Y美

2018/09/24

中3の夏休みに自転車で遠出してて疲れたので
途中の本屋でアイス買って駐車場で休んでた。
蒸し暑くて夕立が来そうな天気だった。
何気なく入り口を見ると、同じ学校のY美が店の前
に自転車を止めた。
あ、Y美だ・・・・と声を掛けたが、聞こえないのか
そのまま店に入って行った。
帰るつもりだったが、Y美の私服が薄いピンクの
ブラウスがかなり可愛くて、(普段の制服姿以外見てない事もあり)
気が付くと俺も店に入っていた。
でY美はかなり話にくいタイプ。
背が高くてTBSの岡村仁美みたいな感じで
当然、男からかなり人気があった。
俺は偶々この夏の公開模試でY美の隣になり、
中学3年になって初めて会話した程度の仲でした。
店に入ってざっと見渡す。客はあまりいなかったのですぐ
Y美が見つかった。女性ファッション誌の通路をY美が物色している。
俺は対面側の通路を通り、Y美が止まった辺りで本を探すふりを
していた。
実際、最初のタイミングを外すと、俺から話掛けるのは
かなり難易度が高くて、会話を続ける自信が無かった。
Y美に見つけて貰って向こうから声かけてくれないかな?
そんな事考えてたら、Y美は俺の横をすっと通り過ぎ、
CDコーナーの方へ移動して行った。
俺は、店の隅にある鏡でY美を追っていた。
Y美は、DVDを取ってそのまま移動し始めた。
Y美はそのDVDをトートバッグに入れると店の出口の方へ
向かって歩いている。
俺もY美が通った後をトレースするように移動した。
Y美が盗ったDVDは、洋画のエロいDVDで棚に空白が
あったので見間違いじゃなかった。
出口を見るとY美は店を出て自転車に乗ろうとしていた。
俺も慌てて店を出た。
店員から何か声掛けられるんじゃないか、自分が万引き
したみたいにドキドキしてた。
実際Y美が万引きするなんて信じられなかった。
Y美の後を全速力で追いかけた。
300mぐらいは離れていたけど、一本道なので
見失うことは無かった。
前の信号が黄色になってY美が止まった。
万引きの事、どう言おうかとも思ったが
その時は、正義感が勝ってたのか、僕はY美の
横に自転車を止めて、冷静を装うように声を掛けた。
Y美は、あ、と声を漏らしたが、至って普通だった。
秋山君、家こっちなん?いや、ちょっと遠出。
そんな言葉を交わしたが続かない。
俺から出てきた言葉は、
「今、俺本屋で見かけて・・追いかけたん・・」だった。
あ、雨きそうとY美がぼそっと言った側から、雨が振り出した。
近くにある、かなり大きな大社の境内に僕達は自転車を止めた。
人は疎らで、バスとかの待合室に入り雨宿りを始めた
待合室の扇風機をつけたが凄く蒸し暑かった。
外は土砂降りで会話もままならなかった。
Y美は、バッグからティッシュとハンカチを出すと
俺にティッシュを渡してくれた。
実際、かなり緊張してた。
万引きって直接言って無いけど、言ったことを
少し後悔してた。
Y美も俺もずぶ濡れで、ピンクのブラウスも
白のスカートも肌にぴったりくっついていて
流石に直視出来なかった。
ね、・・さっき店にいたん・・だ。
脚を拭きながら少しうつむいてY美から
話はじめた。
ハンカチを絞っては、つま先の方を拭いている。
ミュールっていうかちょっと大人っぽいサンダル
足の爪も淡いピンクで塗られていた。
背中側も濡れていて、ブラがはっきり透けていて
凄く年上の女性に感じた。
Y美のバッグに目をやる。
DVDが少し見える。
うん。入ってく所からいた。
万引きを見たと遠回しに言ってる俺。
ちょっと間が開いて、Y美が俺の膝に手を
当て、こっちを向いた。
ね、秋山君おねがい、黙ってて。
すがるような真剣な顔。
その表情を見た瞬間、さっきまで遠慮してた
俺とは別のスイッチが入って、自分でも意外な
言葉が出た。
うん、万引きの事、絶対言わないよ。
松下がAV盗んだって言わないから。
そういって、俺はY美の脚に手を当てた。
自分でもびっくりする大胆な俺。
Y美もびくっとした表情を見せたが、すぐにうつむいて
おとなしくなった。
俺前から、松下の事いいなって思ってたんだ、だから
今日本当にびっくりしちゃったよ。とか言いながら
多分、脚を触ってたんだと思う。
Y美の両手は、きつくスカートを押さえていた。
僕は少し力を入れてその手を払おうとしたけど
逆にY美が両手で俺の手を掴んだから、イラっとして
思わず、言うこと聞かないと学校中にばらすぞって
言ってしまった。
学校にばらす。・・・言ってしまった
その言葉は卑怯で惨めな気持ちになる。
松下は、美人でみんなから、ちやほやされて、俺とは
別の世界の人ぐらい違うって思ってて、今日だって
なんだよ、そんな格好してナンパでもされてえんじゃないとか
共犯で俺が捕まってたかも知れねえとか。
そんな意味不明な言葉を言って、Y美が掴んだ手を振りほどいた。
それからしばらく互い何もしゃべらなくなった。
俺は冷静になる事が出来ず息を荒げたまま、時間が過ぎたと思う
Y美の方を見る。さっきからY美はうつむいたままだ。
俺とは目も合わせない。
ごめん・・・・俺帰る。
やっと落ち着いてそう言ったら、ゆっくりこっちを向いて
盗ったの厭らしいんじゃないからと、バッグから浜崎あゆみ
のDVDを見せた。
あそこ警報鳴らないから、結構穴場でバレー部の子とか
みんな知ってる
ん・・・・。でもごめん。
俺の中で思ってた松下は居なくなった・・・。
そう言って扉を空けた。
空けた途端にすぐ近くで雷の凄い音が響いた。
今出ちゃ危ないよ!
Y美以上に俺の方がびびってしまった。
うん、そうする、マジびびったw笑ってそう言った。
Y美も笑ってくれたら、この雰囲気も変わるのに
相変わらず、無表情で気まずい。
雨止まないね?・・・うん。
松下家近いの?・・・うん。でも少しある。
気まずい。
さっきは・・あの、ごめん。俺、卑怯で・・。
ううん。・・・男子だから・・多分普通・・・と思う。
雷が頭の真上で鳴りだし、狭い部屋全体が震え恐しかった。
しゃべるネタもなくて二人とも恐怖から静かになって
時たま、今の落ちたとか、ポツリ俺が言う程度だった。
一際大きな、雷鳴が響いて、部屋の電気が落ちた。
停電しちゃった恐いね・・・。うん・・今のも近かったね
さっき出てたらマジ危なかったね・・・。うん。
Y美の方から話してくる。
薄暗く湿気で蒸せる部屋、この息苦しさ、間の悪さから早く開放されたい。
窓空けたら、雨入って来るかな?
そう言ってY美が窓を空けようとするが、開かない。
手伝うが空かない造りなのが分かって残念そうに、又座りなおす。
僕との間に置いたバッグを端に除け、その濡れてない所にちょこんと座った。
僕の脚とY美の脚が触れそうな距離。それだけの事が凄くドキドキする。
Y美を見る。やっぱりかわいい。私服もセンス良くって、東京の渋谷とか
歩いても絶対注目されるんだろう。ん?って言ってY美がこっちを向く。
きょとんとした表情、目が大きくてなんかキラキラして、色白くって
かわいすぎだろwwwって思ったら思わず顔がほころんだ。
??・・・今笑ったでしょ?ちょっと訝しそうな表情を見せて、手をおしりの下
にして座りなおす。いやその表情もかわいいよとかそんな冗談は言えない。
急にY美があーーっ!って言ったので、ど、どしたの?って聞いたら
体を傾けてスカートのおしりの方を見てる。
ま、まっくろ?うそー!!と言って今度は僕に見えるように(見えないが)
片手でふとももを持って覗きこんでいる。
白のフレアスカートは、濡れてぴったりとY美の脚にくっついて透けた脚が
艶かしい。脚だけじゃなく、上半身も薄いサーモンピンクのブラウスをまとった
ように濡れ、水色のブラがY美の形の良いバストをはっきり映して見えた。
あーあ、これ落ちるかなぁ・・・。
Y美は背中を僕に向けて立ち、スカートをひっぱり、汚れを払う動きをする。
あ、パンティーも水色なんだ。見ているのがばれない様に遠慮がちにチラ見する。
あ、松下って脚長いよね・・
一向に止めないから目のやり場に困って、そんな台詞言ってる。
え?そう?ありがとー!!でも太いから・・ってちらって一瞬スカートを上げる。
や、やべええwwマジやべええwww。内心かなり焦りまくり。
そしたら又雷がピカっと光った。遅れてゴロゴロと音が響く。
あっーー!!恐いぃー!!慌てて俺の隣に飛び込むように座ってくるY美。
その勢いに思わず腕を広げたら、俺の胸に顔をうずめ、本当に飛び付いて来た。
温かくって、想像してるより実際の女の子って華奢じゃないんだって、もたれて来る重さで
実感した。でも背中に廻した指の感触はとても脆いものに思えて、急に全てが愛おしくなって
ぎゅっと抱き締めたらY美もぎゅって僕を抱き締めた。
温かくって柔らかくって、何とも言えない甘い匂いが髪から漂う。
さっきの一言凄く響いた。ありがとう。僕には意味が良くわからず聞き返す。
んー俺の松下はそんな人じゃないみたいな事いったでしょ?
止めなきゃって思ってたけど、何時かばれて捕まるまで続くのかなって・・。
やっと理解した俺。うん。。。でも俺も卑怯だったし・・・学校でばらすって・・・
って言いかけたら、Y美が頭を上げて顔を近づけてくる。
叱ってくれて嬉しかったよ。そう言って又僕をぎゅうっと抱きしめる。
僕も抱き締めたら、あ、い痛いよ。あ、ご、ごめん、ごめんよ。

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