ジョギング②
2018/04/18
早朝の遊歩道で全裸になったあの日・・・
あの極限の緊張感と興奮は、私の気持ちをすっかり虜にしていました。
自分のマンションまで戻って来た時点で『土曜日の朝もまた行く』と、すでに決心
していたぐらいです。
『屋外でヌードになる』
こんな大胆なことをできる機会は、もう二度とないかもしれないのですから。
あの興奮を味わう唯一のチャンス・・・
引っ越し直前のこのチャンスを絶対に逃せませんでした。
そして3月22日、土曜日の朝・・・
もちろん私は、早起きをしていました。
前夜から興奮してしまっていて、夜明け前から目が覚めてしまいました。
今日は引っ越しの前日です。
屋外で服を脱ぐというチャンスは今日が最後です。
今日も遊歩道に行くことにためらいはありませんでした。
前回のように『数日後には、この町からいなくなる』というのと、
『明日、引っ越してしまう』というのとでは、また一段と気分が違いました。
たとえ誰かに見られたりするようなことがあったとしても、その場さえ切り抜けれ
ばどうということはありません。
もちろん、万が一に見つかった場合に直面する危機が薄れるわけではありません。
決して『見つかってもいい』というわけでもありません。
そこのところはきちんと認識しています。
ただ、少なくとも『そんな行為をしたことがばれて町を歩けなくなる』というよう
な心配はありません。
このことは気持ち的にもずいぶん大きくて、大胆になれそうな気分でした。
(まだ少し早いかな。)
そう思いつつも、目が覚めてしまっていた私はベッドから出ました。
心配していた天気ですが、おとといとは違って今日は晴れのようです。
たったそれだけのことでも、ずいぶん嬉しい気分でした。
やはり先日のような雨だと、服装からしてどうしてもやりづらい部分が多いので
す。
私は、着ているものを全て脱ぎました。
部屋の中で全裸になります。
(部屋の中なら、なんでもないのに。)
(どんな格好だってできるのに。)
まだ3月ですので、普通でしたら上下ともトレーニングウェア(というかジャー
ジ)を着るべきところです。
でも下半身はジャージではなく、競技用のショートパンツをはくつもりでした。
Sパンツの中には、インナーの下着をつけませんでした。
肌に直接Sパンツをはいたのです。
このSパンツは、丈が非常に短いのに、ぶかっとした形をしている陸上競技用のも
のです。
次に、裸の上半身に、そのまま直にジャージを着ます。
少し迷ったのですが、スポーツブラをするのはやめました。
これだと走ったときに胸が跳ねて走りづらいのはわかっています。
ただ、スポーツブラを着けたり外したりするときの煩わしさは、おとといの行動の
際にもそれなりにネックでした。
そもそもジョギング自体が目的なわけではありません。
変な話、走らずにずっと歩き続けでもいいのです。
鏡の前に立ちました。
上がジャージで、下がSパンツ。
季節的には、下もジャージをはくべきなのですが、あえてそうしません。
アンバランスといえばその通りですが、思ったほど不自然でもありません。
それと、今日はほんの少しだけですが、ナチュラルな程度にメイクをしました。
特に意味があるわけではないのですが、こうすることによって自分の気持ちが高ま
るような気がしたのです。
準備を終えた私は、いよいよマンションから外に出ました。
時間帯としては、前回より30分以上早いはずです。
外はまだ真っ暗でしたが、予想外に寒さはほとんど感じませんでした。
冷たい雨が降っていた、おとといの寒さが嘘のようです。
特にSパンツから伸びる両脚は、太腿のほとんどつけ根まで生肌を丸出しにしてい
ますので、寒かったらつらいところでした。
私は遊歩道へと向かって歩きはじめました。
まさか『慣れ』だとは自分でも思いませんが、頭は非常に冴えて落ち着いていまし
た。
でも一方では、無意識に『早くあの場所に行きたい』という気持ちがあるのか、ど
うしても自然と早足になってしまっていました。
マンションから遊歩道まではそれほど遠くありません。
夜明け前の時間帯ということもあって、道路に人の姿はありませんでした。
歩きながら、おとといの行動を思い出して興奮してきます。
遊歩道の真ん中で、服を全部脱いで丸裸になったのです。
まともなOLとして日々を過ごしているこの私がです。
常識の殻を破る行為に、考えるだけで胸がドキドキしてきます。
(今からまたあの興奮を味わうんだ。)
思わず、ぶかっと広がっているSパンツの裾に手を忍ばせていました。
極端に裾の短い、競技用Sパンツです。
すぐにデリケートな部分に指先が届きます。
指先に触れるのが下着の布地ではなく素肌だということが、私の気持ちを煽りま
す。
早くあの四つん這いポイントに到着したくて、いてもたってもいられないような気
持ちになってきました。
誰に急かされるわけでもないのに、気持ちが昂ぶってきて焦るような気分になって
きます。
遊歩道の入口に着きました。
そこには、車止めの金属の棒が設置されています。
地面から伸びるように立っている棒の間をすり抜けます。
これでもう、車やバイクを気にする必要はありません。
そのままS字カーブを目指して歩き続けました。
遊歩道は、住宅街の中を通る川沿いにあります。
遊歩道を歩いていく私の左側が川のフェンス、そして右側はずっと住宅の建物が続
きます。
今日は雨の音もなく、静かなものです。
遊歩道に入ってからずっと人の姿はありませんでしたが、1度だけ犬を散歩させて
いるおじさんとすれ違いました。
まだ何もしているわけではないのですが、人の姿を見ただけで『ドキッ』としまし
た。
あらためて『いつ人が通ってもおかしくない場にいる』ということを自覚させられ
ます。
10分も歩いたころ、後方の空が少し明るくなってきました。
やがてS字カーブの入口が見えてきます。
それだけで何だか息苦しくなってきました。
無意識に緊張感が高まってきているようです。
(いよいよね。)
カーブの入口にさしかかりました。
いままで歩いてきた後ろの直線を振り返ります。
だいぶん明るくなって、かなり遠くまで見渡せますが、直線にはずっと人の姿があ
りません。
ここからは時間との勝負です。
すぐに駆け出して、そのままカーブを走り抜けます。
S字の出口まで走り着きました。
その先の直線に目を凝らします。
こちらサイドからも、やって来る人の姿はありませんでした。
これで少なくとも数分の猶予はあるはずです。
(よし。)
すぐに反転し、急いでS字の中央部分に走って戻ります。
カーブの真ん中まで来ました。
住宅街の遊歩道・・・、その唯一の死角です。
ついに、待ち遠しかったこの瞬間が来たのです。
何も問題はありません。
(大丈夫・・・、できる。)
前開きのジャージのファスナーに手をかけます。
いちばん下まで降ろし、外しました。
心臓のドキドキが普通ではありません。
ジャージを脱ぎ捨てました。
上半身がヌードです。
ストラップに付けて首からぶらさげた鍵以外は何も身につけていません。
おっぱいが震えるように『ぷるぷる』しています。
誰もいないのに恥ずかしくて、めまいのようなクラクラ感に襲われます。
前回と違って、今回は雨が降っているわけではありません。
あのときにはわかりませんでしたが、雨はある意味カーテンのような役割を果たし
ていて、精神的な部分で裸になるうえでの助けになっていたようです。
薄暗くて視界が悪い分、周りに気をとられず、行為に集中しやすい環境だったのか
もしれません。
でもこの日は晴れていました。
周りの状況が非常に気になって、過敏に警戒心が働きます。
すごいプレッシャーでした。
この状況で下まで脱いでしまおうというリスキーな行為に、心をときめかせている
私がいました。
気持ちが昂ぶります。
躊躇することなく、おへその下に手を持っていきました。
Sパンツのウエスト部分の中に通っているひもの結びを解いたのです。
ウエスト部分を広げます。
手を離すと、Sパンツは太腿から足首のところへと『すとん』と落ちました。
下半身が丸出しになります。
でも、まだまだです。
Sパンツまで完全に脱ぎ去ってこその、全裸の興奮なのですから。
気をつけなければいけないのは、足首から抜くときです。
裾がぶかぶかした競技用とはいっても、注意しないとすぐにシューズが引っ掛かっ
てしまうからです。
ですから足首の関節を伸ばしながら、Sパンツの布地を引っ張るような感じでシュ
ーズごと裾から抜かなければなりません。
自分では落ち着いているつもりでいても、やはりどこか冷静さを欠いているのでし
ょう。
ちゃんとわかっていながら気をつけて脱いでいるのに、シューズを裾に引っ掛けて
しまいました。
落ち着けばすぐに直せますし、全然たいしたことでもありません。
でも、こんなにほんの些細なトラブルをきっかけに、急に頭がパニックになりま
す。
(やっ、いやっ)
『服を着ていないことによる恐怖心』が、パニックを加速させます。
それでもなんとか足首を抜きました。
脱いだSパンツを、ジャージの上に落きます。
ついに完全にオールヌードになりました。
(あ、あ。)
(やっちゃった。)
一糸まとわぬオールヌードの心細さで堂々としていられません。
ついつい内股になって、背中を丸めたような姿勢になってしまいます。
前回も書きましたが、体の一部を露出するのと、完全に服を脱ぎ捨てて全裸になる
のとでは、100倍も緊迫感が違います。
体の一部でも服に通っている状態と…