最後まで優しかった彼女[後編]
2018/06/12
平穏とはいかないまでも普通の生活に戻りつつある日、職場で仕事上のトラブルがあり残業する事になりました。
あれから遅くなる時は必ず事情を連絡するようにしていた俺は妻に連絡。
定時から2時間後、職場を出て駐車場に向かう俺の前を歩くのは彼女でした。
数メートル先を歩く彼女は俺の存在に気が付いていませんでした。
歩く足を速め、そっと彼女に近付き、「お疲れ!」声をかけると彼女は「キャッ」と声をあげ、俺を見ると頬を膨らし、「本気で驚いたんだから」と。
俺「何でこんな時間?」
俺が聞くと、彼女も期限の近い書類整理の為に残業していたとの事でした。
俺「ちょっと話していかない?」
妻に不倫がバレてからは一切の連絡を絶っていた俺は、つい気持ちに甘えが出て誘いの言葉をかけてしまいました。
彼女「奥さんにバレたら大変な事になるよ・・・」
俺「そうだね、あいつ離婚も考えてるとか言ってたからな・・・」
心配そうな彼女を横に俺は妻に電話しました。
俺「もうあと30分位で片付くから・・・うん、夕食は家で食べる・・・それじゃ頼むね」
家に帰るまでの移動時間も含めて1時間弱の余裕が出来ました。
俺「これで、大丈夫だよ」
彼女「・・・私も少し一緒にいたかったから」
俺の車に乗り、あれから今日までの事をお互いに話して、「本当は会いたかった・・・」と俺は彼女にキスをしました。
軽く唇を合わせるだけのキスでした。
彼女「私だって本当に会いたかったんだから・・・」
彼女は俺の体を強く抱き締めキスをしてきました。
ふいに彼女が「んんっ」と喉を鳴らし、上目遣いで俺を見ました。
彼女の舌が俺の唇に触れています。
口を開くと、すっと俺の口の中に彼女の舌が入りました。
今まで抑えていたものが開放されるのを感じ、俺は彼女の舌に自分の舌を絡ませて逆に彼女を強く抱き締めました。
妻に関係がバレてしまった彼女との行為・・・。
一瞬罪悪感が俺の心に生まれましたが、それ以上の気持ちの高ぶりにそれはかき消されました。
舌を絡ませたまま俺の手は彼女の胸へ。
乳房を軽く揉み、優しく指で乳首を転がすと彼女はキスを止め、「あんっ」と声を出しました。
そのまま胸への愛撫を続けると、俺の肩に顎を乗せた彼女の喘ぎ声が熱い息と共に俺の耳に入って来ました。
そして俺の手は彼女のアソコヘ・・・。
濡れやすい子だという事はすでに分かっていましたが、下着の中は予想以上でした。
耳にかかる息はさらに熱くなり、彼女は、「ダメ・・・ダメ・・・」と。
Gパンの中でギンギンになった俺のモノを出し、彼女に握らせると優しく上下に動かし始めました。
俺の中に理性はありませんでした・・・。
彼女の手を自ら止め・・・。
俺「入れてもいい?」
彼女「えっ!ここでするの?」
さすがに驚く彼女。
時間もだいぶ過ぎてきていました。
今からホテルに行くのは不可能でした。
俺「もう我慢できないよ」
俺はそう言うと、「ちょっと待って」と止める彼女の下着をさっと脱がし、シートを倒すと一気に彼女に挿入しました。
彼女「ああ!」
一声彼女は出すと、ぎゅっと俺の体に抱きついてきました。
久し振りの彼女の中の感触・・・、我を忘れたかのように腰を動かしました。
彼女「◯◯さん、◯◯さん」
彼女も叫ぶ様に声をあげます。
その時、俺は彼女に聞きました。
俺「俺のこと、どう思ってるの?」
喘ぎ声をあげていた彼女の口が閉じ、『言ってはいけない・・・』、そんな表情を見せました。
俺「俺は・・・××のこと大好きだ」
そう言って腰の動きをさらに速めました。
彼女「凄い・・・ダメ・・・」
彼女は声を出し、そして「◯◯さん好き!大好き!」と一際大きく叫びました。
その声に反応するかのように俺は限界を迎え、彼女のお腹目掛けて射精しました。
溜まっていた事もありますが、自分でも驚く量が飛び出し、それは彼女の顔にまで掛かりました。
「ハァー、ハァー」
お互いに大きく息を吐き出し、落ち着くまでに少し時間が必要でした。
先に声を出したのは彼女でした。
彼女「凄く出たよ、びっくりした」
俺「俺もだよ・・・」
彼女「もう帰らないとね・・・」
衣類の乱れを直し、彼女が自分の車に乗ると俺は車を降りて・・・。
俺「ごめん、××のこと本気なんだ・・・離れられない」
彼女「・・・うん」
そう言って優しい笑顔を見せました。
「私も◯◯さんが好き・・・でもやっぱり奥さんは大事にしてね」
そう言い残すと彼女は車を走らせました。
自宅に戻ると・・・。
「大変だったね」と妻。
「うん、まあ何とかね・・・」と俺。
その夜も眠る事は出来ませんでした。
『離婚』
その言葉だけが俺の頭の中に溢れていくのを感じていました・・・。
翌日から、俺達の30分の関係が始まりました。
職場から車での移動距離は約15分圏内。
場所を決めると体を求め合う。
それはスーパーの駐車場内であったり、公園のトイレ内であったり・・・。
誰かに見られるかもしれない・・・。
そんな危険も顧みずに俺達はただその時間を過ごしました。
ある日、いつもの様に待ち合わせ、「今日は◯×公園にでも行こうか」と俺が言うと、彼女は「・・・やっぱりもうやめようよ」と一言。
俺「何で?」
彼女「◯◯さんには奥さんがいるんだよ、心配して、それこそ私にまで電話してきた奥さんが・・・。私も◯◯さんとの時間は凄く幸せ。でも家庭を壊すような事はこれ以上続けられない。私にも弱さがあったの・・・ごめんなさい」
そう言って彼女は泣き出しました。
今、思い出しても、この日の俺は冷静さを完全に失っていました。
助手席で泣く彼女を横目に俺は車を走らせました。
彼女「ねえ、分かって。本当に終わりにしないと駄目なんだよ・・・、お願い、戻って」
必死に俺を制止する彼女の言葉を無視して、目的の公園まで車を走らせました。
公園に到着し、車を降りると助手席のドアを開けました。
俺「降りてよ」
彼女「嫌、私降りないから」
彼女が俺に初めて見せる険しい表情でした。
俺「いいから降りてよ」
俺の言葉もきつい口調でした。
強引に彼女を車から降ろすと、トイレの方へ引っ張るように歩き始めました。
俺「俺、決めたんだ。あいつとは離婚する。××とこれからもずっと一緒にいたいんだ」
叫ぶように言う俺に彼女は、「絶対そんなの駄目だから、そんな事しても一緒にはなれない」と返しました。
トイレに着くと押し込むように彼女を中に入れ、俺は鍵を下ろしました。
彼女「お願い、いつもの◯◯さんになって、ちょっと落ち着こうよ」
冷静さを欠く俺に対して、彼女はまたいつもの優しい口調で話してきました。
俺自身、離婚がそんなに簡単に出来るものでは無いことを自覚していました。
そして彼女との関係には必ず終わりの日が来ることも・・・。
でも俺はまだ彼女と離れたくなかった。
彼女からの言葉でこの関係を終わらせたくなかった・・・。
言葉を振り払うように彼女を強く抱き、強引にキスをしながらスカートのホックを外しました。
手で押さえる間もなくスカートが床に落ちると、彼女は必死な声で、「お願い、こんなの◯◯さんじゃないよ、私の好きな◯◯さんじゃないよ」と叫びました。
俺「何を言っても、どんな行動をとってもどうにもならないなら徹底的に嫌われて終わりにするよ」
俺は怒鳴り返し、わずかに濡れた彼女に背後から挿入しました。
これまでの優しい行為ではなく、ただただ激しく腰を動かしました。
彼女「駄目、やめて、お願い」
そんな彼女の言葉も俺の耳には届かず、気が付くと俺の目にも涙が溜まってくるのが分かりました。
俺「××、中で出すからな」
限界の近づいた俺が言うと・・・。
彼女「それだけはやめて、本当に赤ちゃん出来ちゃうよ」
必死に俺から逃れようとする彼女をさらに強く抱き締め、「××!」と叫びながら俺は彼女の中に射精しました。
彼女「なんで・・・」
俺の汚れを拭き取りながら、その場に彼女は泣き崩れました。
衣類を直しながら俺は彼女に言いました。
俺「立派な犯罪だよな、俺を訴えるか?」
彼女は涙を拭くと小さく首を振り、言いました。
彼女「そんな事できる訳ないよ・・・私にも責任があるんだから・・・。でも、もうこんな事しないで。◯◯さんには大事な奥さんがいるんだよ。今日はいつもより遅くなったよ、奥さん心配してるから帰ろう」
俺から酷い行為を受けたにも関わらず、彼女の言葉は優しいものでした。
後悔・・・。
その思いだけが時間とともに強くなり、運転中は涙が止まりませんでした。
待ち合わせた場所に戻り、俺は彼女に言いました。
俺「前にも言ったけど、責任があるのは俺だから・・・。巻き込んで悪かった・・・、何かあった時は連絡して欲しい」
その場で言えるだけの謝罪をして彼女と別れました。
数日後、彼女からメールが届きました。
『あの日、奥さんと喧嘩しませんでした?安心して下さい、生理は来ましたから。私は◯◯さんを恨んだりしません、これからも奥さんを大切にして下さいね』
俺は彼女へ、『これまで本当にありがとう』とだけ書いて返信しました。