夫のいとこの高校生と海辺でふたりエッチ

2018/12/18

海を見て、優良は、やっと物思いから開放されたような気がした。
優良は、東京から2時間ほどの、ある小島に来ていた。
ここには、真の父の実家がある。
真の祖父母は、真と優良が結婚する前に亡くなり、今はその家には、真の父親の弟、つまり叔父の家族が住んでいる。
家のすぐ近くには、小野田家代々の墓があり、少年時代の真は、夏休みになると遊びに来て、海で泳いだり、かぶと虫を捕って過ごしたという。
今年の夏は、真の仕事が忙しく、まとまった休みがとれそうになかった。
そこで、墓参りがてら、真の叔父の家で、短いバカンスを過ごそうということになったのだ。
真は、今日の夕方、東京から着くことになっている。
一足先に出発したら、という真の提案に、優良は、甘えることにした。
一日でも早く東京を離れたかった。
山田をできるだけ避けたいというのは、もちろんだが、ずるずると、あのまま流されていきそうな自分が恐ろしかった。
「ほんと、きれいな所ね、連れてきてくれてありがとう」優良は、かたわらの少年にほほえみかけた。
少年は、まぶしそうな顔をして、はにかむ。
真の従兄弟、高校生の真一だ。
右腕に包帯を巻いて、首から提げている。
自転車の無理なこぎ方をして、転んで骨折したのだという。
遊びにもいけず、ひまそうにしていた真一に、優良は、砂浜への案内を頼んだのだ。
案内といっても、叔父の家からこの小さな砂浜までは、歩いても5分ほどしかかからなかった。
優良が、いきなりTシャツを脱いだので、少年は、あわてて目を背けた。
もちろん、シャツの下は水着だ。
(ちょっと、大胆だったかしら……)優良も、少し顔を赤らめた。
光沢のある生地の水色のビキニは、今年の六月に東京のデパートで、真と一緒に選んだものだ。
優良のこの水着姿は、真も、まだ見ていない。
真一の真っ赤な顔を見て、悪いとは思いながら、優良は、くすくすと笑ってしまった。
(かわいいな。真さんも、こんな感じの男の子だったのかしら)真一とは、東京で行われた優良たちの結婚式で会って以来だった。
そのときの真一は、まだ半ズボン姿の小学生だったのだが、今や身長は真と同じくらいで、高校の剣道部だという少年は、細身ではあるが、すっかりたくましい体つきになっていた。
二人は、砂浜にビニールシートを引いて、そこに座った。
普段から地元の人間しか来ないような砂浜で、今も、優良たちのほかには、小さな子どもを連れた母親がいるだけだ。
空は、真っ青に晴れ渡り、水平線上には、入道雲がのしかかっている。
午後の太陽は、さんさんと照りつける。
優良は、ビーチバッグから、サンオイルを取り出すと、胸や、わき腹に塗りつけ始めた。
真一は、目のやり場に困って、固まったように海を見ている。
Tシャツにジーパン姿で、スニーカーを履いているので、水に入ることもできない。
「ぼ、ぼく、ジュース買ってくるよ」急に思いついたのか、せきこみながら立ち上がろうとする。
「おねえちゃんも、なにか飲む?」
「あ、わたしはいらないわ」優良が、バッグから財布を取り出す。
「いいよ、自分で出すから!」真一は、子ども扱いされたと思ったのか、少しむくれる。
「いいから、もってらっしゃい」優良は、少年の左手を取って、お金を握らせ、その顔をのぞきこむようにして、微笑む。
立ち上がりかけた真一は、豊かな胸の谷間を見下ろす格好になった。
小さなビキニの布では、とても隠し切れないほどだ。
「い、いってくる!」真一は、優良の手を振り切るようにして立ち上がり、砂浜を走ってゆく。
砂に足をとられて転びそうになる。
その様子に、優良は、また吹き出してしまう。
防波堤の外側の自動販売機の前で、真一は、やっと一息ついた。
先ほどの映像が、頭にちらついて、離れない。
(はあ、びっくりした。赤ちゃんのおしりみたい……)缶コーヒーを買い、深呼吸をする。
年頃の少年にとって、年上の女性に笑われるのは耐え難いことだ。
これ以上、ぶざまなまねはできない。
真一は、無理に真面目くさった顔を作って、砂浜に戻る。
砂浜の優良の姿を見て、真一は、途方にくれてしまった。
ビニールシートの上で、優良は、うつぶせに寝そべり、こうら干しをしている。
長い髪は、邪魔にならないようにうしろでまとめている。
ビキニの背中のひもが外され、体の下で押しつぶされている乳房が見えていた。
優良の美しい背中を見下ろしながら、真一は、呆然と立ちすくんだ。
真一の気配に気づいて、優良が、目をつぶったまま、声をかける。
「真一くん、悪いんだけど、背中にオイル塗ってくれない?」真一の頭の中は、もはやパニックになり、ばかのような顔をして、あえいでいるばかりだった。
優良が、オイルの瓶を手にとって、立ったままの真一に渡そうと少し上半身を上げたので、ピンク色の突起まであやうく見えそうになり、真一は、あわてて瓶を受け取った。
どうしていいか分からず、あたりを見回すが、幸か不幸か、親子連れもいつのまにかいなくなっていた。
でくの棒のように突っ立ったままの真一の当惑を、優良は、知ってか知らずか、再び目をとじ、さも当然のように、少年の手を待ち受けている。
追い詰められた真一は、片手で苦労しながら、なんとか手のひらにオイルをとった。
震える手を優良の背中に伸ばす。
(わたし、子供相手に、なにをしてるんだろ……)表面上は、何食わぬ顔をよそおいながら、優良は、真一の手が触れるのを、胸をどきどきさせながら待っていた。
若い従兄弟をからかっていることに罪悪感を感じながら、一方で、わくわくするような楽しさがあった。
とうとう、真一の手が、優良の背中に触れる。
優良は、一瞬、体をぴくりとさせたが、何も言わず、目をつぶったままだ。
真一は、ぎごちない手つきでオイルを伸ばしていく。
顔から火が出そうになりながら、初めてふれる若い女性の素肌に、素直に感動する。
(女の人の体って、なんて柔らかいんだろう……)目を閉じたまま、優良が、低い声でつぶやく。
「真一くん、真さんて、昔はどんなひとだったの?」ふたりは、話し始めた。
学生時代の真のこと、祖父の思い出、真一の学校のこと、進学のこと。
「真一君は、ガールフレンドはいないの?」優良の突然の質問に、真一の顔が真っ赤になる。
「い、いないよ……!」
「あら、昨日の女の子は?」昨日の夕方、優良が東京から到着した時、真一の同級生の女の子が、ちょうどお見舞いに来ていたのだ。
かわいらしいおかっぱの少女は、優良にもきちんと挨拶して帰った。
「あいつは、そんなんじゃないって!」真一は、口をとがらせて抗議をするのだが、優良は、くすくす笑っているばかりだ。
いつのまにか、真一は、女性とふたりきりで話していることに、気後れを感じなくなっていた。
剣道の話につい夢中になり、気が付くと、話しているあいだ中、ずっと手が背中に置かれたままだった。
「あ、ごめんなさい!」あわてて手を引っ込めるが、優良は、無反応だ。
そっと顔をのぞきこむと、安らかな寝息を立てている。
(眠っているのか……)真一は、再びそわそわしはじめる。
かたわらに、裸にちかいような格好の年上の女性が、無防備に眠っているのだ。
きょろきょろと、あたりを見回し、だれも見ていないのを確かめると、顔を、優良の背中に、ゆっくりと近づける。
サンオイルの香りの奥から、女性特有の甘い匂いが立ち上ってくる。
真一は、そのまま顔を近づけ、背中のくぼみに、そっとくちづけをした。
突然、怪獣のうなり声のような音が響き渡り、真一の上半身は、ばねのように跳ね上がる。
沖合いで、貨物船が、霧笛を鳴らしたのだ。
犯行現場で警笛を鳴らされた犯罪者のように、真一の体は、固まってしまった。
優良が、ぱちりと目を開け、首を上げた。
体が麻痺してしまったかのような真一を横目に、優良は、さっさとビキニの紐を背中で結ぶと、体を起こした。
優良は、何も言わないが、真一には、気づかれたような気がしてならなかった。
ちらちらと、優良の方を盗み見るが、その横顔からは、気づいたようなそぶりは、まったくうかがえなかった。
心の中で、疑心暗鬼にのたうちまわっている真一を尻目に、優良は、立ち上がって、海のほうへ走り去ってしまった。
波打ち際にすっくと立って、水平線上の貨物船をみつめる優良の後姿に、真一は、思わずみとれてしまう。
優良は、水の中に入り、しばらく波と戯れていたが、すぐに、真一のところへ戻ってきた。
「真一くん、秘密の隠れ場所に連れて行ってよ」
「え?」昨晩、優良を囲んでの夕食のとき、真一は、そのことを話した。
この近くの、外からはみえない場所に、もっと小さな浜辺があり、真一は、友達とよくそこで遊ぶのだ。
「う、うん」真一が、立ち上がり、先に立って歩いていく。
砂浜をはずれまで行くと、崖が突出していて、一見行き止まりに見えるのだが、よく見ると、海の中から岩が飛び飛びに突き出ている。
片手が不自由にもかかわらず、真一は、ぴょんぴょんと身軽に飛んで、その向こうの磯に降り立つ。
優良も、おっかなびっくり岩を飛んでゆく。
なんとか磯にジャンプしたが、バランスを崩しそうになり、真一がとっさに伸ばした左手につかまる。
ビーチサンダルでは、ごつごつした岩場は歩きにくく、二人は、手をつないだまま、小さな磯を越えた。
「まあ、かわいい!」ままごとのような小さな砂浜に降り立ったとき、優良は、小さく叫んだ。
高い岩壁と磯に三方を囲まれた浜辺は、先ほどまでいた砂浜からは、全く見えない場所にあった。
優良は、真一をおいてけぼりにして、水の中にじゃぶじゃぶと入っていく。

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