天然ぶりっ子の嫁がガッツリ浮気してた
2018/04/03
嫁が家にいない時に宅急便が来た。
ハンコはどこだと探していると、とんでもないものを見つけてしまった。
サイドボードの中の、細々としたものを入れるボックスの裏側に、隠すように置いてあった巾着袋。
何の気なしに中を見てみると、黒光りするペニスバンド。
嫁の志織は24歳で、まだ結婚して2年も経っていない。
嫁は今妊娠中だが、妊娠前はセックスは週に1~2回はしていた。
そして今、安定期に入って、そろそろまたセックスをしようと思っていたところだ。
(欲求不満だったのだろうか?)
でも普通のバイブじゃなくて、腰にベルトで装着するタイプの大人のオモチャだ。
(しかし何でペニパンなんだ?相手がいる?浮気?だが、浮気ならペニスバンドなんて必要ないはずだ・・・)
もっと情報を得ようとペニスバンドをマジマジと見ると、ベルトの調整部分のくたびれ感が凄い。
使い込んでいるということは、どういうことなのだろう?
巾着袋の中には、ワセリンも入っていた。
(何に使うものなのだろう?)
意味がわからない。
そもそも、このサイドボードは俺が触ることはほとんどない。
本当にたまたまサイドボードを開けてみた。
そして、ボックスが不自然に斜めだったので奥に何かあることに気がついた。
本当に見つけたのは偶然だった。
しかし、今のこの焦りと不安はなんだろう?
何か、今までの生活が一変してしまうのでは?
全てが無になるのでは?
吐き気すらする。
嫁とは大学時代のバイトで知り合った。
志織は、とにかくおっとりとした感じの性格で、見た目はお嬢様といった風貌だった。
ルックスは小倉優子に似ていると言われたことが何度かある。
馴れ初めは、元々バイトでは結構仲良く話したりする仲だったが、嫁の方から告白みたいな事をしてくれた。
バイトの休憩室で一緒になった時にいきなり、「ヒロ君もうすぐ誕生日でしょ?500円以内で何か欲しいものある?」と、ニヤけながら言ってきた志織。
いつものふざけた感じだったけど、俺の誕生日を知っていたことに驚いた。
「えっ!?よく知ってたな!なんか嬉しいよwでも、気持ちだけで十分だよw」
俺も照れながら、いつもの感じで軽いノリで言った。
すると志織は小さな小さな声で、「気持ちなんて、もう全部あげちゃってるのになぁ」と言った。
俺は、そのまま本当にフリーズしたように動けなくなった。
志織は、固まる俺を置き去りにして、逃げるようにホールに出て行った。
こんな感じで始まった二人の付き合いだった。
付き合ってる時も、デートの時に水筒を持ってきたり、手作りのおにぎりを持ってくるような感じで、しかも水筒の中の麦茶は凍らせていたりしてた。
おにぎりも、裸の大将が食べるのかよ?と思うくらいの馬鹿デカさだったりで、家庭的というか、素朴なところが好きだった。
結婚してからも、俺が床に体操座りみたいな格好で座ってテレビを見てると、その三角になった脚の間を無理矢理くぐり抜けて行き、「あーっ!もうっ!狭いなぁもっと痩せなきゃなぁ」等とブツブツ言う。
ブツブツ言いながらも、通るたびに通り抜けていく。
いちいち俺をキュンとさせる嫁だ。
なので浮気の心配など一度もしたことがなかった。
それが根本から揺らいでいる。
すると、玄関でカギを開ける音がする。
慌てて巾着袋を戻して、玄関に嫁を出迎えに行く。
もう妊婦だなぁと認識出来るくらいお腹が膨らんだ嫁。
妙に可愛らしい。
「ただいまぁ~wねぇねぇ、ガリガリ君買ってきたよ!クリームシチュー味だって!!」
目をキラキラさせながらガリガリ君を渡してくる嫁。
とても浮気しているとは思えない。
と言うか、していないに決まっている。
アレはオナニー用だ。
俺も嫁に内緒でテンガを使うこともある。
オナニーはセックスとはまったく別物で、セックスが充実していてもやりたくなるものだ。
そう思うことにした。
そして、クリームシチュー味を二人で食べて、意外に美味しいと盛り上がり、楽しく過ごした。
明日は日曜なので、「どうする?」と嫁に聞かれた。
「あぁ、朝イチで電気屋さん行くよ。掃除機が30台限定でメチャ安いんだ。家の、ハンドルのとこ割れてるでしょ?」
「え?駄目じゃない?30代限定でしょ?あぁ、別に身分証明とかは必要ないのかな?」
一瞬、何を言ってるのか判らなかったが、“30台”と“30代”の勘違いと気がついて爆笑した。
「なんで年齢制限があるんだよw」と突っ込む俺に、顔を真っ赤にしながら、「あぁ、そっちか、も~~うっ!言わないでよぉっ!」と照れまくる嫁。
本当に、良い嫁をもらったと思えた。
そして食事をして、仲良く一緒に風呂に入り、一緒に手を繋いで寝た。
今は、なるべく負担にならないように、出来るだけ俺が家事をやっている。
料理は出来ないので、片付けとか掃除洗濯だが、イヤと思ったことは一度もない。
このまま幸せがずっと続くと思っていた。
だけど、なかなか寝付かれなかった。
妄想ばかりが膨らむ。
そんな俺の心など、当然知るよしもない嫁は、いつも通りギュッと手を繋いだまま可愛い寝息を立てていた。
そして、何も変わらないいつも通りの日々が続いた。
が、一度気になりだしてしまったら忘れる事は出来なかった。
色々と悩んだ末、嫁の携帯のメールを盗み見たりしたが、まったく怪しいところはなかった。
やっぱり気のせいかと思いながらも、モヤモヤした日々を送っていた。
ふと、高校の時に仲の良かったタケルという友人が、いわゆる探偵事務所に勤務していた事を思い出した。
不思議なもので、あれだけ高校の頃つるんでいたのに、違う大学に行った事で、ほとんど会わなくなっていた。
久しぶりに電話をしたら、聞き慣れた声が響いた。
一気に高校の頃に引き戻されたように、あの頃と変わらない感じで話をした。
長い時間があいても、一瞬で昔に戻れるのは良いものだと思いながら、ちょっと相談に乗って欲しいと言ってアポを取った。
タケルは、今は独立して探偵業をやっているそうだ。
なかなか大変だろうと思うが、たいしたものだと感心する。
コーヒー屋で待ち合わせて、「久しぶりっ!」
「元気かよ~?w結婚したって?」と、久々に再会。
あの頃の話、共通の友人の近況、当時の担任の話、可愛かった同級生の話などで盛り上がり、すぐに相談するはずが1時間以上話し込んでいた。
「で、相談って?金ならないぞw」
タケルが笑いながら言う。
「あぁ、実は壺を買ってもらおうかと」
「そっちかw」
そんな風にふざけたが、心を落ち着けて相談を始めた。
ただ黙って話を聞くタケル。
俺が話し終わると、「本当に調べたいのか?」と、短く聞いた。
「あぁ・・調べたい」
迷ったが、そう答えた。
「わかった。お前の頼みだから、裁判とかで使える使えないは別として、全ての手段で情報収集するよ」
たぶん、合法、違法は問わずに調べてくれるという意味だと思う。
「よろしく頼む。費用は?どうすればいい?」
「慰謝料取れたら、実費だけもらうよ」
タケルがそう言う。
「い、慰謝料?やっぱ・・・、黒だと思うか?」
俺は戸惑いながら聞く。
「悪いけど、たぶんな」
「そっか」
さっきまでの思い出話のハイテンションが嘘のように、テンションが低くなった。
そして、また日常が始まり、3週間後にタケルから電話があった。
ただ、実を言うとタケルに頼んだ事を忘れていた。
それくらい嫁は、いつも通りで愛らしく、ペニスバンドを見つける前と何も変わらず幸せな毎日だったからだ。
その電話で、嫌な現実に引き戻された感じになる。
待ち合わせのコーヒー屋に着くと、タケルはもう来てコーヒーを飲んでいた。
緊張しながら挨拶をして、席に着く。
「これ、一通りあるから、後は弁護士と話しな。知り合いにいなければ弁護士紹介する」
言葉少なに、気持ち申し訳なさそうに言うタケル。
「それってやっぱり・・・」
「あぁ悪い・・・」
謝るタケル。
「いや、謝る事ないし、そっか、悪かったな」
「あぁ、じゃあ、今日はもう行くわ」
「あぁ、お疲れ様」
タケルは居た堪れない感じで席を立つ。
(このA4サイズの封筒の中に、俺の幸せを壊すものが入っている)
手が震えるのを抑えられない。
とりあえず、一人で確認出来る場所ということで、マンガ喫茶に入った。
個室ブースに入り、封筒から中身を取り出す。
BMWの助手席に乗って、ラブホテルから出てくる嫁。
見た事のないマンションに40がらみの男と腕を組んで入っていく嫁。
同じ男と、シティホテルのロビーで一緒にいる嫁。
そのホテルの部屋らしきところに二人で入る嫁。
涙が一気に溢れ出した。
自分でも驚くほど涙が流れる。
どう見ても、黒だ。
浮気していた。
そして報告書を読む。
40がらみの男は、都内で結構な規模の歯科医院を経営する43歳(既婚、子供2人、一軒家持ち)。
志織との密会用に賃貸マンションも契約している。
男の自宅の写真、男の妻、子供の写真。
絵に描いたような裕福な家庭だ。
幸せそのものに見える。
報告書には、もっと衝撃的な事実が書いてあった。
嫁と男が知り合ったのは、嫁が大学時代に密かにバイトしていたメイドリフレの店だったそうだ。
嫁は、俺が知る限りでは、本屋さんでバイトしていた。
文学少女みたいな感じだった。
風俗ではないとは言え、メイドリフレみたいな店でバイトしていたとは、夢にも思っていなかった。
ああいうお店は、女性とはちょっと縁が遠いアキバ系の男の子達を疑似恋愛みたいな手法でハメて搾…