毎回同じ女店員のところでAVを借りてみたところ

2018/02/28

男「え?」
女店員「あ、思わず本音がポロっと出ちゃいました」
男「ああ、AVだけに?」
女店員「そうですね」
男「ていうか、店員さんのとこに並んじゃうのはたまたまですよ」
女店員「ふーん」
女店員「それにしても、三日に一回ぐらいのペースで来てますね。
飽きないんですか?」
男「いやあそれほどでも」
女店員「こんなにも毎回借りて大丈夫なんですか?」
男「元気があり余ってるんですよ。
ていうかボクのからだの心配してくれたんですか?」
女「私はお財布の心配をしただけなんですけど」
男「そっちですか」
女「ほかにべつの意味があるんですか?」
男「いやいや! ありません!」
男「それにひとりで借りてるわけじゃありませんからね」
女店員「そういえば、友達と一緒に来たりしてますね」
男「そうなんですよ。ボクはそれに付きあわされてるだけ、みたいな?」
女店員「そのわりには、アダルトコーナーから一時間ぐらい出てきませんよね?」
男「友達と相談してるんですよ」
女店員「相談? まさかみんなでこんなものを見てるんですか?」
男「ちがいますよ」
女店員「私の中のあなたの評価がさらに落ちるところでした」
男(ナニを想像したんだろ、この人)
男「ボク寮に住んでるんですよ」
女店員「そういえばこの店のそばに大学の寮がありますね」
男「そうそう。そこに友達もけっこういるんで、みんなで借りたのを交換したりしてるんですよ」
女店員「じゃあ、べつにみんなで見てるわけじゃないんですね」
男「さすがにそれは気持ち悪いでしょ」
女店員「こんなものを貸し借りしてる時点で、けっこう気持ち悪いです」
男「このほうがお財布に優しいでしょ!」
女「はいはい、わかりました。それにしても……」
男「なんですか?」
女「毎回借りてくものが企画物か、ある女優さんのだけですね」
男「そ、それは……」
女店員「まあ、男の人はこういうものが好きですもんね」
男「り、理解してもらえて嬉しいです」
女店員「それで?」
男「へ?」
女店員「期限はどうしますか?」
男「えっと、一泊二日で」
女店員「お友達と貸し借りするのに一泊二日で大丈夫ですか?」
男「……やっぱり二泊三日でおねがいします」
女店員「はい、わかりました。じゃあ期限は守ってくださいね」
男「はい!」
男(ヤバイ! ジト目ってああいうのを言うんだな!)
男(首絞めとかおもらしさせる系とか好きだったけど)
男(今度はちょっとちがうのも借りようかな)
友「お前おせーよ。なにあの店員さんと喋ってたんだよ」
男「秘密。ヤバイわ超かわいいわー惚れたわー」
友「お前、口きいてもらえた女全員にたいしてそう言ってるよな」
男「ちがうちがう。マジでかわいい」
友「まあたしかに。
あの店員さんは可愛かったな。
ていうかお前なに借りたの?」
男「これとこれ」
友「またこの女優かよ。あとは『即ズボッ』って……」
男「うるせーな、お前こそパンストがどうとかOLがどうとかつまんねーわ」
友「企画物よりマシだわ」
男「はっ!?」
男「企画物のよさが理解できないとは情けない」
友「語るな、気持ち悪いから」
男「お前にはオレの趣味のよさはわからんだろうな」
友「ていうかさ、毎回あの店さんところに並ぶんだったらさ」
友「今度行ったときレンタルビデオ店でエッチするやつ借りろよ」
男「ああなるほど! お前天才だな!」
男「じゃあ今から即効で抜いてまた借りてくるわ!」
友(そこまでするか)
男「またレンタルしに来ました!」
女店員「……」
男「どうかしましたか? 顔が引きつってますよ?」
女店員「……レンタルしにきたんですか?」
男「はい! あと、これ返却おねがいしますっ」
女店員「まだ、さっきの借りてから二十分もたってませんよ」
男「だってうちの寮ここから五分もないんですよ?」
女店員「そういうことじゃなくて。もう見たんですか?」
男「はい! 今回のは外れだったんでまた新しいのを探しに来ました!」
女店員「……そうですか」
女店員「今回は選ぶのが異様に早かったですね」
男「もうタイトルで即決しましたから」
女店員「……」
男(『レンタルビデオの店員さん強引にヤッちゃいました』ってタイトルで選んだけど)
女店員「へえ」
男(ちょっと顔が赤くなってる)
女店員「……」
男(さあ、どうなる!?)
男「大丈夫ですか店員さん?
なんだか顔が赤いですよ?」
男(ここでキメ顔でダンディな声でこう質問すれば……)
女店員「……サイテー」
男「え? もう一度言ってもらっていいですか?」
女「最低だって言ったんです!」
男「ひっ!」
男(恥ずかしくて顔を赤くしたのではなく、怒って顔を赤くしたのか!?)
男「ちがうんです! 聞いてくださいっ!」
女「なにを聞けって言うんですか? どう考えてもこれって……」
男「……これって?」
女「その……アレです……」
女店員「と、とにかく最低です……」
男(ほっぺが赤くなってる上にちょっと目が潤んでる。なんかイイな)
女店員「……七泊八日ですね」
男「え?」
女店員「レンタルの期限の話です」
男「な、なんで勝手に一週間にしちゃうんですか?」
女「これまでのやりとりから察してください」
男(うわ、これ本気で怒ってるヤツだ)
男「聞いてください! あなたはきっと誤解をしているんですっ!」
女店員「いったい私がなにを誤解してるんですか?」
男「本当はこんなことは言いたくなかった! だけど……!」
女店員「早く言いなさい」
男「はい。
実はそのDVDはボクのツレから借りてこいと、
言われたものなんですよ」
女店員「……それで?」
男「ソイツがどうしても、レンタルビデオ店のお姉さんとチョメチョメするのが見たいっていうから……」
女店員「つまり仕方なく、ってことですか?」
男「はい! ボクはAVなんてどうでもいいんですよ!」
女店員「ふーん」
女店員「じゃあひとつ聞きますけど」
女店員「毎回その手のものを借りるたびに、私のところへ並ぶのはなんでですか?」
男「え?」
女店員「わざわざ私のところへ足を運んでくれてますけど。どうしてですか?」
男(このジトっとした目つきがまたたまらないっ!)
男(って、そうじゃなくて!)
男「それも、実は毎回友達におどされていて……」
女店員「あくまで自分は悪くない。そうおっしゃるんですね」
男「ええ。ボクは身も心もスプラッシュして真っ白ですからね。あはは」
女店員「……」
男(さすがにこの言い訳はキツイか?)
女店員「わかりました」
男「し、信じてくれるんですか?」
女店員「正直、どうでもよくなってきました」
男「よかった、本当によかった。信じてもらえなかったら、もうここには来れませんでしたよ」
女店員「信じなければよかった」
男「もう遅いですよ」
女店員「はいはい。せっかくなのでこれを渡しておきます」
男「!!」
男(まさかメアド!? いや、ケータイの番号か!?)
男「……これなんですか?」
女店員「クーポンです」
男「なんだ、クーポンかあ」
女店員「なにが不満なんですか? 五枚借りても千円でおさまるようになるんですよ?」
男「まあそうですけど」
女店員「なにをガッカリしてるんですか?」
男「いえ、なんにもです。ただ、自分は改めて馬鹿だなあと思いました」
女店員「よくわかりませんけど。はい、DVDになります」
男「はい、また来ます」
女店員「あなたは貴重なお客様ですが一週間は来ないでもらえる嬉しいですね、私が」
男「くうぅ~」
男(毒舌だ! これもなかなかいいなあ)44 名無しさん@おーぷん …

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