今も忘れられない同級生の母親[第2話]
2018/06/12
そして難波まで車で行って、ランチした後に映画を観た。
直接『好き』とかいう事は言ってないけど、俺の気持ちはある程度分かってくれていたとは思う。
だけどもお互い変に意識する事もなく、良い雰囲気でずっと楽しめてた。
ただ映画を観ていた時はひたすら隣の人の事が気になって、あまり内容は入ってこなかった。
この後、紀子宅に行ける事も、しばらく2人きりでいられる事にもドキドキした。
もう既にこの頃は抱き締めたり、キスもしたかった。
まず手に触れたかった。
とにかく紀子と手を繋ぎたかった。
人生で一番緊張した瞬間やった。
バクバクしまくりやったけど、(これはデートだから大丈夫!)と自分に言い聞かせて、手の平を紀子の手の甲に重ねてみた。
紀子はちょっとびっくりして手の甲をひっくり返したから、俺はもうパニって(どうしよう、調子に乗ってもうた、ヤバイ)と生きた心地がせず、すぐに自分の膝上まで引いてしまった。
紀子はこっちを見て小さく左右に首を振ったから(アカンもう終わりや)と絶望の淵に立ち掛けた瞬間、のりたんの左手が伸びてきて、俺の手の甲を優しく包んでくれたかと思うと、人差し指から小指までをキュっと握ってくれた。
(えっ!?えっ!?)とまだパニってる間に恋人繋ぎにしてくれて、優しく微笑んでくれた。
俺はこの時の感動を一生忘れない。
紀子が手の平をひっくり返したのは恋人繋ぎにする為で、首を振ったのも『自分は嫌なんじゃないよw』という事だったんだ。
嬉しくて嬉しくてもう半分泣きそうだった。
これからの人生でも決して味わう事の出来ないであろう甘い気持ちになった。
もう堪らなく好きになってて映画が終わるまでずっと手を握ってたが、さすがに人妻だから電灯がついた後はこちらから手を離した。
映画を観終わった後は高島屋で食材を買い込んで、パーツ屋で目当てのパーツもゲットして待望の紀子宅へ行った。
車での移動中も手を繋いだり、とにかく太ももに触れたかった。
今思うとたぶんそれぐらいは笑いながら許してくれたとは思うが、この時点であまり突っ走って警戒されてしまったら元も子もないと判断したので、努めて大人しくしてた。
会話自体は弾んでたので車中の雰囲気も良かったと思う。
当時を振り返ると、向こうも人妻なのだからいくら娘の同級生といっても、こちらの気持ちをある程度分かった上で、よく自宅で2人きりというシュチュエーションを許したなと思う。
そう考えると、ウォシュレットを直すという大義名分があったのが本当に大きかった。
それがあったからスムーズに手料理をご馳走してもらえる事になったし、向こうも自然な流れで自宅に招けたはずだから。
とは言え、こちらは意気込んでいてちょっと緊張もしていたが、向こうは全然そんな感じでは無かった。
基本優しい良い人なので、俺の中にどれだけの迸るエロマグマが渦巻いているかは想像出来なかったんだろうw
とりあえず俺は先週とは違い、紀子宅ではドキドキだったが、とにかく気分を落ち着けてウォシュレットの修理に全力を注いだw
何とか直して株を上げたいという思いが通じたのか、パーツを交換したら拍子抜けするぐらい簡単に直ってくれたw
とりあえず下ののりたんに報告に行ったら・・・。
「えええー!本当に直ったの?凄い、凄い!!何で直せるの?ありがとー!!」
「やったー!!またデートや!!」
「私で良かったらいつでもいいよ!」と、めっちゃ喜んでもらえてめでたく俺株ストップ高www
その後はリビングでゆっくり寛ぎながら色んな話をし、エビチリの完成を待っていた。
紀子は普段あまり酒を飲まないし弱いが、エビチリという事もあって一緒にビールを飲もうって事になった。
ちなみにエビチリも絶品だったから、「マジ結婚して!」と言うてもうたw
「本気にしちゃうよw」と笑顔付きの堪らん返しをされたw
この日のメインはエビチリだったから、他にも中華風五目やきそばとアワビのスープもあってんけど、アワビスープとかもはやこっちがメインちゃうのってぐらいゴージャスやった。
勿論全て最高に美味かった。
可愛いし、料理も抜群な紀子を見てるとデレデレになって「あ~ん」って甘えてもうたw
「ちょっとwホントに?」と照れてたけど、「だってデートやもんw食べさせてよw早く、あ~んw」って再びすると照れながらもエビチリを食べさせてくれた。
「めっちゃ美味しい。こうして食べるのが絶対一番美味いよ。試してみ、はい、あ~んw」
「ちょっと、ちょっと私はいいからw」
もうめっちゃ照れてるww可愛いww
「はい、はい、照れてる間に食べれるから。はい、早く、あ~ん」
「え~もう・・・」
困りながらも顔真っ赤にして口を開けたのでエビチリ食べさせたった。
「なっ!めっちゃ美味しいやろ?」
「確かに美味しいけど、もうどうしよう、ヤバいわ~」
左肘ついて頭抱えて困ってた。
「はい次俺、あ~ん」
「もうwハイw」
「おいちいwはい、のりたん、あ~ん」
「いや私はマジでもういいから」
「じゃ~俺がもらう、あ~んw」
「ホントにもうw」
「幸せ、めっちゃ美味しい」
「何度も食べさせてもらうのに遠いから」ってテーブルの向かい合わせに座ってたんやが、紀子の横に移動したった。
「ちょっと、ちょっと」
「でも横の方が近いし、楽やんw」
「マジで言うてんの?」
それまで紀子は丁寧に話してたんやが、ちょっと素の喋りになってて面白かった。
「大マジ!ホンマにのりたんに食べさせてもらうのが一番美味しい!めっちゃ幸せ」
「もう~仕方ないなぁw」と言いながらも紀子は「あ~ん」してくれた。
紀子はいらないと断りながらも、こちらが「あ~ん」を振ると、もう断るのも無駄かと観念したのか何だかんだで「あ~ん」で食べてたw
調子に乗った俺は「ちょっとお手々が寂しい。手を握りながら食べさせて」と言うたったw
「調子に乗り過ぎw」
「だって折角のデートやのに・・・寂しい・・・」
ってショボンとしたった。
「もう・・・分かったわよ。ちょっとだけだからね」
「ホントめっちゃ嬉しいw」
って早速恋人繋ぎにしたった。
「全くもうw」
「あ~んw」
「はい」
「もうとびきり甘くて美味しい」
「私こんな事してるの恵理子や友達にバレたら何て言われるか・・・」
「でも本当に嬉しい。人生で最高のご飯になってる」
って見つめてちょっと真剣に言うたった。
「ヒロ君って本当に口が上手いね」
「いやでもホンマやもん。俺今日の事一生忘れへん」
「私もちょっと忘れそうにないわ」
「のりたん、本当に綺麗」
「ちょっと、いきなり何よ」
「何でそんなに綺麗なんか教えて」
「そんな事言われても・・・」
ってここから晩ご飯食べ終わるまで俺がひたすらに褒めてた。
でもお世辞じゃなくて本当にそう思って褒めてたから伝わるところもあったんだと思う。
これまでちょっとじゃれてるような感じだったけど、言葉を重ねていく間に紀子は段々とトロンとしてきてるようで、照れながらも凄く喜んでくれてた。
紀子の笑顔は堪らなく可愛かったから、その笑顔見たさに更に褒めまくったw
一通りご馳走になって後片付けをしてもらってる間に、こちらは次の用意を始めた。
以前、友達の兄ちゃん(唐沢似なので以後唐沢)にオリジナルカクテルを作って口説き落とす話を聞いていた。
唐沢曰く、『やっぱり緊張を解すには酒が一番やねん』らしいw
「オリジナルカクテルゆ~ても簡単やで。何でもええからウォッカ買ってきて、オレンジ絞ったんで割ったらそれがもうスクリュードライバーやからな。コツは生オレンジをその場で絞るねん。味も美味いし、何よりわざわざ作ってくれてる感が凄く出るからな。ちなみに俺は1割ぐらいソーダも入れるけど、な。こんなんそれほど手間ちゃうねん。例えば車でデートする時でも、小型のクーラーボックスに氷と果物とスクイーザーだけ入れといたらええだけやからな。とにかくお前らぐらいの年齢で普通はそういう事でけへんから『何でそんなの作れるの?』てなるねん。
ほんだら喜んで欲しくて調べたとか、聞いてきたとか伝えれば、感激して下までジュクジュクになりよるで。
お前ら童貞は溺れ死ぬ危険性があるからフロートも持っていっとけよ」
最終的には最低なレクチャーをしてくれたが、唐沢は実際イケメンでモテるからそっち面では尊敬していた。
ちなみに唐沢は他にも、「バイブを使う前はほとんどの女が嫌がるけど、使って嫌がる女は1人もおらん。バイブを最強で使うとすぐ潰れる。あれこそ消耗品やで。女が変わればバイブも替えるのがマナーやで」と正しいバイブの基礎知識なども教えてくれたw
バイブの話はともかく、こういう話の1つ1つが、後にこれほど役に立ってくれるとはその時は知る由もなかったw
ほんでその日はバックの中にオレンジとウォッカとソーダ、それと念のためスクイーザーも持ってきていた。
さすがにバイブや、ましてフロートは用意しなかったがw
んでちょっとゴソゴソやってて・・・。
「ちょっとナイフ貸して欲しいんやけど」
「ん?何で?」
「ちょっとねw」
「え~なになに?気になるw」
「ちょっと小粋なプレゼントでもしようと思って」
「何それ?」
「特製カクテルを作るから、洗い物終わったら一緒に飲もうよ!」
「ほんとに!?凄いめっちゃ嬉しい。楽しみ。早く片付けるねw」
・・・と、もう何かウキウキしてた。
こちらがグラスや氷を借りて用意…