金津園の姫
2022/05/06
俺が金津園で経験した話。
金津好きなら誰でも知ってる高級店、俺なんかだと本当にたまにしか行けないような店なんだが、そこに新人が入って、ネットでけっこう評判良かったから入ってみた評判どおり、可愛い娘で、とても礼儀正しい即即した後、煙草を吸おうと自分のセカンドバックに手を伸ばすと、
「煙草持ってないんでしょ?ハイライトなら買い置きがあるよ」
と、姫がそんなはずは無い、朝新品を開けて、まだ5~6本しか吸ってないはずでもいくら探しても見つからないそれより、何で俺がハイライトを吸ってることを知ってるんだ?
「さっきノワール(喫茶店:仮名)でコーヒー飲んだとき忘れて来たんでしょ、はい、どうぞ」
そう言って、新品のハイライトを空け、火を付けて俺に渡した
「ねえ、何でそんなことがわかるの?ひょっとしてさっきノワールにいたの?」
「ううん(笑)、貴方がコーヒー飲んでた頃は出勤途中で、タクシーの中だったよ」
「え?え?え?」
「うふふ(笑)」
少し気味が悪いなと思ったけど、姫があまりにもあどけなく、可愛いのでとりあえず俺も笑って
「へえ、凄いなあ」
などと言って、その場ではそれ以上追求しなかったそれからしばらくして、
「もうすぐ○○さんにいいことがあるよ」
と姫が程なくして俺の携帯にメールが
「やりましたね、3000円付きましたよ、俺も○○さんに乗ったんで、一気に取り返しました」
中京競馬場に行ってた同僚からだったメインレースだけ頼んで買ってもらった馬券が当たったのだ
「ねっ(笑)」
背筋が一気に寒くなった
「ね、ねえ、な、なんで?」
「内緒っ」
「ちょっと?、マジ怖いんだけど」
「どーしよっかな、わたしの話聞いても引かないでね、お客さんいい人だから教えてあげるわ実はわたし2回目の今日なの」
「はぁ???」
「わたし死んだの」
「そして生き返ったの」
「あたし、今日夜、帰り道で、車に跳ねられて死ぬの」
おいおい、この娘は何を言ってるんだ?・・・薬とかなのか?
「そうしたらね、凄く広いお花畑にいるの、でもお花は白黒なのわたしはどうしたらいいのかわからずうろうろしていると、一箇所凄く明るくなってる場所があって、そっちに近づこうとしたのでも、何だかそこに行っちゃいけないような気がして、やっぱり引き返したのでもその明るい場所は、どんどん大きくなって、私を飲み込もうとしてね、わたし走って逃げて、頑張って走って、そうしたらなんか落とし穴みたいのに落ちたの「お客さん、よく眠ってましたね、付きましたよ」
わたし、マンションからいつもタクシーでお店に来るのね、朝弱いから寝ちゃうこと多いんだけど、運転手さんに起こされて、
「あれ?夢だったのかな?でも凄いリアルだったな」
と思ったんだけど、お店始まっちゃうから急いで控え室に行って、準備したのそれで、最初のお客さんで貴方が入ってきたのよ、私にとっての昨日と同じ貴方が」全身鳥肌が立ち、震えている俺の手を姫は握ってくれた
「でもわたし今回が初めてじゃないの、子供の頃、まだ保育園に入る前なんだけど、同じような経験があるの」
そこまで姫が話した所で、タイマーが鳴った
「あ、時間だね、シャワーは石鹸無しの方がいいんだよね奥さん臭いに敏感だから(笑)」
もう何が何だかわからなくなって、俺も笑うしか無い顔は思いっきり引き攣ってたが最後に
「また来てね」
と言い、DKした姫の舌は何だか冷たい感じがした
「え、でも今日の帰りに・・・車に・・・」
「今日はココの近くのホテルに泊まることにするからきっと大丈夫だよ」
それからしばらくの間、毎日ネットで彼女のシフトをチェックした時々、予約する振りをして、電話で在籍の確認もした
「お客さん、あの娘人気あるんで、すぐ予約埋まってしまうんですよ」
元気に働いてるようで安心した俺が入ってから3週間程で、理由はわからないが彼女は退店したもう何年も前の話何だか誰にも話しちゃいけない気がしたから、ずっと俺の心の中にしまっておいた話