらりとしたグレーのパンツスタイル。バッグを肩にかけて向こうから歩いて来るのは間違いなくあの千紘に似た女性!!
通りの真ん中ですれ違う。すぐに俺は振り返った。
すると、なんと向こうも振り返っていた。
間違いない!!
「千紘!!千紘だろ?」
「A君?ホントにA君?」
俺は弾かれたように千紘に駆け寄ると両手を握った。千紘も握り返す。
そのうち信号が変わって左右の車が走り出した。俺たちはセンターラインの上で次の信号が変わるまで無言のまま手を取り合って立ちすくんでいた。
彼女の東京でのこと。俺のその後。お茶でもしながらそんな話に花を咲かせる・・・というのが普通の再会のスタイルだが、俺たちは違っていた。
俺も千紘も何かがまた燃え出していた。まだ夕方で明るかったが俺たちは人目も気にせず歩道で抱き合った。
「A君いいの?こんなことしてて」
「千紘こそ」
「・・・・・」
俺は千紘の沈黙が気になった。俺には付き合い始めた女性がいるとは言っても手を握ることもしていない。ひょっとして千紘にはもうダンナでもいるのでは?
千紘の細い体を抱きながら俺は不安になった。俺たちは体を離すと並んで歩道を歩く。
「今日は仕事帰り?」
「うん。A君は?」
「俺は今日まで出張でこれから戻るとこ」
「そっかぁ。じゃあもう帰っちゃうんだ」
「・・・・・」
今度は俺が黙り込んだ。ほんの何分かだったがとても長い時間が過ぎたような気がした。俺は言いたいことが言えない。しかし、その理由が千紘に伝わったようだった。
「A君さえよかったら・・・今夜は一緒にいたいな」
「えっ?千紘はそんなことして大丈夫なの?」
「大丈夫・・・かな?」
意味深長な言い方をしてクスッと笑った。
俺はタクシーを拾って適当に行き先を告げ、流れる景色の中からホテルのサインを探した。
俺はまるで十代の若いヤツのように胸が高鳴っていた。それと同時に股間にズキズキとした高まりを感じていた。千紘の手を握る。そして小指でくすぐるような動作をするとギュッと握り返してきた。
握った手を千紘の太股の上に載せる。そして小指で内腿を撫でる。千紘はピクッと反応した。
今度は俺のズボンのすっかり膨らんだところに載せる。そしてゆっくりと前後させた。
千紘は俺を見上げるように見つめている。その目は潤んでいてもう感じている表情だった。
「欲しくなった?」
無言で小さくうなずく千紘。ホテルのネオンサインが二つ三つ見えたところでタクシーから降りて、そのうちの一つに入る。
<続く>