ライバルだった親友の結婚式で謝罪と感謝を述べた
2018/01/27
書き溜めは無し
20代の半ばから後半なら共感してもらえると思う
俺は友達がなかなか出来なとタイプ。
社交的で八方美人なんで、知り合いは多く出来ても
心を許せる友達はこ そんな気難しい俺は友達ってのにすごく憧れてた
親からもよく、友達居る?って聞かれて苦しかった。
んで、15歳でやっと友達ってよべる奴が出来て
同じ高校に行った。
本当にうれしくて、こんなめんどくさい俺とに付き合って
くれる唯一の親友だった。
クラス分けで
親友は文系
俺は理系で2年から接点は減ったものの
一緒に下校する仲は変わりなかった 大学はお互い違うところ合格した。
俺は関西
親友は関東の国立大学だった。
このときから、お互いどちらが優秀か競い合うようになっていた。
偏差値では俺の方が良い大学だったが
親友はTOEIC900をたたくバイリンガルで
非常に優秀だった。
分野は違えど、いつも親友をライバル視していた 親友は容姿もハイスペックで非の打ち所がなかった。
それに比べ、俺は欠陥だらけで
サラブレッドとポニーだった
俺はファッションセンスを磨くしかなかった
親友は服に大金をかけるのはナンセンスと言いシンプルな服装だった
俺はミハラヤスヒロやナンバーナイン ギャルソンなんかを好んで着ていた
この時までは仲が悪いって感じは一切なく、価値観が違うけどおもしれー奴って感じだった 親友のことを親友と呼べなくなったのは大学 それは就職先だった
親友は外資系企業で俺は日本の老舗企業だった。
ここで価値観の違いが楽しいって思える仲から
こいつとは合わない
働くスタンスが違うと思った
親友は学歴コンプレックスがあるのか、外資で一緒に働くやつが
ハーバードだとか、ケンブリッジだとか
とにかく学歴のことしか言ってこなかった。
俺はもう、こいつとは腹を割って話せないと思った。
大学三年の冬に会ってから、俺は親友に会うのをさけた。
働きだして1年目はちょくちょく連絡来たが、内容はいつも
パーティーを開くからコネ作りに参加しに来い
お前も高学歴をつれてこい
だった
うんざりした俺は、今後も参加する旨はないこととを告げた 大学3年の冬から5年間会わなかった。
俺はその間に結婚した。
嫁は俺に友達が少ないことを何とも思っていなかったみたいだけど
酔っぱらって一緒にお風呂に入ったとき、思わず親友のことを話してしまった。
結婚式にも呼んでいないけど
俺には親友が居ると 嫁から、そして数少ない友達からも
親友に会わないのかと時々聞かれていたけど
正直、怖くて会えなかった。
見窄らしい自分とサクセスストーリーを歩んでいる親友とではあまりにも
違いすぎた。
もう自分が親友のライバルで居ることが出来ないのが悔しかった。
ライバルとして居れない悲しみは、彼女と別れる時の比ではなかった
自分に落胆し、親友に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになった 俺の心な中にはいつも親友が居た。
会社で嫌なことがあっても、親友なら難なくこなすだろーなーっと思い
心を奮起させた。
モチベーションが下がりそうな時は、親友なら仕事に対してどう向き合うかを
想像して負けないように頑張った 俺は親友に感謝してることに気づいた。
気づけたのは働いて4年くらい経ったときだった。
そのとき、初めて負けを認めたのかもしれない。
俺は兎に角、負けを認めないために会うのが嫌だったのかもしれない。
逆転したら会おう
そういう魂胆だったのかも。
感謝を意識するようになってから
会いたいって気持ちと
今の俺と会って、俺はあいつの刺激になれるのかと不安にもなった そんなウダウダして思いとは裏腹に
仕事、プライベートは多忙を極めていった
親友のことを考える時間などほとんどなくただ毎日を熟していった。
変化が訪れたのは、去年の冬だった。
俺は念願の資格を取得することが出来た。
この時、俺は少しだけ昔の自分を取り戻したような気がした そして今年の春、俺は親友から連絡を貰った。
内容は結婚式を行うから、参加してくれないかと言うことと
スピーチをしてくれないかと言うことだった 俺は正直悩んだ。
大学3年の冬までの親友しか知らない。
もっと適任が居るのではないか
そう思ったが、資格をとれた自信が少し俺を後押ししてくれた。
参加の旨を伝えた。
かなり大規模な結婚式だったのでリハーサルなるものが
関係者集め行われた
俺は新郎 友人代表スピーチだったが
トップバッターでのスピーチだった
これは親友きっての願いで
ウエディングプランナーがどう説得しても聞かなかった。
ちなみに、そのリハに新郎、新婦は居ない。
親友に会うのは本番だけだった
結婚式の1週間ほどの前に親友から手紙がきた
当たり障りの無いスピーチはやめてくれ
俺がお前にスピーチを依頼したのは、お前のことを親友だと思い
ずっとお前に負けないように努力してきたからだ
お前の言葉で、お前の本音で話してくれと書いてあった 俺は泣いた。
うれしい気持ちと、ライバルになれていない自分が悔しかった。
結婚式当日
俺はむちゃくちゃ緊張していた。
普段まったく緊張しない俺が、冷や汗をかいて
つねにソワソワしていた。
席は一番前列の真ん中だった。
定刻になり
聞き覚えのあるウエディングメドレーとともに親友夫妻がエントランスから入場してきた 少し入ったとこで挨拶した後音楽が変わった
その歌は結婚式の歌にはふさわしくなく、ジャパニーズヒップホップだった
ヒップホップといっても激しいやつではなく、ゆるいやつ。
親友が高校の時毎日聞いていた曲で
その曲は俺が親友におすすめしたやつだった。
俺は決心した
その時まで、2パターンのスピーチ内容を考えていた。
結婚式は親友の晴れ舞台であるともに、奥さん、家族、会社、関係者
すべての人のものであるので
本音のスピーチに決心がついていなかった 夫妻がゆっくり高砂まで歩いて来て
前を向いた瞬間 俺は親友と目が合った
相変わらず奇麗な二重で目に曇りがなかった。
俺は笑った。
親友も笑った。
そこから自分がスピーチ始まるまで、あまり記憶がない。
自分が紹介されて
高砂の横に立ち、スピーチを始めた。
俺はまず、ライバルで居れなかったことを親友に謝罪した。
異例の文頭に会場がザワついたけど
俺はかまわず続けた。
そして感謝の気持ち
おもでとうの気持ち
ずっと俺の憧れであり ライバルで…