5年生 危険な姉弟編
2019/07/14
約束の10分前には、わたしは公園についていた。
今日も快晴で、じりじりとした日射しが照りつけている。
悩んだけど、青いTシャツに水色のフレアスカートを着てきた。
もちろん、下着もつけてきている。
公園には、小学校の低学年ぐらいの子が砂場や遊具で遊んでいた。
今日はなにをさせられるのだろう?そう考えると憂鬱になった。
「あっ、先に来てたんだ」声にふり返ると、高林君が立っていた。
「へえ〜、その子がルミちゃん?」その横に見たことのない女の人が立っている。
背は高林君より大きい。
中学生ぐらいだろうか。
ショートカットの髪で、目が大きくてすごく美人だ。
赤いキャミソールにジーンズの短パンが、活動的な雰囲気に似合っている。
「高林君、この人は?」わたしは女の人を見てきく。
「ぼくの姉さん」
「高林真美です。弟の耕輔がいつもお世話になってます!話は耕輔から聞いてるわ。よろしくね!」真美さんはにっこりと笑った。
「よ、よろしくお願いします」暗い気持ちだったわたしは、戸惑いながらあいさつを返す。
でも、話は聞いてるって、もしかしてあのことを……?不安に思ったけれど、高林君もいつもと変わった様子はない。
それに真美さんも普通にわたしに接している。
今日も変なことをされるんじゃないかっていうのは、わたしの心配しすぎだったんだろうか。
「それじゃあ、さっそくだけど姉さん頼むね」
「オーケー。ルミちゃん、ちょっとそこに立っててね」
「は、はい……」思わずうなずいてしまう。
真美さんは、わたしを上から下まで見たかと思うと、首をひねった。
「う〜ん……ちょっとごめんね」真美さんは近づいてくると、無造作にわたしの胸をTシャツの上から鷲づかみにされる。
「きゃっ」とっさに身を引こうとするけど、背中を抱きかかえられるように押さえられてしまう。
「な、なにするんですか!」
「ブラしてないんだね。まあ、まだちょっと小さいもんね。でも、そろそろつけてもいいんじゃない?」真美さんは動じる様子もなく、わたしに向かって言う。
な、なんなの。
いったい……。
混乱して答えられずにいると、今度はTシャツを下からまくりあげた。
「やっ!ちょっと、やめてください!」
「大丈夫だって。そんなに大声上げたほうが恥ずかしいよ」真美さんは、胸の下までTシャツをまくり上げて、わたしのお腹のあたりを見ている。
「スタイルはけっこういいんだ。耕輔、わかったわ」
「そう。じゃあ、行こうか」
「行くって?どこへ連れていくつもりなの?」不安を感じて、わたしは自分の身体を両手で抱くようにして、後ずさる。
「買い物だよ。木原さんの洋服を買うんだ」
「洋服って、わたしお金持ってきてないし……」本当はそういう問題じゃないのだけれど、動転していて、頭が上手く回らない。
「お金はぼくが払うよ」
「払うって……そんなの」そんなことをしてもらう義理はない。
そもそも、女の子の洋服は高いから、男の子のお小遣いで買えるわけなんてない。
そう思っていると、真美さんがぽんっと、わたしの肩をたたく。
「大丈夫よ。うちって、お金持ちなのよ。ま、耕輔も私も隠しているからわかんないだろうけどね。耕輔なんて、家庭教師ついてて頭いいくせに、学校のテストもわざと間違えてるんだから」
「姉さん!」
「ごめん、ごめん。それは内緒だっけ」真美さんは舌を出す。
「ほんとに?……」わたしは驚いて、高林君を見る。
「まあ、そうだよ。ばれると色々と面倒だからね。ところで、買い物に行くことは理解してもらえた?」高林君は、わたしの目をじっと見て言う。
洋服を買ってもらったりしたら、余計に後で困りそうだけれど、断ったら昨日の写真がある。
断ればどうなるかは、想像するまでもない。
「……うん」わたしはうなずくしかなかった。
「よかった。それじゃあ、行こうか」高林君にうながされ、わたしたちは買い物に出かけることになった。
2駅ほど電車に乗った、ショッピングモールに来ると、真美さんが宣言するように言った。
真美さんが明るいことにわたしは救われていた。
もし、高林君と二人だったら、昨日のことを思い出して耐えられなかっただろう。
「ぼくは本屋でも行って待ってるから、二人で行ってきてよ。お金は姉さんが立て替えといて」
「そうね。女の子同士のほうが動きやすいし。荷物持ちがいないのが、難だけど」
「どうせ、姉さんのほうが力持ちだろ」
「言ったなぁ!」笑い合っている姉弟を見ると、本当に普通に見える。
高林君の昨日のことなんて、嘘だったみたいだ。
だけど、そうじゃない。
わたしは昨日高林君に……。
思い出して、顔が熱くなる。
「じゃ、行こうか。ルミちゃん」
「えっ、はい!」真美さんに引っぱられ、わたしはショッピングモールを歩き出した。
最初に入ったのは、小中学生に人気のあるブランドのお店。
高いので、入ったことなんてない。
「え〜と、これとこれ、あとこれかな」真美さんは歩きながら、洋服を選んでいく。
サイズとか値段とか確認している様子もない。
「あの……サイズって」
「さっき触ったし、見せてもらったからわかるわよ。そういうのは慣れてるの」慣れてる?真美さんの言葉にしっくりこないものを感じたものの、聞き返す隙がなかった。
それに、本当にわたしのために服を選んでくれている気がする。
「それじゃあ、試着室に行こうか」
「は、はい……」わたしは自分で一つも選ぶことなく、試着室に向かった。
5個ほどある試着室の一番左が空いていた。
「入って」真美さんに言われて、中に入る。
試着する洋服を受けとるために手を伸ばすと、そのまま真美さんも試着室に入ってきた。
「えっ、真美さん?」
「わたしも試着するのがあるの」
「そうなんですか……」そう言われては、無理に出ていってもらうわけにもいかない。
でも、やっぱり二人入ると、試着室は狭かった。
着替えられないことはなさそうだけど……。
「じゃ、ルミちゃん。まずは服を脱いで」
「えっ、はい……」試着するわけだから、服を脱ぐのは当然だ。
そう思っても、間近で見られていると思うと少し抵抗感があった。
「どうしたの?」
「い、いえ、ちょっと恥ずかしいなって」
「気にしないでよ。女同士でしょ」真美さんは邪気のない笑みを浮かべる。
最近、ひどい目にばかりあってきたから、少し警戒心が強すぎたのかもしれない。
わたしは反省して、Tシャツを脱いだ。
ブラをつけていないから、すぐに上半身裸になる。
「下もね」
「は、はい」わたしはスカートを脱いで、Tシャツ一緒に畳んでおく。
パンツ一枚で、真美さんと間近で向かい合うと、やはり恥ずかしい。
胸を両手で押さえる。
「そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに。じゃ、わたしも脱いであげるわ。それなら恥ずかしくないでしょ」真美さんはそう言うと、手早くにキャミソールと短パンを脱ぐ。
下は、赤い花模様のブラジャーとパンツをつけていた。
胸はやっぱり大きくて、お腹もくびれがあってスタイルがすごくいい。
水着の日焼け跡がちょっとだけ、エッチに見える。
「えへへ。あんまり見ないでよ」真美さんが照れたように笑った。
「ご、ごめんなさい。スタイルいいなぁって……」
「ルミちゃんだって、すぐによくなるって。胸だって大きくなるしね。ほら、隠したりしないで、見せてごらん」真美さんが優しい手つきで、わたしの胸の前の手をどかす。
あまりに自然な手つきに、わたしは抵抗するという考えすら浮かばなかった。
そのまま、わたしのおっぱいを包むこむように両手でやわらかく触った。
ひんやりとしたおっぱいに、ちょっと暖かな手の感触が気持ちよかった。
「かわいいおっぱいじゃない。恥ずかしがる必要なんてないよ」
「で、でも……」
「大丈夫だって。少し手を動かすよ」
「えっ?」わたしが反応する前に、真美さんはおっぱいを包む指を、わずかにもむように動かした。
「あっ……」ミサたちに、もっと強くもまれたこともあったけれど、それとはまったく違った。
ほんのわずかな動きなのに、わたしの頭の中がぼーっと熱くなってくる。
これって、エッチな気分なときみたい……。
「すぐに気持ちよくなっちゃうんだ。やっぱりルミちゃんは、可愛いなぁ。……下の方も見せてね」真美さんは、左手でわたしのパンツを持って、するりと腿まで下げる。
「……だ、だめです……」わたしは熱くなった頭で拒否しようとするけど、身体が動かない。
どうしちゃったの、わたし?「大丈夫よ。気持ちいいでしょ」真美さんは笑みを浮かべて、指をわたしの割れ目にあてがう。
優しくなぞるように下から上へ。
背中がゾクゾクする。
ミサにもっとひどいこをされたこともあるのに、それよりも遙かに気持ちいい。
「きれい。毛がないのっていいわ。もうちょっと見せてね」真美さんはおっぱいを触るのをやめて、わたしの股間の前にしゃがみこむ。
「い、いや……」わたしは条件反射で、拒絶の言葉を発する。
だけど、身体はもう熱くなって、頭の中はとろとろになっている。
こんなの初めてだ。
わたし、ミサたちに色々されて、おかしくなってしまったんだろうか。
「ほんとに嫌だ?だったら、やめるよ」真美さんは、わたしを見上げて言う。
わたしは小さく首を横にふった。
嫌じゃない。
恥ずかしいけど、嫌じゃない。
ここが試着室で、カーテン一枚隔てた向こうには、店員さんもいるってわかってるのに、本能がもっとやってほしいと思っている。
「じゃあ、ちょっとだけね」真美さんがわたしの割れ目を開いた。
「あざやかなピンク色ね。ほんとにきれい……」うっとりするように真美さんが言う。
指が割れ目の上の方を触る。
「ああっ!」思わず声がもれる。
「ごめん、クリは敏感なんだね。でも、ここがそんなに敏感だと困るでしょ、色々と」意味深な笑みを浮かべて、真美さんは立ち上がる。
「ここでこれ以上やるのも危ないから、ここまでね。とりあえず、これ試着して」
「は、はい……」わたしは渡された服を、なにも考えずに着る。
パンツは?と一瞬思ったけれど、それを探すのも面倒で、ノーパンで着替えた。
カップのついたブルーのキャミソールに、赤と黒のチェック柄のミニスカートだ。
「やっぱり似合ってる。ルミちゃんって、可愛いんだからさ、もっと自信持っておしゃれすればいいんだよ。とりあえず、それ決定ね」それから、わたしは何着か着せ替えられた。
「これぐらいかな。ちょっと待ってて。これだけ着ていけるようにしてもらうから」真美さんは、最初に着たキャミソールとミニスカを持って、外に出ようとする。
「あ、ダメ!」その真美さんの肩をつかんで、わたしは慌てて止めた。
「真美さん、その格好」真美さんは、下着姿のままだったのだ。
なぜか真美さんは下着姿のまま、わたしの試着に付き合ってくれたから、忘れていたんだろう。
「危ない、危ない。下着姿晒すところだったわ。ま、でもこれ見せてもいいやつなんだけどね」真美さんはそう言うと、照れた笑いを浮かべて額の汗をぬぐった。
結構長い間、狭い試着室に入ったままだったから、冷房が効いた店内とはいえ、二人ともじっとりと汗をかいていた。
真美さんは、自分の服を取ろうとしかけて、手を止めた。
わたしを見る。
「ねえ、ルミちゃん」
「はい?」
「すごくいい匂いがする」
「えっ……それって……」昨日のことが思い出されて、ギクリとする。
この試着室に立ちこめている匂いといったら、わたしと真美さんの汗の臭い。
「ちょっと、ごめん」真美さんはわたしの首筋に顔を近づける。
クンクンと鼻を鳴らして、匂いをかいでいる。
わたしは身じろぎ出来ずに、されるままでいた。
「これが耕輔の気に入った匂いかぁ……」少し悲しそうに、ぽつりと真美さんが言った。
わたしは答えることも、尋ねることも出来ず、裸で立ちつくしていた。
どういう意味なのだろう?考えたけれどわからない。
「じゃ、ちょっと行ってくるね」真美さんは素早く着替えると、試着室を出て行った。
数分して戻ってくると、わたしはキャミソールとミニスカに着替えた。
パンツを履くつもりだったのに、いつの間にか、真美さんが前の服と一緒に紙袋に仕舞ってしまっていた。
だから、ノーパンでミニスカートという、心許ない格好だったけれど、真美さんは心ここにあらず、といった雰囲気で言い出せなかった。
わたしの姿を見た、高林君の第一声だ。
「でしょ!わたしが見立てたんだから」真美さんは、高林君のところに行く前に元気を取りもどしていた。
気にはなったけれど、高林君がいる前ではききづらい。
「でも、ほんとにいいの?こんなに服買ってもらって」
「気にしないで。それと木原さんの親には、ぼくの母から言っておいてもらうから、そっちも気にしなくていいよ」
「そう……ありがとう!」わたしは笑顔でお礼を言った。
服装が変わって、気分も明るくなった気がする。
「それじゃあ、カラオケでも行こうか」
「そうだね。ルミちゃんもいいでしょ?」
「は、はい!」正直、あまり歌は得意じゃないけれど、ここで行かないと本当に服だけ買ってもらったみたいで悪い。
ショッピングモールから、5分ほど歩いたところにカラオケボックスはあった。
夏休みということもあって混んでいたけど、ちょうど入れ替わりで一つボックスがあいたらしく、すぐに入れた。
「とりあえず、飲み物とちょっと食べるものも頼むね」真美さんが慣れた様子で、注文をする。
すぐに店員さんが、飲み物と食べ物を持ってくる。
店員さんが出ていくと、わたしたちはそれぞれに、飲み物を取って喉を潤した。
でも、なんか変だ。
カラオケにきたというのに、真美さんも高林君も曲を入れる様子がない。
押し黙っている。
「さて」高林君が口を開いた。
わたしは、嫌な予感を感じながら視線を向ける。
「まずは脱いでもらおうかな」わたしはとっさに立ち上がろうとしたけれど、その前に真美さんがわたしの手を掴んだ。
「真美さん……」やっぱり、わたしに何かするつもりだったんだ。
そのために優しくしてくれていたんだ。
そう思うと、逆に悲しくなって涙が出そうになる。
「勘違いしないで、木原さん」高林君が歯を見せて笑っている。
「な、なにを?」
「脱ぐのは、木原さんじゃなくて姉さんだよ」
「えっ!?」わたしは驚いて、真美さんを見る。
「そうだよ、ルミちゃん。わたしが脱ぐの」明るい調子で、真美さんが言う。
「な、なんで!どうして真美さんが脱ぐって……」
「いいから、いいから。木原さんは座って見ててよ」
「そうそう。見てて」2人に言われて、わたしはソファに座り直す。
これからなにが始まるのか、さっぱりわからなかった。
今までは脱げと脅されていたのはわたしだった。
だから、当然高林君もわたしに向かって言ったのだと思っていたけれど……。
真美さんが脱ぐ?どうして?姉弟なのに?混乱している間に、真美さんはキャミソールと短パンを脱ぎ捨てた。
試着室でも見た下着姿になる。
「もちろん下着もだよ、姉さん」
「わかってるって」真美さんの表情は変わらず、明るい。
どうして、明るいままでいられるの?「……ねえ、高林君」わたしは思い切って、声をかける。
「なに?」
「どういうつもりなの?お姉さんでしょ」
「姉さんが望んでるんだよ。そうだよね?」高林君は冷めた目で、真美さんを見る。
「そうだよ。ルミちゃん。わたしがやりたくてやってるの」
「わかんないよ、そんなの……」
「ま、見ててよ」片目をつぶってみせてから、真美さんはブラに手をかける。
ホックをはずし、ブラが前からぽろりと落ちた。
隠す様子もなく、日に焼けていない白い肌のおっぱいが露わになる。
乳首がつんと立っていて、わたしと全然違う。
女の人の身体だ。
「もう乳首が立ってるんだね。木原さんがいるから、いつもより興奮してるの?」高林君は手を伸ばして、ピンッと乳首を指ではじいた。
「はあんっ!」真美さんは、身をよじって声を上げる。
「ほら、早く下も脱いで」真美さんは、赤い顔でパンツに手をかけると一気に下ろした。
ためらいなんて一欠片もない手つきだ。
下半身も晒されて、一糸まとわぬ姿になっても、真美さんは少しも恥ずかしそうにしていなかった。
変な言い方だけれど、堂々としている。
「少し毛が生えてるね」
「あっ、うん……」真美さんはそう言われて、初めて恥ずかしそうに股間を手で隠した。
割れ目の周りのあたりに、短い毛が生えていた。
それもほんのわずかだ。
真美さんぐらい大人の身体をしているなら、もう毛だってもっと生えていてもいいはずなのに。
「また剃ろうか。つるつるがいいんだろ」剃ってる?あそこの毛を?毛が生えていないわたしには、理解不可能なことだった。
「だって、耕輔が好きだっていうし……」真美さんは、今までの元気が急にしぼんだみたいに、小声で答える。
「耕輔?呼び捨てなんだ」高林君は肩をすくめた。
「ご、ごめんなさい!ご主人様です!」急に真美さんは、床に膝をついて頭を下げる。
まるで土下座だ。
激しく動くので、胸がぷらんぷらんと揺れる。
わたしはあっけにとられて、二人を見ていた。
いったい、なにが起きているのだろう。
さっきまで、仲の良い姉弟に見えたのに。
「じゃあ、お願いしろよ」高林君もいつもと違って、怖い声と口調に変わっていた。
真美さんはちらっと、わたしを見た。
困ったような顔だ。
「なんだよ。言えないのか?じゃあ、もう終わりだな」その言葉に、真美さんがかぶりを振った。
「言います!ご主人様。……わたしの股間のいやらしい毛を剃ってください。お願いします」真美さんは額に床につくぐらい、深く頭を下げる。
「わかったよ。剃ってやるよ。ソファの上で足を開け」
「はい」真美さんはソファに座ると、膝を曲げて大きく足を開く。
身体が柔らかいらしく、真美さんの足は180度ぐらいまで大きく開いていた。
そうすると、薄い毛で見えづらかった割れ目がぱっくりと開いて、中のピンク色が見えた。
人のあそこを見るのなんて、初めてだ。
「木原さんが見てるぞ。よかったな」高林君が、指をピンク色の中に差し入れる。
「ああぁぁ!」真美さんが声を上げる。
気持ちいいんだ……。
わたしは真美さんを見ながら、自分の股間がむずむずるのを感じた。
試着室でいじられたときの余韻が、よみがえる。
股間に伸びそうになる手を、わたしはなんとか理性を押し止める。
「さて、剃ってやるか」高林君がカミソリを持っていた。
毛の生えている股間周辺にクリームを塗って、ジョリジョリと音を立てて剃り始める。
防音で静かなため、その音はやけに大きく聞こえた。
ただの毛を剃る音なのに、すごくいやらしい音のような気がする。
「はあああ!あんっ!そこ毛が引っかかってる……」真美さんは、さっきからとろんとした目で足を広げて、ソファにだらんと横たわっている。
「ほら、剃れたぞ。いつまで、開いているつもりだ。汁がだだ漏れだぞ」高林君がタオルで真美さんの股間を乱暴にぬぐう。
「ひゃんっ!」真美さんが、飛び上がるような声を上げる。
わたしはその光景を見ながら、いつの間にか手がスカートの中に伸びていた。
パンツをはいていないので、すぐに割れ目に手が届く。
指にはとろりとした液が指に絡みつく感覚がある。
「木原さん。なにしてるの?」高林君が、わたしの方を見ていた。
スカートの中に思いっきり手を突っこんでいるので、ごまかしようもなかった。
「こ、これは……」高林君は、わたしの前まで来ると、スカートをめくり上げた。
「きゃっ!」すぐにもどそうとするけれど、手を掴まれる。
「また、パンツはかなかったの?ノーパン好きなんだね」指が割れ目に入ったままのところを、高林君は見つめながら言った。
「ち、違うの。見てたら急に……」
「エッチな気分になっちゃったんだ。ふ〜ん」高林君はわたしの手を持ったまま、じーっと股間に視線を注いでいる。
それだけでも、わたしの身体の中を熱い何かが駆けめぐる。
指を動かすと、ピチャという音が静かな部屋に響いた。
やだ。
すごく気持ちいい……。
「わたしのせいよ。……さっき、わたしが刺激しちゃったから……」息も絶え絶えという様子で、真美さんが言う。
「なに?勝手にそんなことしたのか」高林君が怒った顔で、真美さんを見る。
「ごめんなさい……可愛かったから、つい」
「つい、って……。そういうことか。ごめん、木原さん」高林君が、いつもの顔にもどって頭を下げた。
「えっ、べつに……」わたしは割れ目に指を差しこみながら、口ごもる。
早く指をしまわなきゃと思うのに、それが出来ない。
「でも、ルミちゃんって、一人エッチとかやってるでしょ。すごく敏感だったもの」
「そ、そんな!してないです!」首を振る。
「そうなの?おかしいなぁ。あの反応は絶対に一人でいじってると思ってたのに」真美さんが首をかしげている。
「姉さん!そういう問題じゃない。どうして、姉さんが木原さんに手を出すんだよ」
「だって、可愛いじゃない。それに、ルミちゃんの匂い、わたしも好きかも」
「匂いまで嗅いだのか!」
「ちょっとだけ。首筋でね」
「首筋か……」高林君は、ほっとしたような顔をしていた。
なんだかわからないけれど、本人であるわたしは置いてけぼりらしい。
でも、さっきまでのおかしな雰囲気はなくなって、いつもの姉弟にもどったみたいだ。
「でも、木原さん。昨日だっておかしかったよね。もしかして、自分ではなにもしてなくても、誰かにされてるんじゃないの?」
「誰かって?」真美さんがきく。
「たとえば、五十嵐美沙とかさ」
「????っ!」わたしは驚いて、なにも答えられない。
なにも話してないのに、どうしてわかったんだろう。
実は頭がいいとは言っていたけど、今の情報でわかったの?それに、もしばれたってわかったら、ミサたちになにをされるだろう。
……怖い。
「ちょっと!どうして泣いてるの」真美さんが、びっくりした顔をしている。
「えっ?」手で頬を触ると、濡れていた。
わたしはぽろぽろと涙を流していた。
「やっぱりか。気になってはいたんだ。あの三人組が木原さんになにかしてたのか。田崎圭織、飯島芽衣、そして五十嵐美沙。くそっ。昨日のことも、それでか」なぜか悔しそうに高林君は毒づく。
「ねえ、高林君。このことはミサたちには……」
「木原さん」わたしの言葉を遮って、高林君が言った。
「昨日言ったよね。ぼくは木原さんが好きだって。木原さんはどう思ってるかしらないけど、他人に木原さんがいいようにされて、黙っているタイプの人間じゃないんだよ、ぼくは」
「そうね。わたしも協力するわ。ルミちゃん可愛いし」真美さんも、全裸で不敵な笑みを浮かべている。
なんだろう、この2人。
エッチなことをしたかと思ったら、急に格好良くなってる。
その2つのイメージが結びつかなくて、わたしはなと答えていいかわからなかった。
「でも、その前にルミちゃん、気持ちよくなっておこうか」
「えっ、真美さん。ちょっと……」真美さんが、わたしの隣に座る。
わたしの指を割れ目からやさしく引き抜く。
とろとろのエッチな汁が指から垂れる。
その間に、キャミソールに真美さんの手がかかり、胸の上までたくし上げられた。
ムダのない動きで、あっという間だった。
「た、高林君!」救いを求めて高林君を見たけど、難しい顔をしてなにかを考えこんでいるみたいだ。
「大丈夫。いま耕輔は、どうやってその3人の女に復讐するか考えてるところだから」
「ふ、復讐?」物騒な言葉に、わたしは目を見開く。
「怖いよぉ、怒った耕輔は。だって、頭の回転が速いからね。ルミちゃんはまかせておけば大丈夫。だから、わたしと気持ちよくなろっ!」
「ちょっ、……ああっ」真美さんの指が、割れ目の上を刺激する。
ここを触られると、わたしは弱いらしい。
すぐに身体と頭の中が熱くなる。
「ちょっとイっちゃおうか。でも、ルミちゃんって、気持ちよくなるとおしっこ漏らしちゃうんだっけ?」
「そ、そんなことないです……」
「漏らしそうになったら言って。わたしが全部受け止めてあげるから」真美さんの指がわたしの小さな乳首を、クリクリと優しくなでる。
「んああっ」ミサにやられたときみたいな、痛みはまったくない。
なのに、一瞬で下腹部が熱くなる。
「……姉さん」高林君の低い声。
思わず真美さんの手が止まる。
「な、なに?」引きつった笑みをうかべて、真美さんがふり返る。
「とりあえず、木原さんは姉さんにまかせるよ。そっちの巧さじゃ叶わないからね。ただし、わかってるよね?」
「もちろん!」真美さんは軽く答えると、わたしに向き直ると、にやっと唇の端を上げた。
「本当の気持ちよさを、教えてあげる」その言葉に背筋がゾクゾクとして、わたしは身体を震わせた。