夏休みのバイト

2018/05/02

去年の夏休みにしたバイトの話去年の夏休み前、俺と友人A、Bが大学の掲示板を見ていると、変なバイトの募集チラシがあった。
内容は、「日給8000円、避暑地の別荘の引越し作業、
3泊4日の泊り込みで食費と交通費は別途支給」というものだった。
俺が「これけっこうおいしくね?」というと、Aが「チラシの感じだと宿泊先もこの別荘だよな?
楽そうだし電話してみね?」と返してきた。
Bも「別荘地で過ごせて金ももらえるのか、おいしいじゃん」とノリノリで、
3人ともたいして深く考える事もなく連絡先に電話してみる事になった。
電話をするとそこは別荘地の管理事務所?のような場所で、
なぜか俺達は面接も何も無しに即採用された。
この時、少し怪しいと感じるべきだったかもしれない。
当日、俺達は早朝に出発し、午前中のうちに待ち合わせ場所の最寄り駅に到着した。
到着すると既に迎えの車が待っており、中には人の良さそうな40代くらいのおじさんが乗っていて、
道中おじさんが色々と作業内容などを説明してくれたのだが。
ざっと書くと場所は別荘地からは少し離れたところにある2軒の別荘、
老朽化と立地の悪さから持ち主が手放す事になり、どうせ買い手も付かないだろうという事で
取り壊すので中のものを全て運び出すということらしい。
ちなみに、荷物の受け取りに毎日夕方バンが来るが、作業そのものは俺たち3人だけでやるとのことだった。
それと、食事はそのバンが毎回持ってきてくれるので気にすることは無いらしいし、別荘は2件とも
電気もガスも水道も繋がっているし、携帯の電波は届かないが
備え付けの電話があるので不便は無いとの事だった。
また、俺達の寝床はどこでも好きな部屋を使って良いらしいが、後々結局運び出す事を考えたら
入り口近くのほうが良いんじゃないか?とも言っていた。
今から良く考えると、それは完全隔離状態になるのと同じ事で、
相当怪しいのだが当時の俺達は全くそこまで頭が回らなかった。
別荘に到着したとき、俺とA、Bはちょっと引いてしまった。
老朽化していると聞いていたが、予想よりもかなり古いし荒れている。
2軒とも大きな建物で普通の家と変わらない大きさのログハウス風なのだが、
木の壁は黒ずんでいて日のあたっていない場所や下のほうは苔が生えている。
しかも庭は何年も放置していたようで荒れていて、植木は枯れるか枝が伸び放題、
雑草が生い茂りあちこちに蔦が絡まっている。
俺とA、Bが「うわー…」という顔になって立ち尽くしていると、
おじさんが「ま、まあ外見はあれだけど中は結構きれいだよ、と手前側の建物から中を案内始めた。
なるほど、たしかに外見と違い中の方は結構小奇麗だった。
どうも先に少し片づけが進んでいたようで、
玄関を入ると横に棚や段ボール箱が無造作に置かれているが、
それ以外は特に気にするような物もなく、「別荘っていっても普通の家とたいして変わらないのな」
と思いながら室内の案内や作業の段取りの説明を聞いた。
次に隣のもう一つの方の説明になったのだが、
玄関を入るとちょっとカビ臭い、あとなんか妙に陰気な気もする。
おじさんは気にせずあがり説明をし始めたのだが、最後にまだ行っていない
1階の廊下の奥のほうをみながらこう説明した。
「あの奥はやらなくて良いよ、以前雨漏りしてね、それ以来床がモロくなっていて危ないんだ、
奥の部屋には大した荷物も無いし、そのまま取り壊すから」ということらしい。
なるほど、カビ臭いのはそのせいかとちょっと納得した。
一通り説明が終ると、おじさんは俺達に名刺を渡し「じゃ、よろしくね」というと帰って行った。
初日は午後からの作業ということもあり、ある程度片付いている最初に説明してくれた
奥側の建物の二階の荷物を1階に降ろす作業をし、夕方にやってきた
さっきとは別のおじさんのバンに荷物を乗せ、1日目の作業を終らせた。
俺達はかび臭いほうの建物に泊まる気はなかったので、さっき作業をした方の建物のリビングに
寝泊りすることにし、夕食を食い風呂に入ると、疲れていたこともあり早めに寝てしまった。
翌朝、朝飯を食っているとBが変なことを言い出した。
「昨日さ、夜変な音聞かなかったか?」
Aが「変なって?」と聞くと、
Bは「いや、夜ちょっと目が覚めてトイレいったんだけどさ、その時に外から何かを引き摺るような変な音聞こえてきたんだよ…、なんか気味悪くてさ」という。
俺はBが俺達を怖がらせようとしてるんだなと思い「またまたー」と笑いながら言うと、
Bは真顔で「ネタじゃねーって、マジ聞いたんだって」と言い返してきた。
俺は予想外の返事にちょっと面食らっていると
Aが「じゃあちょっと作業の前に周りを確認してみるか?」と提案してきた。
飯を食い終わった俺達は、Aの提案どおり別荘の周辺をちょっと散策してみる事にした。
が、周辺を散策してみたが、草が生い茂っていて先に進めない場所などもあったにはあったが
特になにもなく、Bが動物の歩く音でも聞いたんじゃ無いかという話で落ち着いた。
その日はそのまま奥側の建物の片づけをし、もう1日くらいかかるんじゃないかと思ったが意外と早く
その日のうちに全て運び出せ、作業を完了することができた。
その日の夜、俺が寝ていると隣で寝ているBが俺を起してきた。
BはAも起したらしく、「こんな夜中に何なんだよ」と迷惑そうに聞くと、
Bは「耳澄まして外の音聞いてみろ」と小声で言って来た。
俺とAは何なんだよ…と思いながら聞き耳を立ててみると、
ズズ…ズズ…と何かを引き摺るような音が聞こえる。
俺とAは顔を見合わせ、Bに「…何あれ?」と聞くと、
「俺が解るわけねーじゃん、だから言ったろ?」と返してきた。
動物の音にしてはなんか規則的過ぎるし、そもそもあんな音を立てるような動物は全く想像がつかない。
俺はちょっと怖くなってきていたがAとBに「窓から外を確認してみないか?」と提案した。
AとBも怖かったみたいだが、音の正体は皆気になるので窓のほうへと3人で移動し、
カーテンを少しずらして外を見てみた。
すると、もう一つの建物の玄関のところに何かがいる。
薄暗い月明かりしか明かりが無いので何なのかは良く解らないが、大きさ1mちょっと、
子供くらいのサイズの何かがゆらゆらと揺れながら黒っぽいものを引き摺っているのが見えた。
俺達が声も出せずじっとそれを凝視していると、
それはズリズリと何かを引き摺りながら建物の影へと消えていった。
完全に見えなくなってから更に2?3分過ぎた頃、Aが「なんだあれ…」と声を挙げた。
俺が「人…か?」と聞いたのだが、Bが「あんな小さい人って子供か?子供がこんな山奥に、
しかも深夜にいるか?ありえねーよ」と答えた。
それもその通りだった、では、あれは何なのか。
Aが「…一応、確認しにいくか?」と提案した、その時完全にびびっていた
俺は「いや、どうせ明日あっちの建物の片付けするんだし、その時一緒に確認すればよくね?」と
やたら早口に即答した。
AもBも内心ビビってたらしく、全員そうしようという事でその場は無理矢理寝る事にした。
翌朝、疲れとは明らかに違う理由で俺達の足は重かった。
重かったが、流石に今は昨夜のあれについて確認しないわけにはいかない。
俺とA、Bは近くに落ちていた棒を持ち、恐る恐る昨夜あれがいた辺りの藪を突付き始めた。
暫らくそうしながら別荘の裏側の藪を調べていると、棒の先に何か柔らかい物が当ったのがわかり、
俺はAとBを「おーい、こっちになにかあるっぽいんだが」と呼んだ。
藪を掻き分けて見ると、それはヘドロ状というかなんというか、
どろどろしたなんだか良く解らない黒い色の物体で、
良く調べてみるとそこにあるだけでは無く点々とあちこちに落ちていて、
後をたどっていくと別荘の裏の壁にもベチャッという感じで張り付いていた。
更にその物体の後を辿ってみると、どうも別荘の縁の下のほうにも跡が続いているように見えた。
が、それ以上は何も無い。
縁の下のほうも見てみたのだが、入り口の辺りに例のどろどろした物体があるだけで
奥のほうには無さそうで、俺もAもBもなんか妙に期待はずれというかgdgdになってしまって、
そのまま微妙な空気のまま引越し作業の続きをする事にした。
昼過ぎ、2階部分がある程度片付き出し、そろそろ休憩しとくかとBと話していると、
1階にいたAが「ちょっとこっち来てくれ」と俺達を呼んだ。
1階に下りていってみると、Aは例の雨漏りがして床が腐っているという
廊下の手前辺りにいて、俺達を手招きしている。
Bが「どうした?何かあった?」というと、
Aは「この奥で何かガサガサ音がするんだが…何かいるんじゃねーか?…昨日のあれとか…」
と真顔で言っている。
俺は一瞬ゾクッっとしたが、ビビってることを悟られないように「じゃあ確認してみるか?」と、
行きたくは無いが廊下の奥の方へと歩いて行こうとした。
すると、奥の方からガサッ!ゴトッ!ガサガサ!と何かが蠢く音が聞こえてきた。
全員ビクッ!としていると、Bが「…動物でも入り込んでんじゃねーの?」と
明らかに自信無さそうに言っているが、昨日の今日なので流石に怖い。
しかし確認して安心したいとい…

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