オタクの親友と嫁

2022/01/30

「嫁ちゃんとデートがしたい!」
その一言から、全てが始まった

俺(34)、嫁(28)で結婚6年目の仲の良い夫婦です

嫁は、誰に対してもやさしく、明るい女性です

小柄で子供2人を産んでいるにもかかわらず、結婚前と殆ど変わらない幼児体型

俺には、ヒロシという昔からの親友がいる

コイツはアイドルや、幼女もののアニメ、ゲームが大好きな
いわゆるオタク

しかし暗い訳では無く、元気で面白いオタクです

長身なのに、太っていて女性と話すのが苦手な為か、34で未だに童貞

何度も女性を、紹介しようと試みるが
「2次元の嫁達を、裏切る事は出来ない!!」と
訳の解らない事を・・・

風俗に誘ってみるも
「女性と話せない!
俺の包茎だから笑われる!」と
言い始める

そんなヒロシも、初めはおどおどしていたが、家の嫁とは緊張せずに、話が出来るようになっていった

ヒロシと酒を飲みに行った時は
「俺君の嫁ちゃん、かわい~な!
俺もあんな嫁ほしいな~!!」と
酔うと必ず言いだす

ヒロシは、俺達の結婚記念日には花束を、子供達の誕生日にはプレゼントを持って来てくれた

そんなある日
何時もヒロシに、もらってばかりいる事を、気にしていた嫁が
「今度、ヒロシ君の誕生日でしょう
何か欲しい物とかある~
夫婦でプレゼントさせて!」

暫く考え込んでいたヒロシは
「嫁ちゃんとデートがしたい!
俺、今まで、ずっと一人だったから、嫁ちゃんと・・・」

とても寂しそうに言うヒロシに俺は、胸が熱くなって
「よし!子供達の面倒は、俺に任せて2人で行って来いよ!」
嫁は、何も言わずただ頷いていた

当日、嫁は久しぶりのデートだからなのか、ウキウキしているように見えた
朝早くに起き、入念に化粧をし
おしゃれな服を着て、昼前にヒロシと出かけて行った

家で子供達とゆっくりしようかと思ったが、有るわけないと思いながらも、嫌な想像をしてしまう

だから結局、公園に行ったり
ファミレスで食事をしたり、
して過ごした

そんな心配をよそに、夜の8時頃には2人揃って帰ってきた

ヒロシは俺に、お礼を言って帰って行った

嫁の首には、朝出かける時には無かったネックレスが、かかっていた

俺の心配をよそに
嫁はとても楽しかったらしく
今日、1日の事を饒舌に語っていた

ランチは高級中華を食べ、水族館で遊び、海の見える公園を散歩し、大きい観覧車に乗り、ビルの最上階のレストランでディナー
最後に、今日の御礼と言って
ネックレスまで、買ってもらったそうだ

ヒロシは初めてのデートとは、思えない程、器用に嫁をエスコートしたらしい

俺は思った
あの包茎というコンプレックスを、取り除いてあげられれば、直ぐにでもヒロシは彼女を作れるのではと・・・

直ぐに、ネットで調べてみたら
近所に割りと有名な、包茎手術の出来る病院があることがわかった

ヒロシにその話を、持ちかけてみるも、なかなか、”うん”と言わない

それでも根気よく、絶対お前の為になる、手術すれば、直ぐに彼女が出来ると・・・

説得を諦め、半ば強引にヒロシを車に入れ、病院へと向かった

病院に着くと、観念したのか
素直に中に入ってくれた

その日は、いろいろな検査や、
説明を受けたらしい

そして、数日後ヒロシは手術を受けた
費用は12万弱したらしく、俺はへそくりから、見舞金という名目で半分、出した

ヒロシは術後、最初は痛そうにしていたが、3ヶ月後には、大分良くなり半年後には、殆ど痛みはなくなったようだ

俺は、半年間痛みに耐え抜いたご褒美と、34年間のヒロシの
童貞生活を卒業させてあげようと、風俗へ誘った

ヒロシは首を縦には、振らなかった
そして、
「俺は、最初はどうしても好きな人が良いんだ!!俺が好きなのは、ずっと嫁ちゃんなんだ!
俺君、頼む!最初だけ!最初の一回だけ嫁ちゃんと・・・」

そう言って土下座をしてきた

俺一人では答えを出す事が出来ないので夜、子供が寝たら
我が家に来て貰う事になった

そして、ヒロシは嫁の前で
もう一度、土下座をして自分の
気持ちを全て話した

嫁は最初、困惑していたが暫くすると冷静さを、取り戻し
俺を別室へ連れ出した

「俺君が良いなら、私は大丈夫だよ
でも約束して、私がヒロシ君に抱かれても、何も変わらないって
今までの生活も、俺君の気持ちも・・・」

俺は嫁を強く、抱きしめた

そして当日、ヒロシは前回と同じように、昼間のデートを楽しみたかったようだが、嫁は断固
拒否したらしい

夕方、ヒロシは迎えに来た
嫁も前回のように、ウキウキした感じではなく、重苦しい空気の中、二人は出かけていった

俺は子供に食事を食べさせたり
風呂に入れたり、寝かしつけたりした
子供にいろいろしている間は
良かったが、いざ一人になる
と・・・

大量に酒を飲み、ふらふらになりながら、布団に転がった
しかし、眠れる筈もなく時間だけが過ぎていった

夜中の11時頃、嫁は帰ってきた
シャワーを浴び、俺の寝ている寝室に入ってきた

何も言えずにいる俺に、嫁は自ら抱きついてきた

激しくキスをし、俺はもうテクニックなど関係無しに、何かを取り戻すように、激しく愛し合った
朝まで、何度も何度も・・・

外が明るくなる頃には、二人とも力尽き笑った

「まだまだ、俺も元気だな!」

「なんか新婚当初に戻ったみたいだね~」

次の日からは、何時もと何も変わらない生活が待っていた

嫁もヒロシも、あの夜の事はいっさい話さない

暫くして、ヒロシと飲んでいる時に何気なく、聞いたら
ホテルに入る前に嫁に

「今日これからの事を、絶対
誰にも話さないで!!
もし誰かに、話したら私は
あなたを、一生許さない!」

と言われたらしい

それと、ヒロシが今日の御礼がしたい、プレゼントさせて欲しいと言っても

「何の御礼か解らないから
要らない」
と、頑なに断ったそうだ

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